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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一汚染水(3月3週)―港湾口ムラソイから25,400ベクレルのセシウム―

 福島第一原発汚染水の3月3週(3月15日から21日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①港湾口ムラソイから25,400ベクレルのセシウム
 ②港湾口から見つかり続ける全ベータ
 ③地下水バイパスや山側井戸からは排水基準を超えた放射性物質
 ④海岸付近の井戸から高濃度の放射性物質
 ⑤サブドレンの排水のトリチウムの濃度は過去最高
 ⑥法令限度を超えた汚染水が排水路から海へ


1.港湾口ムラソイから25,400ベクレルのセシウム
  事故から5年以上が経過しました。時間が経ても外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
事故から5年経っても放射性物質が見つかる福島第一沖外洋
  ※1 (4)~(8)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(10)
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度

 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(8)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(8)。従前の記事でこの井戸の水がら突然に全ベータが見つかった旨の記事を記載しましたが(10)、今週も
 全ベータが1リットル当たりで340ベクレル
見つかっています。会見(11)を聞いていると「原因不明」のままだそうすです。これでは対策も取れず、拡散するのみと思います。
 構内側溝排水放射線モニタ近傍から3月15日に採取した排水から1リットル当たりで
  セシウム  80ベクレル
  全ベータ 170ベクレル
の放射性物質が見つかっています。しばらく検出限界未満(ND)が続いたので大幅な上昇です。この水は排水路を通じ「海」に流れ込みます。
 そして港湾口で採れたムラソイから
  1キログラム当たり25,400ベクレルのセシウム
が見つかっています(7)。以下に推移を示します。
事故から5年以上経ても下がる気配が無い港湾内ムラソイのセシウム濃度
 ※(12)集計
 図-2 福島第一港湾内・ムラソイのセシウム濃度

 下がる気配がありません。東京電力は福島第一で汚染水対策を実施していると主張していますが(13)、海洋生物(魚)で見る限り効果は疑問です。「港湾への汚染水への影響は完全にブロックされている。」と主張されている方がいますが(14)、お魚は移動します。港湾外にでることもあるはずです。およそ「ブロック」などされていません。

2.港湾口から見つかり続ける全ベータ
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
外洋に比べ高い濃度の放射性物質が見つかる港湾内
  ※1 (5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  SR90はストロンチウム90を示し、採取日は2015年2月8日 
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 以下に港湾口の放射性物質濃度を示します。
全ベータなどの放射性物質が見つかり続ける港湾口
  ※1(5)を集計
  ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 図-4 港湾口の放射性物質濃度

 東京電力は汚染水対策を実施していると主張していますが(13)、全ベータが見つかり続けています。港湾口は外洋に繋がるところです。汚染水は「ブロック」されず外洋に出ています。

3.地下水バイパスや山側井戸からは排水基準を超えた放射性物質
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(15)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(16)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(17)。以下に放射性物質濃度を示します
排出基準を超えた放射性物質が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (16)(17)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。
この中で最も気になるのがE-1井戸です。
上昇が続くE-1井戸の全ベータ濃度
※(16)を集計
 図-6 E-1井戸の放射性物質濃度

 全ベータは元々上昇傾向でしたが、今週は突然に跳ね上がり
  1リットル当たり14、000ベクレル
を記録しています。今後が心配です。

4.海岸付近の井戸から高濃度の放射性物質
 海岸付近の井戸からは高濃度に汚染された地下水が見つかっています。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一の海岸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4 ストロンチウム90はSR90と略し、採取日は2月2日
 図―7 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 以下にNo0-1井戸のトリチウム濃度を示します。
上昇が続くNo0-1井戸のトリチウム
 ※(5)を集計
 図―8 No0-1井戸のトリチウム濃度

 昨年末から急に上昇しだし、止まる気配がありません。


5.サブドレンの排水のトリチウムの濃度は過去最高
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(18)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(19)ほぼ6ヶ月以上が経過しました。
 以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。
上昇が続き過去最高(新記録)を記録したサブドレン排水のトリチウム濃度
 ※(20)を集計
 図-9 サブドレン排水のトリチウム濃度

 1月中旬から上昇し、東京電力の測定で1リットル当たり960ベクレルを記録しました。過去最高(新記録)です。
 東京電力は排出量も発表しているので(21)、濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
排出ペースを増し、累積で317億ベクレルを超えたサブドレントリチウム排出量
 ※(20)(21)を集計
 図―10 サブドレンの累積排出量
 
 図に示す様に排水のトリチウム濃度の上昇に伴い、排出のペースを上げています。3月1日から20日の20日間で排出したトリチウムは約86億ベクレルで1日4.3億ベクレルのペースです。累積では317億ベクレルを超えました。

6.法令限度を超えた汚染水が排水路から海へ
福島第一原発構内には幾つもの排水路があります。
福島第一原発排水路
 ※(22)で作成
 図―11 福島第一原発内の排水路

 当然ながら福島第一構内は放射性物質で汚染されており、排水路に流れ込みます。全ベータの法令限度は1リットル当たり60ベクレルであることは1項に記載の通りです。このうちK排水路では法令限度を超えた汚染水の流れが確認されています。 
 以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。
法令限度を超えた汚染排水が流れ続けるK排水路
 ※(22)(23)を集計
 図―12 K排水路の放射性物質濃度

