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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島県のマスコットキャラクタは20歳―でも未来は暗い―

福島県のマスコットキャラクタの「キビタン」が今日(2015年8月21日)で20歳になりました。成人おめでとうと言いたいのですが、未来は暗そうです。

1.キビタンとは
福島県は今から149年前の1876年8月21日にそれまで、殆ど地域的につながりのなかった3つにの地域を時の明治政府が適当に纏めて作った県です(1)(2)。それでも2011年3月10日まではそれなりに発展してきたと思います。そして今日(8月21日)は福島県民すら知らない福島県民の日です(3)。
 今から20年前の1995年8月21日に福島県のマスコットキャラクター「キビタン」が制定されました。2011年3月の福島原発事故以降は福島県域復興のシンボルとして起用され(4)大忙しなようです。今日で20歳です。

2.未だに除染が必要な福島の台地
 今から4年半ほど前、福島第一原発は放射能を福島の台地にまき散らしました(5)。国は「除染」などといっていますが(6)、国が除染が必要する1時間当たり0.23マイクロシーベルト(7)を広範囲で超えています。
広範囲な地域で国の除染基準を超えている福島県
 ※(8)を用い(9)に示す方法で2015年8月21日時点に換算
 図―1 福島県の放射線量

3.止まらない放射性物質の拡散
 以下に2013年11月に対する2014年10月の放射線量の増減を示します。
只見町付近で増加した放射線量
 ※(10)を転載
 図―2 福島県の放射線量の増減

 福島県只見町付近で放射線量が増えています。以下に只見町産のコシアブラのセシウム濃度を示します。
上昇を続ける只見町のコシアブラのセシウム濃度
 ※1(10)を転載
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図―3 福島県只見町産のコシアブラのセシウム濃度

 確り上昇しています。
 福島第一では8月初めにダストモニタから空気中に放射性物質の存在を知らせる警報が2回出ました。
 ①8月1日午前10時56分頃、モニタリングポスト(MP)2近くのダストモニタが1立方メートル当たり10ベクレル以上の放射性物質を検知し警報が出ました。
 ②8月7午前7時34分頃、モニタリングポスト(MP)7近くのダストモニタが1立方メートル当たり10ベクレル以上の放射性物質を検知し警報がでました。福島第一近くのアメダス観測点の浪江の風向きをみると、8月1日午前10時は「南南東」、8月7日午前7時の風向きは東北東で、1~4号機から見て風下になります。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県南相馬市のスーパーのチラシ
 ※(11)を転載
 図-4 モニタリングポスト位置とダストモニタ警報時の風向き

以下に海に通じる排水路の一つのK排水路の汚染水濃度を示します。
法令限度を超えた汚染水が流れる福島第一k排水路
 ※(12)を集計
 図―5 K排水路の汚染水濃度

 基準値を超える放射性物質が流れ続けています。
 今も陸に海に福島第一原発は放射性物質を拡散し続けています。

3.やせ細る金脈
 福島第一原発事故で福島には3本の金脈が繋がれました。
 ①福島復興費用
 ②東電賠償
 ③福島第一原発安定化
です。この結果、福島は復興バブルと言える状況になりました(13)。このところ、この金脈が細くなってきました。
 ①福島復興費用
  以下に福島県予算の推移を示します。
原発事故で急膨張した福島県予算
  ※1(14)を転載
  ※2 2009,10,11年は決算額、12、13,14年は補正後累計予算額、15年は当初予算額
図ー6 福島県の予算・決算額

 福島原発事故後に急膨張しました。でも今年度で集中復興期間は終りで(15)、来年度以降は予算が削られそうです。2017年3月には自主避難者への家賃補助が打ち切られます(16)。
 以下に除染予算の推移を示します。
除染予算額の推移
 ※(14)を転載
 図―7 除染予算額の推移

 年間5000億円程です。以下に住宅除染の進行状況を示します。
終わりに近づいた福島の除染作業
 ※(17)を集計
 図-8 福島県の住宅除染の進行状況

 このペースで除染が進めば2017年内には終わりそうです。そうなれば福島に除染費用が入らなくなり、除染業者は廃業し作業員は失職するかもしれません。蛇足ですが「除染」が終わっても福島の放射性物質汚染がなくなるわけではありません。
 以下に年度別の東電の賠償支払い額を示します。 
減少傾向となった東電賠償支払い額
 ※(18)を集計(過去分も含む)
 図ー9 東電の賠償支払い額

 2014年度は12,13年度に減っています。国や東京電力はこれまでも賠償の打ち切りを行っていますし、今後も順次、打ち切っていくと思います。(=^・^=)の知る範囲では以下の打ち切りがあります。
 ① 2015年2月 就労不能損害の賠償打ち切り(19)
 ② 2017年2月 営業損害打切り予定(20)
 ③ 2918年3月 帰宅困難区域を除く避難区域での精神損害の打ち切り(21)

これからもどんどん減っていきます、
 福島県予算の2009,10年に平均に対する増加分を「福島復興費用」として、除染、原発賠償、福島復興費用の推移を示します。
年2~3兆円になる福島後始末費用
※図―6,7、9を集計
 図―10 福島費用の推移

 概ね2~3兆円です。福島原発事故後に2~3兆円のお金が福島県に注ぎこまれました。福島県のGDPは7兆円程度ですので(22)、その3分1に相当する金額です。このお金がなくなれば福島県は日本の最貧県になるかも知れません。


4.葬式が増えて、赤ちゃんが減った県北、そうでもないいわき
 図―1に示すように福島県は県内を7つの行政区域に区分しています。キビタンが何処に住んでいるかと言えば、福島県庁本庁舎の知事室には椅子に腰かけた大きなキビタンがいので(1)、県北地域だと思います。
 以下に福島県が実施している原発事故から4ヶ月(2011年3月11日~7月10日)の間の被ばく線量調査でICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルトを超えた方の割合を示します(23)。

県北で高く会津・いわきで低い被ばく線量
 ※(23)を転載
 図-11 原発事故後4ヶ月で1ミリシーベルを超えた人の割合

 キビタンが暮らす県北では大部分の方がICRPが限度としている年1ミリシーベルトを4ヶ月で超えています。一方でいわきでは超えた方はそれ程にません。キビタンが暮らす県北区域は福島県内でも放射能汚染が酷い地域です。しかし大部分(川俣町山木屋を除く)で避難区域とならず(24)、そのまま暮らし続けました。その結果、どうなったでしょうか?
 以下に県北地域の死者数を示します。
死者数が9%増えた県北地域
 ※(23)を転載
 図―12 県北地域の死者数の推移(各年3-6月)

  原発事故前年(2010年3-6月) 1,738人
  原発事故5年目(2015年3-6月)1,894人
で9%増で、偶然に起こる確率は0.96%で偶然とは思えません(23)。
 以下にいわきの各年3―6月の死者数を示します。
県北ほどには死者数が増えていないいわき
 ※(24)を集計
 図―13 いわき地域の死者数の推移(各年3-6月)

  原発事故前年(2010年3-6月) 1,384人
  原発事故5年目(2015年3-6月)1,446人
で4%程増えてはいますが、統計的な差がるとは言えません。
 増えているものありますが、減っているものもあります。
 以下に県北地域といわきの各年3月から1年間の赤ちゃん誕生数を示します。
減少傾向に転じた県北、回復が続くいわきの赤ちゃん誕生数
図―14 県北といわきの誕生数

 いわきでは原発事故後は一時は減りましたが、回復基調です。県北は原発事故3年目(2013年3月~翌年2月)には増えたのですが、そのごまた減少に転じました。キビタンが暮らす県北地域では葬式が増えて、赤ちゃんが減っています。


