fc2ブログ

めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月26日発表)―福島産ヒラメは735件連続ND、隣県からはセシウム―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)(3)。3月15日までの検査結果が3月26日に11日遅れで発表になりました(4)。まとめて見ましたので、お買い物の参考に頂ければ幸いです。先回(5)に続き今回もセシウム混入食品が見つかっています。しかも基準(6)超です。事故から13年以上ですがですが、基準超のセシウム汚染食品が見つかり続けています。厚労省発表分の検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数 193件中8件の基準超
  ②平均は1キログラム当た26ベクレル、最大950ベクレル(群馬県産イノシシ )
なお、基準値は(6)を参照ください。
 厚生労働省や福島県の発表(1)(2)を解析すると
 ・福島産ヒラメは735件連続ND、隣県からはセシウム
 ・福島産ウルイは最盛期、検査をしない福島県
 ・上昇する福島県伊達市産ヤマメのセシウム
等の特徴があり、福島産は「安全」とは言えません。

1.福島産ヒラメは735件連続ND、隣県からはセシウム
 以下ヒラメに検査結果を示します。
隣県では見つかっても福島産ヒラメからは見つからないセシウム
 ※1(1)(2)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは採取日
 図―1 ヒラメの検査結果

 図に示す様に、福島県が検査した福島産ヒラメは検出限界未満(ND)が続いています。厚生労働省や福島県の発表(1)(2)を数えると、735件連続です。一方で、青森、岩手、宮城、茨城、千葉県産からもセシウムが見つかっています。
 海は繋がっているのに、他では見つかっても、汚染源がある福島産からはセシウムが見つから無い等はおかしな話です。ヒラメ等の福島産農水産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(1)を見ると概ね福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(7)実施しています。中立性に疑問があります。
 福島産は他よりも低く出る検査で安全とされ出荷されます。

2.福島産ウルイは最盛期、検査をしない福島県
 福島ではウルイが最盛期となりました(8)。以下に検査結果を示します。
検査結果が出て来ない福島県産ウルイ
 ※(9)を引用
 図-2 福島県産ウルイの検査結果

 図に示すように検査結果が出て来ません。それでも、福島県は福島産の安全を検査で確認していると主張しています(10)。
 福島産は検査されていなくても、検査で「安全」とされ出荷されます。
 
3.上昇する福島県伊達市産ヤマメのセシウム
 福島県伊達市産ヤマメからセシウムが見つかったと発表になりました(11)。
 上昇する福島県伊達市産ヤマメのセシウム
※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは採取日
 図―3 福島県伊達市産ヤマメの検査結果

 図に示す様に上昇が続いています。福島産はセシウムが上昇する事があります。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 ・他より低く出る出荷前検査で「安全」とされ出荷される福島産
 ・汚染が酷い最大産地を検査しなくとも、検査で「安全」とされる福島産
 ・セシウムが上昇する福島産
 これでは「福島産、食べて応援、あの世行き」です(12)。
 (=^・^=)は心配なので
  「買わない」「食べない」「出かけない」の「フクシマ3原則」
を決めています。でも、これって(=^・^=)だけでは無いようです。
 ニラは福島を代表する野菜であり、今が季節です(13)。福島のニラはおいしいとの事です(14)。福島県は福島産は「安全」だと広報しています(15)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産ニラはありません。
他県産はあっても福島産ニラが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
 ※(16)を引用
 図‐4 福島産ニラが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)加工食品等の放射性物質検査について - 福島県ホームページ
(4)食品中の放射性物質の検査結果について(1385報)
(5)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月19日発表)―宮城県産カガミダイからセシウム、福島産は403件連続ND―
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)農林水産部 - 福島県ホームページ
(8)古殿町 施設栽培の山菜の「ウルイ」 収穫が最盛期|NHK 福島県のニュース
(9)品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報⇒野菜⇒あ行⇒う⇒ウルイ、ウルイ(施設)で検索
(10)水・食品等の放射性物質検査 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(11)(2)⇒令和6年3月21日公表:水産物(R6年3月4日-3月16日採取分) [PDFファイル/157KB]⇒No21
(12)めげ猫「タマ」の日記 福島産、食べて応援、あの世行き(2023年)
(13)旬果旬菜 | JA全農福島
(14)農産物NOW R3 Vol.14 こちらも県内1位 伊達の韮(ニラ) - YouTube
(15)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(16)Webチラシ情報 | フレスコ相馬店
スポンサーサイト



テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記

  1. 2024/03/27(水) 19:41:05|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

大熊町、住民戻らず。13年ぶりの卒業式も効果なし


 2019月4日10日に一部の避難指示が解除された福島県大熊町(1)の2月1日時点の居住者は
 住民登録 9,922人中 645人(6.5%)(2)
で住民が戻りません。3月に町内で13年ぶりの卒業式が行われたのですが(3)、住民を戻す効果はありません。
 福島県大熊町は福島県沿岸部中部に立地する町です。事故を起こした福島第一原発や(4)、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設が立地します(5)。先の原発事故では全町が避難区域に指定されました(4)。名前は大熊町ですが「クマ」はいません(6)。1954年11月1日に大野村と熊町村が合併し大熊町になりました。熊町村の「熊」は元々は「苦麻」です(4)。以下に示します。
事故から13年、放射能汚染されている福島 凡例
 ※1(7)(8)にて作成
 ※2 避難区域は(9)による。
 図―1 福島県大熊町