 K排水路の放射性物質濃度は1リットル当たりで
  3月15日
   セシウム137 230ベクレル
   全ベータ    240ベクレル
  3月17日
   セシウム137 130ベクレル
   全ベータ    150ベクレル
で法令限度を超えています。東電の発表(22)を見ると排水路は遮水壁を超えて海に繋がっているので、「海側遮水壁」が完成しても排水路の汚染水はブロックされません。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)とこちら(ブログ図表②)を参照ください。
原発事故から5年経ちましたが、福島第一からの汚染水漏れは止む気配がありません。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県相馬地方の特産品にイチゴがあるそうです(24)。福島県相馬市のイチゴは美味しそうです(25)。相馬市では今、イチゴ園が開園しています(26)。福島県相馬市はイチゴの季節です。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(27)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
※(28)を引
 図―13 福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月2週)―地下貯水槽観測孔の全ベータは下がらず―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月6日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(7)2016年3月17日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>(PDF 97.6KB)
(8)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(9)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月1週)―地下貯水槽観測孔から突然の全ベータ―
(11)【2016年3月17日】東京電力 記者会見 - 2016/03/17 17:30開始 - ニコニコ生放送
(12)(3)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>」
(13)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(14)菅官房長官「影響は完全にブロック」、福島第1原発の汚染水流出 | ロイター
(15)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(16)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(17)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(18)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(19)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(20)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(21)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(22)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(23)(3)中の「 福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果 」
(24)特産品情報 | 地区別くらし情報 そうま地区 | JAふくしま未来
(25)和田観光苺組合 - 相馬/その他 [食べログ]
(26)福島県相馬市 観光のご案内 イチゴ狩り
(27)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(28)Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」
  1. 2016/03/22(火) 08:43:32|
  2. -
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福島空港にMRJ?未来は暗い

 福島からの報道によると(1)(2)、福島県の地方銀行の東邦銀行が福島空港にMRJを誘致する取組を始めるそうです。でも福島空港の未来は暗そうです。
 福島空港は福島県中部にある空港です。1993年3月20日開港し(3)、今日(3月20日)で23年になります。名前は福島空港ですが、福島市へ行くなら仙台空港の方が便利です。福島市によると、仙台空港から福島市までは約50分ですが、福島空港からは約1時間30分かかります(4)。
周りは除染が必要な福島空港
 ※1(5)の数値データを元に(6)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(7)による
 図-1 福島空港

 福島空港自体は福島県内では放射能汚染がマシな場所にありますが、周囲には国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(8)を超えた地帯が広く広がっています。また、原発事故から5年を経ましたが今も毎時0.08マイクロシーベルトの放射線量が観測されています(9)。
日本一放射線量が高い?福島空港
 ※(9)にて作成
 図-2 福島空港の放射線量

 仙台空港がある宮城県名取市(10)の放射線量は毎時0.033マイクロシーベルトですので、倍以上です。福島空港に日本一があるとすれば、日本一放射線量が高い空港でしょうか?
 福島空港の21世紀の歴史を見ると、空港間競争に負け続けの歴史です。以下に福島空港の利用者数を示します。
21世紀になり利用者が減少した福島空港
 ※1(3)にて作成
 ※2 ①2007年3月、仙台空港鉄道開業(12)
 ※3 ②2009年2月、日本航空、福島空港撤退(3)
 ※4 ③2010年
     3月、茨城空港開港(13)
     7月、成田スカイアクセス開業(14)
 ※5 ④2011年3月、福島原発事故(15)
 ※6 ⑤2015年3月、ひたち品川乗り入れ(16)
 図-3 福島空港の利用者数

 今世紀に入り利用者が減り続けています。
 最初の不幸は2007年3月の仙台空港鉄道の開通です。仙台空港鉄道は東北本線名取駅と仙台空港を結ぶ全長7.1kmの鉄道ですが、この鉄道の開通により東北本線(含む新幹線)からのアクセスが良好になりました。福島市からは「仙台空港」がはるかに近いのは前述の通りです。この結果、福島空港の利用者は大幅に仙台空港に流れたと思います。福島空港の利用者は
 2007年度 約52万人
 2008年度 約43万人
で大幅に減っています。そうすれば路線の撤退はします。
 2009年1月 沖縄線廃止(3)
 2009年2月 日本航空撤退(3)
です。
 次の不幸は2010年から11年3月に集中しました。福島県のお隣の栃木県には空港が無いので、福島県は栃木県民に福島空港の利用促進を働きかけているそうです(17)。福島空港へのアクセス道路にしか見えないあぶくま高原道路を見ると、福島県の中心部でなく栃木方面を結ぶ構造になっています。
栃木県と福島空港を結ぶあぶくま道路
 ※1(5)の数値データを元に(6)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 あぶくま高原道路は(17)による。
 図ー4 あぶくま高原道路

 いまでは無用の長物です。2010年3月に茨城空港が開通しました(13)。以下に茨城空港の位置を示します。
栃木からは福島空港より近い茨城空港
 ※地図で作成
 図-5 茨城空港と福島空港

 図に示す通り栃木県から見て茨城空港が近くなっています。両空港ともアクセスの基本は自家用車を想定してると思います。福島空港には2,300台分の駐車場があり無料です(18)。茨城空港も1,321台分の駐車場があり無料です(19)。仙台空港の駐車場は1,238台(20)なので空港の規模を考えればすごい台数です。
 2010年7月に上野と成田空港を結ぶ成田スカイアクセスが開通しました(15)。これで上野や日暮里と成田空港の所要時間が短くなり、福島県内発東京方面のJRの列車は上野駅を止まるので、福島県内から成田空港へのアクセスも改善されました。時刻表で見ると郡山駅から2時間10分程です。この程度なら海外に行くに敢て福島空港を使う必要もないと思います。そして2011年3月の原発事故です(15)。2011年3月以降は国際線は運休したままです(3)。
 2010年には茨城空港開港、成田スカイアクセス開通によって福島空港近辺でも他の空港の方が便利になって行きました。そして福島原発事故です。福島空港の利用者数は
 2010年度 約29万人
 2011年度 約21万人
で大幅に減っています。
 2015年3月に東北縦貫線が開通し、福島県いわき市と東京都内を結ぶ特急ひたちがそれまで上野まででしたが、品川駅に乗り入れる事になりました(16)。これで福島県いわき市から羽田空港まで1回の乗換で行けるようになりました。いわき市の湯本駅の周辺にはいわき湯本温泉やスパリゾートハワイアンズなどがあり(21)、福島県いわき市を代表する観光の駅です。時刻表でみると湯本駅から羽田空港まで2時間50分程度かかります。一方、リムジンバスで福島空港に行くのに1時間45分かかります(22)。福島空港の方が1時間程度は近いですが、そんなに変わらない気がします。福島空港に比べ羽田空港は便数も多く路線も沢山あるので、羽田を使う方が増えると思います。
 21世紀の福島空港を見ると周りの空港が便利になって行くのに福島空港は便利にならず利用者を吸い取られ、原発事故によって福島そのものが魅力を失いました。福島原発事故前に福島空港近隣の観光地で比較的多くの方がこれたのが、あぶくま洞等の鍾乳洞です(23)。以下に入り込み数を示します(24)。
回復しないあぶくま洞の観光客
 ※(24)を集計
 図-6 あぶくま洞等の入り込み数

