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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

緊急時避難準備区域解除12年、未来は暗い

 緊急時避難準備区域が2011年9月30日が解除されてから(1)明日で12年になります。状況を見ると
・避難指示解除12年経ても残る汚染
・事故前に比べ半分以下になった出生
・回復しない一次産業
等の特徴があり未来は暗そうです。
 緊急時避難準備区域は主に福島第一原発から30km圏内の避難地域指示区域を除く地域に設定されました(2)。概ね、広野町の全域、川内村の大部分、南相馬市の主要部分および田村市に出されました(1)。このうち田村市は2016年12月時点で、全市の人口37,764人中(3)で対象者は4,497人(4)なので一部です。南相馬市、広野町および川内村が主な対象地域です。避難指示は出ませんでいが、避難指示が出た場合は「自力」で直ちに避難することが求められた地域です。ただし学校は生徒ともども区域外に避難しました(2)。また、広野町や川内村は「町村」として避難を決めました(5)(6)。南相馬市では震災以前の「緊急時避難準備区域」内居住人口は約46,744人(市全人口71,559人)でしたが、避難のピーク時にあっては7千~8千人程度に減少したものと南相馬市は推測しています(7)。事実上は避難区域となりました。そして2011年9月30日に解除されました(1)。明日で12年になります。以下に示します。
解除から12年を経て汚染されている緊急時避難準備区域   凡例
 ※1(8)(9)にて作成
 ※2 旧緊急時準備区域と旧避難区域は(1)による。
 図―1 旧緊急時避難準備区域

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(10)を超えた地域が広がっています。解除から19年ですが、今も汚染されたまたです。
 今からおおよそ10年前の2013年9月に南相馬市、広野町、川内村(以下3市町村と略す)には10代後半女性が合わせて1,679人いました。それから10年を経て、彼女たちは20代後半になっています。2023年9月の20代後半女性は906人です。残ったのは全体の54%(906÷1,679×100)で、2010年9月当時は10代前半だった女性の半分近くが、この10年間で去っていきました。以下に3市町村の10代後半の方が10年後に残っている割合を示します。
若い女性が残らない緊急時避難準備区域
 ※1(3)を集計
 ※2 日付けは10代後半時点
 図―2 南相馬市・広野町・川内村の10代後半の方が10年後に残っている割合

 事故前から若い方の脱出はありました。事故前の2001年から2011年3月では男性76%、女性65%で、男女とも70%前後です。近々10年(2013年9月⇒23年9月)では男性75%、女性54%で男性は変わりませんが、女性は大きく落ち込みました。この10年で半分近くの若い女性が出ていきました。
 福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
福島の綺麗な女性
 ※(11)をキャプチャー
 図―3 福島の綺麗な女性

 何処へいっても歓迎されます。あえて汚染されている旧緊急時避難準備区域に残る必要はありません。
 若い女性がいなくなれば赤ちゃんが生まれなくなります。以下に3市町村の各年8月から翌年7月までの1年間の出生数を示します。
減少が続く緊急時避難準備区域の出生数
 ※(3)を各年9月から翌年8月までの1年間で集計
 図―4 南相馬市・広野町・川内村の合計の出生数

図に示しようにどんどん減っています。数値を記載すると
 事故前(2009年9月~10年8月) 659人(男の子330人、女の子329人)
 近々1年(2022年9月~23年8月)291人(男の子160人、女の子131人)
で事故前の約4割にへりました。これからも減って行きます。3市町村は子供が生まれなくなり老人と男だけになりそうです。
 以下に3市町村の一次産業生産額の推移を示します。
 回復しない緊急時避難準備区域の1次産業
※(12)を集計
 図―5 南相馬市・広野町・川内村の一次産業生産額

 図に示しように、事故後に急激に落ち込み回復の兆しがありません。
地図と照合すると原ノ町駅(南相馬市)は、旧緊急時避難準備区域内にある駅です。以下に乗車人員の推移を示します。
回復しない原ノ町駅の乗車人員
 ※(13)を集計
 図―6 原ノ町駅の乗車人員

