fc2ブログ

めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月5週)―茨城のスズキは5.7ベクレル、福島は4.4ベクレルー

食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。3月5週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買いものの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかり基準値超えが見つかっています(4)。
  ①検査数1125件中4件の基準値超え(全体の0.4%)
  ②平均は、1キログラム当たり3ベクレル、最大200ベクレル(福島産ヤマメ)。
  ③基準超の食品が福島、栃木、群馬で見つかっています。
3月5週も見つかる基準超え食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2015年3月5週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

1.茨城のスズキは5.7ベクレル、福島は4.4ベクレルー
 茨城県ひたちなか市沖のスズキから1キログラム当たり9ベクレルのセシウムが見つかりました(3)。そこで今年(2015年)に捕獲されたスズキのセシウム濃度を厚生労働省の発表(1)を元に集計してみました。1キログラム当たりの値で
  茨城県(茨城県検査)
    平均  5.7ベクレル 最大55ベクレル
    検査数 55 うち39件でセシウム見つかる
  福島県(福島県検査)
    平均  4.4ベクレル 最大47ベクレル
    検査数 47 うち9件でセシウム見つかる
となりました。茨城県の検査の方が平均値も最大値を高くなっています。また大部分でセシウムが見つかっています。一方、福島県の検査でセシウムが見つかるのは全体の2割以下です。
 検査結果を集計する限り、茨城県産スズキの方がセシウム汚染が酷いようですが、常識的に考えて福島産の方が高いはずです。
 仙台湾は、東北地方の太平洋に面した、宮城県石巻市の牡鹿半島黒崎と福島県相馬市鵜ノ尾崎の間の湾です(6)。福島県相馬地方は、福島県沿岸部の北部に位置し、相馬市・南相馬市・新地町・飯舘村の4市町村で構成しています(7)。当然仙台湾と接しています。
仙台湾の隣接する福島県相馬地方
 ※(9)(10)(11)にて作成
 図―2 仙台湾と福島県相馬地方

そこで仙台湾(宮城県検査)と福島県相馬地方(福島県検査)のスズキについても同様の集計をしてみました。1キログラム当たりで
  仙台湾(宮城県検査)
   平均 3.8ベクレル 最大10ベクレル
   検査数 10 うち7件でセシウム見つかる
福島県相馬地方(福島県検査)
   平均 1.1ベクレル 最大11ベクレル
   検査数 11 うち2件でセシウム見つかる
平均でみると福島県が検査した相馬地方のスズキのセシウム濃度が低くなっており、宮城県の検査では全体の7割からセシウムが見つかっているのに福島県の検査でセシウムが見つかったのとは2割以下です。福島県の検査は宮城県と比べても低くでます。
 福島県の検査結果は茨城県や宮城県に比べ低く出てので、実際より値が低くでるデタラメな検査です。

2.出荷制限を解除したら検査をしない福島県
 福島県楢葉町は福島県沿岸部にある町で(図ー2参照)、大部分が今も避難区域に指定されています(9)。福島県の農業は地域差があり楢葉町が属する沿岸部(浜通り)は野菜の栽培が盛んです(12)。2月19日に楢葉町産の野菜の出荷制限が解除されました(13)。その後も検査されているか心配です。以下に福島県楢葉町産野菜の検査件数を示します。
突然検査が無くなった福島県楢葉町の野菜の検査
 ※(1)を集計
 図―3 福島県楢葉町産野菜の月別検査件数

 今年に入り検査が全くされていません。出荷が始まったら検査をしなければ基準外は出ません。このような方法は他にも適応されたと思います。飯舘村も楢葉町と同じく全域が避難区域になっていますが、昨年8月からイチゴ栽培が再開されました(14)。厚生労働省の発表(1)を見ると検査は出荷開始直前の7月末に1回だけでした。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・他より低く出るデタラメな検査で「安全」とされる福島産
 ・遠い昔の検査で「安全」とされる福島産
これでは福島の方は大変に不安だと思います。福島県いわき市では「Iwaki Laiki」なる米が販売されているそうです(15)。なんでもいわき市のコシヒカリにつけた名前です。「好評発売中」だそうです(16)。福島県いわき市は子供に食べさせても「安全」と主張しています(17)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシには「福島産米」はありません。
他県産はあっても福島産米の無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(17)を引用
 図―4 福島産米がない福島県いわき市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第923報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月3週)―茨城のキツネメバルは57ベクレル、福島・いわきは24ベクレルー
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)仙台湾 - Wikipedia
(8)構成市町村 | 相馬地方広域市町村圏組合
(9)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(10)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(11)気象庁 | 海水温・海流のデータ 旬平均海流
(12)めげ猫「タマ」の日記 福島県について
(13)原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の解除 |報道発表資料|厚生労働省
(14)飯舘村の真っ赤ないちごをご紹介します(飯舘村) | ふくしま 新発売。
(15)「Iwaki Laiki」をスパリゾートハワイアンズが販売開始 | 共同通信PRワイヤー
(16)いわき市産ブランド米「Iwaki Laiki」好評販売中 | いわき市観光情報サイト
(17)学校校給食における「いわき産米」の使用について
(18)好間店 | マルト - 店舗情報
スポンサーサイト



  1. 2015/03/31(火) 19:44:41|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島県富岡町60周年-未来は暗い-

 福島県富岡町は1955年3月31日の当時の双葉町(現双葉町は別)と合併し、今の富岡町が発足しました。明日(2015年3月31日)で60周年です。お祝いしたいのですが未来は暗そうです。
 富岡町は福島県双葉郡の町で人口11,425人で面積68.39平方キロメートルの福島県沿岸部中部にある町です。
福島第一原発直ぐ南にある富岡町
 ※(3)と地図で作成
 図―1 福島県富岡町

 富岡町は南北に福島県沿岸部を縦断する常磐自動車道、JR常磐線、国道6号があります。南には福島第二原発や産廃処分上があります。また富岡漁港などもあります。
放射能があふれる富岡町
 ※1(3)と地図で作成
 ※2 凡例は図―1に同じ
 図―2 富岡町の施設

 2011年3月の福島原発事故で全域が警戒区域に指定され、全町が避難しました(1)。そして「富岡町」としてはかなり有名な地になりました。しかし2014年に群馬県富岡市の製紙工場跡が「世界遺産」に指定され「富岡町」としては群馬県の方が有名になりました。同町は「花と緑があふれる町」と称していますが(5)、実態は「放射能があふれる町」です。

 以下に2010年と2011年の富岡町の生産額を示します。
福島原発事故で壊滅した富岡町の産業
  ※(6)より作成
 図―3 富岡町の生産額

 原発事故前は1千億円程度の生産規模がありました。大部分は「電気・ガス・水道」が占めていました。これは福島第二原発の貢献だと思います。でも福島第二原発は福島原発事故で稼働を停止しています(6)。多分、復活するとはないと思います。仮に町が復旧しても福島第二に代わる「産業」がなくては町の経済は成り立ちません。
 以下に富岡町の予算・決算(歳出)を示します。
復興増分がない富岡町の予算・決算
 ※(7)にて作成
 図―4 富岡町の予算・決算額

 福島第一原発事故後に福島県の市町村では予算や決算(歳出)が水ぶくれしているところがあります。
 歳出を確り増やし復興を進める三春町
 ※(8)を集計
 図―5 三春町の予算、決算(歳出)額

でも富岡町の予算・決算額は水ぶくれしていません。富岡町は放射能汚染だけでなく「津波」の被害も受けました(9)。
津浪で被災した富岡駅
 ※Google Earthの「¥https://www.google.co.jp/maps/@37.33431,141.022432,3a,75y,119.79h,93.24t/data=!3m4!1e1!3m2!1smIFRWU-ubx-wj4tUWyGSKA!2e0?hl=ja」を引用
 図―6 津波で破壊されたJR富岡駅

 でも放射能に汚染されて手が出せないようようです。
 富岡町役場の除染は終っているそうです。それでも放射線量は1月7日現在で毎時1マイクロシーベルトです(10)。富岡町の復興計画をみると最初の帰還を2017年に目指しています。仮に2017年に帰還したとして、どれだけ被ばくするか(=^・^=)なりに見積もってみました。
帰還後21年で100ミリシーベルト以上の被ばくをする除染後の富岡町の放射線量
※計算方法は(12)による
 図―7 富岡町の被ばく線量見積もり(2017年4月帰還)

