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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島値下がり、全国値上がり、12月のネギ価格、当然の結果です

 福島を代表する冬野菜にネギがあります(1)。そこで東京中央卸売市場の2015年12月の取引価格(2)を調べたら14年12月と比較して、
  全国平均 17円値上がり
  福島産  △8円値下がり
となっており、全国平均は値上がりしたのに、福島産は逆に値を下げています。福島産には
 ①生産量と無関係な検査で「安全」される
 ②福島産野菜を避けているところでは、葬式(死者数)は増えていないのに、避けていない所では増えている。
等の特徴があり、当然の結果だと(=^・^=)は思います。
 福島は福島原発事故によって多くの放射性物質が降り注ぎました。(=^・^=)は広島原爆の30個分と試算しています(3)(4)(5)。以下に航空機モニタリングも元に作成した福島の放射線量分布を示します。
事故から5年経っても汚染されたままの福島
 ※1(6)の数値データを元に(7)に示す手法で12月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(8)による
 図―1 福島の放射線量分布

 原発事故から5年近くが経過しましたが、福島では国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(9)を超えた地域が広く広がっています。多くの方が福島産に不安を抱きこれをこれを避けるのは当然の事です。価格が気になります。福島を代表する冬野菜の一つにネギがあります。12月の価格を全国価格と比較してみました。
価格差が広がった12月のネギ取引価格
 ※(2)を集計
 図―2 福島産と全国平均のネギ価格(各年12月、東京中央卸売市場)

 原発事故前は福島産ネギはほぼ全国価格と同等の価格で取引されていましたが、原発事故後は全国平均に比べ2割以上安くなりました。12月について2014年と15年について見ると
 全国平均
  2014年 252円
  2015年 269円
  17円値上がり
 福島産
  2014年 212円
  2015年 204円
  △8円値下がり
で価格差は昨年より開いています。
これは消費者の福島産に対する正しい理解が進んだ結果だと(=^・^=)は思います。以下に福島のネギの生産量を示します。
いわき市・郡山市・須賀川市が上位3市の福島のネギ生産量
※(10)にて作成
 図―3 福島のネギの生産量(2006年)

 いわき市、郡山市、須賀川市、会津若松市、喜多方市、二本松市と続きます。検査されているか心配なので、福島県が運営する検査結果検索サイトで検査件数を調べてみました。
いわき市、郡山市、須賀川市の検査数が0の福島産ネギの検査結果
 ※(11)を集計
 図-4 福島県のネギの検査件数

 上位の産地の検索結果が出てきません。それでも福島県は
  「放射性物質の測定は、(福島)県内の主な産地において定期的にサンプリングし行っています。」
と主張し、福島産ネギは「安全」だとしています(12)。
 福島県のひらた中央病院のHP(13)に福島産野菜を避けていますかとのアンケート調査結果が載っていました。以下に概要を示します。
 表―1 「福島産野菜を避けていますか?」のアンケート結果
 ※(13)を集計
郡山・三春では避ける人が少なく、相馬・南相馬では多い福島産野菜

 各市や町の位置は図―1に示す通りですが、これを地域的に隣接している郡山市・三春町、いわき市、相馬・南相馬市の3グループに分け、原発事故前年の2010年に対する原発事故5年目の2015年3-11月の死者数の増加率を示します。
福島産野菜を避けない地域で増えていて、避ける地域では増えていない死者数
 ※(13)(14)を集計
 図ー5 福島産野菜を避ける割合と死者数の増加率

 図に示す通り、福島産野菜を避けている相馬市・南相馬市では死者数(葬式)は増えていませんが、避けない郡山市・三春町では増えています。
 以下に数表を記載します。
 表―2 各市や町の死者数(各年3-11月)
 ※(14)を集計
福島県の市や町の死者数の比較

以下に郡山市・三春町について偶然に起こる確率の計算結果を示します。
 表ー3 偶然に起こる確率の計算結果(郡山市、三春町)
 ※計算方法は(15)による。
有意差検定表


 (=^・^=)は以前に福島産米を避けていない所では葬式が増えている旨の記事を記載しましたが(16)、福島産米を避けている方は福島産野菜も同時に避けれる方が多いと思います。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 福島産を避ける行為を「風評被害」と批難する方がいます(17)(18)(19)。福島産を避けるべき理由があることは本記事の通りです。一寸、思うのですが「風評被害」を叫ぶ方は、福島島原発事故前は「原発は安全」と言っていた方だと思います(20)(21)(22)。この事情は福島の方も理解されていると思います。
 福島県棚倉産米の全袋検査数が約15万件を超えました(23)。人口14,665人の町なので(24)十分な量だと思います。同町当たりのお米は美味しいそうです(25)。福島県は福島産米のテレビCMを流しています(26)。でも福島県棚倉町のスーパーのチラシには米を含め福島産がありません。
 他県産はあっても福島産が無い福島県棚倉町のスーパーのチラシ
 ※(27)を引用
 図ー6 福島産が無い福島県棚倉町のスーパーのチラシ
 
 当然の結果です。(=^・^=)も福島県棚倉町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売。
(2)東京都中央卸売市場-統計情報検索を各年12月、葉茎菜類 ⇒ねぎで検索
(3)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!
(5)めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(8)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(10)統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103中の「9-2 野菜(葉茎菜類) ⇒福島県」
(11)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を1月21日にネギ、ネギ(施設)にチェックを入れ検索
(12)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「やさい編」
(13)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(14)福島県の推計人口(平成27年12月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(15)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(16)めげ猫「タマ」の日記 「福島米」避けていないと所では葬式が9%増、避けた所は増えていない。―原発事故5年目―
(17)安倍内閣総理大臣 東日本大震災三周年記者会見 | 首相官邸ホームページ
(18)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
(19)風評被害対策について - 東京電力
(20)安倍晋三 - Wikipedia
(21)福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル実施に係る安全確認 - 福島県ホームページ
(22)福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所の耐震安全性評価結果中間報告書(改訂版)等の一部修正ならびに修正版の経済産業省原子力安|TEPCOニュース|東京電力
(23)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(24)トップページ | 棚倉町公式ホームページ
(25)みりょく満点米 【コシヒカリ・ひとめぼれ】 | JA東西しらかわのブログ
(26)TVCM ふくしまプライド。 「天のつぶ」 篇 | ふくしま 新発売。
(27)エコス棚倉店チラシ情報
  1. 2016/01/21(木) 19:02:21|
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月3週)―福島のマダラから82ベクレル、福島県の検査では6.9ベクレル―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。7月2週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。
  ①検査数637件中2件の基準値超え(全体の0.3%)
  ②平均は、1キログラム当たり2.5ベクレル、最大510ベクレル(宮城県産イノシシ)。
  ③基準超の食品が宮城県で見つかっています。
原発事故から5年近く経過しても見つかるセシウム汚染食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年1月3週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

1.福島のマダラから82ベクレル、福島県の検査では6.9ベクレル
福島からの報道によると、福島産マダラから1キログラム当たり82ベクレルのセシウムが見つかったちの事です(7)。福島県の検査結果が気になります。以下に過去半年間(2015年8月以降)の福島県が検査した福島産と茨城県が検査した茨城産のマダラの検査結果を示します。
最大でも6.9ベクレルの福島マダラの検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 日付は捕獲日
 ※3 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 図-2 福島県検査と茨城県検査のマダラのセシウム濃度

 福島県の検査結果をみると64件検査してセシウムが見つかったのは1件で1キログラム当たり6.9ベクレルでした。一方、茨城県は6件の検査で3件からセシウムが見つかり最大で1キログラム当たり9.3ベクレルです。汚染源のある福島産の方が高くでなくてはならないのにおかしな話です。
 1キログラム当たり82ベクレルのセシウムは水産研が昨年12月に見つけたそうですが(7)、水産研のHPを見る限りそのようなデータは公表されていません(8)。しかし報道があったのは今年1月16日なので、この事実は約一ヶ月程隠ぺいされたことになります。水産研は国の組織であり(9)、(=^・^=)も支払う「税金」で運営されています。福島産マダラから基準値に近いセシウムが見つかったなどは知らしめるべき情報だと思いますがダンマリです。福島県はこの報を受けてマダラの検査を強化したそうです(7)。福島県も知らんふりをしていました。福島産には以下の特徴があるのは明らかです。
 ①他より低く出る検査で安全とされる。
 ②不都合な情報は「隠ぺい」され、安全とされる。
 1月17日に福島県の地方紙の福島民報は1面トップで「本県沖の放射性物質検査 魚介類基準超大幅減」と報じていました(10)。
基準超が大幅に減ったと報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(11)を1月17日に閲覧
 図ー3 福島産魚介類の基準超が大幅に減ったと報じる福島県の地方紙の「福島民報」