 原発事故前は年間数十万人の方が訪れていたのですが、事故後に激減し回復してません。
 福島空港には先は見えません。そんな中、福島県の地方銀行の福島県の地方銀行の東邦銀行が福島空港にMRJを誘致する取組を始めるそうです(1)(2)。効果を上げるためにはまだ珍しいうちに福島空港に飛んで来る必要があります。福島空港には全日空とIBEXが飛行機を運航しています(25)。MRJは2年後の2018年4月から6月に全日空に引き渡されることになっており(26)、これを「福島空港」との狙いだと思いますが、全日空が福島空港で運行しているのは126席のB737-500と166席のB737-800です(25)。全日空が発注しているMRJ-90は81~85席で少し小型です。同機は全て全日空の子会社であるANAウィングスが運航する事になっています(25)。ANAウィングスでは全日空からのリース21機を含めボンバルディアDHC-8-Q400を所有しています(26)。同機は74席で(27)、MRJ-90よりやや小型ですが置き換え可能です。この飛行機は高知空港を始め多くの空港で「胴体着陸」をしており(28)、乗りたくない方も多いと思います(29)。少なくとも(=^・^=)は飛行機に乗る時はボンバルディアDHC-8-Q400でないことを時刻表で確認してから予約を入れます。全日空は1974年にトライスターを導入し1995年に退役させています(30)。ボンバルディアDHC-8-Q400は2000年から運用が開始された(31)ので2018年当たりが退役の時を迎えると思います。ボンバルディアDHC-8-Q400の後継機の可能性が高いと思います。MRJが最初に飛ぶのは現時点で全日空がボンバルディアDHC-8-Q400を飛ばしている空港で、デモフライトを別にすれば福島空港には飛んでこないと思います。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 福島空港は大変な赤字です。収入6700万に対し支出は10倍近い6億4000万円です(32)。ただし費用の中には「大規模な更新分」は除かれているので、施設の更新費用は入れていません。人件費は福島空港事務所の人件費で(32)、福島空港の利用促進を図る福島県空港交流課(33)の費用は含まれていません。福島県空港交流課では福島県外の方が福島空港を利用すると空港内の売店・レストランで利用できる3000円の「商品券」の配布(34)や、修学旅行で福島空港を使うと最大で一人当たり2万5千の補助がでます(35)。福島県当局は未来の無い福島空港を守ろうとしています。
 多くの福島県民は福島空港の必要性を感じないと思います。それでも福島県当局は福島空港にしがみついています。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(36)。いわき市のイチゴはたわわに実っっており甘くてジューシーだそうです。今はいわき市でもイチゴ狩りが楽しめます(37)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(38)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴがいわき市のスーパーのチラシ
 ※(39)を引用
 図―7 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)MRJ福島就航目指す 検討協議会に加盟 東邦銀行 | 県内ニュース | 福島民報
(2)福島空港に「MRJ」 東邦銀行構想、誘致へ協議会参加:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(3)福島空港 - Wikipedia
(4)位置・交通 - 福島市ホームページ
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(7)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)福島空港の測定値 ≪ 各地の定時測定 ≪ 福島県放射能測定マップ
(10)仙台空港 - Wikipedia
(11)放射能情報サイトみやぎ
(12)仙台空港鉄道仙台空港線 - Wikipedia
(13)百里飛行場 - Wikipedia
(14)スカイライナー - Wikipedia
(15)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(16)ひたち (列車) - Wikipedia
(17)あぶくま高原道路 - 福島県の観光道路 - 福島県道路公社
(18)ターミナルビル・駐車場 | 施設・サービス | 福島空港
(19)施設案内 | 茨城空港
(20)仙台空港駐車場 第1・第2駐車場
(21)湯本駅 - Wikipedia
(22)リムジンバス | アクセス | 福島空港
(23)あぶくま洞 - Wikipedia
(24)福島県観光ホームページ 統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(25)国内線 | ダイヤ案内 | 飛行機に乗る | 福島空港
(26)MRJ - Wikipedia
(27)ANAウイングス - Wikipedia
(28)機材紹介 | ANAウイングス - ANA WINGS -
(29)ボンバルディア機の航空事故とインシデント - Wikipedia
(30)ロッキード L-1011 トライスター - Wikipedia
(31)デ・ハビランド・カナダ DHC-8 - Wikipedia
(32)PDF]平成26年度福島空港の収支状況 - 福島県
(33)観光交流局 - 福島県ホームページ
(34)福島空港商品券の要件が変わります!! - 福島県ホームページ
(35)福島空港修学旅行利用促進支援事業 - 福島県ホームページ
(36)いわき市 - Wikipedia
(37)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(38)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(39)平尼子店 | マルト - 店舗情報
  1. 2016/03/20(日) 20:18:27|
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トラブルいっぱい福島原発(3月3週)―ALPS停止―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、3月3週(3月14日から19日)もしっかりトラブルが起こっています。

①満水状態が続く処理水タンク
②ALPS停止
③タンクの解体進まず
④分析施設の予算をケチる安倍出戻り内閣
⑤消化器がありません

1.満水状態が続く処理水タンク
 福島第一原発では地下水や地下水ドレンからくみ上げた汚染水がタービン建屋に日々流入し増え続けています。タービン建屋の汚染水は汲み上げてて
 タービン建屋⇒SARRY⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(2)(3)(4)。最終段の処理水について
  満水率を「汚染水保管容量÷汚染水タンク容量」
と規定し、推移を示します。
満水状態が続く処理水タンク
  ※(5)を集計
 図ー1 福島第一の「処理水タンク」の満水率

 この所、約96~98%で推移しています。ここからは(=^・^=)の想像ですが、東電はこれが限度だと判断していると思います。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(6)。安全にくみ上げた汚染水を保管するにはある程度の「空」が必要です。事実上は満タン状態です。