5.若い女性は逃げて行く
 以下に福島県の人口減少率を示します。
一時的に福島第一原発事故前の水準に戻った福島の人口減少率
  ※(24)を集計
 図―15 福島県人口減少率(前年同月比)

 原発事故直後は急増した人口減少率も4年を経過して元に戻った感じがります。その中で構造的な変化が起こっています。以下に2014年度の年齢別の社会増減(転入者―転出者(25))を示します。
中年男は増えても若い女性が逃げて行く福島県
 ※(24)を集計
 図-16 福島県の社会的増減

中年男は増えていますが、若い女性は福島から出ていってます。当然です。放射能に汚染され、葬式が増え、赤ちゃんが減った場所にだれも住みたくありません。まもなく「福島復興バブル」も崩壊すると思います。そしてますます赤ちゃんが生まれなくなります。この問題を解決しない限りキビタンには未来はないと思います。
 でも大変に困難です。福島の女性はお隣の茨城や宮城に比べても大変に綺麗です。
福島の綺麗な女性
 ※(26)転載
 図ー17 福島県の綺麗な女性

 どこへ行っても歓迎されると思います。どこよりも若い女性に魅力的な福島をつくらない限りこの問題は解決しないと思います。
 

6.未来は限界県
 若い女性が逃げて行けば、次世代を担う子供が生まれなくなり福島は老人だけの地域になります。以下に福島県の5歳毎の人口統計(25)(27)と人口動態統計(28)から(=^・^=)が試算した、福島県の人口と高齢化率を示します。
人口は減り高齢化率が上昇し限界県になりそうな福島
 ※(25)(27)(28)より推計
 図―18 福島県の人口と高齢化率

 これからも福島県の人口は減り続け、高齢化がどんどん進展します。高齢化率が50%を超えた集落を「限界集落」と呼ぶそうですが(29)、福島県の高齢化率もやがては50%近くになり、殆ど「限界県」になりそうです。キビタンの未来は真っ暗って感じです。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください
福島の未来を切り開くには若い女性に魅力ある福島をつくるしか選択はないと思います。でも今の福島は若い女性どころか、普通の方にも魅力がなさそうです。
 福島県は夏・秋キュウリの日本最大の産地です(30)。福島のキュウリは美味しいそうです(31)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(32)。でも福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(33)を引用
 図―19 福島産キュウリが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県 - Wikipedia
(2)めげ猫「タマ」の日記 福島県について
(3)福島県民の日について
(4)キビタン - Wikipedia
(5)福島第一原発事故による放射性物質の拡散 - Wikipedia
(6)除染情報サイト:環境省
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(10)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月2週)―マーケットからセシウム汚染食品、でも5日間公表ぜずー
(11)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(8月2週)―下請けさんがWで死亡―
(12)報道配布資料|東京電力 中の「福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果 」
(13)復興「紋切り型」でない議論を 開沼博氏に聞く福島の今:朝日新聞デジタル
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の総費用は15兆円確定―でもまだまだ増える―
(15)復興庁 | 集中復興期間の総括及び平成28年度以降の復旧・復興事業のあり方について
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島・自主避難者向け住宅の無償提供は2017年3月で終了―大丈夫?―
(17)福島県の除染実施区域の進捗について|除染実施区域の概要・進捗|除染情報サイト:環境省
(18)賠償金のお支払い状況|東京電力
(19)雇用環境改善で東電、就労不能賠償金打ち切りへ : 福島原発 ...
(20)めげ猫「タマ」の日記 福島・自主避難者向け住宅の無償提供は2017年3月で終了―大丈夫?―
(21)精神的賠償「30年3月まで」 居住制限、避難解除準備区域 (福島民報) - Yahoo!ニュース
(22)福島県県民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(23)めげ猫「タマ」の日記 福島県県北地域の死者数は9%、会津は別(対2010年3-6月)
(24)避難指示区域等 - 福島県ホームページ
(25)福島県の推計人口(平成27年7月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(26)社会増減とは - 流通用語 Weblio辞書
(27)過去の結果(年齢(5歳階級)別推計人口) - 福島県ホームページ
(28)保健福祉部関係の統計情報データベース - 福島県ホームページ
(29)限界集落 - Wikipedia
(30)福島県・福島市|なるほど統計学園
(31)夏に美味しいきゅうり!その“目利き”を伝授します! | ふくしま 新発売
(32)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(33)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
  1. 2015/08/21(金) 19:41:26|
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福島海じまい―海水浴客は今年も原発事故前に比べ大幅減―

 8月16日に福島は海じまいをしました。今年の海水浴客は5万8944人で(1)(2)、原発事故前の29万1530人の僅か2割です。
いわきの海じまいを報じるフクシマのローカルTV(TUF)
 ※(3)をキャプチャー
 図―1 福島の海じまいを報じる福島のローカル TV局(TUF)

 今年も7月18日に福島県いわき市の四倉と勿来海水浴場が海開きをしました(4)。
 海開き宣言をする福島県の綺麗な女性
 ※(4)を転載
 図―2 海開きを宣言する福島県の綺麗な女性

 以下に場所を示します。
福島原発の汚染水が流れ付きそうないわきの海水浴場
 ※1放射線量は(5)のデータを(6)に示す手法により8月1日に換算
 ※2海流は(7)よる。
 ※3海水浴場位置は(8)による。
 図―3 海開きした海水浴場

 図に示すように海流は福島第一から、いわき市の海水浴場に流れています。そして海開きの2日前の7月16日は福島第一では汚染雨水漏れを起こしました(9)。海水浴客が戻るか気になるところです。これについて福島の地方二紙は共に「東日本大震災後で最多」と報じていました(1)(2)。でも原発事故前に比べてどうか気になるところです。以下に福島県いわき市四倉、勿来海水浴場の入込数を示します。
原発事故前より大幅に減ったいわきの海水浴客
 ※(2)(10)にて作成
 図―4 勿来・四倉海水浴場の入込数

 原発事故前に遠く及びません。今年はライバル?の茨城県の海水浴場では鮫騒動がありました(11)。
いわきに海水浴客を追い払うことができなかった茨城の鮫
 ※(12)をキャプチャー
 図―5 茨城県沖に現れた鮫

 鮫か放射能か迷ったかたもいると思います。それでも海水浴客は大幅減のままです。でも福島県の地方二紙は
 「東日本大震災後で最多」
と報じていました。
 蛇足ですが海じまい当日の8月18日の福島第一原発では汚染雨水漏れを起こしています(13)。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください
最近の福島発の情報をみると(14)(15)(16)(17)(18)(19)、福島原発事故の影響を隠そうする報道が目立つ気がします。今回の配信も表題は「東日本大震災後で最多」(2)です。でもいわきの海水浴客が減ったのは震災のせいでしょか、福島原発事故のためでしょうか?福島は正確な情報発信を放棄した気がします。これでは福島の方は不安になると思います。
 いま、福島県いわき市はトマトのシーズンです。いわきのトマトは美味しいそです(20)。福島県は福島産トマトは安全だと主張しています(21)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他地域はあっても福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―6 福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)勿来、四倉の海水浴客5万8944人 震災・原発事故後で最多 | 県内ニュース | 福島民報
(2)いわき海水浴客5万8944人 東日本大震災後で最多(福島民友ニュース)
(3)スイッチ20150818 TUFchannel
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島は今日(7月18日)から夏休み、子供達は大丈夫?
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(7)気象庁 | 海水温・海流のデータ 旬平均海流
(8)平成27年度水浴場の環境放射線モニタリング調査結果 - 福島県ホームページ
(9)2015年7月16日強い降雨によるK排水路雨水の外洋側への一部排水について(PDF 989KB
(10)福島県観光ホームページ 統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(11)銚子でも「3つのサメの背びれ」 海水浴場が遊泳禁止に - 産経ニュース
(12)www.fnn-news.com: 茨城県の海水浴場周辺...
(13)福島原発の汚染雨水が外洋流出 構内ポンプがフル稼働せず | 県内ニュース | 福島民報
(14)福島民報
(15)みんゆうNet : 福島民友新聞社-福島県のニュース・スポーツ-
(16)ニュース|福島中央テレビ
(17)福島県内ニュース|KFB福島放送
(18)FTV|福島テレビ
(19)TUFテレビユー福島
(20)いわき小名浜菜園(株) - ぐるっといわき
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(22)好間店 | マルト - 店舗情報
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  1. 2015/08/20(木) 19:42:02|
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福島市の死者数9%増(対2010年3-7月)、でもいわきは別