 このような報道は他より低く出る検査と不都合な情報は隠ぺいする体質が貢献していると思います。

2.安全を確認していないイチゴを販促する福島県
 福島県はイチゴ栽培が盛んな県だそうです(12)。福島県のイチゴの最大産地は福島県伊達市です(13)。伊達市のイチゴのシーズンは12月から(14)なので一ヶ月が経過しています。以下に福島県伊達市の位置を示します。
放射能に汚染されている福島県伊達市
 ※1(12)を転載
 図-4 福島県伊達市と会津地方

 図に示す通り原発事故から5年近くが経過した今も国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(15)を超えています。
 福島県は主要農産物について、自前の検査で基準値以下の結果がでると「安全が確認された農林水産物」として広報しています(16)。現時点(1月20日)はイチゴにはそのような広報はありません(16)。福島県の検査結果を検索するサイト(17)を1月20日に検索した結果では28件の検査結果が出てきましたが、最大産地で汚染の酷い伊達市の検査結果はありません。「安全」と言わないのは妥当な事だと思います。なにか伊達市産イチゴを検査したくない理由があると想像したくなります。でも販促は確りやっています(18)。
 福島産は「安全」が確認されなくても販促がなされます。

3.福島産トチモチから30ベクレル、トチの実は11ベクレル、不思議な福島県の検査結果
 以下に福島産トチモチの検査結果を示します。
突然に上昇した福島産トチモチのセシウム濃度
 ※1(1)を集計
 ※2 日付は入手日
 ※3 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 図-5 福島産トチモチのセシウム濃度

 これまでは検出限界未満(ND)が多かったのですが、突然の上昇です。福島産はセシウム濃度が突然に上昇することがあります。
 もっと不思議なことがあります。以下に福島産トチの実のセシウム濃度を示します。
トチモチに比べ大幅に低い福島産トチの実のセシウム検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 日付は採取日
 ※3 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 図-6 福島産トチの実のセシウム濃度

 最大でも1キログラム当たり11ベクレルです。トチモチは図-5に示すように1キログラム当たり30ベクレルです。トチモチはトチの実ともち米を併せて作る物です(19)。併せる分だけセシウム濃度が下がっても良いと思うのですが、約3倍になっています。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・「安全」が確認されなくても販促がなされる福島産
 ・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
 まして福島産米を避けている人が少ない郡山市では葬式(死者数)が増えています。無論、避けている人が多い相馬や南相馬市ではそのような事はありません(20)。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県鏡石町産米の全袋検査数が約15件に達しました(21)。人口は12,525人なので(22)十分な量だと思います。同町当たりのお米は美味しいそうです(23)。福島県は福島産米のテレビCMを流しています(24)。でも福島県鏡石町のスーパーのチラシには米を含め福島産がありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ
 ※(25)を引用
 図ー7 福島産が無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ
 
 当然の結果です。(=^・^=)も福島県鏡石町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第964報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月2週)―2016年もセシウム汚染食品は健在―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)試験操業漁獲のマダラ出荷自粛 福島県漁連の独自基準上回り:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(8)国立研究開発法人水産総合研究センター
(9)組織について|水産総合研究センター
(10)本県沖の放射性物質検査 魚介類基準超大幅減 | 東日本大震災 | 福島民報
(11)福島民報
(12)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(13)めげ猫「タマ」の日記 1月15日はイチゴの日、福島のスーパーのチラシのイチゴの殆どが福島産以外
(14)ベジフルカレンダー - JA伊達みらいのホームページ
(15)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(16)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(17)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。
(18)福島県特産「あんぽ柿」PR 千葉の会場に試食コーナー:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(19)栃餅 - Wikipedia
(20)めげ猫「タマ」の日記 福島県郡山市の死者数10.4%増、原発事故5年目の3-12月、いわき市は別
(21)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(22)鏡石町公式ホームページ[福島県]
(23)みりょく満点米 【コシヒカリ・ひとめぼれ】 | JA東西しらかわのブログ
(24)TVCM ふくしまプライド。 「天のつぶ」 篇 | ふくしま 新発売。
(25)イオンスーパーセンター | ネットチラシ中の「鏡石店」
  1. 2016/01/20(水) 19:43:03|
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福島・大雪、柏崎刈羽は雪が降らず―原発止まれば「豪雪」止まる―

 1月18日は福島を始め各地で大雪が降ったとのニュースが流れました(1)(2)。でも雪があまり降らない場所もあります。柏崎市や刈羽村です。何故か柏崎刈羽原発が停止して以来、雪が降っていません。(=^・^=)は原発止がまれば「豪雪」は止まります。
福島の大雪を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(3)の1月19日に閲覧
 図―1 大雪を報じる福島県の地方紙・福島民報

 でも柏崎市や刈羽村では雪が降った様子がありません。
ほとんど雪が無い柏崎刈羽原発周辺
 ※(4)を1月18日にキャプチャー後に編集・加筆
 図―2 雪がほとんどない柏崎刈羽原発付近

以下に年度(4月から翌年3月)の柏崎刈羽原子力発電所の発電量を示します。
2012年以降は発電していない柏崎刈羽原発
※(6)を集計
 図ー3 各年度毎別の柏崎刈羽原子力発電所の発電量

 図に示す通り2011年度(2012年3月(7))を最後に発電していません。
 
 以下にアメダス観測点の柏崎と福島の年度毎の最大深雪を示します。
2012年度以降は雪が降らなくなった柏崎、増えた福島
 ※1(8)(9)を集計
 ※2 2015年度は1月19日まで集計
 図-4 アメダス観測点、柏崎と福島の年度別最大深雪

 2011年度までは福島に比べ柏崎で圧倒的に雪が降っていました。2012年度以降は柏崎が減り、福島で増えました。このような事が偶然に起こる確率を2015年度が終わっていないので、2014年度までのデータを使いt検定と呼ばれる方法(10)で計算すると柏崎で1.4%、福島で0.4%でおよそ偶然とはおもえません。
 柏崎刈羽原子力発電所が停止した2012年度以降に柏崎では豪雪が止まり、福島市の雪が増えたのは明確な事実です。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 t検定表
 ※1 両側、等分散で計算
 ※2 危険率とは「偶然に起こる確率」のことである(11)。
 (a)柏崎
t検定表(柏崎)

(b)福島
t検定表(福島)
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
どうしてこんな事が起こるか(=^・^=)なりに考えてみました。原子力発電所が出したエネルギーの大部分は熱として海に捨てられます。柏崎刈羽原子力発電所の場合は、フル出力で
  ①発生するエネルギー  2431.7万kW(7機合計)
  ②電気出力        821.2万kW(7機合計)
  ③捨てられるエネルギー 1610.5万kW(②-①)
です(12)。1年に直すと
捨てられるエネルギーの総量は1411億kWh(③×24時間×365日)
です。一方
  関西電力の1年間電力販売量は1344億kWh(13)
です。殆ど変りません。これだけのエネルギーが捨てられたらなにが起きても不思議はないと思います。
 冬になると、ユーラシア大陸から冷たい北風が吹いています。風に比べ海は温かいので、海の水は蒸発し、氷の「粒」となり空中に浮かびます。これが山に当たると、雪になるそうです(14)。
brg140217d.gif
※(14)より引用
図ー5 雪の降るメカニズム

 原発が動いていれば沿岸部に大量の「熱」が捨てられます。沿岸部で大量の湯気がでて、氷の「粒」は重くなり、空に浮かぶ事が出来ず地上に落下します。これが冬なら豪雪です。
brg140217e.gif    brg140217f.gif
 (a)原発稼働時                     (b)原発停止時
 ※ (=^・^=)の想像 
 図ー5 原発の稼働時の雪の降り方