 図に示すようにこちらも回復していません。
 緊急時避難準備区域が解除されてから今日で12年になります。状況をみると
・避難指示解除12年半へても残る汚染
・事故前の約4割にまで減った出生
・回復しない一次産業
等の特徴があり未来は暗そうです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 復興(ふっこう)とは、一度衰えたものが再び勢いを取り戻す事を指します(14)。旧緊急時避難準備区域は解除されてから10年になりました。でも、事故前の勢いが戻る気配はありません。福島の旧避難区域や旧緊急時避難準備区域の復興はあり得ない気がします。これからもどんどん衰退していくと思います。一方、岸田総理は東日本大震災からの復興等で歴史に残る業績を残した事を理由に(15)、国葬を強行しました(16)。でも、福島は復興していません。こんなフェーク総理では福島の皆様は不安だと思います。
 福島県に水揚げされる魚のなかで、年間の水揚げ額が最も高いのがカツオです(17)。今年も初ガツオの水揚げがりました(18)。汚染水の海洋放出が行われましたが(19)、福島県は福島産は安全だと主張しています(20)。でも、福島県南相馬市のスーパーのチラシには福島産カツオはありません。
他県産はあっても福島産カツオが無い福島県南相馬市のスーパーのチラシ
 ※(21)を引用
 図‐7 福島産カツオが無い福島県南相馬市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島産南相馬市の皆様を見らない「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事―
(1)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(2)>緊急時避難準備区域について -首相官邸ホームページ-
(3)福島県の推計人口(令和5年9月1日現在) - 福島県ホームページ
(4)田村市民の避難状況動向調査報告 - 福島県田村市ホームページ
(5)広野町 - Wikipedia
(6)川内村における震災後の状況と 復興に向けて
(7)>緊急時避難準備区域解除に係る復旧計画/南相馬市公式ウェブサイト -Minamisoma City-
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(9)
第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(10)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(11)福島県内ニュース|KFB福島放送
(12)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(13)>原ノ町駅 - Wikipedia
(14)復興 - Wikipedia
(15)令和4年8月31日 岸田内閣総理大臣記者会見 | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ
(16)安倍晋三元首相国葬 賛否の中、55年ぶり吉田茂以来 | 共同通信
(17)小名浜のカツオ|福島県|全国のプライドフィッシュ|プライドフィッシュ
(18)【動画あり】初夏の味覚、輝く青 福島県いわき市の小名浜港 カツオ今季初水揚げ | 福島民報
(19)ニュースリリース - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒2023年9月⇒2023年9月11日 福島第一原子力発電所 測定・確認用設備のタンクB群からの放出完了について(第1回放出)(523KB)
(20)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(21)Webチラシ情報 | フレスコキクチ北町店
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  1. 2023/09/29(金) 19:46:26|
  2. -
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葛尾村、居住者減が続く

 2016年6月12日に避難指示が概ね解除された福島県葛尾村(1)の新規転入者を含む居住者は
 6月1日 468人(3)(ピーク)
 8月1日 467人(4)
 9月1日 466人(5)
と減少に転じました。
 福島県葛尾村は福島県東部を南北に連なる阿武隈高地に位置する山村です。原発事故によって全村に避難指示が出されました(1)。
 事故から12年以上が過ぎて汚染されている福島 凡例  
 ※1(6)(7)にて作成
 ※2 旧避難区域は(8)による
 図-1 福島県葛尾村

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(9)を超えた地域が広がっています。事故から12年近くですがが葛尾村は今も汚染されたままです。
 福島事故直後に二種類の避難区域が設定されました。警戒区域と計画的避難区域です。警戒区域は事故直後の2011年3月12日に設定されました。計画的避難区域は事故後にしばらくしてから放射線量が高いことが判明し設定された避難区域で、設定されたのは事故から1ヶ月以上が過ぎた2011年4月22日です(9)。さらには、警戒区域では残された家畜は殺処分となりました(10)。一方で、計画的避難区域では一定の条件下で家畜の持ち出しが認められました(11)。計画的避難区域は家畜の持ち出し等の為になかなか逃げなった村です。葛尾村の酪農家は、牛の世話や避難のために村に残り、村を出たには6月頃と話しています(12)。葛尾村の大部分は計画的避難区域になりました(8)。事故前に葛尾村では3,448頭の牛と3,863頭の豚が飼育されていした(13)。これは事故前(2011年3月)の人口1,524人(14)を超えます。
 以下に各年8月から翌年7月までの葛尾村の赤ちゃん誕生数を示します。
出生数の減少が続く葛尾村
 ※ (14)を各年8月から翌年7月までの1年間で集計
 図―2 福島県葛尾村の赤ちゃん誕生数

 図に示すように2012年8月以降は女の子が多く生まれています。2012年7月以降を合計すると
 男の子 40人
 女の子 61人
で、女の子が多くなっています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差があるとさえる5%(15)以下の3.7%でした(16)。通常は男の子が多く生まれるので(17)異常な事態です。
 福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
 福島の綺麗な女性
※(18)を引用
 図―3 福島の綺麗な女性

 でも喜んでばかりはいられないようです。放射線影響研究所は広島や長崎で遺伝的影響がな事の根拠に生まれている赤ちゃんの男女の比率に異常がない事あげています(19)。広島や長崎では起きなかった事が福島県葛尾村では起きています。
 それでも自公政権は「安全」だとして(20)、2016年6月12日に大部分で避難指示を解除しまた(1)(8)。そして村再興の試みがなされています。
 2016年4月、  凍み餅の販売再開(21)。
 2016年4月   「しみちゃん」が葛尾村のイメージキャラクターとなる(22)。
 2018年3月    故安倍元総理が葛尾村を訪問、凍み餅のプレゼンを受ける(23)。
 2018年9月    酪農再開(24)
 2018年秋     養鶏(ブロイラー飼育)再開(25)
 2019年9月28日 江戸時代に同村で上演されていた能と狂言の舞台が約160年ぶりに復活(26)
 2020年1月2日  村内で成人式(27)
 2021年3月    村内で聖火リレー(28)
 2021年5月~   村内でのTOKIOの米作りが全国放映が始まる(29)。
 2022年6月5日  岸田総理訪問、あぜりんかんを訪れる(30)
 2022年6月12日 特定復興拠点の避難指示解除(31)。
 2022年6月19日 2年連続で村内でのTOKIOの米作りが全国放映される(32)
 以下に葛尾村民の居住状況を示します。
住民が戻らない葛尾村
 ※1(2)(5)を集計
 ※2 事故時は(14)による
 図―4 葛尾村民の居住先