2.ALPS停止
 3月16日に福島第一汚染水の最終段の処理装置であるALPS(多核種除去設備)が停止しました(7)。その後の会見(8)を聞いていたのですが、一切の説明がありませんでした。3月18日の発表(19)でも「停止中」です。
 1項に記載した通りALPSの先にある処理水タンクは「満タン」で、汚染水を送り込むことが出来ません。福島第一の汚染水処理は「破綻」しています。

3.タンクの解体進まず
 福島第一原発のタンク増設計画を見ると(9)、過去に汚染水漏れを起こしたフランジタンク(10)を解体し跡地に新たなタンクを作る計画です。以下に2月時点のタンク解体計画と実績を示します。
全く進まない濃縮塩水タンクの解体
 ※(5)(9)を集計
 図-2 濃縮塩水タンクの解体計画と実績

 図に示す通り計画では2月から解体が進み今月末位には終える計画でしたが、実績をみると解体が進んでいません。旧来のタンクを解体できなければ新しいタンクがつくれず、福島第一の汚染水処理は厳しくなりそうです。

4.分析施設の予算をケチる安倍出戻り内閣
 3月17日に福島第一原発の廃炉廃棄物の管理の安全を審査する「第3回特定原子力施設放射性廃棄物規制検討会」が開かれました(11)。そこで、福島第一原発の西の外れに国の機関であるJAEAが分析施設を作るとの説明がありました。
福島第一の西にできる分析施設
 ※(12)より作成
 図-3 分析施設の位置

 図に示す様に敷地ギリギリです。以下に鳥瞰図から想定した分析施設の配置を示します。
一般道路の前にできる分析施設
 ※(12)より作成
 図-4 分析装置の配置

 図に一般道が側を通っています。このうち「第2棟」には取り出せた場合ですが、溶け落ちた核燃料(デブリ)を分析の為に持ち込むそうです。
 議論(13)を聞いていると、分析の能力に疑問が出されましたが、これに対するJAEAの説明は「予算ではこれが精いっぱい」でした。この施設は(=^・^=)も支払う税金を原資とする国のお金で作りますが、安倍出戻り内閣かケチったようです。

5.消化器がありません
 福島第一には伐採木等の可燃物がむき出しでおいてあるそうです(13)。
むき出しで保管される伐採木
 ※(14)を引用
 図-5 福島第一においてある伐採木

火事が心配なので消化器を配置することになっていますが、消化器がおいていない場所が見つかったそうです。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
トラブルが続く福島原発、福島の方は心配だと思います。福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(15)。いわき市のイチゴはたわわに実っっており甘くてジューシーだそうです。今はいわき市でもイチゴ狩りが楽しめます(16)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(17)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(18)を引用
 図―5 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月2週)―核燃料容器から警報―
(2)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(3)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(4)原子炉の安定化|東京電力
(5)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(6)スロッシング - Wikipedia
(7)2016年3月16日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(8)【2016年3月17日】東京電力 記者会見 - 2016/03/17 17:30開始 - ニコニコ生放送
(9)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年2月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第27回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(10.0MB)」
(10)[PDF]福島第一原子力発電所の汚染水の現状と対策について[PDF
(11)第3回特定原子力施設放射性廃棄物規制検討会 | 原子力規制委員会
(12)(11)中の「資料2-2:放射性物質の分析・研究施設の整備について[東京電力・日本原子力研究開発機構]【PDF:627KB】」
(13)(11)中の「会議映像 YouTube」
(14)(11)中の「資料3:可燃性廃棄物の火災対策について[東京電力]【PDF:1MB】」
(15)いわき市 - Wikipedia
(16)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(17)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(18)ヨークベニマル/お店ガイド
(19)福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

  1. 2016/03/19(土) 19:40:40|
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山形・小国・小玉川熊祭、今年は熊汁復活!肉は40ベクレル

 山形県小国町の熊の出荷制限が全頭検査を条件に出荷制限が解除される見込みとなりました(1)。これで同町小玉川地区で毎年5月4日に開催される「熊祭」で(2)、4年ぶりに熊汁が復活することになりす(1)。放射性物質が気になるので、調べたら1キログラム当たり40ベクレル程度になりそうです。
 飯豊山は福島県喜多方市にある標高2,105.1 mの山です。周囲を山形県と新潟県阿賀町に囲まれています(3)。
飯豊山と周辺
 ※1(4)の数値データを元に(5)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(6)による
 図-1 飯豊山

 、東北地方・北海道で古い方法を用いて集団で狩猟を行うマタギ(7)の文化は、福島県喜多方市や新潟県阿賀町でも残っていますが(8)(9)、山形県小国町が飯豊山頂に隣接する1市2町の中では「マタギの郷交流館」などもあります(10)。なを、山形県いは飯豊町がありますが(11)、地図でみると飯豊山頂には接していません。
 福島原発事故はマタギの皆さんには「悪夢」だったと思います。山の恵みのクマ肉が福島、山形、岩手、宮城、福島、群馬、新潟で出荷制限が実施されました(12)。山形県小国町の小玉川では熊祭では「熊汁」が出されていたのですが、原発事故の為に提供できなくなりました(1)(13)。
 出荷制限後は年々、来場者が減っていた。高齢化などの影響もあるが、山形県猟友会小国支部のメンバーはこの4年間で15人から10人に減った。このままでは地域の伝統であるクマを捕り、食べる文化が途絶えてしまうのではないかと、地元の人たちは危機感を募らせていた。そこで、出荷制限の解除を求めて昨年3月、1431人分の署名を県に提出。一方、出荷制限の一部解除を見据え、安全性の確保のために必要となる食肉処理施設を整備したそうです。そして全頭検査を条件に「出荷」が認められる見込みになったそうです(1)。今年の熊祭は4年ぶりに熊汁が楽しめそうです。でもセシウムが気になります。以下に飯豊山周辺の熊のセシウム濃度を示します。
下がらない飯豊山近辺のクマのセシウム濃度
 ※1(14)を集計
 ※2 喜多方市は福島県、阿賀町は新潟県、小国町は山形県
 ※3 小国町は朝日山地のものは除く
 図-2 飯豊山周辺の熊さんのセシウム濃度