今世紀に入ってから2004年(15)と11年(16)に柏崎刈羽原発がある新潟県中越地方や隣接する福島県西部地位で200年に一度とも言われる豪雨(17)が起こりました。この時、柏崎刈羽原子力発電所は稼働していました(19)。でも、柏崎刈羽原子力発電所が停止した2012年以降はあのような大規模な豪雨は柏崎刈羽原発が立地する新潟県中越地方では起こっていません。
レーダー・ナウキャスト(降水)7月29日   衛星画像7月29日
 (a)レーダキャスト画像(降水)       (b)衛星画像
 ※(18)より転載
 図―6 2011年の豪雨時のレーダキャスト画像と衛星画像

 東京電力は柏崎刈羽原子力発電所は「安全」だと主張しています。東京電力が新潟限定で流しているCM(19)には万が一に事故っても福島ようにはならと主張しています。でも雪の中での訓練の様子がありません。柏崎刈羽原子力発電所が再開したらまた大雪になりそうな気がします。これではどこまで実効性があるか疑問です。同じように福島第一原発では色々とトラブルが起こっていますが、東京電力は環境には影響がないと主張しています(20)。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県喜多方市は福島県第二位のお米の産地です(21)。福島県は福島産米のテレビCMを流しています(22)。喜多方市あたりのお米は良食味で高品質だそうです(23)。でも福島県喜多方市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県喜多方市のスーパーのチラシ
 ※(24)を引用
 図―7 福島産米が無い福島県喜多方市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県喜多方市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県、中通り中心に「大雪」 交通網混乱、8人けが:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(2)東日本大雪、100人けが | 国内外ニュース | 福島民報
(3)福島民報
(4)ちょーこくライブカメラ道路情報|長岡国道事務所
(5)発電所データ集|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(6)(5)中の各年度の「発電電力量と設備利用率」
(7)(5)中の「定期検査実績」
(8)気象庁|過去の気象データ検索
(9)気象庁 | アメダス
(10)t検定 - Wikipedia
(11)仮説検定 - Wikipedia
(12)発電所の概要|原子力|東京電力
(13)平成27年3月期決算短信 [関西電力]
(14)雪を降らせる気圧配置(その1)・・・冬型の気圧配置とは?
(15)平成16年7月新潟・福島豪雨 - Wikipedia
(16)平成23年7月新潟・福島豪雨 - Wikipedia
(17)みちプラザ(001 岡野行秀)
(18)めげ猫「タマ」の日記 今日(7月29日)の洪水は柏崎刈羽原子力から始まっていいる。
(19)TVCM・新聞・雑誌広告
(20)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月3週)―汚染水タンク工事で下請けさんが骨折―
(21)めげ猫「タマ」の日記 福島県郡山市の死者数10.4%増、原発事故5年目の3-12月、いわき市は別
(22)TVCM ふくしまプライド。 「天のつぶ」 篇 | ふくしま 新発売。
(23)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2016/01/19(火) 19:48:23|
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福島県郡山市の死者数10.4%増、原発事故5年目の3-12月、いわき市は別

 福島県郡山市が12月中の人口動態を発表しました(1)。それを集計する3-12月の死者数は
  原発事故前年(2010年3-12月) 2,359人
  原発事故5年目(2015年3-12月)2,604人
で10.4%増えています。偶然に起こる確率を計算したら0.05%なので偶然とは思えません。
 福島県いわき市の発表(2)を3-12月まで集計するといわき市の死者数の合計は
  原発事故前年(2010年3-12月) 3,246人
  原発事故5年目(2015年3-12月)3,3816
で増えていますが、偶然に起こる確率を計算したら10%なので統計の誤差範囲です。
郡山市もいわき市も人口30万人台(郡山市約34万人、いわき市約35万人)の市ですが、コメの全袋検査数を見ると郡山市135万件、いわき市53万件で郡山市の方が米作りが盛んです。
  福島は福島原発事故によって多くの放射性物質が降り注ぎました。(=^・^=)は広島原爆の30個分と試算しています(4)(5)(6)。以下に航空機モニタリングも元に作成した福島の放射線量分布を示します。
原発事故から5年近く経っても広い範囲で除染が必要な福島県
 ※1(7)の数値データを元に(8)に示す手法で12月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(9)による
 図―1 福島の放射線量分布

 原発事故から4年10ヶ月が経過しましたが、福島では国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(10)を超えた地域が広く広がっています。
 福島県郡山市は図-1に示す通り内陸にあるので津波被害はありません。郡山市の12月中の人口動態が発表になったので各年3-12月の死者数を集計してみました。
原発事故後に葬式(死者数)が増えた郡山市
 ※1(1)を集計
 ※2 震災犠牲者は(11)により関連死を含まず
 図-2 郡山市の死者数(各年3-12月)

同様にいわき市についても集計してみました。
原発事故後もそれ程には死者数(葬式)が増えていないいわき市
 ※1(2)を集計
 ※2 震災犠牲者は(11)により関連死を含まず
 図-3 いわき市の死者数(各年3-12月)

原発事故前年と5年目で纏めると福島県郡山市の死者数は
  原発事故前年(2010年3-12月) 2,359人
  原発事故5年目(2015年3-12月)2,604人
で10.4%増えています。偶然に起こる確率を計算したら0.05%なので偶然とは思えません。
 福島県いわき市の死者数の合計は
  原発事故前年(2010年3-12月) 3,246人
  原発事故5年目(2015年3-12月)3,381人
で増えていますが、偶然に起こる確率を計算したら10%なので統計の誤差範囲です。
 以下に福島県13市の福島産米の全袋検査数を示します。
福島県最大郡山市、郡山市の4割のいわき市の福島産米全袋検査数
 ※(12)を集計
 図ー4 福島県産米の全袋検査数(2015年産)

 郡山市がトップで、いわき市は郡山市の4割以下です。人口規模がほぼ同じですので、郡山市はいわき市に比べ米作りが盛んな市です。いわき市に比べ米作りが盛んな郡山市では有意に死者数(葬式)が増え、いわき市ではそのような事がありません。
 (=^・^=)はもっと気になることがあります。以下にひらた中央病院のHPに掲載した福島産米を避ける割合を示します。
 
 表―1 福島産を避ける割合
 ※(13)を集計
郡山市で4割、相馬・南相馬市で8割の福島産米を避ける割合

 郡山市では約4割ですが、相馬・南相馬市では8割近い方が福島産米を避けています。相馬・南相馬市の昨年12月中の人口動態の発表はまだなので、福島県の発表(14)を11月まで集計すると両市の合計で
  原発事故前年(2010年3-11月) 914人
  原発事故5年目(2015年3-11月)900人
で少し減っていますが、統計誤差の範囲です。
 郡山市・いわき市と相馬・南相馬市の死者数(葬式)の増減と福島米を避ける割合を集計すると以下の図ができました。
福島産米を避けない所で増えている死者数(葬式)
 ※(1)(2)(13)(14)を集計
 図-5 福島県産米を避ける割合と葬式(死者数)の増減

 福島県産米を避ける割合が少ないほど、葬式(死者数)は増えています。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。計算方法は(=^・^=)の過去の記事によります(15)。

 表ー2 偶然に起こる確率の計算結果
 (a)郡山市
有意差検定表(郡山市)

 (b)いわき市
有意差検定表(いわき市)

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
福島県は福島産米は全数が検査されており、福島産米は「安全」だと主張しています(16)。でも(=^・^=)は下記の理由により、福島産米の「安全」は担保されていないと考えます。
 ①福島産米全数・全袋検査は原発事故後に導入された新たな検査です(17)。当然ながら、従来の検査と比較したデータがあって初めて精度が担保されます。この5年間、(=^・^=)はそのようなデータを探しているのですが見たことがありません。少なくとも福島県の担当課のHP(18)では公表されてません。
 福島産米は簡易検査によって、ある値(福島県はスクリーニングレベルと呼んでいます)以下なら「安全」とされそのまま出荷されますが、超えると従前と同じ詳細検査に回されます(17)。福島県はこの値も公表していませんが(16)(18)、検査映像(19)を見ると、1キログラム当たり75ベクレルです。以下に喜多方市産米の詳細検査結果を示します。
全袋検査でスクリーニングレベルを超えても、25(Ba/kg)以下になる喜多方市の福島産米全数・全袋検査結果
 ※(16)をキャプチャー
 図-6 全数・全袋検査の詳細検査結果