 同町の唯一の旧一級国道(10)は地図で見ると国道6号線で、いわばメインストリートです。その東側は概ね除染廃棄物を30年間は保管する中間貯蔵施設です(11)。メインストリートの東側は少なくとも30年間は人が住めません。
 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(12)を超えた地域が広がっています。
 それでも、自公政権は「安全」だとして(13)2019年4月10日に一部の避難指示を解除しました(14)。そして、復興策が進められています。
2019年は以下の通りです。
 4月12日 故安倍元総理御立合いの元、役場開庁式(15)。
 5月7日 役場の業務開始(16)
 6月1日 災害公営住宅入居開始(17)、2月1日時点で87世帯129人が入居しています(18)。
 6月3日 避難解除区域にコンビニがオープン(19)。
 8月19日 大熊町産イチゴの出荷開始(20)
 10月 再生賃貸住宅入居開始(この住宅は大熊町町民でなくても、移住するのであれば申し込めます(21)。2月1日時点で40世帯53人が入居しています(17)。
2020年は以下の通りです。
 3月14日 原発事故によって不通になっていたJR常磐線が全面再開し(22)、同町唯一の駅である大野駅(4)が再開。東京方面に直通する特急「ひたち」が停車(23)。
 4月13日 福祉施設開所(24)
2021年は以下の通りです。
 2月 2日 診療所が開所(25)
 3月25日 聖火リレー(26)。
 4月 5日 商業施設オープン(27)。
10月16日 10年ぶりの同町内での成人式(28)
10月17日 交流ゾーンのグランドオープン(29)および岸田総理訪問(30)
2022年は以下の通りです
 1月 9日 成人式(31)
 6月30日 特定復興再生拠点の避難指示解除(1)(32)
2023年は以下の通りです。
 1月 8日 成人式(33)
 4月10日 12年ぶりに学校再開(34)
 8月25日 遅れていた義務教育学校の校舎が完成し、供用開始(35)
2024年は以下の通りです。
 1月 7日 「二十歳(はたち)の成人式」(36)
 2月13日 義務教育学校9年生2人の卒業式、町内の学校で卒業式が開かれるのは2011年3月11日以来13年ぶり(3)。
 福島の避難区域は2013年8月までに、それまでの警戒区域と計画的避難区域との区分から、避難指示解除準備区域、居住制限区域に区分が変更されました(5)。除染がすすめられたのですが(37)、放射線量が高い帰還困難区域は当初は除染の対象から外れました(38)。大熊町の唯一の駅である大野駅は帰還困難区域にあります(39)。また、帰還困区域や中間貯蔵施設の範囲(40)を見比べると、大熊町の小中学校、市街地は帰還困難区域か中間貯蔵施設内に位置します。大熊町の中心部は帰還困難区域内か中間貯蔵施設用地内に位置します。2017年4月1日までに、大熊町と双葉町を除く避難指示解除準備区域と居住制限区域の避難指示が解除されました(11)。そして2017年以降に、帰還困難区域は除染をして将来は避難指示を解除するとくて「復興拠点」(41)とそれ以外(俗称白地地区(42))に区分されました。以下に示します。
事故から13年、汚染が酷い大熊・双葉町    凡例
 ※1(9)(10)にて作成
 ※2 避難区域、旧復興再生拠点は(11)による。
 ※3 中間貯蔵施設等には福島第一原発も含み(41)による。
 ※4 津波浸水域は(43)による。
 図―2 福島県大熊町と周辺の区分
 
 特定復興再生拠点の避難指示は解除されましたが、まだまだ汚染は酷い状態です。
 6月1日時点で旧復興再生拠点内には町人口の約6割に当たる5,766人が住民登録しています。でも実際に居住しているのは90人です(44)。一方で、既に避難指示が解除されている区域の住民登録は565人です(45)。事故から11年以上を経た2020年6月にようやく町の中心部を含む区域の避難指示が解除されました(1)(32)。
 でも、子供はほどんど戻りません。大熊町に戻った子供は幼稚園、小中学校の合計で
  対象 1,111人中30人(対象の2.7%)
です(17)。
 さらに、子供が生まれなくなっています。避難先も含め大熊町民の出生数を以下に示します。
減少が続く大熊町の出生数
 ※(46)を各年2月~翌年1月までの1年間で集計
 図-3 大熊町民の出生数

 図に示す様にどんどん減っています。数値を記載すると
  事故前(2010年2月~11年1月)121人(男の子 57人、女の子 64人)
  近々1年(2023年2月~24年1月)49人(男の子 24人、女の子 25人)
で、事故前の40%になっています。子供が生まれなくなった大熊町では、将来も子供が戻ることはありません。
 以下に居住状況を示します。 
住民が戻らない大熊町
 ※1(47)を集計
 ※2 居住は大熊町民のうち大熊町内に居住している人数
 ※3 滞在者は大熊町民以外で大熊町に滞在している人数
 ※4 事故前は(46)による。
 図―4 大熊町民等の居住状況

 図に示す様に、町民は戻っていません。3月1日時点の居住者は
 住民登録 9,922人中 645人(6.5%)(2)
で住民が戻りません。3月に町内で13年ぶりの卒業式が行われたのですが(3)、住民を戻す効果はありません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 大熊町の発表ですと、避難者は9,277人(2)ですが、福島県の発表では446人です(48)。大熊町は同町に住民票があり、町外に住んでいれば「避難者」として計上していますが、福島県は避難先で新たな自宅を入手した方や災害公営住宅に入居し安定的な住居に転居されたかたは避難者として計上しません。安定的な住居を手に入れた方がもどるは思えず、帰還が期待できるのは福島県が発表している避難者446人だけです。戻る方は少数のようです(48)。学校が再開したのですが、プールがありません。水泳の授業は隣町の学校のプールを借りて実施しました(49)。
 復興(ふっこう)とは、一度衰えたものが再び勢いを取り戻す事を指します(50)。大熊町は元の勢いを戻すことはありません。事故から13年を経て、多くの福島の方は放射能に注意した生活を強いられています。
 トマトは福島を代表する野菜です(51)。福島県いわき市では年間を通し出荷されています(52)。同市のトマトは美味しいとの事です(53)。福島県は福島産は「安全」だと広報しています(54)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシにトマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(55)を引用
 図-5 福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。 