 図に示す様に住民は戻りません。8月1日時点の新規転入者を含む居住者は
 対象  対象 1,289人中 466人(対象の36%)
と(5)、住民が戻りません。ピークの2003年6月の居住者は468人、先月(8月1日)の居住者は467人ですので、居住者は減っています。
 若い方はもっと戻りません。今から10年前の2013年8月に葛尾村から避難した10代後半女性は29人です。彼女達は今(2023年8月)20代後半になっています。2023年8月時点で葛尾村の20代後半女性の現住人口は9人です。村に戻ったのは31%(9÷29×100)です。このように計算した10代後半の方が10年後に残っているないし戻っている割合を以下に示します。
若者が戻らない葛尾村
 ※1(14)を集計
 ※2 日付は10代後半時点
 図-6 葛尾村の10代後半の方が10年後に残っているないし戻っている割合

 図に示すように事故の影響がない2001年3月⇒2011年3月では男女とも63%の方が村に残りました。それが近々10年の2013年8月⇒2022年8月では
 男性 21%
 女性 36%
です。若い方は葛尾村に戻りません。若い方が戻らない葛尾村ではやがて子供が生まれなくなります、図-2に示す通り葛尾村の出生数は大幅に減っています。数値を記載すると
 事故前(2009年8月~10年7月)10人
 近々1年(2022年8月~23年7月)3人
で3分の1以下に減っています。やがて子供が生まれなくなり、葛尾村は滅びます。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島復興は道半ばなんて主張があります(33)。でも、葛尾村には住民が戻りません。「道半ば」とは、アベノミクス道半ば(34)と同様に、時間は立ったが実現できていない事を意味するようです。そして、事故から12年半が過ぎた今も、福島の皆様は放射能に注意しなくてはならないようです。
 福島を代表するくだものにリンゴがあります(35)。今年も出荷が始まりました(36)。福島県須賀川市は福島3位の産地です(37)。同市あたりのリンゴは最高の食材です(38)。福島県は福島産は「安全」だと広報しています(39)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産リンゴはありません。
他県産はあっても福島産リンゴが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
 ※(40)を引用
 図―7 福島産リンゴが無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ 

 (=^・^=)も福島県須賀川市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)葛尾村 - Wikipedia
(2)広報かつらお 令和5年度 - 葛尾村ホームページ
(3)(2)⇒広報かつらお(7月号) [PDFファイル/8.69MB]
(4)(2)⇒広報かつらお(9月号) [PDFファイル/5.97MB]
(5)帰村・避難の状況(9月1日現在) - 葛尾村ホームページ
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(7)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(8)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(9)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(10)警戒区域内の家畜の安楽死処分の対応に関するQ&A:農林水産省
(11)計画的避難区域及び緊急時避難準備区域における家畜の取扱い等について:農林水産省
(12)吉田よしだ 健つよし さん | 葛尾村 | 双葉郡未来会議
(13)わが葛尾村の農業 -022/036page
(14)福島県の推計人口(令和5年8月1日現在) - 福島県ホームページ
(15)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(16)めげ猫「タマ」の日記 葛尾村、居住者減"めげ猫「タマ」の日記 葛尾村、居住者減
(17)出生性比
(18)福島県内のZ世代が地域の課題解決に取り組む 『SFF』が高校生に活動紹介|福島中央テレビニュース|福島中央テレビ
(19)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
(20)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判  :日本経済新聞
(21)伝統の「凍み餅」を守り、次世代へ
(22)葛尾村公式イメージキャラクター「しみちゃん」について - 葛尾村ホームページ
(23)平成30年3月10日 福島県訪問 | 平成30年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ
(24)福島・葛尾村に北海道から乳牛 年内出荷に向け酪農を再開 - 産経ニュース
(25)養鶏再開 畜産復興へ光 福島・葛尾村で7
(26)福島・葛尾村、160年ぶりに能 原発被災からの復興アピール | 共同通信
(27)広報かつらお 2019年度 - 葛尾村ホームページ広報かつらお2月号 [PDFファイル/6.06MB]
(28)東京オリンピック聖火リレー | 一般社団法人葛尾むらづくり公社
(29)DASH村 ~福島・葛尾村の荒れ地を田んぼに~|ザ!鉄腕
(30)令和4年6月5日 福島県訪問 | 総理の一日 | 首相官邸ホームページ
(31)福島県葛尾村復興拠点の避難指示解除 帰還困難区域で初 野行地区の居住再開 | 福島民報
(32)福島中央テレビ スタッフ情報 on Twitter: "6/19(日)夜7時
(33)福島の復興・再生は道半ば、2020年度版原子力白書が指摘 | EnergyShift
(34)「アベノミクス道半ば。金融政策を転換する状況にない」自民・世耕氏:朝日新聞デジタル
(35)くだもの図鑑 – くだもの消費拡大委員会
(36)わせ種のリンゴ「紅玉」の収穫ピーク 猛暑の影響も 伊達市|NHK 福島県のニュース
(37)くだものづくりがさかんな福島盆地 福島大学
(38)特産品 - すかがわ岩瀬 | JA夢みなみ
(39)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(40)ザ・ビッグ 須賀川店のチラシ・特売情報 | トクバイ
  1. 2023/09/28(木) 19:45:34|
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(9月26日発表)―セシウム汚染食品の市場流出を12日間秘匿する岸田政権―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)(3)。9月15日までの検査結果が9月26日に11日遅れで発表になりました(4)。まとめて見ましたので、お買い物の参考に頂ければ幸いです。前回に続き(5)基準値(6)を超えるセシウムを含むセシウム汚染食品が見つかっています。しかも市場からです。事故から12年半ですが、セシウム汚染食品の市場流出が止まりません。牛肉を除く厚労省発表分の検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数 136件中1件の基準超え
  ②平均は1キログラム当た1ベクレル、最大130ベクレル(岩手県産コウタケ)。
 厚生労働省や福島県の発表(1)(2)を解析すると
 ・セシウム汚染食品の市場流出を12日間秘匿する岸田政権
 ・茨城産ミギガレイからセシウム、福島産は887連続(ND)
 ・福島県伊達市でリンゴの出荷が始まる。検査結果はありません。
 ・福島産玄ソバから事故後最高のセシウム
等の特徴があり、福島産は「安全」とは言えません