 1キログラム当たり25ベクレル以下のものが80件あります。これは簡易検査では1キログラム当たり75ベクレル以上の値が出たはずです。すると1キログラム数十ベクレルの誤差がある事になります。どう見ても基準値の1キログラム当たり100ベクレル(20)に対応する精度はありません。
 ②福島では放射性物質対策としては、「土壌改良材・ゼオライト」と、「放射性物質吸収抑制資材・」散布が行われています(21)。けい酸加里はカリウムの肥料です(22)。セシウムはカリウムと似た性質があるので(23)、カリウムを多く撒くことでセシウムには効果がありますが、他の放射性物質(例えばストロンチウム90)には効果がありません。ストロンチウムはカルシュウムににているので(24)、抑制するにはカルシュウムを撒く必要がありますが、そのような事は無いようです。ゼオライトはセシウム (Cs) やストロンチウム (Sr) など有害物質の交換順位が高いとされなすが、その順位は
 Cs(セシウム) > Rb > K(カリウム) > NH4 > Ba > Sr(ストロンチウム) > Na > Ca > Fe > Al > Mg > Li
です(25)。カリウムを多く撒くことでゼオライトはストロンチウムを吸収することができなくなります。福島の放射性物質対策の実態は「セシウム対策」です。厚生労働省はセシウムだけ検査すれば良いとしています。セシウム以外の放射性物質はセシウムに対する割合を想定し基準値を定めているとの理由です(20)。福島産米はセシウムについてのみ対策が行われているので、実際の割合は「想定」とは違うものになるはずです。
 そして図-6の結果です。これでは福島の方は不安だと思います。
 今日(1月18日)から福島県は福島産米のテレビCMを開始しました(26)。
福島産米のテレビCM
 ※(26)をキャプチャー
 図ー7 福島産米のテレビCM

でも福島県二本松市のスーパーのチラシにはコメも含め福島産はありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
 ※(27)を引用
 図―8 福島産が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県二本松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)郡山市の現住人口/郡山市
(2)地区別 世帯数 ・ 男女別 人口|いわき市
(3)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
(5)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!
(6)めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(9)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(10)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(11)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報 - 福島県ホームページ
(12)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(13)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(14)福島県の推計人口(平成27年11月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(15)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(16)ふくしまの恵み安全対策協議会
(17)全量全袋検査 - Wikipedia
(18)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(19)検査体制について | ふくしま 新発売。
(20)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(21)農作物放射性物質低減対策の取り組み - JA伊達みらいのホームページ
(22)けい酸加里の知識
(23)セシウム - Wikipedia
(24)ストロンチウム - Wikipedia
(25)沸石 - Wikipedia
(26)TVCM ふくしまプライド。 「天のつぶ」 篇 | ふくしま 新発売。
(27)店舗・チラシ検索|ベイシア beisia 豊かな暮らしのパートナー
  1. 2016/01/18(月) 19:45:32|
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福島第一汚染水(1月3週)―今週も海岸付近の井戸は新記録―

 福島第一原発汚染水の1月3週(1月12日から17日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①事故から4年10ヶ月超、外洋からはストロンチウム90等の放射性物質
 ②海側遮壁完成後に上昇する港湾中央のトリチウム濃度
 ③地下水バイパス上流井戸からは排水基準を超えた放射性物質
 ④海岸付近の井戸からは今週も過去最高の放射性物質
 ⑤サブドレンからとトリチウム放出量は113億ベクレル

1.事故から4年10ヶ月超、外洋からは放射性物質
 事故から4年10ヶ月になりました。時間が経ても外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
事故から4年10ヶ月過ぎても放射性物質が見つかる福島第一沖の外洋
 ※1 (4)(5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  SR90はストロンチウム90を示し採取日は昨年12月7日
  ※5  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(6)
 図―1 福島第一原発近傍外洋の放射性物質濃度

 このうち気になったのがの5,6号機放水口北側の放射性物質濃度です。以下に推移を示します。
事故から5年近くなっても下がる気配が無い5,6号機放水口北側の放射性物質濃度
※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度

 図に示すとおり、原発事故から4年10ヶ月を過ぎても低下の兆しがありません。

2.海側遮壁完成後に上昇する港湾中央のトリチウム濃度
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
高い濃度の放射性物質が見つかる福島第一港湾内
 ※1 (5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  SR90はストロンチウム90を示し、採取日は2015年12月7日  
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

10月26日に海側遮水壁の工事が完了しました(7)。東京電力はこの効果で港湾内の放射性物質濃度は下がったと主張しています(8)。以下に港湾中央のトリチウム濃度を示します。
上昇傾向に転じた福島第一港湾中央のトリチウム
 ※(5)を集計
 図-4 港湾中央のトリチウム濃度

 海側遮水壁の工事完了後にいったんは下がったのですが、再び上昇しています。どこからか漏れ出していないか心配です。
傾いて隙間ができた海側遮水壁と舗装面
 ※(9)を転載
 図―5 海側遮水壁が傾き舗装面との間にできた隙間

3.地下水バイパス上流井戸からは排水基準を超えた放射性物質
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(10)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(11)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(12)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準超えの放射性物質が見つかる地下水バイパス山側井戸
 ※1 (11)(12)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―6 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。このうち気になるがG-3井戸です。
急上昇に転じたG-3井戸のトリチウム濃度
 ※(11)を集計
 図―7 G-3井戸のトリチウム濃度

トリチウム濃度が突然に急上昇しました。図―5に示すように汚染水タンクからはそれなりに離れています。福島第一ではトリチウムが広がっている感じです。

4.海岸付近の井戸からは今週も過去最高の放射性物質
 東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。
高濃度の放射性物質が見つかる福島第一海岸部の地下水
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―8 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 このうち以降は1リットル当たりの値でNo1-14の全ベータ52,000ベクレル、No2-5の全ベータ56万ベクレル、No3-4のトリチウム3,900ベクレルは過去最高(新記録)です。事故から4年10ヶ月以上が経過しましたが、海岸付近の井戸は先週に続き(1)、今週も記録更新です。汚染水流出はますます酷くなっています。以下にNo2-5井戸の全ベータ濃度を示します。
急上昇に転じた2-5井戸の全ベータ
 ※(5)を集計
 図―9 No2-5井戸の全ベータ濃度

 10月末位から上昇に転じ、止まる気配がありません。これからも上昇が続きそうです。

5.サブドレンからとトリチウム放出量は113億ベクレル
サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(13)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(14)ほぼ3ヶ月半が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(15)(16)、濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
113億ベクレルを超えたサブドレンのトリチウム累積排出量
 ※(15)(16)を集計
 図―10 サブドレンの累積排出量

 累積で113億ベクレルを突破しました。昨年9月14日にサブドレン汚染水(トリチウム入り)の排水が始まってから約120日ですので、概ね1日約1億ベクレルのペースでしょうか?


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちらと(ブログ図表①)はこちらを(ブログ図表②)参照ください。
原発事故から6年目になりました。福島第一の汚染水漏れはますます酷くなっているようです。これでは福島の方は不安だと思います。
福島県は全国有数のイチゴの産地だそうです(17)。千葉では福島産イチゴの販促イベントが行われたそうです(18)。福島県相馬市では今日(1月17日)にイチゴ園が開園しました(19)。
相馬市のイチゴ園開園を報じるNHK福島
 ※(21)をキャプチャー
 図-11 福島県相馬市でのイチゴ園開園を伝えるNHK
 
 福島はイチゴの季節です。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。」と主張しています(20)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産イチゴがありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―12 福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(1月2週)―海岸付近の井戸は新記録―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を12月27日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(7)2015年10月26日福島第一原子力発電所 海側遮水壁閉合作業完了について(PDF 501KB)
(8)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年12月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第25回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(14.6MB)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(11月4週)―地下水ドレン水・浄化できず―
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(11)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」および「H6エリア周辺観測孔」
(12)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(13)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(14)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(15)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(16)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(17)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(18)福島県特産「あんぽ柿」PR 千葉の会場に試食コーナー:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(19)和田観光苺組合イチゴ園 1月17日本オープン 相馬 | おでかけ | 福島民報
(20)食の安全に関する取組 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(21)相馬市の観光いちご園オープン - NHK福島県のニュース
(22)Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」
  1. 2016/01/17(日) 19:41:20|
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トラブルいっぱい福島原発(1月3週)―汚染水タンク工事で下請けさんが骨折―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、1月3週(1月10日から16日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.汚染水タンク工事で下請けさんが骨折
 2016年1月12日午前10時前に、福島第一原子力発電所構内で汚染水タンクの解体工事をしていた下請けさんが指をが左手人差指を骨折し救急車で病院に運ばれました。約3ヶ月程度の治療を要する見込みと診断されたそうです(2)。去年も大量のげが人・死人が出ています(3)。
 汚染水タンクがひっ迫していることは先週に記載した通りですが(1)、無理をした可能性はないのでしょうか?(=^・^=)が東京電力や下請けさんに言いたいのは汚染水を漏らしてもけが人や死人は出すなです。