 
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)特定復興再生拠点区域の避難指示が6月30日に解除されました - 大熊町公式ホームページ
(2)令和6年3月1日現在の居住状況・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(3)福島・大熊町で13年ぶり卒業式 幼なじみ2人、避難も帰還も共に | 毎日新聞
(4)大熊町 - Wikipedia
(5)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(6)ツキノワグマ生態調査の結果について - 福島県ホームページ
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和5年6月21日~11月27日測定) 令和6年02月22日
(8)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(9)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(10)一級国道 - Wikipedia
(11)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(12)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(13)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判  :日本経済新聞
(14)大川原・中屋敷地区の避難指示が4月10日に解除されます - 大熊町公式ホームページ
(15)平成31年4月14日 福島県訪問 | 令和元年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ
(16)町役場が本庁舎で業務を開始しました - 大熊町公式ホームページ
(17)福島県大熊町
(18)大熊町民の被害・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(19)大熊にコンビニがオープン 避難解除後で初の商業施設 | 河北新報オンラインニュース
(20)いちご栽培施設から出荷開始 - 大熊町公式ホームページ
(21)大熊町再生賃貸住宅を整備します - 大熊町公式ホームページ
(22)常磐線 - Wikipedia
(23)ひたち (列車) - Wikipedia
(24)大川原の福祉関連施設が開所しました - 大熊町公式ホームページ
(25)町診療所が開所しました - 大熊町公式ホームページ
(26)町内で聖火つながる - 大熊町公式ホームページ
(27)大熊町に商業施設オープン 飲食店など、避難解除後初―福島:時事ドットコム
(28)原発事故後初、大熊町で成人式 10年ぶり、友人と再会喜ぶ―福島:時事ドットコム
(29)町交流ゾーンが10月17日グランドオープン! - 大熊町公式ホームページ
(30)令和3年10月17日 福島県訪問 | 令和3年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ
(31)ふるさとへの貢献誓う16人…小3で福島第一原発事故 福島・大熊町で成人式 :東京新聞 TOKYO Web
(32)30日午前9時に解除 福島県大熊の特定復興再生拠点区域 復興加速化や住民帰還に期待 | 福島民報
(33)広報おおくま 2023年2月1日号を発行しました - 大熊町公式ホームページ
(34)大熊町立 学び舎 ゆめの森
(35)義務教育施設「学び舎 ゆめの森」の校舎使用開始 福島県大熊町 | 福島民報
(36)福島・大熊町で「二十歳の成人式」 15人、同級生との再会に笑顔 | 毎日新聞
(37)除染情報サイト:環境省
(38)>帰還困難区域とは - コトバンク
(39)大野駅 - Wikipedia
(40)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(41)特定復興再生拠点区域 - Wikipedia<
(42)「白地地区」20年代に帰還 自民党が提言:朝日新聞デジタル
(43)10万分1浸水範囲概況図 | 国土地理院浸水範囲概況図15(PDF 1.4MB)
(44)【大熊の復興拠点】古里再生 点から面へ(7月7日) | 福島民報
(45)原子力被災者支援(避難指示関係) (METI/経済産業省)・避難指示区域の概念図と各区域の人口及び世帯数(2023年4月1日時点)
(46)福島県の推計人口(令和6年2月1日現在) - 福島県ホームページ
(47)居住・避難状況 - 大熊町公式ホームページ
(48)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(四半期に1回更新) - 福島県ホームページ
(49)【Report】To the pool with new friends |Web版 ゆめのもり|大熊町立 学び舎 ゆめの森 公式アカウント
(50)復興 - Wikipedia
(51)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(52)いわき見える化プロジェクト 見せます!いわき情報局|いわきの主な農作物と生産地
(53)【編集部オススメ】「いわきの美味しいトマトをとことん堪能」セット – fromhere FUKUSHIMA STORE
(54)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(55)イオン いわき店のチラシ・特売情報 | トクバイ
  1. 2024/03/26(火) 19:41:38|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

支援打ち切りから6年10ヵ月、新潟の自主避難者は戻らず

 自主避難者が多いとされる新潟県新潟市(1)への福島県からの避難者数は
 2017年3月末 1,320人(借り上げ等710人、自力手配499人、公営住宅等 1)(3)
 2024年2月末    744人(借り上げ等 3人、自力手配741人)(4)
です。自主避難者への住宅支援が打ち切られて(5)、6年10ヵ月ですが、6割の方は福島には戻りません。原発事故から13年を経て福島は汚染されているので、当然のことです。
 福島は事故によって汚染されました。
事故から13年、特異的に汚染されている福島  凡例
 ※1(6)(7)にて作成
 ※2 避難区域は(8)による
 図―1 特異的に汚染されている福島

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(9)を超えた地域が広がっています。事故から13年が過ぎましたが、福島は汚染されたままです。
 今から5年前の2019年2月に福島には43,377人の10代後半女性がいました。5年が経ち彼女達は20代前半になっています。今(2024年2月)の福島の20代前半女性は31,034人で(1)、残ったのは71.5%です。2019年2月時点で10代後半だった福島の女性のうちや約3割の方が、この5年間で福島から逃げ出しています。以下に福島の10代後半の方が5年後に残っている割合を示します。
事故後に若い女性の脱出が増えた福島
 ※1(10)を集計
 ※2 日付けは10代後半時点
 図―2 福島の10代後半の方が5年後に残っている割合