 あまり下がっている様子がありません。小国町(朝日山地を除く)について纏めると、1キログラム当たりの値で
  2012年 検査数3、平均50ベクレル、最大58ベクレル
  2015年 検査数3、平均43ベクレル、最大48ベクレル
あまり下がった様子がありません。小玉川熊まつりに出かけるなら1キログラム当たり40ベクレル程度の熊肉入り熊汁を頂く事になりそうです。基準値(15)の半分程度なので後は個人の判断だと思います。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 小国町小玉川熊まつりに出かけるなら基本は自家用車だと思います。これではお酒が飲めないと不満の方もいると思うので、会場までの公共交通機関もあります。米坂線小国駅から小国町小玉川方面へ時刻表(16)を見ると1日3往復、所要40-50分の町営バスが出ています。これを使えば東京方面からの日帰りも可能かと思います。
 行き
  東京発6:09-(トキ301)⇒8;13着(新潟駅)8:43発⇒10:11着(小国駅)10:33発-(小国町営バス、南部線)⇒11:24着

 帰り
  会場発 15:25-(小国町営バス、南部線)⇒16:07着(小国駅)17:47発⇒19:15着(米沢駅)19:38発-(つばさ194)⇒21:40東京着

 ただし後日、ご自分で再度の確認をしてください。
 山形県は飛島も含め全域でクマは出荷制限されていますが、福島は福島第一原発のある沿岸部ではクマの出荷制限がありません(12)。でも沿岸部の富岡町ではクマの目撃情報があります(17)。冨岡町では昨日(3月17日)から準備宿泊がは今りましたが(18)、宿泊された方がクマを捕まえ出荷しても違法ではありません。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島はイチゴの栽培が盛んだそうです。いまがイチゴの季節です(19)。福島はイチゴのシーズンです。農林水産省の統計を見ると(20)、福島県伊達市は福島最大のイチゴの産地です。福島県伊達市のイチゴは「とても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのもの」だそうです(21)。福島県は福島産について「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(22)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市スーパーのチラシ
 ※(23)を引用
 図-3 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)クマ肉出荷を県内一部解禁・小国 マタギ文化継承に安堵|山形新聞
(2)小玉川熊まつり/山形県小国町
(3)飯豊山 - Wikipedia
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(6)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)マタギ - Wikipedia
(8)愛しいマタギ文化 | WELTGEIST FUKUSHIMA
(9)チラシ裏面「参加申込書」
(10)マタギの郷交流館/山形県小国町
(11)飯豊町 - Wikipedia
(12)食品中の放射性物質の検査結果について(第972報) |報道発表資料|厚生労働省中の「(参考3)原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等(PDF:453KB)」
(13)マタギ文化を紹介する「熊まつり」 山形|日テレNEWS24
(14)報道発表資料 |厚生労働省
(15)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(16)南部線/山形県小国町
(17)【緊急情報】富岡町内で平成27年2月10日10時頃に熊の目撃情報がありました。町内に一時帰宅した際は十分にご注意ください。|緊急情報 | 富岡町役場
(18)「5年ぶり、富岡で」 初の特例宿泊、住民に安堵の表情も:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(19)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(20)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「9-5 野菜(果実的野菜) ⇒福島県 」
(21)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(22)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(23)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
  1. 2016/03/18(金) 19:45:44|
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飯舘村測定に比べ低い環境省(国)の放射線量測定値

東京電力福島第一原発事故で全村避難している飯舘村は3月16日、村内に設置した空間放射線量測定器「モニタリングポスト」88基の運用を始めました(1)。当村のホームページで結果が公表されているので(2)、従前の環境省(国)が設置した測定器の値と比較したら毎時0.5マイクロシーベルト以下の場所の数を集計したら
 環境省(国)設置 全体の78%( 40機中31機)
 飯舘村設置    全体の43%(128機中55機)
で環境省(国)の値が低く出ています。この様な事が偶然に起こる確率を計算したら0.8%なので偶然と言うには無理があります。飯舘村の測定値と航空機モニタリング(3)の結果に起きな差はなく、従前に環境省(国)が設置した空間放射線測定器は実際より低い値を出していたことになります。
 福島県飯舘村は阿武隈高地の北側に立地する村で、福島原発事故によって全村避難を強いられました。だだし避難指示が出されたのは原発事故一ヶ月後の2011年4月11日で避難が完了したのは3ヶ月以上も過ぎた2011年6月22日で、いわば逃げ遅れた村です。
福島県飯舘村
 ※1(3)の数値データを元に(5)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(6)による
 図-1 福島県飯舘村

 通常は男の子が多く生まれるのですが(7)、飯舘村では原発事故後5年連続して女の子が多く生まれる奇妙な現象も起こっています(8)。
5年連続で女の子が多く生まれた飯舘村
 ※(8)を転載
 図-2 福島県飯舘村の赤ちゃん誕生数

それでも来年3月までの避難指示解除を計画しています(9)。その前段階でしょうか、飯舘村は3月16日、村内に設置した空間放射線量測定器「モニタリングポスト」88基の運用を始めました(1)。当村のホームページで結果が公表されているので(2)、従前の環境省(国)が設置した測定器の値と比較してみました。
0.5(μSv/h)以上が多い飯舘村設置のモニタリングポスト 0.5(μSv/h)未満が多い環境省(国)設置のモニタリングポスト
 (a)飯舘村設置                   (b)環境省設置
  ※(2)を3月17日に閲覧
 図-2飯舘村の放射線量測定結果

 図に示す通り飯舘村設置の測定器では毎時0.5マイクロシーベルトを超える値(図中の緑、深緑、黄色)が多いのですが、環境省(国)設置では毎時0.5マイクロシーベルト以下(図中の青、シアン)が殆どです。
 以下に割合を示します。
半分以上が0.5(μsv/h)以上に飯舘村設置のモニタリングポスト 8割近くが0.5(μsv/h)以下の環境省(国)設置のモニタリングポスト
 (a)飯舘村設置                  (b)環境省設置
  ※(2)を3月17日に閲覧
 図-3飯舘村の放射線量測定結果の割合