2.ダストモニタから警報
 1月13日12時40分ごろ、敷地境界の南側に設置されたダストモニタ1カ所で鳴りました。1立方メートル当たり11ベクレルの放射性セシウムが見つかったそうです。原因について東京電力は
 ①警報がなった時はほぼ南から北に向かって風が吹いていた(南南東 風速:毎秒4.3m)
 ②南側の道路をダンプが通過していた。
との事から、ダンプが砂塵が舞い上げ、これをダストモニタ検知(見つけ)警報が鳴ったと説明しています(4)。以下に警報を出したダストモニタの位置を示します。
警報を出したダストモニタ位置
 ※Google Mapと(4)(5)にて作成
 図ー1 警報を出したダストモニタ位置

確かに南側に道路があります。以下に道路の様子を示します。
舗装されているダストモニタ南側道路
※Google Mapにて作成
 図ー2 ダストモニタ南側道路

 舗装されています。ダンプが砂塵が舞い上げる事ができるんですかね?

3.地下水ドレンのトリチウム濃度は高いまま
 海側遮水壁は福島第一原子力発電所の1~4号機側の敷地から港湾内に流れている地下水をせき止め、海洋汚染を減らす為に設けらもので、2015年10月26日に完成しました(6)。海側遮水壁に汚染水が流れ込み一杯になってしまったので、11月5日から海側遮水壁内側の汚染水の汲みあげをはじめました(7)。当初の予定では汲み上げた汚染水は浄化装置を通した後で、海に流すはずでした(7)(8)。以下にくみ上げた汚染水のトリチウム濃度を示します。
排水基準を大きく超えて推移する地下水ドレンのトリチウム濃度
※(9)~(13)で作成
 図-3 地下水ドレンのトリチウム濃度

 概ね1リットル当たり5,000ベクレル程度で推移しています。海側遮水壁内側からくみ上げた汚染水を浄化装置を通し海に廃棄する一連の系を東京電力は地下水ドレンと命名していますが(8)、排水基準は1リットル当たり1,500ベクレル(14)で大きく超えています。東京電力はトリチウムは浄化できないと明言していますので(8)、昨年11月初に地下水ドレンからの汲みあげを開始したのですが、海に捨てる事ができずタービン建屋に戻しているのが実態です(15)。福島第一の汚染水は増え続けています。A,B,Cの系統については(=^・^=)の先週の記事(1)をご覧ください。

4.地下水ドレンのくみ上げ量の公表は遅らせます。
 福島第一原発では地下水や地下水ドレンからくみ上げた汚染水がタービン建屋に日々流入し増え続けています。タービン建屋の汚染水は汲み上げてて
 タービン建屋⇒SARRY⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(16)(17)(18)。最終段の処理水について
  満水率を「汚染水保管容量÷汚染水タンク容量」
と規定し、推移を示します。
満タン状態がつづjく処理水タンク
 ※(19)を集計
 図ー4 福島第一の「処理水タンク」の満水率

 この所、約96~98%で推移しています。ここからは(=^・^=)の想像ですが、東電はこれが限度だと判断していると思います。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(20)。安全にくみ上げた汚染水を保管するにはある程度の「空」が必要です。事実上は満タン状態です。
 東電の会見を聞いていると地下水ドレンからどれだて汲み上げるかは報道記者の関心事のようです。そこで東京電力は1月7日の会見で、次週から地下水ドレンからからの汲みあげ量を公表すると発表しました(21)。ところが1月14日の会見ではさらに1週間、公表を遅らすとの発表に変更になりました。理由は全体像が分かるように他のデータも併せて発表するので検討が必要とのことです(22)。
 以下に(=^・^=)が見積もった処理水タンクの容量と汚染水量の見込みを示します。手法は先週の記事に記載した通りです(1)。
5月には溢れそうな処理水タンク
 ※1(6)(19)にて作成
 ※2タンク容量は処理水のみで増えてるので増設タンクは処理水タンクとなることを想定
 ※3 水量・見込は汚染水が今後も同様の増え方をしたと仮定した時の汚染水量の見込みを示す。(19)を集計し推定
 ※4 容量・見込みはタンク増設計画(19)から想定される処理水タンクの容量 
 図-5 処理水タンク容量と汚染水量の見込み

 現状のままですと、5月中旬には処理水の量がタンク容量を上回りこれ以上の処理ができなくなります。事態は深刻です。
 (=^・^=)は事態の深刻さを誤魔化すためにどのようなデータをくっつけるかの検討に時間がかかっていると想像したくなります。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
トラブル続きの福島原発!これでは福島の方は不安だと思います。
 昨日(1月15日)はイチゴの日です(23)。福島県は全国有数のイチゴの産地です(24)。福島県伊達市は福島県最大のイチゴの産地です(25)。福島県伊達市のイチゴは、とても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのものです(26)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(27)を引用
 図―5 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月2週)―ALPS停止まで130日―
(2)2016年1月13日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後4時現在】
(3)めげ猫「タマ」の日記 勝手に福島原発十大トラブル2015
(4)2016年1月14日福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力
(5)福島第一原子力発電所構内でのモニタリングポスト計測状況|東京電力
(6)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2015年12月24日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第25回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(14.6MB)」
(7)海側遮水壁|東京電力
(8)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(9)2015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(~2015年9月30日採取分)(PDF 360KB)
(10)015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(2015年10月1日~11月4日採取分)(PDF 360KB)
(11)2015年12月7日サブドレン他浄化施設中継タンク分析結果(2015年11月5日~12月2日採取分)(PDF 360KB)
(12)福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果(2015年12月)|東京電力中の「地下水⇒12月11日、18日および24日」
(13)福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果|東京電力>中の「地下水⇒1月7日、8日、12日、14日」
(14)サンプリングによる監視|東京電力
(15)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(12月3週)―サブドレン稼働・現状は悪い方にいっている―
(16)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(17)原子炉の安定化|東京電力
(18)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(19)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(20)スロッシング - Wikipedia
(21)【2016年1月7日】東京電力 記者会見 - 2016/01/07 17:30開始 - ニコニコ生放送
(22)【2016年1月14日】東京電力 記者会見 - 2016/01/14 17:30開始 - ニコニコ生放送
(23)1月15日 いちごの日|なるほど統計学園
(24)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売
(25)めげ猫「タマ」の日記 1月15日はイチゴの日、福島のスーパーのチラシのイチゴの殆どが福島産以外
(26)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(27)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
  1. 2016/01/16(土) 19:47:33|
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1月15日はイチゴの日、福島のスーパーのチラシのイチゴの殆どが福島産以外

今日(1月15日)はイチゴの日です(1)。福島のスーパーのチラシを見たら、12チェーン中
  福島県外産イチゴを掲載 11店舗(ヨークベニマル、リオンドール、ヨーカドー、いちい、マルト、フレスコキクチ、ベーシア、わしお、エスコ、シミズストア)
  福島産イチゴを掲載  2店舗(イオン、いちい)
となりました。福島県は全国有数のイチゴの産地です。福島のイチゴは甘さと酸味のバランスは抜群だそうです(2)。理由は想像するしかありませんが、福島の皆様はフクシマ産イチゴを避けているようです。しかたが無い事です。福島のイチゴの最大産地の伊達市は避難区域の設定がない市町村のなかで唯一の特定避難勧奨地点が設定された(3)避難区域を除けば福島でも汚染が酷い市です。
 福島県は全国有数のイチゴの産地だそうです。福島のイチゴは甘さと酸味のバランスは抜群だそうです(2)。でも(=^・^=)は心配です。以下に福島県のイチゴの生産量を示します。
福島県のイチゴの生産量
 ※(3)を集計
 図―1 福島県のイチゴの生産量