 事故前から若い方の福島脱出はありました。事故前の2001年から2006年3月までの平均を取ると男性76%、女性74%で、男女に大きな差はありませんでした。それが近々の2018年2月~19年2月(10代後半時点)の1年間の平均では、男性80%、女性72%で、男性は増えていますが、女性は落ち込みました。事故後に福島の若い女性の逃げ出しています。
 若い女性の県外流出は、現在の社会減(人口移動による人口減少(11))だけでなく、子供が生まれなくなり、将来の大幅な自然減(死亡数から出生数を減じた数(12))に繋がります。福島は図―1に示す様に汚染されています。福島の女性はお隣の宮城や茨城の女性に比べても大変に綺麗です。
福島の
 ※(13)をキャプチャー
 図―3 福島のきれいな女性

何処へ行っても歓迎されます。福島から若い女性の脱出を止めるのは困難だと思います。
 事故後に福島から多くの方が避難されました。以下に推移を示します。
事故から13年、2万人が県外に避難している福島県
 ※(15)を集計
 図―4 福島からの県外避難者数

 図に示す通り福島への帰還が進んでいるとは言えない状況です。ピークには6万人(2012年3月)の方が福島から避難していますが(15)、事故から13年を経た今(2024年2月1日時点)も2万人以上の方が福島から県外に避難しています(16)。以下に福島から福島県外に避難している18歳未満の子ども避難者数を示します。
避難区域外がらの避難が子供の県外避難者
 ※1 (17)を集計
 ※2 「無し」は避難区域が設定されなかった市町村で特定避難勧奨地点が設定された伊達市を含む
 ※3 1部が避難区域は一部が避難区域(警戒区域または計画的避難区域)に指定された市町村で南相馬市、川内村、川俣町、田村市
 ※4 「全域」は全部かほぼ全域が避難区域に指定された町村で飯舘村、浪江町、双葉町、大熊町、冨岡町、楢葉町、葛尾村
 ※5 「緊急時」は緊急時避難準備区域は全域が指定された広野町のみ。南相馬市、川内村、田村市の1部も緊急時避難準備区域指定されたが、避難区域も指定されたので、「一部」に分類
 ※6 避難区域の設定は(8)による。
 図―5 福島県外への子ども避難者数

 図に示す様に「避難区域外」からの避難者が最多です。彼等は自主避難者です。少子高齢化対策には福島県外に避難している子供が多い自主避難者に圧力を加え、福島に戻すことが効果的です。だいたいこのデータへのリンク先は福島県の「少子化対策」の下にあります(18)。
 2017年3月末に福島県は「安全」だとして自主避難者に対する住宅支援を打ち切りました(5)。でも図―1に示す様に福島は特異的に汚染されたままです。
 新潟県への避難者数は1,822人で茨城、東京、埼玉についで4位です(16)。新潟県は市町村別・居住形態別の避難者数を発表しています(2)。新潟の都市規模から言えば新潟市、長岡市、上越市ですが(19)、福島からの避難者は新潟市と柏崎市に集中しています。柏崎市には福島と同じく東京電力の原子力発電所があり(20)、福島からの避難者の9割以上が避難区域内からに避難者です(21)。突然の事故で急に古里を追われた避難者が原発繋がりで新潟県柏崎市に逃げてきたのでしょうか?一方で新潟市は自主避難者が多いとされています(1)。以下に福島から新潟市への避難者数と居住形態を示します。
減らなくなった新潟市への避難者
※1(2)にて作成
 ※2 「借り上げ」は「借り上げ仮設住宅」、「自力手配」はその他(親戚・知人宅等)、「その他」は「公営住宅・雇用促進住宅等」に区分
 図―6 福島から新潟市に避難された方の推移

福島県から新潟市へ避難されている方の人数を見ると
 自主避難者が多いとされる新潟県新潟市(1)への福島県からの避難者数は
 2017年3月末1,320人(借り上げ等710人、自力手配499人、公営住宅等 1)(3) 
 2024年2月末  744人(借り上げ等 3人、自力手配741人)(4)
です。自主避難者への住宅支援が打ち切られて(5)、6年10ヵ月ですが、6割の方は福島には戻りません。原発事故から13年を経て福島は汚染されているので、当然のことです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 今も多くの自主避難者が福島県外で暮らしています。でも、取り上げられる事はまず無いと思います。(=^・^=)は自主避難者の存在を忘れてはならないと思います。でも、東京電力は忘れて欲しいはずです。同社は新潟県に立地する柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を目指しています(22)。新潟の自主避難者は原発事故から13年を経ても避難生活が続くことを、新潟の皆様に示しています。新潟の皆様が柏崎刈羽の再稼働に反対する動機の一つになりえます。この思いは原発の再稼働を進める岸田政権(23)も同じだと思います。彼らは新潟の自主避難者に福島に戻したいはずです。図-1に示す様に、事故から13年を経た今も福島は汚染されています。自主避難をする相当の理由があります。でも、自公政権や東京電力は支援や補償を打ち切りました。
 原発事故の時、多くの福島の皆様は避難するか、残るかで悩んだ気がします。そして、多くの方が不安の中で福島での生活を選びました。事故から13年を経て、福島の皆様の不安な暮らしは続いています。
 福島を代表する果物にイチゴがあります(24)。福島県会津若松市では今、いちご狩りが楽しめます(25)。同市はイチゴの季節です。同市あたりのイチゴは身の詰まったしっかりした食感で、食べると果汁が溢れます(26)。福島県は福島産は「安全」だと広報しています(27)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
 他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
※(28)を引用
 図-7 福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ 