 図に示す通り、帰還21年後の2038年にはICRPが人への健康影響が確認されているとする年間100ミリシーベルト(13)を超えます。放射線のリスクに対しては色々な立場があると思いますが、100ミリシーベルトで健康影響があることは多くの方が一致しているところだと思います。
 それでも除染が全てで実施されれば良いのですが、以下に示すように除染は限定的です。
除染範囲が限定的な富岡町
 ※(13)を引用・加筆
 図―8 富岡町の除染の状況(2015年2月末時点)

 環境省は福島中間貯蔵施設の他に1キログラム当たり10万ベクレル以下の放射性廃棄物を最終処分する「フクシマエコテッククリーンセンター」を富岡町に計画しています(14)。まだ富岡町は受け入れを決めていないので(15)、この先は分かりませんが仮に受け入れたとすると相当に長期期間に渡り富岡町民は放射性廃棄物と共生することになります。放射性汚染物を識別する制度に「クリアランス制度」があります。それによるとセシウム137で1キログラム当たり100ベクレル以下は放射性汚染物として扱う必要がないそうです(16)。原発事故から4年が経過し、半減期2年のセシウム134(17)は当初の4分の1になっていますが、半減期30.2年のセシウム137(17)はそれ程には減っていません(当初の9割)。運ばれてくる放射能汚染物の主力はセシウム137です。10万ベクレルのセシウム137が1000分の100ベクレルになるのに300年かかります(Log(0,001)÷log(0.5)×30.2(セシウム137の半減期))。受け入れが決まれば富岡町は300年間は放射性汚染物と暮らすことになります。
 福島県の地方紙福島民友は3月3日付で「地域に目を向けると、古里から離れた地で生活を余儀なくされた避難中の子どもはもちは<中略>子どもと地域との関係がいっそう希薄になった」などと報じています(18)。一度、町を離れたら子供達も元の町に繋ぎとめるのは難しいかもしれません。一つの方策は、町外に学校を作りそこで「古里」を教えることだと思います。富岡町も町外(三春町)に小中学を作り、「古里」を教える授業をしているようです(19)。でも富岡町立小中学校には生徒が集まりません。小学生が42人、中学生が36人です(20)。多くの富岡町の保護者は避難先の学校を選択したようです。当然「古里」を学ぶことも無いので、子供達から「富岡町」は消えていくと思います。
 以下に富岡町町民を対象したアンケート結果を示します。
町に戻りたいは12%の富岡町のアンケート結果
  ※(21)(22)で作成
 図―9 富岡町民の帰還意向

 2012年7,8月のアンケート調査では
  ・居住地を自ら選択し、帰れるまで待つ
  ・行政が建設する災害公営住宅に居住し、帰れるまで待つ
を合わせ、50%の方が帰る以降をしめしていました(21)。それが2014年8月のアンケートでは
  ・現時点でもどりたいと考えている
と答えた方は11.9%に減っています(22)。避難指示が解除されてもどれだけの方が戻るか不明です。
 福島第一原発事故後に「緊急時避難準備区域」が設定され2011年9月に解除されました。福島県広野町の全域と川内村の大部分がここに含まれていました(23)。それから3年半以上が経過しましたが、帰還は進んでいません。広野町に帰還された方は2015年2月時点で全人口5130人中の4割以下の1938人です(24)。2015年1月の時点で川内村に帰還された方は全人口2539人(25)中の4分1の639人です(26)。たった半年の避難でこの数字ですので、6年の避難となったらもっと少ないはずです。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 富岡町の南隣の福島県楢葉町では来月(4月)から避難指示解除の前段階となる「長期宿泊」が開始されます(27)。どれだけの方が利用するかで、今後が分かると思いますが、広野町や川内村の数字からあまり期待はできないと思います。原発事故で放射能に汚染された地域の「復興」は(=^・^=)には無理な気がします。だったら「地域」の復興はあきらめ、「住民」の復興を考えても良いと(=^・^=)は思うのですが…
 無理な地域の「復興」は農業を放射能に汚染された地域に広げる効果があり、福島産の放射能汚染リスクを上昇させます。(=^・^=)は心配です。福島の方はもっと心配だと思います。
 福島県伊達市は福島県最大のイチゴの産地です(28)。今が旬です(29)。福島のイチゴは美味しく(30)、安全(31)だそうです。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 ※(32)を抜粋
 図―10 福島産イチゴが載っていない福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)富岡町 - Wikipedia
(2)双葉町 (福島県双葉郡旧上岡村) - Wikipedia
(3)東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会中の「東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会」
(4)富岡製糸場と絹産業遺産群 - Wikipedia
(5)福島県富岡町|花と緑があふれる町
(6)福島第二原子力発電所 - Wikipedia
(7)市町村財政課 - 福島県ホームページ
(8)めげ猫「タマ」の日記 田村市10周年、未来は暗い
(9)富岡町 - 災害図上演習DIGを活用した防災対策の推進 BCP、マンション防災
(10)町内の放射線量(平成27年1月測定分)(平成27年2月13日更新)|放射線対策情報【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(11)富岡町災害復興計画(第1次) 全文 (H24,10/9更新)|富岡町災害復興計画【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(12)長期線量の計算方法
(13)ICRP勧告 日本語版シリーズ PDF無償公開のお知らせ | 刊行物
(14)町内の除染実施進捗図、除染進捗率について(平成27年3月11日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(15)管理型処分場計画案に対する国の回答について議論(平成27年2月23日更新)|議会からのお知らせ【富岡町議会】 | 富岡町役場
(16)日本のクリアランス制度 (11-03-04-10) - ATOMICA -
(17)セシウム - Wikipedia
(18)古里へ高まる関心 子どもたちの「育ちの場」縮小に拍車(福島民友ニュース)
(19)富岡ふるさと心染め - 富岡町立富岡第一中学校・富岡第二中学校【三春校】
(20)富岡町小中学校
(21)町民意向調査結果報告について(H24,9/18更新)|富岡町災害復興計画【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(22)町民意向調査結果について (平成26年10月29日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(23)緊急時避難準備区域の解除について(METI/経済産業省)
(24)広野町
(25)過去の結果(福島県の推計人口 福島県現住人口調査月報) - 福島県ホームページ
(26)各課別ご案内|福島県川内村役場ホームページ
(27)楢葉の長期宿泊「4月早々から」 政府示す | 県内ニュース | 福島民報
(28)めげ猫「タマ」の日記 福島県の危険な広報
(29)いちご - みらいのフルーツ - JA伊達みらいのホームページ
(30)福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。
(31)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(32)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
  1. 2015/03/30(月) 19:41:36|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島第一原発汚染水(3月5週)―今週も過去最高―

 福島第一原発汚染水の3月4週(3月23日から29日)の状況を纏めてました。
 ①外洋の2地点で過去最高の全ベータ
 ②地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
 ③海岸近くの井戸からは高濃度の放射性物質
 ④排水路からは法令違反の汚染水が外洋へ
先週に続きのあっちこちで過去最高濃度の放射性物質が見つかっています(1)。

1.外洋2地点で過去最高の全ベータ
  先週に続き今週も海水から全ベータ等の放射性物質が見つかっています。
過去最高を記録した福島第一原発沖外洋の全ベータ
  ※1  (4)(5)(6)にて作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
  ※5  赤字は過去最高を示す。
 図―1 福島第一原発近傍の外洋のの放射性物質濃度

 ①5,6号機放水口北側(3月23日採取)(4)(5)
   全ベータ 9ベクレル
   トリチウム 3.8ベクレル
 ②南放水口(3月23日採取)(4)(5)
   全ベータ 11ベクレル
   トリチウム 2.6ベクレル
 ③港湾口北東側(3月23日採取)(4)(5)
   全ベータ 17ベクレル
 ④北防波堤北側(3月23日採取)(4)(5)
   全ベータ 18ベクレル
 ⑤排水路出口付近(T-2)(3月25日採取)
   トリチウム 2ベクレル
 が見つかっています。このうち「港湾口北東側」と「北防波堤北側」の全ベータ濃度が過去最高を記録しました。以下に放射性物質濃度を示します。
 過去最高を記録した全ベータ濃度
 ※(2)(5)にて作成
 図―2「港湾口北東側」と「北防波堤北側」の全ベータ濃度

 この2地点は沿岸からは少し離れておりこれまで全ベータは見つかっていませんでしたが、今週になって初めて見つかりました。福島第一原発から漏れだした汚染水は港湾内でコントロールとは(=^・^=)には思えません。