 福島県福島市の7月中の人口動態が発表になったので(1)、3月~7月の死者数を原発事故前の2010年の値を比較してみました。
  原発事故5年目の2015年(3―7月) 1,247人
  原発事故前年の2010年(3-7月)  1、146人
で9%増です。偶然に起こる確率を計算したら3.9%程度なので統計的な差があるといっても差支えないと思います
 同じ福島県内でもいわき市は
  原発事故5年目の2015年(3―7月) 1,731人
  原発事故前年の2010年(3-7月)  1、680人
で微増で、統計的な差はありません。(=^・^=)なりに福島市といわき市の違いを調べたら、福島市はいわき市に比べ農業が盛んでセシウム汚染が酷い市でした。
 福島県には人口30万人程の市が3つあります。郡山市(人口約33万人(3))、いわき市(人口約32万人(4))、福島市(人口約28万人(1))です。4位の会津若松市が約12万人(5)なので郡山、いわき、福島は福島県の3大都市とえると思います。以下に位置を示します。
いわき市に比べても汚染が酷い福島市
※1(6)の数値データを元に(7)に示す手法で8月1日時点に換算
 ※2 放射線量は2015年8月1日時点
 図―1 福島県福島市といわき市

 福島市の7月中の人口動態が発表になったので、各年3-7月の死者数を集計してみました。以下に福島市の死者数の推移を示します。
原発事故以降に死者数が増えたままの福島市
※(1)を集計
 図―2 福島県福島市の死者数(各年3-7月)

福島原発事故後から死者数が増え、
  原発事故5年目の2015年(3―7月) 1,247人
  原発事故前年の2010年(3-7月)  1、146人
偶然に起こる確率を計算したら3.9%程度なので統計的な差があるといっても差支えないと思います。

 
 以下にいわき市の死者数を示します。
原発事故後も増加傾向が無いいわき市の死者数
 ※(4)を集計
 図-3 福島県いわき市の死者数(各年3-7月)

 原発事故後もそれ程には増えていません。  
  原発事故5年目の2015年(3―7月) 1,731人
  原発事故前年の2010年(3-7月)  1、680人
で微増で、統計的な差はありません。

 2市の違いについて(=^・^=)なりに調べてみました。図―1に示す通り、福島市は内陸の市ですので、原則、津波被害はありません。一方でいわき市は沿岸部の市で津波被害がありました(8)。
 図―1に示すようにセシウム汚染に2市では差があります。以下に福島県は県民健康管理調査・基本調査で福島県民の被ばく線量を調査しています(14)。これを集計すると福島市は福島原発後か4ヶ月でICRPが1年間の公衆の被ばく限度として定める1ミリシーベルトを超えて平均1.42ミリシーベルトの被ばくをしています。
福島県内でも高い福島市の被ばく線量、低い南会津郡

 ※(14)を集計
 図―4 福島県各市町村の平均被ばく線量(原発事故4ヶ月)

 図―4に示す通り、2市で比較すると福島市はいわき市にくらべ汚染が酷い市です。1位の飯舘村は原発事故後にしばらくして避難したので、避難区域を除けば二本松市が最高の値ですが、福島市も同じレベルです。セシウム汚染の度合いを見れば
 福島市 ―避難地域を除けば酷い場所
 いわき市―福島県内ではセシウム汚染が相対的に低い場所
になります。
 以下に原発事故前年の福島県各市および南会津郡の農業生産額を示します。
農業が盛んな福島市、そうでもないいわき市
 ※(11)を転載
 図―5 福島県各市および南会津郡の農業生産額

 原発事故前年には福島県随一の農業生産額を達成していました。但し人口は約28万人と、福島県第3位ですので、農業が盛んな市です。
 農業は果樹中心となっています。
果樹栽培が盛んな福島市
 ※(12)を引用
 図―6 福島市の農業の構成

 ただ、福島原発事故により図―1に示す様に福島市内は放射能に汚染され福島産を正しく恐れる多くの方の買い控え主力のモモの価格が大幅に下落しました。
原発事故後下落した福島のモモ価格
 ※(13)を引用
 図―7 原発事故後に低迷した福島のモモの価格


このためでしょうか?2011年は農業出荷額の首位を郡山市に渡してしまいました(14)。それでも(=^・^=)は農業が盛んな市だと思います。福島市の果物は原則露地栽培であり、福島原発事故によて放射能が木にあたったで、それなりの放射能汚染リスクがあると思います。
 農業が盛んでセシウム汚染の酷い福島市では死者数が大きく増え、そうでもないいわき市はそれ程でもない。これは明確な事実です。
 
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
このようなデータが出てくると、福島の方は不安だと思います。
 福島県いわき市では子育て世代を対象に、福島産の安全性に関するセミナーが開かれたそうです(15)。
福島の安全性に関するセミナーの様子
※(16)をキャプチャー
 図ー8 いわき市で開かれたセミナーの様子

効果はないようです。福島県いわき市にはトマト加工品で有名なK社のトマト生産拠点があります(17)。K社の製品は「安全」だそうです(18)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシにはK社のトマト製品はありません。
他社はあってもK社のトマト製品がない福島県いわき市のスーパーのチラシ
 図―9 K社のトマト製品が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。計算方法は(=^・^=)の過去の記事(20)の通りです。
  表―1 偶然に起こる確率の計算結果(福島市)
有意差検定表(福島市)

 表―2 偶然に起こる確率の計算結果(いわき市)
有意差検定表(いわき市)

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)推計人口 - 福島市ホームページ
(2)仮説検定 - Wikipedia
(3)郡山市の現住人口/郡山市
(4)地区別世帯数・男女別人口|いわき市
(5)会津若松市の現住人口 | 会津若松市
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(8)東日本大震災による津波被災現況調査結果|いわき市
(9)第19回福島県「県民健康調査」検討委員会 資料の掲載について(平成27年5月18日開催) - 福島県ホームページ
(10)飯舘村 - Wikipedia
(11)めげ猫「タマ」の日記 福島市死者数13%増(対原発事故前)(2014年5月ー15年4月)-でもいわき市は別―
(12)統計データ
(13)ふくしま復興のあゆみ第11版の一部に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。 - 福島県ホームページ
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島県郡山市の死者数12%増(対原発事故前)、でも増えていないところもある。
(15)ニュース|福島中央テレビ
(16)スイッチ20150818 TUFchannel
(17)企業情報トップ > ファン株主のみなさまへ > 株主イベント > 対話・交流の会 > いわき小名浜菜園モニター見学会のご報告
(18)カゴメ株式会社 > 安心・安全への取り組み
(19)イトーヨーカドー 平店
(20)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
  1. 2015/08/19(水) 19:47:49|
  2. -
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月3週)―福島のマダイは全数ND、千葉県銚子では半分がセシウム入り