 (=^・^=)も福島県会津若松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
  
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)中山 均 - 【12/21 新潟市災害対策議員連盟、避難者支援策に関し市長要望】... | Facebook
(2)新潟県:県外避難者の受入状況をお知らせします
(3)(2)⇒平成29年3月31日現在の県外避難者受入状況(PDF形式 91 キロバイト)
(4)(2)⇒令和6年2月29日現在の県外避難者受入状況 [PDFファイル/92KB]
(5)「子どもを福島に戻す選択肢はなかった」 原発事故自主避難の11世帯が福島県を提訴:東京新聞 TOKYO Web
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和5年6月21日~11月27日測定) 令和6年02月22日
(7)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(8)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(9)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(10)福島県の推計人口(令和6年2月1日現在) - 福島県ホームページ
(11)社会増減とは - 流通用語 Weblio辞書
(12)自然減とは - Weblio辞書
(13)震災当時の6年生が故郷で教師に 開校から一年 福島・大熊町 義務教育学校「学び舎ゆめの森」:ニュース - FTV 福島テレビ
(14)県外への避難者数の状況 - 福島県ホームページ
(15)(14)⇒福島県から県外への避難状況(推移) 令和6年2月1日時点 [PDFファイル/694KB](令和6年3月4日更新)
(16)(14)⇒福島県から県外への避難状況 令和6年2月1日時点 [PDFファイル/111KB](令和6年3月4日更新)
(17)東日本大震災に係る子どもの避難者数(こども・青少年政策課) ・令和5年4月1日現在 [PDFファイル/402KB] 
(18)こども・青少年政策課 - 福島県ホームページ
(19)新潟県 - Wikipedia
(20)発電所の概要|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(21)柏崎市の広域避難者支援と 「あまやどり」の5年間 - 新潟大学
(22)「もうあきらめて出て行ってくれないか」柏崎刈羽原発、地に落ちた東電への信頼 再稼働へ地元の同意見通せず:東京新聞 TOKYO Web
(23)原子力利用に一歩を踏み出した岸田政権 | STUDY | 原子力産業新聞
(24)旬果旬菜 | JA全農福島
(25)フルーツランド北会津
(26)いちご | JA会津よつば
(27)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(28)会津アピオ店 | リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載

  1. 2024/03/25(月) 19:40:28|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

飯舘村、帰還減-ドラッグストア進出決定も効果なし

2017年3月末に避難指示が解除された福島県飯舘村(1)の新規転入者を除く帰還者等は
  2021年5月(ピーク)1,297人(3)
  2024年2月     1,260人(4) 
  2024年3月     1,260人(5)
で減少しています。ドラッグストアの進出がきまったのですが(6)、住民を呼び戻す効果は無かったようです。
 福島事故後に二種類の避難地域が設定されました。一つは福島第一20km圏内に設定された「警戒区域」です。ここは事故直後の2011年3月12日に避難指示がだされており、多くの方が被ばくを免れました。もう一つが事故後にしばらくして放射線量が高い事が分かり設定されら「計画的避難区域」です。飯舘村の全域と葛尾村の大部分が計画的避難区域になりましたが、避難区域設された他の市町村は大部分は「警戒区域」です(1)(7)。さらに飯舘村のおおよその避難が完了したには事故から3ヶ月以上過ぎた2011年6月22日です(1)。飯舘村はいわば逃げ遅れた村です。以下に位置を示します。
事故から13年、放射能に汚染されている福島  凡例
 ※1(8)(9)にて作成
 ※2 避難区域は(7)による。
 図―1 福島県飯舘村

 図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(10)を超えた地域が広がっています。事故から13年目ですがが飯舘村は今も汚染されたままです。
 以下に各年2月から翌年1月までの出生数を示します。
減少が続く飯舘村の出生数
 ※(11)を各年2月~翌年1月までの1年間で集計
 図-2 飯舘村の出生数

 図に示すように原発事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012年2月(注)から女の子が多く生まれています。2012年2月からの2017年1月までの5年間を合計すると
 男の子 117人
 女の子 154人
で、女の子が多く生まれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差があるとされる5%(12)を下回る2.5%でした。
通常は男の子が多く生まれるので(14)異常な事態です。
 福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
福島の
 ※(15)を引用
 図―3 福島の綺麗な女性

でも喜んでばかりはいられないようです。放射性影響研究所は広島や長崎の原爆投下で遺伝的な影響が生じていない根拠の一つに「赤ちゃんの男女比に異常が起きていない。」事をあげています(14)。それでも自公政権は「安全」であるとし(17)、避難指示を解除しました(1)(7)。そしてハコモノを整備し、復興を進めました(18)。
 以下に飯舘村村民の居住先を示します。
住民が戻らない飯舘村
 ※1(2)にて作成
 ※2 帰還には出生を含む
 図―4 飯舘村の居住状況

 図に示す様に住民は戻りません。2月1日時点の新規転入者を除く帰還者は
 対象 4,660人中1,260(対象の27%)
で(5)、さらに推移を見ると、
  2021年5月(ピーク)1,297人(3)
  2024年2月     1,260人(4) 
  2024年3月     1,260人(5)
で減少しています。ドラッグストアの進出がきまったのですが(6)、住民を呼び戻す効果は無かったようです。
 さらに深刻なのが出生数の減少です。図-2に示す様に、避難指示が解除された2017年度以降に急激に減っています。数値を記載すると
  原発事故前(2010年2月~11年1月)49人(男の子25人、女の子24人)
  近々1年(2023年2月~24年1月)  8人(男の子 4人、女の子 4人)
で、原発事故前の6分の1以下に減っています。さらに、飯館村民として生まれても殆どの方が飯舘村に住みません。避難指示後の2017年4月から2023年1月までに出生数は144人(男の子80人、女の子66人)ですが、このうち飯舘村に住んでいるのは9人(全体の6%)(6)です。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 同村は福島第一から40kmは離れています(20)。それでも、事故では放射能で汚染され全村避難となりました(1)(7)。原発事故の時、アメリカは自国民に対し80キロ圏に退避勧告をだしました(21)。この判断は正しかったと思います。福島第一原発から見て飯舘村よりさらに離れている伊達市でも「特定避難勧奨地点」が設定されました(22)。原発が事故を起こせば広範囲が廃墟と化します。復興は喧伝されますが(23)、進んでいません。なによりも、事故から約13年を経ても福島の皆様は放射能に気をつけなくてはなりません。
 福島を代表する果物にイチゴがあります(24)。福島県福島市では今、いちご狩りが楽しめます(25)。同市はイチゴの季節です。福島県福島市あたりのイチゴは甘みと酸味のバランスがよく、果実がしっかりしていて果汁も豊富なのが特徴です(26)。福島県は福島産は「安全」だと広報しています(27)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(28)を引用
 図-5 福島産イチゴが無い福島県福島市のスーパーのチラシ 