福島のイチゴの半分近くは福島県伊達市産です。以下に福島県伊達市の位置を示します。
放射能に汚染されている福島県伊達市
 ※1(5)の数値データを元に(6)に示す手法で1月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(2)による
 図-2 福島県伊達市と会津地方

 福島原発事故によって福島第一原発からは広島原爆30個分の放射性物質がばら撒かれましたが(5)(6)(7)、福島原発から40-50km離れた伊達市にも到達しました。図に示す通り原発事故から4年10ヶ月が経過した今も国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(8)を超えています。
 各年1から11月中の福島県伊達市の死者数は
  原発事故前年(2010年1-11月)  761名
  原発事故5年目(2015年1-11月) 857名
で、7%増えています。偶然に起こる確率を計算したら1.7%で偶然とは思えません。図-1示す様に福島県伊達市に比べれば汚染が少ない会津では
  原発事故前年(2010年1-11月)  2,997名
  原発事故5年目(2015年1-11月) 3,003名
で殆ど変っていません(9)。
 福島のイチゴを食べて良いか迷います。そこで福島の皆様の判断がどうなるか気になる所です。福島に店舗を展開するスーパーチェーンの1店舗を適当に選びチラシを見てみることにしました。
 ①ヨークベニマルとリオンドール
  こちらのスーパーは福島に広く店舗を展開しています(10)。
  リオンドール(保原店、伊達市)  -栃木産(11)
  ヨークベニマル(日和田店、郡山市)-栃木産(12)
 ②福島県の特定地域に展開するスーパー
  フレスコキクチ(鹿島店、南相馬市)-宮城産(13)
  マルト(平尼子店、いわき市)   -栃木産(14)
  いちい(福島市)         -栃木、熊本、福島産(15)
  シミズストア(金屋店、郡山市)  -栃木産(16)
  わしお(白河市)         -栃木産(17)
 ③福島県外に本拠があるスーパー
  イトーヨーカドー (平店、いわき市)-栃木産(18)
  イオン(郡山店、郡山市)     ー福島産(19)
  アピタ(会津若松店、会津若松市) ―栃木産(20)
  ベーシア(二本松店、二本松市)  ―栃木産(21)
  エコス(棚倉店、棚倉町)     ―茨城産(22)
調べた12チェーンの12店舗で福島産イチゴを掲載したのは2店舗(いちい、イオン)で、福島産以外が11店舗と福島では福島産以外のイチゴに人気があるようです。なお「いちい」は福島産と福島産以外のイチゴを掲載していたので、両方にカウントしました。
 この他に鎌倉屋(23)、プラント(大玉村)(24)、MAX VALU(郡山)(25)は青果物のチラシはありましたが、イチゴの記載がありませんでした。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
2015年度の学校給食の福島県での同県産品活用割合は27・3%で、福島に放射能がばら撒かれる直前の2010年度は36.1%(26)に比べ大きく落ち込んだままです。福島県は福島産を学校給食に使うと補助金を出しています(27)。それでもこの数字です。1月18日から福島産米のテレビCMを福島県内や首都圏で再開するそうです(28)(29)。昨年末にもテレビCMを流していましたが(30)、効果は無かったようです。
 福島を代表する冬野菜にネギがあります(31)。福島県郡山市はネギの産地の一つだそうです。郡山市のネギは柔らかくて甘く、風味も良いそうです(32)。福島県は福島産ネギは安全だと主張しています(33)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシには、ネギを含めは福島産はありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(25)を引用
 図―3 福島産が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。
 昨日から福島では1年のわざわいを嘘に変える「うそかえ祭」(34)が始まったそうです(35)。
放射能汚染はうそに替えられない「うそかえ祭り」
 ※(36)をキャプチャー
 図-4 福島市のうそかえ祭

 いくら「風評被害」を叫んでも(37)、福島に大量の放射性物質がばら撒かれ放置されている事実を「嘘」にすることはできないようです。



―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)1月15日 いちごの日|なるほど統計学園
(2)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売
(3)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(4)作物統計調査 市町村別データ  平成18年産市町村別データ 年次 2006年
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!
(7)めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島県伊達市10周年―未来は暗い―
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島のスーパーのチラシ戦略
(11)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
(12)ヨークベニマル/お店ガイド
(13)Webチラシ情報 | フレスコキクチ
(14)平尼子店 | マルト - 店舗情報
(15)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
(16)シミズストア-店舗案内
(17)チラシ - ホーム
(18)イトーヨーカドー 平店
(19)イオン郡山フェスタ店
(20)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
(21)店舗・チラシ検索|ベイシア beisia 豊かな暮らしのパートナー
(22)エコス棚倉店チラシ情報
(23)2016年1月14日(木)〜1月16日(土)までの鎌倉屋折込チラシ
(24)PLANT-5 大玉店 | SUPER CENTER PLANT
(25)マックスバリュ南東北 - ザ・ビッグ郡山店
(26)3割近くに回復 学校給食の県産食材活用 27年度 | 県内ニュース | 福島民報
(27)「いただきます。ふくしまさん」事業による給食試食会(柏城小・27年度)/須賀川市公式ウェブサイト
(28)18日からテレビCM 県内、都内でフェア 県産オリジナル米・天のつぶ | 県内ニュース | 福島民報
(29)「天のつぶ」の魅力...CMで TOKIO・国分太一さんが出演:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(30)TVCM「TOKIO(お米)篇」30秒バージョン | ふくしま 新発売。
(31)栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売。
(32)JA郡山市|農産物のご案内
(33)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「やさい編 [PDFファイル/128KB]」
(34)鷽替え - Wikipedia
(35)災い全て「うそ」に 飯坂の高畑天満宮うそかえ祭 | 県内ニュース | 福島民報
(36)スイッチ20160114 TUFchannel
(37)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
  1. 2016/01/15(金) 19:42:55|
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福島第一原総費用16兆9205億円は決まり―でもまだまだ増える―

 福島県の2016年度予算は1兆8000億円台になるそうです(1)。これを元に福島第一原発の総費用を(=^・^=)なりに集計したら16兆9205億円になりました。東電にはそのようなお金はないので、(=^・^=)も払う税金や電気代からでそうです。

①原発事故の補償金     7兆0753億円(内除染費用9072億円)(1)
 以下に賠償見込み額の推移を示しますが、原発事故後に何回も増額されており、今後も増えると思います。以下に推移を示します。
増え続ける賠償見込み額
 ※(1)にて作成
 図―1 福島原発事故賠償の見込み額推移

 このうち1889億円は、原子力損害賠償補償契約に関する法律に基づき国から交付されたものです(3)。このお金は国から支給されたので、(=^・^=)も支払う税金が原資です。残りは、国などが作った「、原子力損害賠償・廃炉等支援機構」(以下機構と略す)が東電に交付しています(4)。ただ機構もお金が無いので、政府保証をうえけて銀行などからお金を借りて渡しています(4)。借りたお金はいつかは返さないといけないので、以下の3つの方法が検討または実施されています。
 ・一般分担金:全国の電力会社からお金を集めて返済に充ている。これまでに約5000億集めました。でも元を正せば、原発事故後に値上げされた(=^・^=)も払う電気代です(5)。
 ・特別分担金:東電の機構に支払う。これまでの累計は1,100億円です(5)。
 ・機構が所有している東電の(株)を売り払い売却利益でまかなう(6)。
でも、額が多くなれば「税金」の投入もありそうな気がします。

②福島県の予算膨張分    5兆1515億円(だだし除染費用を除く) 
 以下に福島県の予算・決算(歳出)額を示します。
原発事故後に水膨れした福島県予算
 ※1(1)(7)(8)を集計
 ※2 2009年から13年度は決算(歳出)額(7)
 ※3 2014・15年度は補正後の予算額(8)
 ※4 2016年度は報道による予算額(1)
 ※5 2016年の除染費用は前年度流用
 図-2 福島県の予算・決算額

 福島県の予算・決算を見ると福島原発事故前は8千億円台だったものが2兆円程度に水ぶくれしています。しかたがないことです。福島の台地は放射能に汚染された汚染物です。原発事故で破壊された生活環境を事故前以上にすることは急務です。福島原発事故で逃げ出した医療従事者の不足を補うためでしょうか、福島県は1月12日に理学療法士ら保健医療従事者を養成する新施設の基本構想を発表しました(9)。この新施設は原発事故がなければ必要なかったかもしれません。こうした予算は、除染費用を除いた水ぶくれ分に含まれると思います。合計で5兆5154億円です。2015年までは「復興増税」ですが、終わりです(10)。福島原発事故からの「復興費用」も「復興増税」で賄われています。