食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。8月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。
  ①検査数1,192件中に基準超えは無し
  ②平均は、1キログラム当たり1.2ベクレル、最大66ベクレル(福島県産ヒラメ)。

基準超えはありませんが、本当に「安全」なのか(=^・^=)は心配です。

1.福島のマダイは全数ND、千葉県銚子では半分がセシウム入り
 福島県のマダイを検査したら2件中2件で検出限界未満との発表がありました(3)。これで今年に入り12件連続で検出限界未満です。でも(=^・^=)には心配なことがあります。以下に千葉県が検査した千葉県銚子沖と福島県が検査した福島産マダイの検査結果を示します。
千葉県銚子より低い福島のマダイのセシウム濃度
※1(1)を集計
 ※2 日付は捕獲日
 図―1 千葉県銚子と福島のマダイの検査結果(2015年)

 千葉県銚子のマダイの検査10件中5件からセシウムが見つかっています。汚染源からそれなりに離れた千葉県銚子のマダイからセシウムが見つかるのに、汚染源が立地する福島の検査では見つかっていません。
 福島県漁連は54件のヒラツメ検査したら7件からセシウムを見つけたのに、福島県は同じ期間に55件検査してセシウムを見つけることができなかった旨の記事を先週に書きました(3)。今週で2件加わったので57件です。福島県の検査は他より値が低くでる検査で、なかなかセシウムが見つけられないとするとこの両方の説明がつきます。
 福島産は他所よ入り低い値が出る検査で「安全」とされ出荷されます。

2.福島市のリンゴの出荷始まる―検査結果はありません―
 福島県福島市は全国13位の(7)、福島県内最大のリンゴの産地です。
福島市は福島県最大のリンゴの産地
※(8)を作成
 図―2 福島県のリンゴの生産量(2006年)

今日(8月18日)にから、出荷が始まるそうです(9)。検査されているか心配です。以下に福島県産リンゴの今年8月18日時点での検査状況を示します。
汚染の少ない場所が優先で検査された福島のリンゴ
 ※1(10)の数値データを元に(11)に示す手法で8月1日時点に換算
 ※2 放射線量は2015年8月1日時点
 ※3(1)(2)で作成
 ※4 リンゴマーク一つがリンゴの1回の検査
 ※5 8月18日の発表分まで
 図―3 福島県のリンゴ検査と福島市と石川町

 図に示す通り避難地域を除けば福島県内でもセシウム汚染が酷い場所です。でもリンゴの検査はありません。その代わり放射能汚染の少ない場所を中心に検査がされています。
 福島産は生産量が多くてもセシウム汚染の酷い場所を避ける検査で「安全」とされ出荷されるみたいです。
 福島市は果物のシーズンです。6月のサクランボ(12)、7月のモモ(13)、8月のナシ(14)に続きリンゴも検査結果がないまま出荷が始まりました。

3.石川町のカボチャから初のセシウム
 福島県石川町は図―1に示す様に福島県中部にある町で、福島県内ではセシウム汚染がマシな場所です。以下に石川町産のカボチャのセシウム濃度を示します。
セシウムが見つかるようになった石川町のカボチャ
 ※(1)を集計
 図ー4 福島県石川町のセシウム濃度

 福島島第一原発事故以降にこれまでカボチャからセシウムが見つかる事はなかったのですが、8月18日に厚生労働省からセシウムが見つかったと発表がありました。今年も福島の野菜はセシウム入りです。福島のセシウム汚染は拡散している気がします。

 
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
 ・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
 福島県のローカルTV局のTUFは「福島にきてみて放射線の危険がない」との高校生の発言を配信していました。
福島に危険が無いと洗脳された女子高校生
 ※(15)をキャプチャー
 図-5 「福島にきてみて放射線の危険がない」との発言する高校生

 彼女は汚染リスクの高い場所を避けたり、他より低くなる検査を福島県が実施している事実を知っているんでしょうか?
 少なくとも福島の方は不安なようです。福島県いわき市はトマトのシーズンです。いわき市のトマトは美味しいそうです(16)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(17)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 ※(18)を引用
 図―6 福島産トマトが載っていない福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第943報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月2週)―県漁連14.3ベクレル、福島県は全数ND、福島のヒラツメガニ―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)統計データ
(8)サンつがる・さんさの収穫指導を開く - ブログ
(9)統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103
(10)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(11)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(12)めげ猫「タマ」の日記 福島市でサクランボの収穫はじまる―でも検査されていません!
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島市のモモの収穫始まる―でも検査結果がありません―
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島市のナシは販売開始―検査はありません―
(15)スイッチ20150817 TUFchannel
(16)とまとランドいわき ~美味しく安全な農産物を食卓へ~
(17)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(18)平尼子店 | マルト - 店舗情報
  1. 2015/08/18(火) 20:59:55|
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韓国の犬ぶりを発揮した安倍70年談話

 安倍出戻り総理は8月14日にいわゆる戦後70年の「談話」を発表しました(1)。そこには「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去」と韓国が主張する従軍慰安婦問題を認めた文言が含まれています。従軍慰安婦問題に関連する文言は村山談話(2)や小泉談話(3)にもない文言です。安倍出戻り総理は韓国の「犬」ぶりを発揮しました。
 8月15日は「終戦記念日」とよぼれていますが(4)、海外の論調をみるとVJDay(Victory over Japan Day、日本を打ち負かした日)が一般的な気がします(5)。実質は「敗戦の日」です。日本が無謀な戦争を仕掛け、多くの国々の方に多大な危害を加え、日本もまた大変な犠牲を出した戦争に負けた日です。このような戦争は二度とあってはならない事です。この日に関連して安倍出戻り総理は戦後((=^・^=)は敗戦後と思っています)70年談話を発表しました(1)。(=^・^=)が見た限りまったく反省を感じません。
「当初は、日本も足並みを揃えました。しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。」
なんて文言があり(1)、これでは世界恐慌により経済のブロック化が進み(6)、日本が経済的に苦境におちいたのでしかたなく「戦争」した見たいです。安倍出戻り総理は先の大戦を「正当化」しているみたいです。日本は戦争に負けましたが、すくなくとも安倍出戻り総理が総理になる前は原発事故も無く、それなりに生活ができていたと思います。戦争に負けてもです。戦争をしなかったら、もっと豊かな生活はあったかもしれません。安倍出戻り総理の「文言」は全く正当化できるものではありません。
 70年談話には、村山談話(2)や小泉談話(3)には新たな文言が追加になっています。
「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去」
です。韓国の論調を見ると
。「(旧日本軍の)慰安婦問題についても女性たちの名誉と尊厳が傷ついたと間接的に言及したのは残念だ」と述べた(7)とある通り、韓国が主張する慰安婦問題に言及したものと理解されているようです。朝日の誤報(8)にもあるように「慰安婦問題」は真実は闇の中です。あったとも、なかったともいえない状態です。ひとつ言えることは「日韓条約」(9)によって「韓国」との間では解決済みの問題です。それでも韓国は国際法に反して、不当な要求を繰り返しています(10)。このような問題に対し
「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去」
などと言及すれば、韓国を勇気づけ不当な要求をエスカレートさせ、(=^・^=)を含む日本で暮らす方の利益を損ねます。早速に韓国大統領はすでに解決している慰安婦問題について
「 日本に慰安婦問題の早期解決を求める」
と言及したそうです(11)。
 安倍出戻り総理は日本に暮らす人より韓国が大事みたいです。まさに韓国の「犬」ぶりを発揮しました。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください
 安倍出戻り総理は日本で暮らす全体の方の利益より、東電救済(12)や韓国といった特定の方の利益を計るのが好きみたいです。このような方がコントロールされているなどと言っても(13)、福島の方は不安になるだけだと思います。
 福島を代表する夏野菜にピーマンがあります。今がシーズンです(14)。福島県は福島産ピーマンは安全だと主張しています(15)。でも、福島県白河市スーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンが無い福島県白河市のスーパーのチラシ