 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


 妊娠期間を280日(29)とすると、3月11日の280日後12月16日なので、事故後に懐妊した赤ちゃんは概ね2012年以降に生まれます。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)飯舘村 - Wikipedia
(2)令和6年3月1日現在の村民の避難状況について - 飯舘村ホームページ
(3)(2)⇒令和3年5月1日現在の村民の避難状況 [PDFファイル/57KB]
(4)(2)⇒令和6年2月1日現在の村民の避難状況 [PDFファイル/57KB]
(5)(2)⇒令和6年3月1日現在の村民の避難状況 [PDFファイル/57KB]
(6)福島県飯舘村にハシドラッグ 来年春にも開業の公設店舗に出店 復興加速へ生活環境向上を後押し | 福島民報
(7)避難区域の変遷について-解説- - 福島県ホームページ
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(令和5年6月21日~11月27日測定) 令和6年02月22日
(9)第13回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会資料1 帰還困難区域の放射線防護対策について(特定復興再生拠点区域外における土地活用関連)【PDF:440KB
(10)ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え (09-04-01-08) - ATOMICA -
(11)福島県の推計人口(令和6年2月1日現在) - 福島県ホームページ
(12)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(13)めげ猫「タマ」の日記 避難解除の飯舘村、村内居住者は23.8%、プレミアム商品券も効果無し
(14)出生性比
(15)女子選手も福島へ…サッカーのエリート選手養成校「JFAアカデミー福島」完全帰還 震災後は静岡で活動 | 福島のニュース│TUF (1ページ)
(16)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
(17)国連報告者、福島事故の帰還で日本を批判  :日本経済新聞
(18)【原発】【福島】菅野飯舘村長「帰還政策」の欺瞞|月刊 政経東北|note
(19)飯舘村 移住・定住ポータルサイト - 飯舘村ホームページ
(20)テレ朝news 「原発ごときに…」 飯舘村の酪農家の12年 未だに届かない ...
(21)米、福島原発80キロ圏に退避勧告 独自分析で: 日本経済新聞
(22)みんゆうNet 政府の「特定避難勧奨地点」指定状況
(23)トップページ - 福島県ホームページ
(24)旬果旬菜 | JA全農福島
(25)【2024シーズン】四季の里 いちご園(いちご狩り)(体験・ツアー) | 福島市観光ノート
(26)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(27)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(28)イオン 福島店のチラシ・特売情報 | トクバイ
(29)妊娠期間「十月十日(とつきとおか)」の計算・妊娠週数の数え方 [妊娠の基礎知識] All About
  1. 2024/03/24(日) 19:43:41|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

新型コロナまとめ(3月22日発表)―ワクチン無料接種はあと8日―

 3月22日に3月11~17日の新型コロナ定点観測数が発表になりました(1)。(=^・^=)が従前に示した定点観測数と対応医療機関数からの推計値(2)は
 10週(3月 4~10日)28.6万人
 11週(3月11~17日)27.0万人
で、高止まり状態です。それでも、岸田政権はあと8日でワクチンの無料接種を止めます(3)。ワクチン接種のラストチャンスです。
 11週の新型コロナ定点観測数の発表が3月22日にありました(1)。定点観測数は
 10週(3月4~10日) 6.53(4)
 11週(3月11~17日)6.15(1)
です。これを対応医療機関数(5)を考慮し、(=^・^=)が従前に示した方法で(2)で、全感染者数を推計すると
 10週(3月 4~10日)28.6万人
 11週(3月11~17日)27.0万人
で、高止まり状態です。新型コロナは収まっていません。
 以下に週毎の感染者(推計値)を示します。
5類移行も流行が続く新型コロナ
 ※1(5)(6)を集計
 ※2 定点観測数、対応医療機関数からの推計方法は(2)による。
 図-1 週毎の感染者数