1.セシウム汚染食品の市場流出を12日間秘匿する岸田政権
 市場で売られていた岩手県産コウタケから基準値の1キログラム当たり100ベクレルを超える同130ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました。検査は9月11日に終わっていたのですが(7)、発表されたのは12日後の9月26日です。この間に知らずに食べて被ばくした方がいそうです。岸田政権はセシウム汚染食品の市場流出がみつかっても、しばらく秘匿します。

2.福島産海産魚は1,312件連続ND,隣県ではセシウム
 以下に2023年度の海産魚の検査結果を示します。
隣県では見つかっても福島産海産魚からは見つからないセシウム
 ※1(1)(2)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは採取日
 図―1 海産魚の検査結果

 図に示すように青森、宮城、茨城、千葉県産からセシウムが見つかっています。一方で福島県が検査した福島県産海産魚は厚生労働省や福島県の発表(1)(2)を数えると1,312件連続で検出限界未満(ND)です。一方で、宮城県、茨城県、千葉県産からは見つかっています。
 海は繋がっているのに、他では見つかっても、汚染源がある福島産からはセシウムが見つから無い等はおかしな話です。海産魚等の福島産農水産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(1)を見ると概ね福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(8)実施しています。中立性に疑問があります。
 福島産は他よりも低く出る出荷前検査で安全とされ出荷されます。


2.福島県伊達市でリンゴの出荷が始まる。検査結果がありません。
 福島を代表するくだものにリンゴがあります(9)。福島県伊達市は福島県2位のリンゴの産地です(10)。今年も出荷が始まりました(11)。以下に示します。
事故から12年半を経て汚染されている福島 凡例 
 ※1(12)(13)にて作成
 ※2 旧避難区域は(14)による。
 図-2 福島県伊達市

 図に示す様に、旧避難地域に隣接し、12年半が過た今もICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(15)を超えた地域が広がっています。同市はあとで放射線量が高いことが判明し特定避難勧奨地点が、避難指示が出なかった市町村で唯一設定されました(16)。同市は避難しなかった市町村でもっとも汚染が酷い市です。確り検査して欲しいと思います。伊達市産リンゴの検査結果を以下に示します。
 検査結果が出て来ない福島県伊達市産リンゴ
※(17)を引用
 図-3 福島県伊達産リンゴ検査結果

 図に示すように検査結果が出て来ません。福島県は汚染が酷い主要産地の検査をしていません。それでも、福島県は福島産の安全を検査で安全を確認していると主張しています(18)。
 福島産は検査されていなくても、検査で「安全」とされ出荷されます。

3.福島産玄ソバから、事故後最高のセシウム
 福島産玄ソバから基準値の1キログラム当たり100ベクレル(6)の4倍を超える同434ベクレルのセシウムがみつかったと発表がありました(19)。以下に検査結果を示します。
事故後最高のセシウムが見つかった福島産玄ソバ
 ※1(1)(2)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは収穫日
 図-4 福島県産玄ソバの検査結果