どう見てみても環境省(国)設置の線量計が低く見えます。毎時0.5マイクロシーベルト以下の場所の数を集計したら
 環境省(国)設置 全体の78%( 40機中31機)
 飯舘村設置    全体の43%(128機中55機)
で環境省(国)の値が低く出ています。この様な事が偶然に起こる確率を計算したら0.8%なので偶然と言うには無理があります。
 原子力規制委員会は航空機を利用し面的に放射線量を測定し(航空機モニタリング)結果を公表しています(3)。その結果と飯舘村設置の測定器の結果を合成してみました。
航空機モニタリングと差が少ない飯舘村設置のモニタリングポスト
 ※1 航空機モニタリングは(3)の数値データを元に(5)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 飯舘村設置の測定器の値は(2)よる
 図-4 航空機モニタリングと飯舘村設置測定器の結果の合成

 図に示す通り、色の違いが殆ど分かりません。飯舘村設置測定器の方が正しいと言えます。従前に設置されていた環境省(国)設置の空間放射線量測定器「モニタリングポスト」は実態より低い放射線量を結果として出していました。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
以下にスズキ(魚)のセシウム濃度を示します。
千葉県銚子や茨城県産に比べ低い福島県いわき市産スズキの福島県の検査結果
 ※1(10)を転載
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)
 ※3 日付は収穫日
 図-5 スズキのセシウム濃度

 海の魚は人工的に管理されていないので近隣と同じか、福島なら汚染源に近いので近隣より高いセシウムが見つかるはずです。でも図に示す通り、福島県いわき市のスズキからは千葉県銚子や茨城県産スズキからそこそこ見つかっているセシウム見つかっていません。同じ物を測ればだれが測っても同じ結果となるべき測定の再現性(11)が、福島では成立しません。福島発のデータはいい加減です。このようなデータを元に福島県は放射線量が低いとか、食品の基準超えがないとか主張し(12)、「風評被害」と強弁しています(13)。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県相馬地方の特産品にイチゴがあるそうです(14)。福島県相馬市のイチゴは美味しそうです(15)。相馬市では今、イチゴ園が開園しています(16)。福島県相馬市はイチゴの季節です。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(17)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
※(18)を引
 図―6 福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(19)による。
有意差検定表


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)飯舘村がモニタリングポスト88基運用開始 | 県内ニュース | 福島民報
(2)飯舘村 放射線量マップ
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(4)飯舘村 - Wikipedia
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(6)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)出生性比
(8)めげ猫「タマ」の日記 5年連続でも女の子が特異的に生まれる福島県飯舘村
(9)避難指示解除 飯舘村「遅くとも17年3月」 | 河北新報オンライン 2015/04/22
(10)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月2週)―福島産コイから2.6ベクレル、福島県は過去3年間で29件全てでND―
(11)再現性(さいげんせい)とは - コトバンク
(12)ふくしま復興のあゆみ  - 福島県ホームページ中の「・ 第14版 平成28年 2月 8日発行 [PDFファイル/7.34MB]」
(13)東日本大震災関連情報ページ一覧 - 福島県ホームページ
(14)特産品情報 | 地区別くらし情報 そうま地区 | JAふくしま未来
(15)和田観光苺組合 - 相馬/その他 [食べログ]
(16)福島県相馬市 観光のご案内 イチゴ狩り
(17)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(18)Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」
(19)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
  1. 2016/03/17(木) 19:50:08|
  2. -
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北海道新幹線開業まであと10日、JR北海道は安全投資を出来る体質に変われ!

 北海道新幹線が10日後の3月26日に開業します(1)。運営するJR北海道は不祥事続きです(2)(3)。JR北海道は大変な赤字を流しています(4)。これでは必要な安全投資ができません。このままでは新幹線も在来線と同様に安全管理が行き届かず、新幹線初の人身事故なんてことになりかねません。
 北海道新幹線は新青森―札幌間の360.3kmを結ぶ新幹線です。3月26日にこのうち新青森―新函館北斗間の101.6kmが開通します。これで北海道から九州まで新幹線で繋がりますが、北海道から九州まで新幹線で行く人はごく一部のマニア以外はいないでしょう。精々、福島などの東北各地と函館近辺を行くに少し時間が短くなるだけです(6)。函館と東北各地の航空路線は皆無に近いので(7)、いまでも東北新幹線⇒海峡線利用が便利です。北海道新幹線が開通しても利用者の伸びは見込めず大赤字になりそうです。JR北海道の試算によると、北海道新幹線の収支は年間で
  収入 111億円
  支出 160億円
  赤字 △48億円
との予測が出ています(8)。北海道新幹線の収入では北海道新幹線は維持できませ。
 北海道新幹線を運営するJR北海道も大赤字です。2014年度の収支は
  収入   827億円
  支出 1、200億円
  赤字  △372億円
です(9)。JR北海道本体も大赤字です。これでは安全投資に回すお金がありません。JR北海道は不祥事続きです(2)(3)。最近ではガス欠で列車が止まる不祥事や(9)、北海道新幹線の試験運転中にいきなり停電(10)なんて事を起こしています。
 (=^・^=)はJR北海道の皆様も他の運輸業者の皆様と同様に「安全第一」だと信じています。それでもこの不祥事です。(=^・^=)はJR北海道にはお金が無いので「安全投資」ができなのが最大の原因と考えています。
 東海道新幹線では、1964年の開業以来48年間「乗車中の旅客の死亡事故ゼロ」を続けてきているそうです(11)(ただし犯罪等は除く)。安全を担保するのは莫大な安全投資だと思います。東海道新幹線を運営するJR東海では毎年1000億円以上の安全投資を実施しています(12)。これが新幹線の「安全神話」が崩壊しない一つの要因だと思います。
 お金が無いJR北海道が必要な安全投資が出来るか(=^・^=)は不安です。このままでは新幹線初の人身事故なんてことがあるかも知れません。不祥事を新幹線で起こさないようにするためには、JR北海道は「安全投資」が出来るような経営体質に改善する必要があります。
 JR北海道は鉄道14路線2,457.7 kmを保有しています(2)。JR九州は鉄道21路線2、273kmですので(13)JR九州より多くの路線です。北海道の人口は約540万人(14)で、九州の人口約1,300万人(15)の半分以下です。人口が少ない北海道が九州より多くの鉄道路線を有していては赤字になるのは当然です。以下にJR北海道の輸送密度(1日当たりの平均の乗客数)と貨物取扱駅を示します。
JR北海道内の輸送密度と貨物駅
  ※1(4)(16)にて作成
  ※2 kは千人を示し1kは1日当たり1000人
  ※3 貨物取扱駅ではトラックで中継するORSは除く
 図-1 JR北海道の輸送密度と貨物駅