 図に示しす通り、高止まり状態です。それでも、岸田政権はワクチンの無料接種をあと8日で止めます(3)。
 これまでの感染者数は、全数把握であった最後の発表(7)に、定点観測数等からの推計分を加えると5,054万人で、5千万人を超えました。日本の人口が12,384万人(8)なので41%(5,054万÷12,384万×100)が感染を経験しています。
 12月中の新型コロナによる死亡者が2,446人と発表がありました(10)今年の1~4月の死者は厚生労働省の発表(11)(12)から計算すると16,602人です。これに5月以降の発表(9)を合計すると今年1-12月の死者は39,793人です。東日本大震災の死者・行方不明者の合計で18,423人(死者15,900人、行方不明2,523人)なので(13)、2023年のコロナ禍は東日本大震災以上の災害です。
 たとえ新型コロナから生還しても後遺症が待っています。新薬の試験では参加者を新薬を投与するグループと本物の薬のように見える外見をしているが、薬として効く成分は入っていない偽薬(14)を投与するグループの二つに分けて両者を比較して薬の効能を調べます(15)。せきや倦怠感、味覚・嗅覚異常などの14症状のうち、いずれかの症状があると答えたのは、偽薬を投与した患者グループが26・3%だったと発表しました(16)。すなわち、新型コロナに感染した方の4人に1人は後遺症がでます。新型コロナは侮れない病気です。なお、新薬を投与したグループでの後遺症が出た方は14.5%でした。
 一昨年初頭に検疫をすり抜け、オミクロン株が日本に侵入しました。在日米軍は検疫をしていません。そこからオミクロン株が流れ出したと言われています(17)。その後に岸田政権は、次々と新型コロナ対策を放棄しています。昨年6月1日には水際対策大幅緩和(18)、10月11日には全国旅行支援開始(19)、そして今年3月13日にはマスク着用の推奨を止めました(21)。そして5月8日新型コロナの5類移行(20)です。以下に岸田政権がオミクロン株の日本侵入を許した2022年(17)以降の新規感染者数の推移を示します。
岸田政権の失政の後で増えた新型コロナ
 ※1(6)を集計
 ※2 5月8日以降は推計値
 ※3 水際対策緩和は(18)による。
 ※4 全国旅行支援は(19)による。
 ※5 マスクはマスク着用の推奨を止めるで(20)による
 ※6 5類は5類移行で(21)による。
 図-2 新型コロナ新規感染者数(2022年以降)

 図に示す様に岸田政権が新型コロナ対策を放棄するたびに感染が拡大に転じています。昨年末に7波が収束に向かいました。このまま減少が続けば新型コロナの収束も見えていました。ところが岸田政権は全国旅行支援を始めました(29)。そして、8波が始まりました。それでも今年3月に8波が落ち着いてきました。そしたら、岸田政権はマスク着用の推奨を止めました(20)。そして5類移行です(21)。そしたら再び増加傾向に転じました。今は10波です。それでも岸田政権は5類移行を止めません。
 福島県は毎月の福島空港の利用者を発表しています(22)。コロナ禍前の19年(23)1月の利用者は16,672人でした。1月の利用者は15,869人でコロナ禍前の同月の95%まで回復しました(15,869÷16,672×100)。沖縄県も毎月の入域観光客数を発表しています(24)。そこで、福島空港の利用者数と沖縄県の入域観光客数のコロナ禍前の割合を示します。
コロナ禍前の8割程度に戻った人出
 ※(22)(24)を集計
 図-3 コロナ禍前に対する人出で割合

 図に示す様に福島空港利用者も沖縄の入域観光客の割合も同じ傾向押し点しています。自粛が緩み人出が回復し、コロナ禍前の8割程度までに回復しました。
 マスク着用等の感染予防策は新型コロナだけでなくインフルエンザ予防にも有効です(25)。以下にインフルエンザの定点報告数を示します。
コロナ禍前を超えた今シーズンのインフルエンザ
 ※(26)を集計
 図-4 インフルエンザ定点観測数

 図に示す様に、今シーズン(2023/24)はコロナ禍(27)前を超えました。これまでの累積人数は
  コロナ禍前(2019/20シーズン)1,002、519人
  昨シーズン(2022/23シーズン)  571,508人
  今シーズン(2023/24シーズン)2,336,844人
で、コロナ禍前を大きく超えています。増加の原因はいろいろあるとは思いますが、新型コロナが5類に移行したために、緩みが出でて、感染対策がおろそかになったのも原因の一つです(28)。
以下に都道府県別の累積の感染率と4回目ワクチン接種率の相関を示します。
ワクチン接種率が高いと低い新型コロナ感染
 ※1(6)(7)(8)(29)(30)を集計
 ※2 累積感染率は5月8日以降は定点観測数から推計
 図-5 4回ワクチン接種率と累積の感染率の相関

 図に示すようにワクチン接種率が高い都道府県ほど累積の感染率が低くなっています。ワクチンは有効です。
 以下にワクチンの累積接種人数を示します。
停滞したワクチン接種
 ※(29)を集計
 図-6 ワクチンの累積接種人数

 図に示すように停滞しています。岸田政権が次々に新型コロナ対策を放棄し、緊張感が無くなったようです。4回以上のワクチン接種を終えた方は5,946万人で、対象12,113万人(29)の半分に届きません。
 厚生労働省は年齢別の定点あたりの報告数を発表しています。11週の10代未満の報告数は1.42です(1)。従前に記事にした手法(2)で、感染者数を推計すると63,238人です。一方で10代未満の人口は11,083,000人です(31)。感染率は0.6%(63,238÷11,083,000×100)です。このように計算した、年代別の感染率を示します。
14歳以下と80歳以上で高い新型コロナ感染率
 ※(1)(6)(31)を集計
 図-7 年代別感染率

図に示す様に14歳以下の子どもと80歳以上の高齢者の感染率が高くなっています。高齢者の方は重篤化しやすいので(32)注意が必要です。
 以下に11歳以下の子供のワクチン接種状況を示します。
進まない子供のワクチン接種
 ※(29)を集計
 図-8 子供のワクチン接種状況

 図に示す様に進んでいません。
 新型コロナは5類に移行しましたが、性質は変わっていません。弱毒化も感染力の低下もしていません。昨年は東日本大震災を超える犠牲者を出しています。
 5類移行で(4)で、日々の発表が無くなり状況が読みにくくなりました。一方で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂前会長(73)は高い感染力があることから「まだ完全に普通の病気にはなっていない」と指摘し、コロナ5類移行後に警鐘を出しています(33)。
以下に上位下位5道県の感染率を示します。
都道府県で大きく違う新型コロナ感染率
 ※(1)(3)(6)(30)
 図-9 都道府県別感染率(推計値)