 図に示す様に、事故後の最高値です。事故から12年半ですが、福島産は今も事故後最高のセシウムが見つかります。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 ・セシウム汚染食品の市場流出が見つかってもしばらく秘匿する岸田政権
 ・他より低く出る出荷前検査で「安全」とされ出荷される福島産
 ・検査していなくとも、検査で「安全」とされる福島産
 ・今もって事故後最高のセシウムが見つかる福島産
 これでは「福島産、食べて応援、あの世行き」です(20)。
 (=^・^=)は心配なので
  「買わない」「食べない」「出かけない」の「フクシマ3原則」
を決めています。でも、これって(=^・^=)だけでは無いようです。
 9月も下旬となり福島は新米の季節です(21)。福島県郡山市は福島最大のお米の産地です(22)。同市のお米は「あさか舞」といいておいしいお米です(23)。安全なので2011年産米すら、学校給食に使われました(24)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(25)を引用
 図‐5 福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)加工食品等の放射性物質検査について - 福島県ホームページ
(4)食品中の放射性物質の検査結果について|厚生労働省
(5)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(9月19日発表)―今年の福島産米はセシウム入り―
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)(3)⇒3 国立医薬品食品衛生研究所における検査⇒  検査結果[18KB]⇒No13
(8)農林水産部 - 福島県ホームページ
(9)くだもの図鑑 – くだもの消費拡大委員会
(10)くだものづくりがさかんな福島盆地 福島大学
(11)わせ種のリンゴ「紅玉」の収穫ピーク 猛暑の影響も 伊達市|NHK 福島県のニュース
(12)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(13)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(14)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(15)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(16)>緊急時避難準備区域について -首相官邸ホームページ-
(17)品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報⇒果物⇒ら行⇒に⇒リンゴおよび伊達市で検索
(18)水・食品等の放射性物質検査 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(19)(2)⇒令和5年9月20日公表:穀類(R5年9月13日採取分) [PDFファイル/80KB]
(20)めげ猫「タマ」の日記 福島産、食べて応援、あの世行き(2022年度)
(21)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(22)>福島県[郡山市]の農作物 | 水稲 夏秋きゅうり にんにく いんげん | 雑穀類, いも類, 米, 麦類, 野菜, 果物 | 生産/収穫/作付面積 | 福島県と日本の中の順位 | 市町村 | ジャパンクロップス
(23)福島県郡山産米 あさか舞 - 郡山市公式ホームページ
(24)JA郡山市|事業PR
(25)イトーヨーカドー 郡山店 | 福島県 郡山市イトーヨーカドー 郡山店 | 福島県 郡山市

テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記

  1. 2023/09/27(水) 19:42:00|
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福島民友社説「【9月24日付社説】処理水・海洋放出1カ月/応援を励みに復興の加速を」に反論する。

 福島県の地方紙・福島民友は9月24日付社説で、福島第一からの汚染水海洋放出がはじっまたのに(1)、福島産水産物の価格が下落したかったことを取り上げ(2)「本県は風評被害で長く苦しめられてきた。」と(1)、あたかも消費者のフクシマ産忌避が解消したように論じていました。でも多くの消費者は「フクシマ」を正しく理解し、結果としてフクシマ産を避け続けています。
 福島は原発事故によって汚染されました。
事故12年過ぎて汚染されている福島 凡例
 ※1 (3)(4)にて作成
 ※2 避難地域は(5)による。
 図―1 福島県郡山市・三春町、相馬・南相馬市、いわき市

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(6)を超えた地域が広がっています。原発事故から12年半ですが福島は汚染されています。
 以下にブリの検査結果を示します。
隣県では見つかっても福島産ブリからは見つからないセシウム
 ※1(7)(8)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは採取日
 図―2 ブリの検査結果

 図に示すように岩手、宮城、茨城、千葉県産からはセシウムが見つかっています。一方で福島県が検査した福島県産ブリは厚生労働省や福島県の発表(7)(8)を数えると292件連続で検出限界未満(ND)です。
 海は繋がっているのに、他では見つかっても、汚染源がある福島産からはセシウムが見つから無い等はおかしな話です。ミギガレイ、ブリ等の福島産農水産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(7)を見ると概ね福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(9)実施しています。中立性に疑問があります。
 福島産は他よりも低く出る出荷前検査で安全とされ出荷されます。
 これでは福島の皆様の健康が心配です。福島県にあるひらた中央病院は、福島産米や野菜について避けるか否かのアンケート結果を発表しています。以下に示します。 