 ※(16)を引用
 図―1 福島産ピーマンが無い福島県白河市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)平成27年8月14日 内閣総理大臣談話 | 平成27年 | 総理指示・談話など | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ
(2)村山総理大臣談話
(3)小泉内閣総理大臣の談話
(4)終戦の日 - Wikipedia
(5)Victory over Japan Day - Wikipedia, the free encyclopedia
(6)ブロック経済 - Wikipedia
(7)韓国与党「意味ある内容だが残念」 安倍談話発表で
(8)朝日新聞「慰安婦問題誤報訂正」なぜ今? - 東京スポーツ 2014/08/08
(9)日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約 - Wikipedia
(10)日本の慰安婦 - Wikipedia
(11)速報:朴大統領 日本に慰安婦問題の早期解決を求める
(12)めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援 東京電力
(13)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(9月2週)―安倍出戻り総理が世界に向かって「嘘」をつく-
(14)福島県産夏野菜シリーズ/東京青果株式会社
(15)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「やさい編 [PDFファイル/131KB]」
(16)チラシ - ホーム
  1. 2015/08/17(月) 19:38:27|
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福島第一原発汚染水(8月3週)―外洋からストロンチウム90―

 福島第一原発汚染水の8月3週(8月10日から8月16日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、過去最高濃度(新記録)の放射性物質が見つかっています。
 ①外洋からストロンチウム90等の放射性物質
 ②地下水バイパス井戸からは過去最高のトリチウム
 ③護岸付近の井戸からは過去最高の全ベータ
 ④排水路からは法令限度を超える「汚染水」

1.外洋からストロンチウム90等の放射性物質
 外洋からストロンチウム90等の放射性物質が見つかっています。
 事故から4年半近くなっても放射性物質が見つかる福島第一沖が外洋
  ※1 (4)(5)(6)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
  ※5  北防波堤北側は7月13日時点(6)
 図―1 福島第一原発近傍外洋の放射性物質濃度

 図―1に示すように港湾口で全ベータが見つかっているので、港湾口から外洋に放射性物質が流れだしています。以下に5,6号機放水口北側の推移を示します。
放射性物質濃度に下がる気配がない5,6号機放水口北側
 ※1(4)(5)で作成
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度

 原発事故からもうすぐ4年半ですが今も全ベータやストロンチウム90等の放射性物質が見つかり続けています。

2.地下水バイパス井戸からは過去最高のトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(8)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(9)(10)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(10)。以下に放射性物質濃度を示します。
高濃度の放射性物質が見つかる地下水バイパス井戸や山側井戸
 ※1 (9)(10)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―3 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

 このうちNo9井戸のトリチウム濃度は過去最高(新記録)となりました。
上昇が続き過去最高を更新する地下水バイパスNo10井戸のトリチウム
  ※(10)にて作成
 図-4 地下水バイパスNo9井戸のトリチウム濃度の推移

 今年3月位から上昇傾向が継続しています。これからも上昇すると思います。この井戸から汲み上げられた地下水はその後に福島の海に流されます(8)。またG-2井戸のトリチウムは8月13日の1リットル当たり170ベクレルから14日は2400ベクレルと1日で14倍も跳ね上がっています(9)。


3.護岸付近の井戸からは過去最高の全ベータ
 東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。以下にそこでの放射性物質濃度を示します。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一の海岸
 ※1(5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4 SR90はストロンチウム90、採取日は7月2日
 図―5 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

このうち、No1の全ベータ(1リットル当たり3、200ベクレル)とストロンチウム90(1リットル当たり1,800ベクレル)は過去最高で、No3のトリチウム(1リットル当たり9,200ベクレル)はタイ記録です。No1井戸の全ベータとストロンチウム90濃度の推移を以下に示します。
上昇が続き過去最高を更新するNo1井戸
 ※(5)を集計
 図―6 No1の井戸の全ベータとストロンチウム90濃度

 図に示す通りストロンチウム90濃度と全ベータ濃度がほほ同じです。全ベータはベータ線(光速に近い電子)(11)の合計ですが、ストロンチウム90が存在すれば、ストロンチウム90から変化した同量のイットリウム90があるのが通常です(12)。図―5に示す通り全ベータとストロンチウム90濃度がほぼ同じであり、全ベータの大部分はストロンチウム90で、イットリウム90は殆ど存在しません。この現象を説明するには「汚染地下水」の高速の流れしかないと思います。イットリウム90が高速に流れておりNo1井戸には滞留しないとの考えです。流れたイットリウム90が何処へ行くかといえば、福島の海です。

4.排水路から法令限度を超える全ベータ
 福島第一原発構内にには幾つもの排水路があります。
福島第一原発排水路
 ※(13)を転載
 図―7 福島第一原発内の排水路

 当然ながら福島第一構内は放射性物質で汚染されており、排水路に流れ込みます。全ベータ濃度のおよそ半分がストロンチウム90で(7)、ストロンチウム90の法令限度は1リットル当たり30ベクレルですので(2)、全ベータでみれば1リットル当たり60ベクレルになります。以下に汚染水が流れ出たK排水路の放射性物質濃度を示します。 
法令限度を超えた全ベータが流れる福島第一の排水路
 ※(14)を集計
 図―8 K排水路の放射性物質濃度

8月15日には法令限度を超える
  1リットル当たりで120ベクレル
の全ベータが見つかっています。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください
 もうすぐ原発事故から4年半になります。福島第一原発からの汚染水の海洋流出は止まる気配がありません。これでは福島の方は心配だと思います。
 8月に入り福島県いわき市もトマトの季節です。いわき市のトマトは美味しいそうです(15)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(16)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(17)を引用
 図―9 福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(8月2週)―海岸付近の井戸から過去最高の全ベータ―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を8月16日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)2015年8月14日福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 255KB)PDF
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(9)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(10)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(11)ベータ粒子 - Wikipedia
(12)放射平衡と系列崩壊――エクセルでシミュレーションとα崩壊β崩壊の数を求める問題 : 目指そう放射線主任
(13)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発―2週連続で下請けさんがケガ―
(14)(3)中の「福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果 」
(15)とまとランドいわき ~美味しく安全な農産物を食卓へ~
(16)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(17)平尼子店 | マルト - 店舗情報
  1. 2015/08/16(日) 19:57:55|
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トラブルいっぱい福島原発(8月3週)―作業中止もトラブル―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、8月3週(8月9日から15日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.作業停止
 8月8日午前6時25分ごろ、東京電力福島第1原発で大型バキューム車を清掃していた下請けさん(男性)が、車両後部のタンクのふたに頭部などを挟まれ死亡する事故が起こりました(1)(2)。
 死亡したのはいわき市、下請け企業の作業員烏山直志さん(52)です。これを受け東電は第1原発構内の全ての作業を当面停止し、安全対策を再点検するため(2)、当面は作業を停止することになりました。8月13日の東電会計(3)を聞いていたら、作業の停止は来週も続き、再開の目途は立ってないそうです。