 図に示す様に、都道府県で異なります。感染率が高い県にお住まいの方は特に注意してください。
 図-1に示す様に5類移行後、新型コロナは大幅に増加しました。そして高止まりが続いています。一方で、岸田政権は新型コロナワクチンの8日でワクチンの無料接種を止めます(3)。ワクチン接種のラストチャンスです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 新型コロナ感染は高止まりが続いています。マスク、手洗い、換気などの基礎的な感染対策もお勧めします。また 合唱、ライブハウスや接待を伴う飲食店などの感染リスクの高い場所はなるべく避けるべきと思います。そして、ワクチンを接種すべきと思います。
 新型コロナに限らず、感染症対策は社会を守る事に繋がります(34)。防衛費増額より(35)、ワクチン接種無償の継続や感染者の早期発見、隔離・保護などの感染予防対策すすめる方が日本の社会を守るにはコストパフォーマンスが良いはずです。結核は2類ですが(36)、結核を恐れ自粛する方はいないと思います。結核が厳格に管理され流行していないので、誰も気にしません。もし、厳格に管理せず流行が広がれば社会が混乱します。新型コロナも同様です。でも、岸田政権は新型コロナは2類に移行しました。岸田総理は「コロナ禍を乗り越えた」と発言し(37)新型コロナ隠しをしています。岸田政権は新型コロナから日本を守りません。こんな総理では福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する果物にイチゴがあります(38)。福島県郡山市では今、いちご狩りが楽しめます(39)。同市はイチゴの季節です。福島県福島市あたりのイチゴの味は良好です(40)。福島県は福島産は「安全」だと広報しています(41)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(42)を引用
 図-10 福島産イチゴが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ 

 (=^・^=)も福島県郡山市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせて頂いたサイト様および引用した過去の記事-
(1)新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状況等)2023年6月~|厚生労働省2024年 3月22日 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について[330KB]
(2)めげ猫「タマ」の日記 新型コロナ・定点当たりの報告数から全体数を推計する
(3)新型コロナワクチンについて|厚生労働省
(4)新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状況等)2023年6月~|厚生労働省2024年 3月15日 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について[330KB]
(5)新型コロナウイルスに関する受診・相談センター/外来対応医療機関等|厚生労働省都道府県別 外来対応医療機関の指定状況(2024年3月13日時点)[37KB]
(6)新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状況等)|厚生労働省
(7)新型コロナウイルス感染症の現在の状況について(令和5年5月8日版)
(8)日本の人口、12年連続減の1億2384万人…コロナで減少幅は鈍化 : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン
(9)死亡診断書(死体検案書)の情報を用いたCOVID-19関連死亡数の分析|厚生労働省
(10)(9)⇒死亡診断書(死体検案書)の情報を用いたCOVID-19関連死亡数の分析(令和5年12月)[618KB]
(11)新型コロナウイルス感染症の現在の状況について(令和5年1月1日版)
(12)新型コロナウイルス感染症の現在の状況について(令和5年5月1日版)
(13)東日本大震災 - Wikipedia
(14)偽薬 - Wikipedia
(15)>二重盲検法 | 疫学用語の基礎知識
(16)コロナ後遺症、ゾコーバ服用で「割合減」…塩野義が研究結果発表 : 読売新聞
(17)[視点]沖縄の米軍基地と新型コロナウイルス感染症 | 東京保険医協会
(18)これまでの水際対策に係る新たな措置について|水際対策|厚生労働省水際対策強化に係る新たな措置(17)(令和4年5月31日更新)
(19)【受付開始】全国旅行支援の予約方法・全国旅行割適用条件は?各都道府県の条件・クーポン・終了情報などを徹底解説!| Trip.comブログ
(20)マスクの着用について|厚生労働省
(21)新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について|厚生労働省
(22)福島空港データ - 福島県ホームページ
(23)コロナ禍 - Wikipedia
(24)入域観光客数/沖縄県
(25)インフルエンザ・新型 コロナウイルスを予防 しよう! - 千葉市
(26)インフルエンザに関する報道発表資料 |厚生労働省
(27)コロナ禍 - Wikipedia
(28)季節外れのインフルエンザが流行 原因は…「新型コロナ5類移行の緩みも…」 鳥取県・島根県
(29)新型コロナワクチンについて | 首相官邸ホームページ
(30)都道府県の人口一覧 - Wikipedia
(31)厚生労働省:平成20年人口動態統計月報年計(概数)の概況
(32)高齢者や基礎疾患のある方は、重症化しやすいことが知られています。|新型コロナを学ぶ|ファイザー
(33)尾身氏、コロナ5類移行後に警鐘 「まだ普通の病気ではない」|47NEWS(よんななニュース):47都道府県52参加新聞社と共同通信のニュース・情報・速報を束ねた総合サイト
(34)ワクチンにはどんな役割があるの? - Know VPD!
(35)防衛費43兆円、さらに8000億円以上も超過の恐れ 防衛省幹部も「これはかなりまずい」:東京新聞 TOKYO Web
(36)感染症発生届Navi
(37)令和5年9月25日 経済対策についての会見 | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ
(38)旬果旬菜 | JA全農福島
(39)郡山いちご園 【公式】|福島県郡山市のいちご狩り
(40)地元産のイチゴ食べて 子会社でイチゴの収穫はじまる - JA福島さくらの情報サイト TORETATE
(41)福島県の食の安全の動画について - 福島県ホームページ
(42)イトーヨーカドー 郡山店 | 福島県 郡山市イトーヨーカドー 郡山店 | 福島県 郡山市
  1. 2024/03/23(土) 21:24:06|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