2.地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(8)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。さらに、地下水バイパスの井戸から過去最高濃度のトリチウムが見つかっています。
高濃度の放射性物質見つかる地下水バイパスやその周りの井戸
※1 (9)(10)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4 赤字は過去最高を示す。
 図―3 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

 このうち地下水バイパスNo10井戸のトリチウム濃度が過去最高を、E-13井戸のトリチウムは過去タイです。以下にトリチウム濃度を示します。
地下水バイパスNo10井戸は過去最高、E-13井戸は過去タイ

※1 (9)(10)を集計
 ※2 凡例中No10は地下水バイパスNo10井戸を示す。
 図―4 地下水バイパスNo10井戸とE-13井戸のトリチウム濃度

 (=^・^=)目には「同期」して上がっているように見えます。E-13井戸の山側に汚染源がありこれがE-13井戸を経由し地下水バイパスNo10井戸に流れ、汲み上げられ福島の海に流されているようです。
 地下水バイパスから放流されたトリチウムの総量を濃度×排出量の合計で計算したら3、900億ベクレルを超えました。
3900億ベクレルを超えた地下水バイパストリチウム排出量
 ※(11)(12)を集計
 図―5 地下水バイパスの累積のトリチウム放出量

 トリチウムの安全性については、いろいろと議論があるようです(13)。福島第一原発のトリチウムは概ね「水」として存在します(14)。蒸発して雲になり雨になり、農作物を育むと思います。トリチウム米やトリチウムいちごができそうです。東京電力はトリチウムは飲んで「安全」と主張していますが(14)、食べて「安全」とは主張していません。

3.海岸近くの井戸からは高濃度の放射性物質
 東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。
高濃度の放射性物質が見つかる福島第一護岸
※1(5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4 SR90はストロンチウム90を示す。
 図―6 海岸付近の放射性物質濃度

 (=^・^=)が気になるのは第一にストロンチウム90の濃度です。厚生労働省はストロンチウム90を測定しなくてもセシウムを検査していれば福島産は「安全」だと主張しています(15)(16)。でも図―6を見てわかる通り海岸付近の井戸ではセシウムよりストロンチウム90の方がはるかに高い濃度を示します。(=^・^=)はセシウムは少ないがストロンチウム90いっぱいの福島産がありそうな気がします。無論、検査はしていないでお店で売られます。
 そして心配なのがNo2-8井戸の全ベータ濃度です。
急上昇に転じたNo2-8井戸の全ベータ濃度
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図―7 No2-7井戸の全ベータ濃度の推移

 今月(2015年3月)に入り急上昇しています。この井戸は海の側にあるので、そのまま福島の海に流れていきそうです。

4.排水路からは法令違反の汚染水が外洋へ
 福島第一原発には外洋に通じる2本の排水路があります。
 放射能が流れる福島第一構内排水路
 ※(17)とGoogle Mapで作成
  図―8 福島第一原発排水路
 
 今年の2月から3月にかけて、二つの排水路(A,K)から法令の定める値を超える高濃度に汚染された汚染水が直接に外洋に廃棄されていたことが分かりました(18)。
東京電力が排水路の新たなサンプリングデータを発表しました(17)。相変わらず法令超えの汚染水を直接外洋に流しています。以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。
法令限度を超えた汚染水が流れたK排水路
  ※1(17)を集計
  ※2NDは検出限界以下を示す。
  図―9 K排水路の放射性物質濃度

 ストロンチウム90の法令限度(告示濃度限度)は1リットル当たり30ベクレルですが(3)、全ベータの約半分がストロンチウム90ですので、全ベータに換算すると1リットル当たり60ベクレルです。セシウム137の法令限度(告示濃度限度)は1リットル当たり90ベクレルです。
K排水路を流れ外洋に排出される汚染水から3月19日に1リットル当たりで
  セシウム134  29ベクレル
  セシウム137 100ベクレル
  全ベータ    180ベクレル
の放射性物質が見つかっています。セシウム137も全ベータも基準を超えのまま直接外洋に流されています。
 3月25日に第33回特定原子力施設監視・評価検討会が開かれまた(18)。そこで東京電力から2014年4月から7月の3か月間と2015年1月から3月の3ヶ月間の排水路からの放射性物質の放出量が示されました(19)。以下にストロンチウム90の結果を示します。
 増加したストロンチウム90の総放出量
 ※1(19)を集計
  ※2 集計期間は各々3ヶ月
  ※3 C,物揚場、A,KはそれぞれC排水路、物揚場排水路、A排水路、K排水路を示す。
  図―10 排水路からのストロンチウム90の放出量

 2015年1~3月の方が増えています。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 汚染水の流出が続く、福島第一原発を見ていると(=^・^=)は不安になります。福島の方はもっと不安だと思います。福島県福島市は納豆の消費量が全国一位だそうです(20)。福島県にも納豆メーカーはあるので(21)、何処の「納豆」を食べているか福島県福島市のスーパーのチラシを見てみました。
福島産でなく北海道産納豆が載っている福島市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―11 福島産納豆が載っていない福島県福島市のスーパーのチラシ

 福島産納豆はありません。当然の結果です。(=^・^=)も福島の方を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(3月4週)―あっちこっちで過去最高―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月29日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング⇒南放水口・排水路」
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(9)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(10)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(11)一時貯留タンクの運用状況|東京電力
(12)報道関係各位一斉メール|東京電力中の「福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr*)からの排水について 」
(13)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(14)福島第一原子力発電所でのトリチウムについて
(15)牛乳のストロンチウム測定について - 専門家が答える 暮らしの放射線Q&A
(16)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(17)2015年3月27日福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて(PDF 391KB)
(18)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(2月4週)―高濃度の汚染水漏れは1年間隠します―
(18)第33回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(19)(18)中の「資料2-1 K排水路に関する調査と今後の対策について[東京電力]【PDF:8MB】」
(20)人気の背景は…健康志向? 納豆購入額全国一の福島市(福島民友トピックス)
(21)福島/全国納豆協同組合連合会 納豆PRセンター
(22)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
  1. 2015/03/29(日) 19:43:15|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

トラブルいっぱい福島原発(3月4週)-消火訓練したら火事-

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、3月4週(3月22日から3月28日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.消火訓練したら火事
  福島第一原発では3月18日に消火訓練が実施されした(2)。
訓練3日後に役立った福島第一の消火訓練
 ※(2)を引用
  図―1 3月18日の「消火訓練」

 そしたら3日後の3月18日に火災が発生しました。 
  3月21日午前11時48分頃、福島第一原子力発電所5・6号機西側道路脇の両土手が火事になっているのを下請けさんが見つけ、東電自衛消防隊や双葉消防本部が消火活動を行いました。
 燃えた範囲は2m×10mおよび約2m×15mの2箇所で、火災現場周辺の空間放射線量は10μSv/hとのことです。
原因については調査中ですが、車両の一部(損傷したブレーキ部品と思われる破片)が道路および延焼範囲に落ちていたので、火災発生の原因になった可能性が高いと思われるとのことです(3)(4)。
 以下に火事の跡を示します。
福島第一の火事の跡
 ※(5)を引用
 図―2 火事の跡

 以下に火事のあった場所を示します。
火事の発生場所
 ※(4)とGoogle Mapより作成
 図―3 火事のあった場所

 現場には車のブレーキの破片が落ちていたので(3)(4)、ブレーキが壊れている車が福島第一を走っていることになります。3月26日の東電の会見(6)を聞いていたのですが、まだブレーキが壊れた車は見つかっていないそうです。福島第一原発内にはブレーキが壊れたまま走っている車があります。こっちも怖い感じです。

2.凍土壁は見通し立たず
 福島第一原発では汚染水対策の一つとして、 東京電力と国(資源エネルギー庁)はやってみないと上手くいくか分からない福島第一原発のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で取り囲み、汚染水の元となる地下水の流入を抑える「凍土壁」を計画しています(10)(11)。
凍土壁の概要
 ※(1)を転載
 図―4 凍土壁の概要

 3月25日の第33回特定原子力施設監視・評価検討会が開かれました。ここで東京電力は「凍土壁」の運用方法を原子力規制委に説明しました。汚染水対策にはこの他にサブドレイン、地下水バイパス、海側遮水壁などがあります。
効果不明の福島第一汚染水対策
 ※(10)を加筆・修正
 図―5 福島第一汚染水対策