 多くの路線で1日当たり4000人以下です。貨物取扱駅も北見駅や富良野駅を除けば北海道の中では人口の多い所に集中しています。
 北海道の鉄道の役割は
  ①地域間の人員の輸送
  ②本州方面との貨物輸送(北海道と本州の間に道路は無い)
だと思います。だとすればどちらの役割をはたさい鉄道は廃止すべきです。鉄道以外にも多様な交通手段(自動車、飛行機、船舶)があります。
 北海道稚内市は人口約3万6000人の市ですが(17)、同市にある稚内空港は年間約18万人の利用者がいます(18)。一方、同市と旭川を結ぶ宗谷本線の1日当たりの平均の利用者(輸送密度)は405人で(4)、年間に直すと約15万人で稚内空港より少なくなっています。稚内では鉄道より航空が選ばれており、図―1に示すように貨物駅も無く貨物輸送もありません。このような鉄道を社会的存続させる意義はないと思います。
 以下にJR北海道における輸送密度と経費のうち収入で補える割合を示します。
輸送密度に比例する収入で賄える割合
 ※(19)を集計
 図-2 輸送密度と経費のうち収入で補える割合(JR北海道)

 ほぼ輸送密度に比例しています。輸送密度405人の宗谷本線、名寄―稚内の場合は費用として26億4900万円かかっていますが、収入は20%弱の4億8700万円です(19)。このままいけば輸送密度を2000人未満の路線は鉄道としては採算がとれず他の交通手段が有利です。輸送密度を2000人未満で、貨物輸送に必要の無い路線は廃止して浮いた費用を北海道新幹線などの安全投資に回すべきです。
 以下に(=^・^=)が廃止を勧告する路線を示します。
(=^・^=)の廃止勧告路線
 図-3 (=^・^=)が廃止を勧告する北海道の鉄道路線

 そうしないと新幹線の安全が守れなくなります。
 廃止すべきと考える路線は以下の通りです。
 ①函館本線 長万部―小樽      140.2km
 ②根室本線 滝川―上落合信号場   112.2km
 ③室蘭本線 沼ノ端―岩見沢      67km
 ④夕張線  夕張―新夕張       16.1km
 ⑤富良野線 富良野―旭川(全線)   54.8km
 ⑥留萌本線 深川―増毛(全線)    66.8km
 ⑦宗谷本線 旭川―稚内(全線)   259.4km
 ⑧釧網本線 東釧路―網走(全線)  166.2km
 ⑨石北本線 北見―網走        53km
 ⑩札沼線 北海道医療大学前―新十津川 47.6km
 ⑪日高本線 苫小牧―様似(全線)   146.5km

 このうち富良野線富良野駅は貨物取扱い駅ですが、通常はトラック輸送で繁盛期のみ臨時の貨物列車が運行されるようなので、廃止すべき線にしました。室蘭本線 沼ノ端―岩見沢は貨物輸送を実施していますが、途中に貨物駅がないので廃止で問題ないと思います。室蘭線の室蘭―東室蘭間は輸送密度が1日2000人以下ですが、近くにフェリーターミナル復活の動きがあり(21)、乗客の増加を期待すこと。室蘭と札幌を結ぶ特急列車が走っており(22)、この区間を廃止すると先の路線(室蘭―札幌間)の乗客減につながる可能性が高いので残すことにしました。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
つい最近まで北海道新幹線は黒字が喧伝されていたように思います(23)。でも開業直前になって「大赤字」の発表です(8)。最初から「赤字」が分かっていたら建設中止になったかもしれません。冷静に考えれば着工した2005年時点(1)で分かっていたはずです。でも「黒字」と「嘘」をついた方はだれも責任を取りません。原発を安全だと言っていた人がいます(24)(25)(26)(27)。この方達の中で個人として責任を取った方はいません。それどころかフクシマは安全だとし、「風評被害」を言い立てています(28)(29)(30)。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(31)。いわき市のイチゴはたわわに実っっており甘くてジューシーだそうです。今はいわき市でもイチゴ狩りが楽しめます(32)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(33)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図―4 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)北海道新幹線 - Wikipedia
(2)北海道旅客鉄道 - Wikipedia
(3)JR北海道に関するトピックス:朝日新聞デジタル
(4)2015.05.08平成26年度決算について【PDF/257KB】
(5)北海道新幹線 - Wikipedia
(6)めげ猫「タマ」の日記 北海道新幹線開業まで半年、誰が乗るの?
(7)公式ホームページ/北海道エアシステム:運航時刻表
(8)2015.12.09北海道新幹線の収支想定【PDF/137KB】
(9)列車停止、理由はまさかの「燃料切れ」…JR北海道 - 産経ニュース
(10)北海道新幹線:避難訓練のはずが…停電300人一時缶詰め - 毎日新聞
(11)niponica NO.10
(12)安全対策の実施状況|JR東海
(13)九州旅客鉄道 - Wikipedia
(14)北海道 - Wikipedia
(15)九州 - Wikipedia
(16)エリア別サービス案内 | 鉄道貨物輸送サービスのご案内 | JR貨物 日本貨物鉄道株式会社
(17)稚内市 - Wikipedia
(18)稚内空港 - Wikipedia
(19)2015.11.06平成27年度第2四半期決算について【PDF/246KB】
(20)富良野駅 - Wikipedia
(21)室蘭フェリーターミナル - 室蘭 - LocalWiki
(22)すずらん (列車) - Wikipedia
(23)北海道新幹線の良くある誤解
(24)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(25)安倍晋三 - Wikipedia
(26)福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル実施に係る安全確認 - 福島県ホームページ
(27)福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所の耐震安全性評価結果中間報告書(改訂版)等の一部修正ならびに修正版の経済産業省原子力安|TEPCOニュース|東京電力
(28)安倍内閣総理大臣 東日本大震災三周年記者会見 | 首相官邸ホームページ
(29)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
(30)風評被害対策について - 東京電力
(31)いわき市 - Wikipedia
(32)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(33)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(34)平尼子店 | マルト - 店舗情報
  1. 2016/03/16(水) 19:50:43|
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月2週)―福島産コイから2.6ベクレル、福島県は過去3年間で29件全てでND―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。2月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。今週は基準超えはありませんが安全とは言えないと思います。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数1,054件
  ②平均は、1キログラム当たり1ベクレル、最大68ベクレル(千葉県産タケノコ)。