2.淡水化装置から汚染水漏れ
福島第一原発では、メルトダウンを起こした原子炉から汲み上げた汚染水を、
  ①セシウム吸着装置で、汚染水とセシウムを分離
  ②淡水化装置で原子炉に注水する「淡水」を取り出し、原子炉へ注水
  ③残りの水は汚染水タンクに一時保管
  ④多核種除去設備(ALPS:試運転中)で、固体化できる放射性物質を汚染水から分離
  ⑤汚染水をタンクに保管
で処理する計画をたてています(4)。
結局はタンクにためるしかない福島第一原発汚染水
 ※(5)を転載
 図―1 福島第一の汚染水処理の流れ

 このうちRO淡水化装置は汚染水に高い圧力をかけ「淡水」を絞りだそうとする装置です。「淡水」といっても汚染水から絞りだしているので、それなりに放射性物質で汚染されています(6)。
 8月12日にRO淡水化装置の高圧ポンプの吐出側配管より霧状に汚染水が出ているのを運転員(下請けさん)が見つけました。漏れた汚染水は1メートル四方に飛び散りました。汚染水がでた場所を調べたら配管に小さな穴(ピンホール)が見つかりました(7)(8)。
 この装置は過去にも度々の汚染水漏れをお越し、最近は7月17日にも汚染水漏れを起こしています(9)。僅か一ヶ月で2回も汚染水漏れを起こすRO淡水化装置は「高い圧力をかける」との原理的な欠陥があるような気が(=^・^=)にはしますが、これに代わる妙案を思いつかないのも事実です。

3.凍土壁試験凍結の一部停止
 福島第一では原子炉やタービン建屋を氷の壁で取り囲み、原子炉やタービン建屋に地下水が流入し汚染水となり、汚染水が増加を防止するために「凍土壁」の計画を進めています。当初の計画では今年1月から凍結を開始し7月には、「凍土壁」の維持をしているはずでした(10)
もうすぐ凍結を始める?凍土壁
 ※(11)を抜粋
 図―2 凍土壁の日程

 でも現時点(2015年8月)でも本格的な凍結に至っていません(12)。報道をみると2015年のうちは「無理」みたいです(5)。その代わり東京電力では、そのうちの一部を凍らす「試験凍結」を実施ています(12)。これに黄色信号がでました。
 東京電力の8月13日の会見(3)によると、4号機の南側にある3カ所の凍結管の周辺水位が規定以上に低下しんで、13日に1カ所を止め、14日に残りの2カ所で凍結を停止すことになりました(13)。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください
 作業が止まってもトラブルは止まらない福島原発!福島の方は不安だと思います。
 福島を代表する夏野菜にピーマンがあります(14)。福島県は福島産ピーマンは安全だと主張しています(15)。でも福島県南相馬市のチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンが無い福島県南相馬市のスーパーのチラシ
 ※(16)を引用
 図―3 福島産ピーマンが無い福島県南相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県南相馬市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(8月2週)―下請けさんがWで死亡―
(2)第1原発で死亡労災事故 安全対策再点検、全作業停止へ(福島民友ニュース)
(3)【8月13日】東京電力 記者会見 - 2015/08/13 17:30開始 - ニコニコ生放送
(4)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(3月3週)―汚染水対策の要のはずが 放射性物質取り除けず-
(5)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(7月1週)―凍土遮水壁 年度内完了困難に―
(6)めげ猫「タマ」の日記  福島第一原発の淡水化装置について
(7)2015年8月12日ジャバラハウス内における淡水化装置(RO3)高圧ポンプ吐出配管溶接部付近からの堰内漏えいについて(PDF 114KB)
(8)2015年8月12日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後4時現在】
(9)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(7月3週)―揚水ポンプが容量オーバー―
(10)めげ猫「タマ」の日記 2015年 福島の5つの課題
(11)PDF]凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(708KB) - 東京
(12)陸側遮水壁|東京電力
(13)地下水位低下で冷却1時停止 第一原発凍土遮水壁の一部 | 県内ニュース | 福島民報
(14)福島県産夏野菜シリーズ/東京青果株式会
(15)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「やさい編 [PDFファイル/131KB]」中の「やさい編」
(16)Webチラシ情報 | フレスコキクチ
  1. 2015/08/15(土) 19:50:49|
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福島市のナシは販売開始―検査はありません―

 福島市の直売場でナシの販売が始まったそうです(1)。心配なので福島県が提供するサイト(2)で検査結果を調べたら検査結果が出て来ません。福島市の果物は、サクランボ(3)、モモ(4)に続いてナシも無検査のまま販売が始まりました。
 福島と言えば「モモ」のイメージがありますが、生産量は全国2位でトップではありません(5)。でも全国トップの果物もあります。ナシです。
梨の生産日本一、福島県福島市
 ※(6)を加筆
 図―1 ナシの生産量

 福島県域は福島原発事故によってセシウム等の放射性物質に汚染されました。酷い場所は人が住めないと判断され、避難区域に指定されました(7)。福島といっても汚染の程度にはばらつきがあります。
避難地域を除けば福島県内でも汚染が酷い福島市
 ※1(8)の数値データを元に(9)に示す手法で8月1日時点に換算
 ※2 放射線量は2015年8月1日時点
 ※3 避難区域は(7)による
 図―2 福島県福島市
 図―2に示すように福島県福島市は福島県内でも汚染が酷い市です。今年も福島市のお米からは基準値を超えるセシウムが見つかりました(10)。福島市産農産物のセシウム汚染が心配です。これについて福島県は福島産農産物は確り検査しており「安全」だと主張しています(11)。
 福島市やいまだ避難区域を抱える川俣町を活動範囲とするJA新ふくしま産のナシが8月13日から出荷されます(12)。
検査結果が無いのに店頭にでた福島市産ナシ
※(1)をキャプチャー
 図―3 福島市の直売場にならぶ「ナシ」

 検査結果が心配です。そこで福島県が運営する福島産農産物の検査結果を検索するサイト(2)で検査結果を調べたら検査結果が出て来ません。福島市は果物のシーズンです。6月のサクランボ(3)、7月のモモ(4)に続き8月のナシも検査結果がないまま出荷が始まりました。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 検査されないまま次々と出荷が始まる福島市産果物、これでは福島の方は心配だと思います。福島を代表する夏野菜の一つにピーマンがあります。今がシーズンです(13)。福島のピーマンは美味しいそうです(14)。福島県は福島産ピーマンは「安全」だと主張しています(15)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンがない福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(16)を引用
 図―4 福島産ピーマンが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)スイッチ20150813 TUFchannel
(2)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。で「果物⇒日本ナシ、福島市、川俣町」で検索
(3)めげ猫「タマ」の日記 福島市でサクランボの収穫はじまる―でも検査されていません!
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島市のモモの収穫始まる―でも検査結果がありません―
(5)桃の産地と生産量(収穫量)について~福島の桃・あんぽ柿(干し柿)の産直販売=大武農園
(6)統計データ
(7)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(10)福島のコメで今年初の基準値超え 流通せず - 産経ニュース
(11)検査体制について | ふくしま 新発売。
(12)幸水出荷前、出荷者集会で意識高める - ブログ
(13)福島県産夏野菜シリーズ/東京青果株式会社
(14)やわらか新鮮ピーマン(三春町) | ふくしま 新発売。
(15)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「やさい編」
(16)ザ・ビッグ 福島大森店のチラシ・特売情報 [クックパッド] スーパーの情報とレシピで賢く節約!
  1. 2015/08/14(金) 13:55:04|
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福島の観光客入込数、只見は51%増、田村は△61%減―明暗を分けた山間僻地―