 このうち海側遮水壁は、海岸に「壁」を作り汚染水が海に流れないようにするものですが(11)、議論を聞いていると(12)、この「壁」を閉じると海に汚染水が流れなくなるので、放置すると汚染水が「壁」から溢れてしまうので、壁の前に溜まった汚染水は汲み上げる必要があります。汲み上げた水は保管できないので適当に浄化して「海」に流す計画です(13)。
 ところが2月末に排水路の一つから法律に触れるような高濃度の汚染水が直接外洋に流れていたことが発覚しました。なんと東電は2014年4月にはその事を知りながら、発表したのは10ヶ月後の2015年2月です(14)。汚染水を福島の海に流すには福島の漁師さんの了解が必要なのですが、10ヶ月も汚染水漏れを隠していた事に福島の漁師さんが怒り、流せなくなりました。
 海に適当に浄化した汚染水を流せなくなったので、海側遮水壁の計画は現時点では頓挫しています。でも東京電力は海側遮水壁を実行して、凍土壁を運用する計画を原子力規制委に説明したので、(=^・^=)が議論(12)を聞いている限りでは「門前払い」って感じです。
 福島第一原発の汚染水対策の一つの「凍土壁」は今の所は先が見えません。ただし、上手く行くかはやってみないと分かりません。

3.地下水バイパス効果無し
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです。2014年4月9日に地下水の汲み上げを開始してから(16)、10ヶ月がたちましたが効果が見えません。
 東京電力は地下水バイパスを開始するまえに、地下水バイパス稼働後の地下水位の見積もりを出しています(17)
brg140829d.gif
 ※1(17)を転載
 ※2 小名浜港を基準とした海抜(OP)で示す
 図-6 地下水バイパス稼働後の水位予測

それによると地下水バイパスの効果を観測するために水位を観測する3本の井戸(観測孔A,B,C)の当たりでは6メートル位に低下するはずでした。
 東京電力は近々の観測孔の水位を3月26日に発表しました(13)。そこで各観測孔水位を調べてみました
地下水バイパス稼働後の下がらない観測孔の地下水位
 ※1(19)より作成
 ※2小名浜港を基準とした海抜(OP)で示す
 図―7 地下水バイパス用観測孔の水位

 観測孔B、Cでは約2m下がって5mと7mになる試算でしたが、ほとんど下がっている様子がありません。以下に福島第一原発内の汚染水の増加量を示します。
 地下水バイパス稼働後も減らない福島第一汚染水増加量
 ※(20)より作成
 図-8 福島第一原発汚染水の増加量

 減っている様子がありません。それでも東電は地下水バイパスは効果があったと主張しています(18)。

4.下請けさんへの食事提供は3ヶ月遅れます
 東京電力は昨年(2014年)に今年4月1日から福島第一原発内で「給食」を始めると発表しました(21)。そしたら3月26日に食堂が入る予定の福島第一の大型休憩所の完成が当初予定の3月末(22)から、6月にずれ込むと発表がありました。食堂が無いので給食の本格的な開始も6月になるそうです(23)。
 もっとも「風評被害対策」と称し「食べて応援、あの世行き」になりそうな福島産(24)使うそうです(25)。(=^・^=)が下請けさんなら幾ら原発で被ばくしていても食べたくありません。

5.「誤記」だらけの資料を提出
 3月25日の第33回特定原子力施設監視・評価検討会(12)を聞いていらら、東電側がやたらと提出資料の訂正を口にしていました。そして、3月27日に一部について「正誤表」を発表しました(26)。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 福島の復興には福島第一原発の安定化が欠かせないと思います。その中でも重要なのが「汚染水対策」と「下請けさんの労働環境改善」だと思います。でも、目途が立たなかったり、実施したけど効果が無かったり、遅れたりです。これでは(=^・^=)は不安になります。福島の方はもっと不安だと思います。
 福島県いわき市は福島県沿岸部南端にあり南は茨城県と接する福島県第二位の市です(27)。そこのスーパーのチラシに福島県いわき産米をやっと見つけました。
いわき市では他県産に比べ大幅に安い福島県いわき市のお米
 ※(28)を引用
 図―9 地元産米が大幅に安くなっている福島県いわき市のスーパーのチラシ

 5kgで見ると
  山形県産 1680円
  福島県いわき市産 1190円
で、いわき産が30%程安くなっています。福島県いわき市産米の全袋検査数は30kg入りで約57万袋で(29)、いわき市の人口は約33万人で(27)、一人で年間約60kgのお米を食べるそうなので(30)、いわきの皆さんが地元産米をそれなりに評価して購入すればほぼ完売します。でも大幅に安い価格なので、理由は想像するしかありませんが福島県いわき市の皆さんは、地元産米を低く評価しています。(=^・^=)も福島県いわき市の方を見習い「フクシマ産」を低く評価し、食べません。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―

(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月3週)-汚染水処理の目途立たず-
(2)東京電力 写真・動画集| 原子力防災訓練(福島第一原子力発電所における訓練状況)
(3)2015年3月22日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(4)2015年3月21日福島第一原子力発電所構内5,6号機西側道路脇の土手からの出火について(PDF 391KB)
(5)東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所構内5・6号機西側道路脇の土手からの出火について
(6)【3月26日】東京電力「中長期ロードマップの進捗状況」に関する記者会見 - 2015/03/26 18:30開始 - ニコニコ生放送
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の凍土壁は税金の無駄遣い?
(8)陸側遮水壁|東京電力
(9)第33回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(10)(9)中の「資料4 陸側遮水壁閉合後の水位管理について[東京電力]【PDF:5MB】」
(11)海側遮水壁|東京電力
(12)(9)中の「会議映像」
(13)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ(計画)|東京電力
(14)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(2月4週)―高濃度の汚染水漏れは1年間隠します―
(15)<汚染水非公表>福島県漁連「信頼が崩れた」 | 河北新報
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(17)めげ猫「タマ」の日記 地下水バイパス効果無し!3mの水位低下のはずが30cm
(18)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年3月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第16回事務局会議)」
(19)(18)中の「【資料3-2】滞留水処理(9.61MB)」
(20)プレスリリース|東京電力中の「2015年3月27日福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(21)福島第一原子力発電所で働く社員や作業員の食生活の充実について|東京電力
(22)[PDF]福島第一原子力発電所の緊急安全対策 1 - 東京電力
(23)(18)中の「【資料3-4】労働環境改善(1.84MB)」
(24)めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援、あの世行き"めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援、あの世行き
(25)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)風評被害対策について(PDF 325KB)
(26)2015年3月27日(第33回特定原子力施設監視・評価検討会資料)K排水路に関する調査と今後の対応について 一部資料訂正<正誤表>(PDF 446KB)
(27)めげ猫「タマ」の日記 福島県について
(28)好間店 | マルト - 店舗情報
(29)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(30)農林水産省/年間1人当たりの米の消費量(しょうひりょう)を教えて下さい。
  1. 2015/03/28(土) 21:21:50|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島空港22周年―未来は暗い―

  福島空港は1993年3月20日に開港したので(1)、今月で22周年です。お祝いしたのですが、未来は暗いと思います。
 福島空港は福島市でなく「福島県玉川村」にある空港で(1)、近くに仙台空港があります。
福島市からは仙台空港より遠い福島空港
 ※(2)と地図で作成
  図―1 福島空港と近隣空港

 福島市に行くには不便な空港です。福島市によると
  「福島空港から福島間はリムジンバスと新幹線利用で約1時間30分」
ですが、
  「仙台空港から福島間は電車と新幹線利用で約50分」
だそうです(3)。福島市から仙台空港の方が40分程近くなっています。飛行機で福島市に行かれるかたは「仙台空港」をご利用ください。
福島空港は、福島県玉川村にある空港で大型機も着陸できる2,500mの滑走路と平行誘導路を備えた(1)かなり立派な空港です。
 閑古鳥が飛んで来そうな福島空港
  ※ Google Mapにて作成
  図―2 福島空港

 以下に福島空港の利用者数を示します。
 利用者が激減した福島空港
※(4)を作成
 図―3 福島空港利用者数推移

今世紀に入り、利用者が激減しています。1999年には約76万人の利用者があったのですが、その後に激減し2013年度は約24万人です。原発事故前の2010年度の28万人に回復していません。
 仕方がない事です。現時点(3月27日)では大阪に1日4往復、新千歳に2往復のみの路線です。しかも3月29日から新千歳線が1往復になり、事故表を見ると
 福島発08:30⇒新千歳着09:55
 新千歳発16:25⇒福島着17:50
の1往復になります(5)。福島の方が北海道に行くには良いですが、北海道の方が福島空港に来にくくなります。
 そして凄まじい赤字です。2012年度では
   収入   5000万円
   支出 5億8800万円
で、収入の10倍以上の支出があります(6)。
 福島県は色々と手をうっているようです。でも上手くいった様子がありません。福島県は修学旅行に福島空港を使うと最大で一人につき2万円の補助を出す事業を実施しています(7)。福島空港の近くには船引高校があります。
福島空港近隣
 ※1(3)と地図で作成
 ※2 凡例は図―1に同じ
 図―4 福島空港周辺