 表―1 福島産を許容すかのアンケート結果
 ※(10)を集計
郡山・三春で許容される福島産米

 福島県は福島を7つの生活圏に区分しています。県中地域に属する郡山市・三春町、相双地域に属する相馬・南相馬市(11)をひとまとめにして比較してみることにしました。表から計算すると、郡山市・三春町では福島産米や野菜を共に許容する方は67%です。一方で相馬・南相馬市では7%です。同じ福島県内でも地域によって福島産に対して温度差があります。福島県の発表(12)を今1から7月で集計すると、福島産米と野菜を共に許容する方が67%の福島県郡山市・三春町の葬式(死者)数は、 
 事故前(2009年1-7月)1,859人
 今年(2023年1-7月) 2、374人
で、29%増えています。このような事が偶然に起こる確率を検査したら約40兆分の1でした(13)。福島産米と野菜を共に許容する方が7%の相馬・南相馬市の葬式(死者)数は 
 事故前(2009年1-7月)788人
 今年(2023年1-7月) 823人
で、あまり変わりありません。無論、統計的な差もありません。福島産米と野菜を共に許容する方が37%のいわき市の葬式(死者)数は 
  事故前(2009年前半)2,409人
  今年(2023年前半) 2,762人
で15%増えています。郡山市と相馬市・南相馬市の中間でしょうか? 
 以上の事実から葬式(死者)数の増加率と福島産米や野菜を共に許容する方の割合をまとめました。
 福島産を許容する地域程増える葬式
※(10)(12)を集計
 図―3 葬式(死者)数の増加率と福島産の許容割合

 図に示す様に福島産を許容する程に葬式(死者数)が増えています。
 福島は図-1に示す様に原発事故で汚染されいますが、図-2に示す様に検査には疑義がります。そして図-3に示す様に福島産を許容する地域程、葬式が増えています。汚染され葬式が増えた地域がある福島の産物は避けられて当然です。
 福島を代表するくだものにモモがあります(14)。7,8月がシーズンです(15)。モモの最大産地の山梨県(福島県は2位)(16)と福島県の各年7、8月のモモの価格を比較してみました。
12シーズン連続で安値が続く福島のモモ
 ※(17)を集計
 図―4 山梨・福島のモモ価格

 福島のモモは事故前から山梨産に比べ安かったですが、事故後にさらに安くなりました。そして今年も継続しています。
 図-1に示す様に、
事故後に大幅にへったままのいわき市の海水浴客数
 ※(18)(19)を集計
 図-5 いわき市の海水浴客数

 原発事故後に大幅に落ち込み回復しません。数値を記載すると
  事故前(2010年) 801,413人(18)
  今年(2023年)   63,947人(19)
で、大幅に減っています。
 福島は汚染されており、避けられるのは当然です。ところが福島のマスコミはこれを「風評被害」とよんでいます(20)。
 福島第一原発からの汚染水の海洋放出がはじまりました。福島産のさらなる価格低下が心配されていたのですが(21)、今のところは起きていません。この現象を福島県の地方紙・福島民友は「【9月24日付社説】処理水・海洋放出1カ月/応援を励みに復興の加速を」を
 「東京電力福島第1原発の廃炉作業で生じる処理水の海洋放出開始から、1カ月となった。」
と書き出し
 「放出開始後、県内の宿泊施設へのキャンセルなどがあったものの、目立った風評被害は確認されていない。加えて、本県に水揚げされる「『常磐もの』を食べようという動きが盛んになり、本県の自治体へのふるさと納税の寄付額が増加するなどしている。」
と論じ
「本県は風評被害で長く苦しめられてきた。しかし、本県を応援している人も数多くいる。そのことを忘れず、今後の放出作業を廃炉の加速と復興に向けた歩みにつなげていきたい。」
と結んでいます。あたかも、「風評」と呼ばれる福島忌避が改善したような主張です。図―4,5に示す様に、改善していません。ただ海洋放出によって劣化しなかっただけです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 原子力ムラや自公政権あるは福島県が絶対に取り上げない事に「放射線被ばくの状況を変化させるいかなる決定も、害より便益を大きくするべきである。」との正当化の原則がありあす(22)。
 以下に福島県本宮市産米の検査結果を示します。
セシウム入りが確認された福島産米
 ※1(7)(8)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは収穫日
 図-6 福島県本宮市産米の検査結果

 図に示す様に、今年(2023年)はセシウム入りです。福島産米を食べる行為は被ばくリスクを負う「害」があります。一方で、お米であれば敢えて福島産を食べる理由はありません。福島産を食べる行為は「害」はりますが「便益」はありません。福島産を避けるのには明確な根拠があります。この思いは福島の皆様も同じです。
 福島を代表する食材にナメコがあります(14)。福島のナメコはぬめりが強くしっかりした歯ごたえが特徴です(23)。福島県は「フクシマ産」は安全と広報しています(24)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシに福島産ナメコはありません。
他県産はあっても福島産ナメコが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 ※(24)を引用
 図―7 福島産ナメコが無い福島県*のスーパーのチラシ 