 福島県が2014年の観光客り込み数を発表しました(2)。原発事故前の2010年に比べ全体では△18%減ですが、大きく減った市町村と大きく増えた市町村があります。実質増1位は只見町で51%増、実質減1位は田村市です。共に山間僻地ですが(3)、大きく明暗を分けました。何が違うか考えたら田村市は自然科学に興味のある方をターゲットした観光施設を整備したのに対し、只見町は福島では極普通の観光地でした。自然科学に興味のある方は放射線についても理解しやすいと思いますが、フクシマを避けています。
 福島県は2014年の観光客入込数を発表しました(2)。以下に推移を示します。
原発事故前までには回復しない福島の観光客入込数
※(2)を集計
 図―1 福島県の観光客入込数

 全体としては4,689万人で福島原発事故前の2010年に対して△18%減です。2013年に比べても3%減です。多くの方が福島の放射能汚染を正しく恐れ賢い選択をした結果だと思います。観光に行くなら放射能汚染地より汚染されてない方が良いに決まってます。
 市町村別にみると大きく減らしたところと、大きく増やしたところがあります。
西高東低の福島の観光客の増減
 ※(2)(4)を集計
 図―2 福島県の観光客入込数増減(対2010年)

 福島原発から遠い福島県西部では50%以上も増えた町村がありますが、避難地域に隣接する市町村では50%以上の減です。福島の方は観光も福島第一原発から遠く離れた場所に行きたいようです。
 増加のベスト3は
  昭和村 61.6%
  只見町 51.0%
  金山町 50.5%
ですが、昭和村は2010年の統計(5)には無かった「道の駅からむし織りの里しょうわ」が2014年では全体の過半数を超えており、ここを除けば只見町がトップです。
 避難区域を除く減少のワースト3は
  広野町 -72.5%
  相馬市 -67.2%
  田村市 -60.6%
ですが、広野町は福島原発事故によって緊急時避難準備区域に指定され(5)、その後に解除されたのですがいまだに住民の過半数が町に戻っていません(6)。相馬市は海岸部分の観光地(松川浦、海水浴場)が再開されていないので(2)、大きく落ち込んでいるようです。実質は田村市が福島県59市町村でワーストです。
 以下に田村市と只見町の位置を示します。
避難区域に隣接し放射能汚染がみられる田村市、遠く離れ汚染がマシな只見町
 ※1(7)の数値データを元に(8)に示す手法で8月1日時点に換算
 ※2 放射線量は2015年8月1日時点
 図―3 田村市と只見町

 避難区域に隣接し福島第一原発に近い田村市の観光客が減って、福島県内では最も離れている只見町で増えるのは当然ですが、田村市は避難区域に隣接する市や町の中でも大きく減らしています。
 只見町の観光地は田子倉湖、深沢温泉、雪まつり(4)と湖沼、温泉、雪まつりと福島県各地にあるある意味では普通の観光地です。同じような観光地なら福島第一原発から離れている方がいいと思います。一方、田村市の観光地で観光客入込数の2014年の上位3地点は
  あぶくま洞等の鍾乳洞   190,917人
  こどもの国ムシムシランド  12,894人
  星の村天文台        12,343人
で福島県内ではかなりユニークです。(=^・^=)は福島県内に類似の観光地を知りません。鍾乳洞や天文台は自然科学に興味のある方の関心を引くとともいますが、自然科学に興味のある方は放射線の理解も容易だと思います。そのような方が「フクシマ」を避けています。以下に只見町と田村市の観光客入込数を示します。
激減したままの田村市、増加した只見町の観光客数
 ※(1)にて作成
 図-4 只見町と田村市の観光客入込数

 只見町は順調に増えていますが、田村市は原発事故以降の落ち込みからまったく回復していません。
 
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 このようなデータが出て来ると福島の方は不安になると思います。
 田村市に訪れていた観光客だけでなく、福島県田村市の皆さんもフクシマを避けているようです。
 福島県を代表する夏野菜にピーマンがあります(8)。福島県田村市は福島県最大のピーマンの産地です。
 田村・小野・二本松が大部分を占める福島のピーマン生産
 ※(9)を転載
 図―5 福島県のピーマンの生産量(2007年)

 福島県田村のピーマンは緑が濃く、果肉が厚いのが特徴で、やわらかく甘いと定評でだそうです(10)。福島県は福島産ピーマンは「安全」だと主張しています(11)。でも福島県田村市のスーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンの無い福島県田村市のスーパーのチラシ
 ※(12)を引用
 図―6 福島産ピーマンが無い福島県田村市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県田村市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県観光ホームページ 統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(2)(1)中の「26年観光客入込状況調査 [PDFファイル/960KB]」
(3)めげ猫「タマ」の日記 福島県田村市の無検査野菜カレー
(4)(1)中の「22年観光客入込状況調査 [PDFファイル/732KB] 」
(5)避難区域の変遷について - 福島県ホームページ
(6)広野町
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(9)福島県産夏野菜シリーズ/東京青果株式会社
(10)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月4週)―福島のスズキは全数ND、茨城は僅か13%がNDー
(11)農業協同組合 JAたむら 福島県田村 [農産物情報]
(12)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(13)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2015/08/13(木) 20:20:10|
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南相馬、葛尾、川俣の避難指示の年内解除―戻ったら200mSv被ばくする―

 報道等によると国は南相馬市、葛尾村、川俣町の帰宅困難区域を除く避難区域について、9月1日から準備宿泊を始めるそうです(1)(2)(3)。事実上の年内の避難指示解除の決定です。準備宿泊終了予定の翌日の2015年12月1日に帰還したとして、その後の50年間の累積の被ばく線量を見積もったらICRPが放射線による発癌が確認されているとする100ミリシーベルト(4)を超える200ミリシーベルトを超える場所がありました。安倍出戻り内閣は「安全」より、福島原発事故の幕引きが大事なようです。
解除後50年で200mSvの被ばくも見込まれる避難指示解除予定区域
 ※1 放射線量は(5)のデータを(6)の方法により計算
 ※2 避難区域は(7)による
 図―1 準備宿泊完了後50年での被ばく線量