飛行機で修学旅行にいったそうです。でも利用したのは福島空港でなく羽田空港でした(8)。
 今年の3月14日に福島空港にとって悲しい事がありました。福島県第二の都市のいわき市の中心駅のいわき駅から品川駅まで直通の特急が誕生しました(9)。これまで羽田空港に行くには2回の乗換が必要でしたが、これからは品川に1回乗り換えるだけで行けます。時間的には遠いでしょうが、路線や便数が多いので羽田を使うかたが増えると思います。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 福島空港にはユニークな施設があります。「子どもの屋内遊び場」です。「東京電力福島第一原発事故の影響で外遊びを控える子どもたちが体を動かし、親子連れが訪れることで空港を活性化させる目的で設けられました」とのことです(10)。対象は空港利用者でなく、空港周辺の住民のようですが、空港にこんな施設があるので、福島空港周辺方は放射能汚染を恐れているようです。
 福島の魅力は豊かな自然、美味しい食べ物でしょうか?豊かな自然は放射能で汚染されました。美味しい食べ物はどうでしょうか?
 福島県の豚肉消費量は年間一人当たりで約1.9kgで、全国14位です(11)。一方、約18万頭の豚さんが飼育されており、全国18位です(12)。ほぼ地産地消が可能な供給量はあると思います、福島空港は福島県須賀川市と大玉村の境に位置します(1)。福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産豚肉は載っていません。
福島産豚肉の無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
 ※(13)を抜粋
 図-5 福島産豚肉の載っていない福島県須賀川市のスーパーのチラシ

 福島空港の地元の須賀川市の皆さんは、理由は分かりませんが美味しい福島産を避けているようです。これでは来訪者も「美味しい福島産」を避けそうです。これでは福島空港には未来はありません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―

(1)福島空港 - Wikipedia
(2)東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング」
(3)位置・交通 - 福島市ホームページ
(4)福島空港データ - 福島県ホームページ
(5)国内線 | ダイヤ案内 | 飛行機に乗る | 福島空港
(6)福島空港の収支の状況について - 福島県
(7)福島空港修学旅行利用促進支援事業 - 福島県ホームページ
(8)修学旅行の様子 - 福島県立船引高等学校 公式ホームページ
(9)2015年3月 ダイヤ改正について - JR東日本水戸支社
(10)2012.10.29(月) 福島空港に屋内遊び場がオープン! ( ニュース&トピックス ) - ふくしまの旅
(11)豚肉消費量 [ 2013年第一位 北海道 ]|新・都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]
(12)豚頭数の都道府県ランキング - 都道府県格付研究所
(13)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2015/03/27(金) 19:42:59|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

若い女性の福島脱出は止まらない原発事故4年目

 福島県の地方紙の福島民報は3月25日に「昨年の県内人口 社会動態の減少幅縮小」との表題で「県内からの転出が県外からの転入を1,803人上回ったものの、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が発生した23年の3万3,160人に比べておおよそ18分の1で、減少幅は大きく縮小した。 」と報じ、原発事故による人口流出が止まったかのように記載していました(1)。でも福島県の人口動態を集計すると(2)、中年男は増えるが若い女性の減少は止まらない構図があります。このまま放置すれば、福島県は老人と男だけの県になり、未来を担う子供が生まれなくなり消滅の道を歩みます。
 以下に原発事故4年目(2014年3月から15年2月)の年代別の社会的な増減を示します。
中年男は増えても若い女性が減っている福島県
※(2)を集計
 図―1 福島県の年代別、男女別社会的増減

 35歳から64歳の男性(中年男)は増えていますが、15歳~24歳の若年層の流出が顕著です。福島に中年男として移民した方には「知事」なった方までいるようです。
 福島県の中年男(移民)
※(3)を引用
 図―2 福島県を代表する中年男(知事:長野県生まれ)

特に20代前半の女性が多くなっています。以下に各年の3月から翌年2月までの20代前半の男女別の社会的増減を示します。
福島脱出が止まらない20代前半の女性
 ※(2)を集計
 図―3 福島県の20代前半の社会的増減

 男性の減少はおさまりつつありますが、女性の減少は収まる気配がありません。このままでは、福島県は男と老人の県になり、次世代を担う子供が生まれなくなります。そして「消滅」です。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 福島復興には、若い女性の流出を止めることが必須だと(=^・^=)は思います。でもその道は険しいような気がします。福島原発事故で一次は全村が避難した福島県川内村の小学校の卒業生はった一人だったそうです(4)
福島原発事故でたった一人の卒業となった川内村の小学生
 ※(5)を転載
 図―4 福島県川内村のたった一人の卒業生

 およそ正常な生活とは言えません。誰だって放射能に汚染された所より、汚染の無いところが良いに決まっています。福島県の女性はお隣の宮城や茨城に比べても綺麗です。新天地でも歓迎されると思います。 

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)昨年の県内人口 社会動態の減少幅縮小 | 県内ニュース | 福島民報
(2)福島県の推計人口(平成27年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(3)内堀雅雄 - Wikipedia
(4)「1人だけど1人じゃない」 川内小唯一の卒業生・秋元さん(福島民友ニュース)
(5)スイッチ20150323 TUFchannel
  1. 2015/03/26(木) 19:53:26|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

福島県二本松市の4年目の死者数15%増(対事故前年)―でも南会津は別―

 福島県のホームページを見たら、2月中の人口動態が発表になっていました(1)。そこで、原発前1年と4年目の死者数を比較してみました。
 福島県二本松市の死者数は
  原発事故前1年(2010年3月から翌11年2月)691人
  原発事故4年目(2014年3月から翌15年2月)792人
で15%増えています。偶然に起こる確率を計算したら0.9%で、偶然とは思えません。一方、南会津郡では
  原発事故前1年(2010年3月から翌11年2月)508人
  原発事故4年目(2014年3月から翌15年2月)491人
で少し減ってはいますが、統計誤差の範囲です。(=^・^=)なりに違いを調べたら、福島第一原発事故後4ヶ月の被ばく線量を福島県は調査しています(3)。それを(=^・^=)なりに集計すると調査対象者の推定の平均で
  二本松市 1.67ミリシーベルト
  南会津郡 0.51ミリシーベルト
でした。
 福島県二本松市は福島県中部にある市で、避難地域に隣接しています。福島原発事故によってそれなりの放射能が飛んできたのですが、避難区域になることはありませんでした(4)。一方、南会津郡は福島県の南西の外れにあり、放射性物質の飛散は福島県内の中では少ないほうです。実際に「除染」の対象地域はありません(5)。
福島県の中でも放射能汚染の酷い二本松市
  ※(4)(6)で作成
 図―1 二本松市と南会津郡および福島市、郡山市

 以下に福島県各市と南会津郡の農業生産額を示します。
農業生産額が30の市と同じ位の二本松市
  ※(7)で作成
 図―2 福島県各市(上位5市と最下位)および南会津郡の農業生産額

 二本松市は62億円で3位ですが、上位2市とそれほど変わりません。上位の郡山市や福島市、あるいは4位のいわき市が人口約30万規模の市である(8)のに対し、二本松市の人口は約5万6千人の中規模の市なので農業生産が福島県内でも盛んな市です。南会津郡の農業生産額は約35億円ですが、人口は約2万7千人(1)ですので農業の盛んなちいと思います。
 以下に福島県の調査結果(3)より(=^・^=)が計算した原発事故後4ヶ月(2011年3月11日から7月10日)の被ばく線量を上位3市町村と福島市、郡山市および南会津郡の結果を示します。
避難地域を除けば被ばく線量最大の二本松市
 ※(3)を集計
 図―3 原発事故後4ヶ月の平均被ばく線量

1位の飯舘村はその後に避難したので(4)、福島県二本松市は人が住み続けた場所としては最も放射能汚染の酷い場所です。たった4ヶ月でICRPが公衆の年間被ばく限度とする1ミリシーベルト(9)を超えてしまいました。
 以下に各年3月から翌2月までの二本松市の死者数を示します。
原発事故後に死者が増で、4年目を減らない二本松市
 ※(1)を集計
 図―4 各年3月から翌2月までの二本松市の死者数