 (=^・^=)も福島県*の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)【9月24日付社説】処理水・海洋放出1カ月/応援を励みに復興の加速を:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(2)「水産物の価格はおおむね例年通り」処理水放出開始から1か月【福島県】|福島中央テレビニュース|福島中央テレビ
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(4)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(5)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(6)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(7)報道発表資料 |厚生労働省
(8)農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(9)農林水産部 - 福島県ホームページ
(10)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(11)福島県の位置・人口・面積 - 福島県ホームページ
(12)福島県の推計人口(令和5年7月1日現在) - 福島県ホームページ
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島産、食べて応援、あの世行き(2023年1-7月)
(14)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(15)桃の旬は7月から!旬と産地、栄養素や人気の秘密もご紹介 | ふるなび公式ブログ ふるさと納税DISCOVERY
(16)ももの生産量はどこの県が多いのですか。:農林水産省
(17)東京都中央卸売市場-統計情報検索各年7月について、大分類⇒果実、中分類⇒もも類で検索
(18)統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(19)いわき4海水浴場、客入り半減6.3万人:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(20)風評の深層:福島民友新聞社 みんゆうNet
(21)原発処理水の風評被害、どうやって補償する?800億円の基金の使い道は?<Q&A>:東京新聞 TOKYO Web
(22)ICRP勧告 - 医学物理学会防護委員会
(23)なめこ ふくしまプライド。
(24)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(25)イオン 福島店のチラシ・特売情報 | トクバイ
  1. 2023/09/26(火) 19:42:14|
  2. -
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支援打ち切りから6年半、新潟の自主避難者は戻らず

 自主避難者が多いとされる新潟県新潟市(1)への福島県からの避難者数は
 2017年3月末 1,320人(借り上げ等710人、自力手配499人、公営住宅等 1)(3)
 2023年8月末   752人(借り上げ等 3人、自力手配749人)(4)
です。自主避難者への住宅支援が打ち切られて(5)、6年半ですが、6割の方は福島には戻りません。原発事故から12年半を経て福島は汚染されているので、当然のことです。
 福島は事故によって汚染されました。
事故から12年以上が過ぎて特異的に汚染されている福島  凡例
 ※1(6)(7)にて作成
 ※2 避難区域は(8)による
 図―1 特異的に汚染されている福島

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(9)を超えた地域が広がっています。事故から11年以上が過ぎましたが、福島は汚染されたままです。
 今から5年前の2018年8月に福島には43,575人の10代後半女性がいました。5年が経ち彼女達は20代前半になっています。今(2023年8月)の福島の20代前半女性は29,971人で(1)、残ったのは68.8%です。2018年8月時点で10代後半だった福島の女性のうち約3分の1の方が、この5年間で福島から逃げ出しています。以下に福島の10代後半の方が5年後に残っている割合を示します。
事故後に若い女性がより残らなくなった福島
 ※1(10)を集計
 ※2 日付けは10代後半時点
 図―6 福島の10代後半の方が5年後に残っている割合

 事故前から若い方の福島脱出はありました。事故前の2001年から2006年3月までの平均を取ると男性75.6%、女性74.2%で、男女に大きな差はありませんでした。それが近々の2017年5月~18年3月(10代後半時点)の1年間の平均では、男性76%、女性67%で、男性は変わりありませんが、女性は落ち込みました。事故後に福島の若い女性の逃げ出しています。
 若い女性の県外流出は、現在の社会減(人口移動による人口減少(11))だけでなく、子供が生まれなくなり、将来の大幅な自然減(死亡数から出生数を減じた数(12))に繋がります。福島は図―1に示す様に汚染されています。福島の女性はお隣の宮城や茨城の女性に比べても大変に綺麗です。
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 ※(13)をキャプチャー
 図―3 福島のきれいな女性

何処へ行っても歓迎されます。福島から若い女性の脱出を止めるのは困難だと思います。
 事故後に福島から多くの方が避難されました。以下に推移を示します。
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※(15)を集計
 図―4 福島からの県外避難者数

 図に示す通り福島への帰還が進んでいるとは言えない状況です。ピークには6万人(2012年3月)の方が福島から避難していますが(15)、事故から12年半を経た今(8月1日時点)も2万人以上の方が福島から県外に避難しています(16)。以下に福島から福島県外に避難している18歳未満の子ども避難者数を示します。
避難区域外がらの避難が子供の県外避難者
 ※1 (17)を集計
 ※2 「無し」は避難区域が設定されなかった市町村で特定避難勧奨地点が設定された伊達市を含む
 ※3 1部が避難区域は一部が避難区域(警戒区域または計画的避難区域)に指定された市町村で南相馬市、川内村、川俣町、田村市
 ※4 「全域」は全部かほぼ全域が避難区域に指定された町村で飯舘村、浪江町、双葉町、大熊町、冨岡町、楢葉町、葛尾村
 ※5 「緊急時」は緊急時避難準備区域は全域が指定された広野町のみ。南相馬市、川内村、田村市の1部も緊急時避難準備区域指定されたが、避難区域も指定されたので、「一部」に分類
 ※6 避難区域の設定は(8)による。
 図―5 福島県外への子ども避難者数