③東電が払わない除染費用  2兆0133億円
 2011年から15年までの国の除染の合計は2兆6211億円(7)、16年度6715億円(11)の合計2兆9185億円です。このうち、9072億円は東電の賠償に組み込まれたので(1)、残りは2兆0133億円です。法律(除染特措法)では、国が支出した除染費用は東電が国に支払わなくではならないのですが、支払ったのは僅かに3,897億円です(12)。

④中間貯蔵施設関連費用  1兆3610億円
  中間貯蔵施設の建設・運営に1兆0600億円(13)、中間貯蔵施設を福島の方に受け入れてもらうたに国が支出する「交付金」が3010億円です(14)。ただ中間貯蔵施設は用地交渉すら上手くいってない状態なので(15)、終わってみないと分からない気がします。
 中間貯蔵施設に運びこまれた除染廃棄物は30年以内に福島から撤去することになっていますが、この費用(新たな処分場の建設費、撤去費用)はこの中に含まれていません。


⑤福島第一原発安定化費用  1兆3214億円
 東電が決算で福島第一原発の安定化に使ったとする主張している費用は
 2010年度 9,204億円(16)―11年3月11日は2010年度―
 2011年度 2,871億円(16)
 2012年度  402億円(17)
 2013年度  267億円(18)
で、合計1兆2744億円です。2014年度以降は設備補修費に潜り込ませているようで、東京電力の決算で福島第一の後始末にいくら使ったか明示していません(19)。現在、福島第一では1万人近い方が働いています(20)。年間で1000億は使っている気がします。この他に国が、凍土壁に320億円、高性能ALPSに150億円の合計470億円を使います(17)。
 なおこれには福島第一5,6号機廃炉に伴う損失額398億円は入っていません。

⑥まとめ
 以下に(=^・^=)が拾い上げることができた福島第一原発事故処理費用のまとめを記載したいと思います。
  表―1 福島第一事故処理費用のまとめ
総額17兆円の福島第一原発の後始末費用
 福島第一原発費用は項目毎には公表されることもありますが、国は総額を集計し公表することはないと思います。でもこれは(=^・^=)も払う税金か電気代で賄われます(5)。費用が巨額なので関心を持っていきたいと思います。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
事故調査報告(22)を見ると福島第一原発事故は想定外の津波で起こったのでなく、想定が甘く安全性に問題があったのに放置され、震災による津波でそれが表面化しただけだと思います。そして本文に記載の通りの「損害」を(=^・^=)を含む日本在住者にもたらしました。これからも増えると思います。でもだれも個人として責任は取りません。政治家も官僚も東電社員・役員もすべてが無責任です。安倍出戻り総理は出戻る前の2006年に「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全の確保に万全を期している」「経済産業省としては、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期している」と今後も原子力の安全確保に万全をつくすとしています(23)。でも実際はそうでなかった事は事故報告書に有る通りです。彼もまた無責任です。これでは福島の方は不安だと思います。
 明日はイチゴの日です(24)。イチゴは福島県いわき市の特産品です(25)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(26)を引用
 図―3 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県当初予算1兆8000億円台 復興と人口減に重点:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(2)特別事業計画の変更の認定について|東京電力
(3)原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金の交付について|東京電力
(4)原子力損害賠償・廃炉等支援機構 - Wikipedia
(5)めげ猫「タマ」の日記 福島賠償一般分担金は5000億円超え―原資は電気代―
(6)2014年8月8日特別事業計画の変更の認定について
(7)決算の概要 - 福島県ホームページ
(8)予算の概要 - 福島県ホームページ
(9)福島医大に新学部 平成33年福島市街地に校舎 | 県内ニュース | 福島民報
(10)細る財源、迫る「集中期間」終了…復興施策 : 特集 : 読売新聞
(11)環境省_平成28年度環境省概算要求 主要新規事項等の概要
(12)賠償金のお支払い状況|東京電力を2016年1月14日に閲覧
(13)中間貯蔵施設 受け入れまでの経緯は | 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース | NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今
(14)<中間貯蔵>交付金850億円 生活支援費に 河北新報-2015/12/09
(15)中間貯蔵建設予定地の契約 売買、地上権設定38人 | 県内ニュース | 福島民報
(16)2012年5月14日 特別損益の計上に関するお知らせ PDF版(PDF:138KB)
(17)2013年4月30日 特別損益の計上及び業績予想との差異に関するお知らせ PDF版(PDF:139KB)
(18)<参考2>特別利益の内訳(単独)(PDF 8.79KB)
(19)2014年度(平成26年度)決算について|東京電力
(20)福島第一原子力発電所作業者の被ばく線量の評価状況について|東京電力
(21)政府が原発汚染水対策で国費投入、東電任せ転換 | Reuters
(22)日本政府、事故調、東京電力発表報告書
(23)安倍晋三 - Wikipedia
(24)1月15日 いちごの日|なるほど統計学園
(25)いわき市 - Wikipedia
(26)イトーヨーカドー 平店
  1. 2016/01/14(木) 19:43:08|
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月2週)―2016年もセシウム汚染食品は健在―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。今年(2016年)の食品中の放射性セシウムの検査結果の最初の発表があったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。昨年に続き今年もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。
  ①検査数877件中1件の基準値超え(全体の0.11%)
  ②平均は、1キログラム当たり1ベクレル、最大120ベクレル(岩手県産シカ)。
  ③基準超の食品が岩手県で見つかっています。今年(2016年)もセシウム汚染食品は健在です。
2016年も見つかるセシウム汚染食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年1月2週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

1.茨城39ベクレル、福島・いわき市は全数ND、おかしなスズキの検査結果
 福島県いわき市は福島県沿岸部最南端にある市で、南側は茨城県に接しています。
2016年も汚染地帯が広がる福島
※1(7)の数値データを元に(8)に示す手法で1月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(9)による。
 ※3 会津は(10)による。
 図-2 本記事で取り上げる福島県内の市町村

 以下に福島県が検査した福島県いわき市と茨城県が検査した茨城県産スズキの2015年10月以降のスズキの検査結果を示します。
茨城に比べ低く出る福島県いわき市のスズキのおかしな検査結果
 ※1 (1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 ※3 日付は捕獲日
 図-3 いわき市と茨城県のスズキの検査結果

 福島県が検査したいわき市産スズキは20件全てで検出限界未満(ND)ですが、茨城県が検査した茨城産スズキは検査51件中39件でセシウムが見つかっており、最大は1キログラム当たり39ベクレルです。検査結果を見る限り福島産スズキのセシウム含有量が低くなっています。汚染源に近いいわき市産の方が高いはずですが、おかしな検査結果です。どちらかが間違っています。いわき市産スズキの検査は福島県農業総合センターが実施しています。茨城県産スズキの検査は茨城県外の(公財)海洋生物環境研究所が実施しています。ここは茨城県外の検査も実施しておりその一つに群馬県前橋市の赤城大沼のワカサギがあります。以下に赤城大沼のワカサギの検査結果を示します。
他機関と同じ値が出る茨城産の検査機関
 ※1 (1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 ※3 日付は捕獲日
 図-4 赤城大沼の検査結果

 この検査はいであ(株)も実施しています。検査結果を比べると1キログラム当たりの平均値で
   (公財)海洋生物環境研究所 62ベクレル
   いであ(株)        59ベクレル
でほぼ一致しています。違う検査機関が同じように間違うとは考えにくいので、(公財)海洋生物環境研究所の検査は正しいと言えます。一方で野生鳥獣を除く福島産農林水産物の検査は全てを福島県農業総合センターが実施しており、ここは福島産以外の検査は実施していないので、比較ができません。福島県農業総合センターは福島県農林水産部所属であり(11)中立性にも疑問があります。
 福島産は他より低く出る検査で安全とされています。

2.もうすぐイチゴの日、汚染の酷い最大産地は検査しません。
 1月15日はイチゴの日です(12)。福島は全国有数のイチゴの産地だそうです(13)。福島もイチゴのシーズンです(14)。検査結果が気になります。以下に福島県のイチゴの生産量を示します。
福島県のイチゴの生産量
 ※(15)を集計
 図―5 福島県のイチゴの生産量