 そして除染も終わっていません。
除染が終わっていない避難指示解除予定区域
 ※(8)を引用
 図―2 除染の進行状況

 福島第一原発事故によって、大量の放射性物質がばら撒かれました。その結果、多くの方がICRPが提唱する公衆の被ばく限度の年1ミリシーベルトを超える被ばくを受けました。福島県県民健康管理調査によると(9)、2011年3月11日から7月10日の4ヵ月間で、福島県の方の約38%の方が1ミリシーベルトを超える被ばくをしています。特に福島市を中心とする県北地域では80%です。それでも県北地方で避難地域になったのは川俣町山木屋地区の極狭い範囲です(7)。
 これについて、被ばくは「量の問題」であり将来的に大幅な低下が見込めるなら問題にはならないと説明されました(10)(11)。この結果、避難指示は年間20ミリシーベルトを超える地域に設定されました(12)。
 この考えは一定の合理性はあったと思います。でも(=^・^=)には気になる事があります。避難指示解除の基準も年間20ミリシーベルトであることです(13)。放射線は時間が経つにれ下がらくなります(14)。放射性物質は色々な種類があり、半分になるまでの時間である半減期が異なります(15)。原発事故直後は半減期の短い放射性物質(たとえばヨウ素131)が多く急激に放射線量は低下しますが、時間が経つの半減期の長い放射性物質(たとえばセシウム137)だけになり放射線量の低下が見込めなくなります。ちょっと放射線量が高い場所でも長期に滞在すればそれなりの被ばくリスクを負います。
 福島県で避難地域となった町村の復興計画を見ると、「子どもたちの未来をつくる 」(飯舘村)(16)や、「持続可能なふるさと」(葛尾村)(17)、「責任を持って次の世代に、 暮らしを、ふるさとをより良くして引き 継いで」(浪江町)(18)などの文言があり、将来は次世代に町や村を託すことが前提です。その為には子供達や若者の帰還も前提となりります。彼らは帰還後により多くの時間を過ごすことになり、より多くの被ばくのリスクにさらさます。
 報道によると、避難区域のうち南相馬市、葛尾村および川俣町の9月1日からの準備宿泊が決まったそうです(1)(2)(3)。
川俣町山木屋の準備宿泊を報じる福島のローカルTV局(TUF)
 ※(19)をキャプチャー
 図―3 福島県川俣町の準備宿泊開始決定を伝える福島県のローカルTV局(TUF)

 これまでの例をみていると準備宿泊の後は避難指示解除です。いま福島県楢葉町では準備宿泊が実施されています。準備宿泊は9月4日に終了しますが、終了後の9月5日に避難指示は解除になります(20)。楢葉町の例からして多少(1ヶ月ほど)の延長はあると思いますが(21)、間違いなく避難指示解除になると思います。
 避難指示が解除になったあと、被ばくをしないか心配です。帰還する若者や子供の事も考慮にいれ50年間で見積もってみました。結果は図―1に示す通りです。福島原発事故直後には高い線量下にいても総量が抑えられていれば「安全」との説明がなされました(10)(11)(12)。だったら逆に低い線量でも長時間いれば総量は増えます。総量はいくどれくらいまで許容できるか?ICRPは100ミリシーベルトを超える被ばくをすると癌になる危険性が増すことが確認されているとしています(4)。100ミリシーベルトを超えれば明確に危険になるので、100ミリシーベルト以下でなくてはなりません。余裕をみれは半分の50ミリシーベルトが妥当だと(=^・^=)は思います。帰還する若者や子供を想定し、2015年12月1日に帰還したとして、その後の50年間でどれだけ被ばくするかを見積もったのが図―1です。大部分で50ミリシーベルトを超え、一部地域では100ミリシーベルトを超えます。そして酷い場所では200ミリシーベルト以上になります。帰還する若者や子供は癌のリスク増大を覚悟する必要があります。
 リスクのある避難指示解除ならせめて可能な準備をしてからにして欲しいと思います。でもこれまでと違います。
 これまでは避難指示解除までに「除染」は完了していました(21)(22)。図―2に示すように楢葉町の除染も完了しています。でも今回、準備宿泊が始まる川俣町山木屋、葛尾村、南相馬市の除染は図―2に示すように完了していません。楢葉町内各駅に通じる常磐線(竜田―広野間)は準備宿泊が始まる1年以上前の2014年4月に再開しています。南相馬市内で今回解除となる区間(原ノ町―小高)の再開予定は2016年春です(23)。除染が間に合わないのも、常磐線の再開が間に合わないのも「国」責任です。安倍出戻り内閣はこのような事を無視し、住民にリスクを押し付け、強引に福島第一原発事故の幕引きを図っています。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください

昨日(8月11日)に川内原発が再稼働しました(23)。
原発再稼働を1面トップで報じる福島の地方紙(福島民報)
 ※(24)を8月12日に閲覧
 図―4 川内原発再稼働を報じる福島県の地方紙の福島民報

 多くの人の関心は「川内原発再稼働」に向かっていると思います。福島で安倍出戻り内閣が強引に推し進める「避難指示解除」にまで関心が及ぶ方はすくないと思います。そこで敢てこの記事を書きました。福島のマスコミは川内原発の最稼働について、避難している方々にコメントを報じていました。そのなかで
「東日本大震災の月命日の再稼働。被災者への配慮のなさを強く感じる」
との趣旨のコメントを複数のマスコミが報じていました(25)(26)。
11日の再稼働に怒る福島原発難民
 ※(26)をキャプチャー
 図―5 「(再稼働を)この日(11日)にぶつけてくるとは思いやりがない」と話す原発難民

 安倍出戻り内閣には思いやりがなさそうです。安倍出戻り総理の政治手法は崇高な行政目的達成の為には嘘をつくことだと思います。「集団的自衛権」のためには「合憲」であると嘘をついています(27)。同じように東電救済(28)や原発維持(29)いった崇高な行政目的の為には安全とは言えない福島でも「安全」と言いそうです。こんな方が、いくら福島の安全をアピールしても(30)、福島の方は不安になるだけだと思います。
 福島県伊達市は福島県第二位のキュウリの産地です(31)。今が旬です(32)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(33)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産キュウリがありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図―6 福島産キュウリが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)川俣の山木屋31日から準備宿泊 帰還への環境整備で 3カ月間滞在可能 | 県内ニュース | 福島民報
(2)南相馬市も3カ月長期宿泊実施へ 原発事故の避難区域 - 47NEWS(よんななニュース
(3)葛尾で31日から準備宿泊 | 県内ニュース | 福島民報
(4)ICRP: ICRP Publication 103
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(7)避難区域の変遷について - 福島県ホームページ
(8)除染情報サイト:環境省
(9)第19 回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成27年5月18日開催) - 福島県ホームページ中の「 資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/1022KB]」
(10)みんゆうNet 坪倉先生の放射線教室
(11)放射線 放射性物質 Q&A 「1ミリシーベルトにこだわらない」の意味は | 東日本大震災 | 福島民報
(12)放射線 放射性物質 Q&A 「1ミリシーベルトにこだわらない」の意味は | 東日本大震災 | 福島民報
(13)[PDF]参考資料1 避難指示区域の見直しにおける基準(年間 20mSv
(14)放射線量の減少速度が“鈍化” 福島原発の避難区域
(15)半減期 - Wikipedia
(16)飯舘村復興整備計画 | 飯舘村災害情報サイト
(17)葛尾村中心拠点等整備計画が決定しました(平成27年4月8日) - 葛尾村ホームページ
(18)浪江町復興計画【第一次】の策定について - 浪江町ホームページ
(19)スイッチ20150810 TUFchannel
(20)福島・楢葉町の避難指示解除は9月5日 正式決定:朝日新聞デジタル
(21)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道 ―福島県大熊町で桜咲く
(22)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―川内村は生活に不安があるから帰れない、本当は放射線が怖いから―
(23)常磐線 - Wikipedia
(24)川内1号機が臨界 | 国内外ニュース | 福島民報
(25)震災月命日「配慮ない」 川内原発1号機再稼働、思い複雑(福島民友ニュース)
(26)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2015年8月11日(火)放送」
(27)【安保法案参院審議】憲法論議は根幹だ(7月27日) | 県内ニュース | 福島民報
(28)めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援 東京電力
(29)社説:安倍政治を問う…原発再稼働 脱依存の道が見えない 。毎日新聞
(30)福島の桃「食べて応援を」=安倍首相 - WSJ
(31)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月3週)―伊達市の検査を避ける福島県?
(32)きゅうり - みらいのベジタブル - JA伊達みらいのホームページ
(33)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(34)西友保原店 - 店舗詳細|SEIYU
  1. 2015/08/12(水) 19:59:35|
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