 原発事故のあった2011年から急増して4年たっても戻っていません、原発事故前1年と4年目を比較すると
福島県二本松市の死者数は
  原発事故前1年(2010年3月から翌11年2月)691人
  原発事故4年目(2014年3月から翌15年2月)792人
で15%増えています。偶然に起こる確率を計算したら0.9%で、偶然とは思えません。一方、南会津郡では
  原発事故前1年(2010年3月から翌11年2月)508人
  原発事故4年目(2014年3月から翌15年2月)491人
で少し減ってはいますが、統計誤差の範囲です。
  (=^・^=)は以前に福島市や郡山市の死者数の増加率を集計しています(10)(11)。以下に平均の被ばく線量と死者数の増加率を示します。
被ばく線量が高いと死者数の増加が大きい福島

 ※本稿およぶ(10)(11)にて作成
 図―5 放射線量と原発事故4年目の死者数増加率(対原発事故前年)

以下に相関図を示します。
被ばく線量に対し直線的増加する死者数
 ※ リファレンス図―5に同じ
 図―6 放射線量と原発事故4年目の死者数増加率(対原発事故前年)の相関図

被ばく線量が大きい所ほど死者数が増加してます。これは明確な事実です。
 そして気になるデータもあります。平均の被ばく線量が1位、2位の飯舘村と川俣町では生まれてくる赤ちゃんの男女のンバランスに異常が生じまいした(12)。統計的には差がありませんが、福島県県民健康管理調査(12)によれば原発事故当時18歳以下の子供を対象とした甲状せん検査で、福島県二本松市では8857人方が検査を受け5人の方が「悪性ないし悪性の疑い」と判定されました。全体の0.06%で福島県の平均0.04%の1.5倍です。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 こんなデータが出てくると(=^・^=)は不安になります。二本松市は農業が盛んな市。「福島産 食べて応援 あの世行」なんてことを想像します。福島の方はもっと不安だと思います。
 福島県内でも会津地方は美味しいお米が取れる場所です(13)。会津地方を代表する大河は阿賀野川だと思うのですが(14)、この川は会津地方から新潟県に流れて行きます。だから新潟でも同じような味のお米がとれそうです。同じ様な味((=^・^=)が原発事故前に食べた限りでは会津産の方が美味しいとおもうのですが)なら地元産が良いに決まってます。まして福島県は福島県産米は安全だと主張しています(15)。でも福島県南会津郡南会津町のスーパーのチラシの載っていたコシヒカリは福島産でなく新潟産でした。
他県産はあっても福島産コシヒカリがない南会津郡のスーパーのチラシ
※(16)を引用
 図―7 福島産でなく新潟産コシヒカリが載っている南会津郡のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県南会津郡の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。計算方法は(=^・^=)の過去の記事(17)によります。
 
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
有意差検定表

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県ホームページ - 組織別 - 福島県の推計人口
(2)第18回福島県「県民健康調査」検討委員会 資料の掲載について(平成27年2月12日開催) - 福島県ホームページ
(3)(2)中の「 資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/282KB]」
(4)区域見直し等について - 福島県ホームページ中の「避難指示区域の推移」
(5)除染実施区域の概要・進捗|除染情報サイト:環境省
(6)東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 」
(7)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島県について
(9)ICRP勧告 日本語版シリーズ PDF無償公開のお知らせ | 刊行物
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島市の原発事故4年目の死者数は12%増(対原発事故前1年)―でも増えていないところもある―
(11)めげ猫「タマ」の日記 原発事故4年目も福島県郡山市の死者数は6%増(対2010年)―でも増えてないところもある―
(12)めげ猫「タマ」の日記 女の子しか生まれない福島県川俣町(2015年2月)
(13)福島でも有数の米の産地、会津地方。その品質は折り紙付きです! | ふくしま 新発売。
(14)阿賀野川 - Wikipedia
(15)全量全袋検査の体制 - 福島県ホームページ
(16)ヨークベニマル/お店ガイド
(17)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
  1. 2015/03/25(水) 20:45:55|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月3週)―茨城のキツネメバルは57ベクレル、福島・いわきは24ベクレルー

  食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。3月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買いものの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかり基準値超えが見つかっています(4)。
  ①検査数964件中43件の基準値超え(全体の4.5%)
  ②平均は、1キログラム当たり83ベクレル、最大30,000ベクレル(福島県産イノシシ)。
  ③基準超の食品が福島のみで見つかっています。
福島県のみで見つかったセシウム汚染食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2015年3月3週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

1.茨城のキツネメバルは57ベクレル、福島・いわきは24ベクレル
  茨城県日立市産のキツネメバルから茨城県が実施した検査で1キログラム当たり57ベクレルのセシウムが見つかりました。福島産が気になる所です。福島県いわき市は福島県沿岸部南部の市で南は茨城県に接します。
南が茨城県に接する福島県いわき市
 ※(7)にて作成
 図―2 福島県いわき市

そこで福島県いわき市産と茨城県産のキツネメバルの今年(2015年)の検査結果を調べてみました。
茨城県比べ低い福島県いわき市キツネメバルのセシウム濃度
 ※(1)を集計
 図―3 キツネメバルのセシウム濃度

 福島県いわき市の方が低くなっています。1キログラム当たりの値では
 ①福島県いわき市(福島県検査)
  ・検査数 10、うちセシウム有り 1
  ・平均   2ベクレル
  ・最大  24ベクレル
 ②茨城県(茨城県検査)
  ・検査数  7、うちセシウム有 4
  ・平均  14ベクレル
  ・最大  57ベクレル
でした。どう見ても福島県いわき市の方が低くなっています。茨城県より福島県の方が低く出ています。福島県いわき市の方が福島第一原発に近いのにおかしな話です。
 福島県の検査は、福島県漁連等の他の検査機関と比べても整合性がなく低くでます(4)。福島県の検査は他より低く出るデタラメな検査です。

2.福島県産米に「出荷制限」
 福島県産米の新たな集荷制限が3月20日付でだされました(8)。以下に出荷制限が新たに実施された区域をしめします。
新たに米の出荷制限が出された福島県
 ※(7)(8)(9)で作成
 図―4 米の新規出荷制限区域

 このうち川内村の一部地域は昨年(2014年)に安倍出戻り内閣が強引に避難指示を解除した場所(10)、が含まれています(8)。ほぼ全域が新たな出荷制限の対象となった富岡町でも、お米が作られ仮設住宅のもちつき大会に使われたそうです(11)。
 稲刈りが終わってだいぶたっての出荷制限、もう出て行ったお米があるかも知れません。福島では避難指示解除の動きもあります(12)。避難指示解除や米の栽培を再開するなら、出荷制限など必要な準備を事前に行うのが当たり前だと思います。でも今回の出荷制限はこのような処置が後回しされた例だと思います。
 福島産は適切に管理されていません。

3.福島県南相馬市のイノシシのセシウム濃度が急上昇
 福島県南相馬市産のイノシシから1キログラム当たり3万ベクレルのセシウムが見つかりました。以下に2014年以後の南相馬市産イノシシのセシウム濃度を示します。
急上昇し3万ベクレルになった福島県南相馬市のイノシシのセシウム
 ※(1)を集計
 図―5 福島県南相馬市産イノシシのセシウム濃度

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
  ・他より低く出るデタラメな検査で「安全」される福島産
  ・不十分な管理で「安全」とされる福島産
  ・セシウム濃度の急上昇もある福島産
 これでは「福島産 食べて応援、あの世行き」です(13)。放射能汚染が酷いのに学校給食に福島産を使うなど、福島産対して抵抗感の弱い福島県川俣町では女の子が特異的に生まれるといった奇妙な現象を起こっています(14)。放射能汚染酷いのに学校給食に福島産を使っている福島県二本松市では死者数が16%増えていますが、福島県内では放射能汚染がマシな南会津郡ではそのような事は起きていません(13)(15)。これでは福島の方も不安だと思います。
 福島県郡山市は45,800トンのお米を生産し、福島県最大のお米の産地です(16)。福島県郡山市産のお米は「あさか舞」といって美味しいそうです(17)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(18)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米は無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(19)を抜粋
 図―6 福島産米がない福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第922報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月3週)―福島県漁連は6ベクレル、福島県は0.3ベクレル―福島相双のアカガレイー
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日」
(8)原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の設定 |報道発表資料|厚生労働省
(9)区域見直し等について - 福島県ホームページ中の「  ・避難指示区域の概念図(平成26年10月1日)(PDF:874KB)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―川内村は生活に不安があるから帰れない、本当は放射線が怖いから―
(11)帰還の望み粘り強く いわきの仮設で餅つき | 河北新報オンライン
(12)原発事故:福島・楢葉町 避難指示解除に向け「準備宿泊」 毎日新聞
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援、あの世行き
(14)めげ猫「タマ」の日記 女の子しか生まれない福島県川俣町(2015年2月)
(15)めげ猫「タマ」の日記 福島県二本松市の2014年3月から11ヶ月の死者数16%増(対2010年)―でも増えていない所もある―
(16)水稲・大豆・麦・そばの生産に関する資料 - 福島県ホームページ中の「1 水稲の部(P5~P45)」
(17)郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市
(18)県産食品の安全・安心を確保する取組み | ふくしま 新発売。
(19)AEON | 店舗情報 | イオン郡山フェスタ店
  1. 2015/03/24(火) 19:43:15|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