 図に示す通り福島県伊達市は福島県最大のイチゴの産地であり、福島産イチゴの半分近くを生産します。一方で図―1に示す通り、福島県内でも避難地域を除けば汚染が酷い場所です。まして原発事故後に葬式が増えました。各年1から11月中の福島県伊達市の死者数は
  原発事故前年(2010年1-11月)  761名
  原発事故5年目(2015年1-11月) 857名
で、7%増えています。偶然に起こる確率を計算したら1.7%で偶然とは思えません。図-1示す様に福島県伊達市に比べれば汚染が少ない会津では
  原発事故前年(2010年1-11月)  2,997名
  原発事故5年目(2015年1-11月) 3,003名
で殆ど変っていません(16)。
 伊達市産のイチゴが検査されているか心配なので、福島県が運営する検査結果を検索するサイト(17)で福島のイチゴの検査数を調べてみました。
伊達市産は0の福島県のイチゴの検査結果
 ※(17)をイチゴ、イチゴ(施設)にチェックを入れ1月13日に検索・集計
 図―6 福島県のイチゴの検査数

 最大産地で汚染が酷く葬式(死者数)が増えている伊達市の検査結果がありません。伊達市のイチゴの収穫は少なくとも昨年12月上旬には始まっているので(18)、一ヶ月以上も無検査のまま放置されています。なにか不都合があるのではないかと疑いたくなります。
 福島産は汚染の酷い主産地を避けた検査で安全とされています。

3.白河市の菌床シイタケのセシウム濃度が急上昇
 以下に福島県白河市産菌床シイタケのセシウム濃度を示します。
突然上昇した福島県白河市の菌床シイタケのセシウム濃度
※1 (1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 ※3 日付は捕獲日
 図-7 福島県白河市産シイタケのセシウム濃度

 しばらくは検出限界未満(ND)が続いていたのですが、突然にセシウムが見つかるようになりました。
 福島産はセシウム濃度が突然に上昇する事があります。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
 ・セシウム濃度が突然に上昇する事がある福島産
 これでは福島の方は不安だと思います。伊達市ほどの大産地ではありませんが、福島県棚倉町近辺でもイチゴが作られています。このあたりのイチゴは甘みが濃厚だそうです(19)。でも福島県棚倉町のスーパーのチラシにはイチゴも含め福島産はありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県棚倉町のスーパーのチラシ
 ※(20)を引用
 図-8 福島産が無い福島県棚倉町のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県棚倉町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第963報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2015年)―福島産、他所で測れば10倍に!―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(9)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(10)福島県 - Wikipedia
(11)農林水産部 - 福島県ホームページ
(12)1月15日 いちごの日|なるほど統計学園
(13)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(14)ベジフルカレンダー - JA伊達みらいのホームページ
(15)作物統計調査 市町村別データ  平成18年産市町村別データ 年次 2006年
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島県伊達市10周年―未来は暗い―
(17)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。
(18)聖夜彩る甘~い香り 霊山でイチゴ収穫本格化 | 県内ニュース | 福島民報
(19)みりょく満点いちご【とちおとめ・ふくはる香】 | JA東西しらかわのブログ
(20)エコス棚倉店チラシ情報
  1. 2016/01/13(水) 19:46:55|
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福島6次化製品って安全?

 福島県は福島産を福島で加工し販売する6次化事業を進めています(1)。これら6次化商品の検査状況を調べたら検査数が少なくおよそ検査しているから「安全」とは言えない状況です。
 福島県は福島原発事故によって放射性物質が降り注ぎ(2)、汚染されました。多くの方が福島産を恐れ避けるようになり、売れなくなりました(3)。(=^・^=)は当然の結果だと思います(4)(5)。福島県は福島産はあらゆる段階で検査されており「安全」であると主張しています(6)。
 それでも福島県は福島産を売り込みたいようで、1次産業で採れた福島産原料を福島で加工し、福島の業者産が販売する6次化(1次、2次、3次産業の融合)進めています(1)。確り検査されているか心配です。
福島は阿武隈高原を中心に花こう岩が分布しているそうです(7)。
花崗岩地質が多い福島県
 ※(8)を引用
 図―1 花こう岩の分布

 ナツハゼは日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林縁に生育する。特に花崗岩の土地を好むそうです(9)。福島にはぴったりの植物です。厚生労働省の発表(10)や福島県が提供する検査結果の検索サイト(11)でみると、田村市、猪苗代町、小野町の各1件の3件です。
ナツハゼの検査が無いところに多くあるナツハゼの加工業者さん
 ※1(13)の数値データを元に(14)に示す手法で1月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(15)による
 ※3 ナツハゼ加工業者(16)による。
 ※4 ×は加工業者所在地
 図―2 ナツハゼの検査市町村とナツハゼ加工業者

 図に示す通り福島県内には原発事故から4年10ヶ月経過した今も国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(17)以上の地域が広がっています。しかしナツハゼが検査されたのは殆どが毎時0.23マイクロシーベルト以下の猪苗代町と小野町、そしてこのような場所が広がる田村市です。でもこの1市2町以外にも今も全村が避難区域になっている福島県飯舘村(15)や避難地域を除けば汚染が酷い伊達市霊山(18)あるいは福島市などのでも生育しています(19)(20)。放射線量の低い場所のナツハゼが検査対象に選ばれています。少なくとも福島市でも加工用のナツハゼが収穫されいるようですが(21「)、厚生労働省の発表を見る限り福島市産ナツハゼの検査結果は原発事故以降の5年間で掲載されていません。
 図―2において×印はナツハゼを加工する業者さんの位置を示します。図に示す通り加工業者は除染がいまだに必要な地域(図中黄色)に多く存在します。およそ検査された場所より酷い汚染がある場所で収穫された可能性を考えないといけないと思います。福島県の発表を見る限り福島6次化製品の安全が確認されたとは言い難い状態です。それでも福島県は福島産は安全であり、福島産を避ける行為を「風評被害」と批判しています(22)。

 
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 福島県は6次化で安全が確認されとは言い難いナツハゼの加工品を売り込んでいます(16)。なんか安全であろうが無かろうが「風評被害」をキャッチフレーズ売り込みを企てている気がします。これでは福島の方は不安になると思います。
 福島県は全国有数のイチゴの産地だそうです。福島のイチゴは甘さと酸味のバランスは抜群だそうです(23)。あと3日でイチゴの日です(24)。福島も年が明けイチゴのシーズンです(25)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(26)を引用
 図―3 福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)6次化とは | ふくしま6次化情報STATION 公式サイト
(2)福島第一原発事故による放射性物質の拡散 - Wikipedia
(3)“福島産”が売れない 3年目の見えない壁|特集まるごと|NHKニュース おはよう日本
(4)めげ猫「タマ」の日記 (=^・^=)が福島産を食べない10つの理由
(5)めげ猫「タマ」の日記 「福島米」避けていないと所では葬式が9%増、避けた所は増えていない。
(6)食の安全に関する取組 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(7)農業再開へ「右腕」派遣 6次産業化や販路開拓支援:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(8)地質調査研究報告/Bulletin of the Geological Survey of Japan
(9)日本の花崗岩帯分布図と製鉄・砂鉄・たたらおよび阿武地名はエジプト語起源か ( 歴史 ) - 民族学伝承ひろいあげ辞典 - Yahoo!ブログ
(10)ナツハゼ - Wikipedia
(11)報道発表資料 |厚生労働省
(12)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。
(13)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(15)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(16)ふくしま・地域産業6次化新商品カタログを作成しました!(平成27年3月版) | ふくしま6次化情報STATION 公式サイト中の「(全体版)→全体版(PDF:4.63MB」
(17)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(18)原発事故から3年、見捨てられる福島の農家 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
(19)ナツハゼ ツツジ科 落葉低木│福島県│エクステリア・外構工事│内池工業
(20)ナツハゼについて | ニコニコ菅野農園
(21)ニコニコ菅野農園 | ふるさとを守る 農を守る 心をつなぐ
(22)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
(23)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売
(24)1月15日 いちごの日|なるほど統計学園
(25)ベジフルカレンダー - JA伊達みらいのホームページ
(26)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
  1. 2016/01/12(火) 19:47:05|
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