 図に示す様に「避難区域外」からの避難者が最多です。彼等は自主避難者です。少子高齢化対策には福島県外に避難している子供が多い自主避難者に圧力を加え、福島に戻すことが効果的です。だいたいこのデータへのリンク先は福島県の「少子化対策」の下にあります(18)。
 2017年3月末に福島県は「安全」だとして自主避難者に対する住宅支援を打ち切りました(5)。でも図―1に示す様に福島は特異的に汚染されたままです。
 新潟県への避難者数は1,867人で茨城、埼玉、東京についで4位です(16)。新潟県は市町村別・居住形態別の避難者数を発表しています(2)。新潟の都市規模から言えば新潟市、長岡市、上越市ですが(19)、福島からの避難者は新潟市と柏崎市に集中しています。柏崎市には福島と同じく東京電力の原子力発電所があり(20)、福島からの避難者の9割以上が避難区域内からに避難者です(21)。突然の事故で急に古里を追われた避難者が原発繋がりで新潟県柏崎市に逃げてきたのでしょうか?一方で新潟市は自主避難者が多いとされています(1)。以下に福島から新潟市への避難者数と居住形態を示します。
減らない新潟市への自主避難者
※1(2)にて作成
 ※2 「借り上げ」は「借り上げ仮設住宅」、「自力手配」はその他(親戚・知人宅等)、「その他」は「公営住宅・雇用促進住宅等」に区分
 図―6 福島から新潟市に避難された方の推移

福島県から新潟市へ避難されている方の人数を見ると
 自主避難者が多いとされる新潟県新潟市(1)への福島県からの避難者数は
 2017年3月末 1,320人(借り上げ等710人、自力手配499人、公営住宅等 1)(3)
 2023年8月末   752人(借り上げ等 3人、自力手配739人)(4)
です。自主避難者への住宅支援が打ち切られて(5)、6年半ですが、6割の方は福島には戻りません。原発事故から12年半を経て福島は汚染されているので、当然のことです。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 今も多くの自主避難者が福島県外で暮らしています。でも、取り上げられる事はまず無いと思います。(=^・^=)は自主避難者の存在を忘れてはならないと思います。でも、東京電力は忘れて欲しいはずです。同社は新潟県に立地する柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を目指しています(22)。新潟の自主避難者は原発事故から12年以上を経ても避難生活が続くことを、新潟の皆様に示しています。新潟の皆様が柏崎刈羽の再稼働に反対する動機の一つになりえます。この思いは原発の再稼働を進める岸田政権(23)も同じだと思います。彼らは新潟の自主避難者に福島に戻したいはずです。図-1に示す様に、事故から12年以上が経た今も福島は汚染されています。自主避難をする相当の理由があります。でも、自公政権や東京電力は支援や補償を打ち切りました。
 原発事故の時、多くの福島の皆様は避難するか、残るかで悩んだ気がします。そして、多くの方が不安の中での生活を選びました。事故から12年半を経て、福島の皆様の不安な暮らしは続いています。
 福島を代表する野菜にネギがあります。9月に入り本格シーズンです(24)。福島県南相馬市産のネギは新鮮で香り高いそうです(25)。福島県はフクシマ産は「安全」だ広報しています(26)。でも、福島県南相馬市のスーパーのチラシに福島産ネギはありません。
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 ※(28)を引用
 図―7 福島県産ネギが無いい福島県南相馬市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県南相馬市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
  
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)中山 均 - 【12/21 新潟市災害対策議員連盟、避難者支援策に関し市長要望】... | Facebook
(2)新潟県:県外避難者の受入状況をお知らせします
(3)(2)⇒平成29年3月31日現在の県外避難者受入状況(PDF形式 91 キロバイト)
(4)(2)⇒令和5年8月31日現在の県外避難者受入状況 [PDFファイル/91KB],
(5)「子どもを福島に戻す選択肢はなかった」 原発事故自主避難の11世帯が福島県を提訴:東京新聞 TOKYO Web
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和4年9月1日~10月21日測定) 令和5年03月10日
(7)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(8)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(9)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(10)福島県の推計人口(令和5年8月1日現在) - 福島県ホームページ
(11)社会増減とは - 流通用語 Weblio辞書
(12)自然減とは - Weblio辞書
(13)高校生が見た"核のごみ処分" 先進国スウェーデンでの視察を終え報告会 違いは情報の透明性と関心の高さ:ニュース - FTV 福島テレビ
(14)県外への避難者数の状況 - 福島県ホームページ
(15)(14)⇒福島県から県外への避難状況(推移) 令和5年8月1日現在 [PDFファイル/687KB](令和5年9月11日更新)
(16)(14)⇒福島県から県外への避難状況 令和5年8月1日現在 [PDFファイル/111KB](令和5年9月11日更新)
(17)東日本大震災に係る子どもの避難者数(こども・青少年政策課) ・令和5年4月1日現在 [PDFファイル/402KB] 
(18)こども・青少年政策課 - 福島県ホームページ
(19)新潟県 - Wikipedia
(20)発電所の概要|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(21)柏崎市の広域避難者支援と 「あまやどり」の5年間 - 新潟大学
(22)「もうあきらめて出て行ってくれないか」柏崎刈羽原発、地に落ちた東電への信頼 再稼働へ地元の同意見通せず:東京新聞 TOKYO Web
(23)原子力利用に一歩を踏み出した岸田政権 | STUDY | 原子力産業新聞
(24)旬果旬菜 | JA全農福島
(25)商品紹介 – 南相馬ねぎ出荷組合株式会社
(26)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(27)南相馬店 – イオンスーパーセンター公式ウェブサイト
  1. 2023/09/25(月) 19:40:42|
  2. -
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