女の子しか生まれない福島県川俣町(2015年2月)

 福島県が発表している2015年2月中の人口動態(1)を見たら、福島県川俣町で生まれた赤ちゃんは
  男の子 1人
  女の子 6人
殆どが女の子です。川俣町に隣接する飯館村、浪江町など全域が避難区域になった村と隣接していますが、川俣町は一部は避難区域になり(2)避難区域から避難された方も含め大部分の方が福島原発事故後も町に残りました(3)
 以下に川俣町の男女別の赤ちゃん誕生数を示します。
女の子が多く生まれる福島県川俣町

 ※(1)より集計
 図―1 福島県川俣町の赤ちゃん誕生数

2013年7月くらいから女の子の誕生数が男の子の誕生数を上回るようになりました。2013年7月から15年1月で集計すると
  男の子 38人
  女の子 64人
で女の子が多くなっています。通常は男の子が多く生まれるので(4)、異常な事態です。偶然に起こる確率を計算したら1%ですのでおよそ偶然とは思えません。
 川俣町は避難区域を含みますので、人が住む場所としては放射性物質汚染がもっとも酷い所です。
避難区域を抱え放射能汚染が酷い川俣町
 ※(5)より作成
 図―2 福島県川俣町と周辺市町村
 
 このような現象は川俣町だけではありません。避難区域の中で避難完了が福島原発事故後3ヶ月過ぎの6月22日となった福島県飯館村(6)では、原発事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれる2011年12月頃から男の赤ちゃんが少なくなっています。
brg140224c.gif
 ※(7)を転載
 図―3 福島県飯舘村の赤ちゃん誕生数

一方、同じく避難区域を抱える南相馬市ではこのような現象は起こっていません。

女の子も男の子も生まれる南相馬市
※(1)を集計
 図―4 福島県南相馬市の赤ちゃん誕生数

 南相馬市と川俣町の違いを調べたら、南相馬市は学校給食の食材の産地を公表していますが(8)、今年の結果を見ると福島産はありません(9)。
 保護者の間に福島産に対する抵抗感が強いと思います。ご家庭でも保護者を含め、福島産は避けていると思います。
 川俣町産の米の2013年、14年の精密検査はありませんが2012年に8件の米が精密検査にかけられいます(10)。うち6件は基準値の1キログラム当たり100ベクレルを超えており、最大は平均で1キログラム当たり160ベクレルでした。川俣町も給食の食材の産地を公表していますが(11)、それを見ると過去に基準超えのセシウムが見つかった「地元産米」を平気で使っています。以下に川俣町の学校給食の例を示します。
地元産が一杯の川俣町の給食
 ※1(13)を抜粋
 ※2 ①の「ご飯」は地元産(12)
 ※3 ②の「鶏」は川俣町産(12)
 ※4 ③の牛乳はお隣の福島市の乳業メーカー(13)
 図―5 川俣町の給食

保護者の間に福島産に対する抵抗感が弱く、ご家庭でも保護者を含め、福島産は食べていると思います。
 ①1部が避難区域になっていて、福島産に対する抵抗感が弱い川俣町では、生まれてくる赤ちゃんの男女のバランスが狂っている。
 ②1部が避難区域になっていても、福島産に対する抵抗感が強い南相馬市では、生まれてくる赤ちゃんの男女のバランスは正常である。
これは事実です。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 男の子が生まれなくても、女の子が生まれれば問題ないと多くの方が考えると思います。まして、福島県の女性は隣の宮城や茨城の女性に比べても綺麗です。
福島産に不安を訴える福島の綺麗な女性
 ※(14)を転載
 図―6 福島産に不安を訴える福島県の綺麗な女性

でも他に影響がないか心配です。放射線影響研究所は、放射線による遺伝的欠陥が生じてないことの根拠の一つとして、広島・長崎では赤ちゃんの男女の比率(出生性比)や自然死産率に異常が認められなかったことを挙げています(15)。通常は男の子の方が多く生まれます(4)。でも福島産に抵抗感の弱い福島県川俣町は逆転現象が起こっています。福島県全体でも自然死産率も福島では有意に上昇しています(16)。
全国の1.5倍の福島県死産率(グラフ)
 ※(16)を転載
 図―6 福島県の自然死産率の推移

放射線による遺伝的欠陥が生じてないことの根拠の一部が崩れたのは間違いないと思いまいます。このような事があると「福島産 食べて応援、不幸な子供」なんて事になりそうです(17)。福島の方も心配だと思います。もう一寸は冬野菜が楽し染めそうです。福島県のシュンギクは出荷量全国第10位で(18)、南相馬市の特産品だそうです(19)。福島県は福島産野菜は「安全」だと主張してます(20)。でも福島県南相馬市のスーパーのチラシには春菊をはじめ福島産野菜がありません。
福島産野菜がない福島県南相馬市のスーパーのチラシ
 ※(21)を引用
 図―7 福島産野菜が無い福島県南相馬市のスーパーのチラシ

当然の結果です。(=^・^=)も福島県南相馬市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
 以下に偶然に起る確率の計算結果を示します。
 
 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※ 計算方法は(22)による。
有意差検定表

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
(1)福島県ホームページ - 組織別 - 福島県の推計人口
(2)過去の避難指示等について(METI/経済産業省)
(3)福島県ホームページ - 組織別 - 地震災害情報中の「平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(第1134報)」
(4)出生性比
(5)東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 」
(6)飯舘村 - Wikipedia
(7)めげ猫「タマ」の日記 女の子しか生まれない福島県川俣町
(8)学校給食食材放射能分析の取り組み - 南相馬市
(9)学校給食食材等放射能分析結果(平成27年1月) - 南相馬市
(10)食品中の放射性物質の検査結果について(第528報) |報道発表資料|厚生労働省中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
⇒No109~No117」
(11)学校給食 - 川俣町公式ホームページ
(12)「いただきます。ふくしまさん」事業を行いました。 - 川俣町公式ホームページ
(13)福島乳業株式会社(通称:福ちゃん牛乳)|福島乳業株式会社(通称:福ちゃん牛乳)
(14)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2015年1月)―出荷制限しても販売される福島産ー
(15)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 - 放射線影響研究所
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍
(17)めげ猫「タマ」の日記 食べて応援、不幸な子供
(18)栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売。
(19)元気の秘訣は春菊栽培!(南相馬市) | ふくしま 新発売。
(20)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(21)Webチラシ情報 | フレスコキクチ
(19)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
  1. 2015/03/23(月) 20:14:57|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

福島第一原発汚染水(3月4週)―あっちこっちで過去最高―

 福島第一原発汚染水の3月4週(3月17日から22日)の状況を纏めてました。先週に続き高濃度の汚染水が見つかっています(1)。
 ①港湾内の港湾中央で全ベータが過去最高
 ②地下水バイパス上流の2つの井戸のトリチウムも過去最高
 ③海岸近くの2つの井戸の全ベータも過去最高
 ④排水路からは法令違反の汚染水が外洋へ
あっちこっちの汚染水で過去最高濃度の放射性物質が見つかっています。

1.港湾内の港湾中央で全ベータが過去最高
  先週に続き今週も海水から全ベータ等の放射性物質が見つかっています。
放射性物質が見つかる福島第一原発沖の海
 ※1  (4)(5)(6)にて作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
  ※5  赤字は過去最高を示す。
 図―1 福島第一原発近傍の海、排水路の放射性物質濃度

 ①5,6号機放水口北側(3月16日採取)(4)(5)
   全ベータ 12ベクレル
 ②南放水口(3月16日採取)(4)(5)
   全ベータ 11ベクレル
 ③港湾中央(3月20日採取)(5)
   セシウム  12.2ベクレル
   全ベータ  82ベクレル(過去最高)
 ④排水路C-2-1地点(3月19日採取)(6)
   セシウム 8.6ベクレル
   全ベータ 36ベクレル
が見つかっています。このうち「港湾中央」の全ベータ濃度が過去最高を記録しました。以下に港湾中央の放射性物質濃度を示します。
過去最高の全ベータが見つかった福島第一原発港湾中央
 ※(5)にて作成
 図―2 「港湾中央」の放射性物質濃度

東京電力の発表(8)では過去最高は明示してませんが、過去のデータと比べ過去最高です。

2.地下水バイパス上流の2つの井戸のトリチウムも過去最高
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(9)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。さらに、地下水バイパスより山側(上流)の井戸から高濃度の放射性物質が見つかっています。
過去最高を記録した地下水バイパス山側井戸
 ※1 (10)(11)(12)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4  赤字は過去最高を示す。
 図―3 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

 このうちE-13とG-1井戸のトリチウム濃度が過去最高を記録しています。この中で気になるのがG-1井戸です。以下にG―1井戸のトリチウム濃度の推移を示します。
急上昇し過去最高を記録したG-1井戸のトリチウム
 図―4 G-1井戸のトリチウム濃度推移

 以下に1リットルの当たりで、トリチウム濃度の数値を記載します。
   2月24日 検出限界未満
   3月 3日 検出限界未満
   3月10日  200ベクレル
   3月17日 3900ベクレル
   3月19日 1900ベクレル
   3月20日 3100ベクレル
で、図―4に示すようにこれまでは低い値(1リットル当たり500ベクレル未満)で安定していたのですが、3月17日の観測で前回観測の1リットル当たり200ベクレルの20倍近い1リットル3900ベクレルを記録しました。その後3日からデータがありませんが、高い値が継続しています。
 そして 地下水バイパスから放流されたトリチウムの総量を濃度×排出量の合計で計算したら約4、900億ベクレルに達しました。
約3900億ベクレルとなった地下水バイパストリチウム放出量
 ※(13)(14)を集計
 図―5 地下水バイパスの累積のトリチウム放出量

 トリチウムの安全性については、いろいろと議論があるようです(15)。福島第一原発のトリチウムは概ね「水」として存在します(16)。蒸発して雲になり雨になり、農作物を育むと思います。トリチウム米やトリチウム飼料ができ、それを食べた牛さんからはトリチウム牛肉ができそうです。東京電力はトリチウムは飲んで「安全」と主張していますが(15)、食べて「安全」とは主張していません。
 
3.海岸近くの2つの井戸の全ベータも過去最高
東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。
過去最高を記録した福島第一沿岸部のセシウム濃度
 ※1(5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4  赤字は過去最高を示す。
 図―6 海岸付近の放射性物質濃度
 
 このうちNo1-11井戸とNo1-8井戸で過去最高濃度のセシウムが見つかりました。この中で(=^・^=)が心配なのはNo1-8井戸です。
急上昇し過去最高を記録したNo1-8井戸のセシウム濃度
※1(5)集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図ー7 No1-8井戸のセシウム濃度推移

 1リットル当たりのセシウム濃度は
  3月 2日  63ベクレル
  3月 9日  65ベクレル
  3月16日 303ベクレル
  3月17日 302ベクレル
で、3月16日の観測(採水)で5倍近くに急上昇したあと、今の所は下がることはありません。海の側にあるので、そのまま海へ流れ出しそうです。

4.排水路からは法令違反の汚染水が外洋へ
 福島第一原発には外洋に通じる2本の排水路があります。
つぎつぎと汚染水が見つかる福島第一排水路
  ※(16)を転載
  図―8 A,C,K排水路
 
 今年の2月から3月にかけて、二つの排水路(A,K)から法令の定める値を超える高濃度に汚染された汚染水が直接に外洋に廃棄されていたことが分かりました(1)(17)。
東京電力が排水路の新たなサンプリングデータを発表しました(18)。相変わらず法令超えの汚染水を直接外洋に流しています。以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。
法例限度を超えた汚染水が流れるK排水路
  ※1(18)を集計
  ※2NDは検出限界以下を示す。
  図―9 K排水路の放射性物質濃度

 ストロンチウム90の法令限度(告示限度)は1リットル当たり30ベクレルですが(3)、全ベータの約半分がストロンチウム90ですので、全ベータに換算すると1リットル当たり60ベクレルです。K排水路を流れ海に出る汚染水から3月10日に1リットル当たりで
  セシウム134 21ベクレル
  セシウム137 78ベクレル
  全ベータ   150ベクレル
みつかっています(18)。基準の60ベクレルの2.5倍の全ベータが外洋に直接出されています。それでも安倍出戻り総理は「(影響は第1原発の)港湾内において完全にブロックされており状況はコントロールされている」と、従来通りの見解を繰り返したそうです(19)。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 3月20日福島県では春の訪れを告げる魚として親しまれているコウナゴの今季の漁がはじまりました(20)。
4年間もストロンチウム90の検査がされないまま始まった福島のコウナゴ量
 ※(21)をキャプチャー
 図―10 コウナゴ漁の始まりを報じる福島のローカルTV(FCT)

 (=^・^=)は心配です。コウナゴはカルシュウム豊富なお魚です。カルシュウムを多く含むお魚はストロンチウム90濃度が高くなります。
カルシュウムに比例する福島のお魚のストロンチウム90濃度
 ※1 (22)を転載
 ※2 同一地点(福島第二原発沖2km:T-S7)を集計
 図-11 セシウム137とストロンチウム90の相関(T-S7地点)

 でも(=^・^=)はコウナゴのストロンチウム90の検査結果を知りません。福島第一ではセシウムよりもストロンチウム90に由来する全ベータが高濃度で見つかっています。本当に大丈夫か(=^・^=)は心配です。
「放射性セシウム対放射性ストロンチウムが10対1で含まれていると仮定して、規制値を決めています。」とのとですが(23)、厚労省の資料(24)を見ると結果は書いてあるのですが、もととなったデータや文献、解析過程の記載は一切ありません。これではこの主張が正しいか判断ができません。
 安倍出戻り総理は外国の脅威から守ることは熱心に進めていますが(24)、福島原発の放射能から(=^・^=)等の「国民」を守ることは、基準超えの汚染水が直接外洋5流れる事実があっても「(影響は第1原発の)港湾内において完全にブロックされており状況はコントロールされている」(19)などとし、あまり熱心ではありません。
 これでは福島の方は大変に不安だと思います。福島県郡山市の牛の肥育頭数は福島県随一であり(26)、福島県最大の牛肉の産地です。福島牛は美味しく、徹底した安全管理体制のもとで飼育されており、また、すべての牛を対象に放射性物質検査を受けています(27)。福島県は福島牛は「安全」だと主張しています(28)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシにには福島県産牛肉はありません。
他道県産はあっても福島産牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(29)を抜粋
 図―12 福島産牛肉が載っていない福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の方を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―

(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(3月3週)―2週連続で外洋からセシウム―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月22日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング⇒南放水口・排水路」
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)2015年3月21日福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 313KB)PDF
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(10)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(11)(2)中の「H6エリア周辺観測孔」
(12)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(13)一時貯留タンクの運用状況|東京電力
(14)報道関係各位一斉メール|東京電力中の「福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr*)からの排水について 」
(15)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(16)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月1週)―安全総点検してもけが人―
(17)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(2月4週)―高濃度の汚染水漏れは1年間隠します―
(18)2015年3月20日福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて(PDF 328KB)
(19)「港湾内汚染されている」 第1原発で宮沢経産相が見解(福島民友ニュース)
(20)松川浦漁港に“春”の使者 今期のコウナゴ試験操業開始 | 県内ニュース | 福島民報
(21)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2015年3月20日(金)放送」
(22)めげ猫「タマ」の日記 福島・コウナゴのストロンチウム90は推定12ベクレル
(23)牛乳のストロンチウム測定について - 専門家が答える 暮らしの放射線Q&A
(24)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(25)首相、安保法制整備へ決意 防大卒業式で訓示 上毛新聞ニュース
(26)めげ猫「タマ」の日記 福島の魚、基準値超はゼロ 2月検査と報道―でも3月は別―
(27)JA全農福島/JA全農福島オンラインショッピング
(28)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(29)イトーヨーカドー 郡山店
  1. 2015/03/22(日) 19:48:45|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