1.福島産コイから2.6ベクレル、福島県は過去3年間で29件全てでND
 福島県郡山市はため池を利用し郡山では鯉の養殖が盛んに行われるようになり、現在では全国でも有数の生産量を誇る産地になっています(7)。厚生労働省の発表(1)を見ると福島原発事故後に福島県は福島産養殖コイの検査を継続しています。過去3年の検査結果を見ると29件全てで検出限界未満(ND)でした。ただし、福島県外の検査がありませんでした。(=^・^=)は心配でした。福島産養殖コイの検査は全て「福島県農業総合センター」が実施していますが(1)、ここは福島県農林水産部の所属であり(8)、中立性に大いに疑問があります。「安全」と考えていいか疑問があります。
 原発事故後に横浜市が福島県外で初めて検査しました。1キログラム当たりで
  福島産コイ(横浜市検査)2.6ベクレル(3)
です。天然物の福島産コイは出荷制限中で(9)、外にでるのは「養殖」です。福島県外の検査はたった1件でセシウム入りですが、福島県の検査は29件全数検出限界未満です。およそ同じ物(福島産コイ)を測っているとは思えません。
 
2.千葉県銚子のスズキは全数セシウム入り、福島いわき市は29件中28件でND
 地図で見ると茨城県は南側を千葉県銚子市に北側を福島県いわき市に接しています。福島県が検査した福島県いわき市産、茨城県が検査した茨城産スズキの検査結果を示します。
千葉県銚子や茨城県産に比べ低い福島県いわき市産スズキの福島県の検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)
 ※3 日付は収穫日
 図-1 スズキのセシウム濃度

 福島県が検査したスズキは検査30件中29件で検出限界未満(ND)で、セシウムが見つかったのは1件です。一方で千葉県が検査した千葉県銚子産スズキからは9件全てでセシウムが見つかっています。茨城県が検査した茨城産スズキでもそこそこセシウムが見つかっています。検査結果を見る限り福島産スズキのセシウム汚染は千葉県銚子産や茨城県産のスズキより少なくなっています。汚染源がある福島のセシウム汚染が少ないなどあり得ない話です。
 福島の検査は1項と合わせ横浜市、茨城県、千葉県より値が低くでる検査です。福島産は他よりも低く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
 銚子のスズキの名誉の為に書き足すならこの程度のセシウムは問題ないと思います。9件の検査を8つの検査機関で実施しています(1)。図―3に示すようにそれ程の差が無いので8つの全ての検査機関で同じ値が出ています。8つの検査機関が同じように間違えるなど無理なので、検査は信頼できます。千葉県の丁寧な検査は(=^・^=)の千葉県産スズキに対する恐怖心を取り除いてくれたと思います。このようなデータは「福島産」にはありません。


3.検査してないニラを「検査されていて安全」と主張する福島県
 福島県を代表する冬野菜に「ニラ」があります(10)。農林水産省の統計を見ると福島県伊達市が最大の産地です。以下に伊達市と福島県最大のトマトの産地の南会津町(11)の位置を示します。
福島県内でも汚染が酷い伊達市、相対的に低い南会津町
 ※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(14)による
 図-2 本記事で取り上げる市町村

 図に示す通り福島県伊達市は大部分で国が除染が必要する毎時0.23マイクロシーベルト(15)を超えています。福島産、特に伊達市産のニラは確り検査して欲しいと思います。福島県が提供する検査結果を検索するサイト(16)で福島産ニラの検査結果を調べたら検査結果が出て来ません。それでも福島県は福島産ニラは定期的に検査されていて安全が確認されたと主張しています(17)。
福島産ニラは検査されていて安全と主張する福島県
 ※(17)を引用・加筆
 図-3 福島産ニラは定期的に検査されていて安全が確認されたと主張する福島県

 福島県伊達市を管轄するJAふくしま未来のHPには「ニラ」の検査結果は見当たりません(18)。
 福島県に検査能力が無いわけではなさそうです。以下に福島県伊達市産ニラと南会津町産トマトの検査回数を示します。
どんどん減っ行く福島県伊達市のニラの検査回数、減らない南会津町のトマトの検査回数
 ※(1)を集計
 図-4 伊達市産ニラと南会津町産トマトの福島県検査回数

 図に示す通り伊達市産ニラの検査回数は大幅に減っていますが、南会津町産トマトの検査回数は減っていません。図―4に示しように南会津町は伊達市に比べ、セシウム汚染が少ない場所です。福島産はセシウム汚染の少ない場所の検査が優先されているようです。そして、セシウム汚染が酷い産地では検査していなくても、福島県は検査されていて「安全」を主張します。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・セシウム汚染が酷い産地は検査していなくても検査で安全とされる福島産
何が起きても不思議はありません。福島県郡山市は福島県最大のお米の産地ですが、原発事故以降に葬式が増えています(19)。
原発事故後に増加した郡山市の葬式(死者数)
 ※(19)を転載
 図-5 郡山市の各年3月から翌年2月まで死者数

事故前と5年目の死者数は
  原発事故前年(2010年3-11年2月) 2,940人
  原発事故5年目(2015年3-16年2月)3,105人
で9%増えています。偶然に起こる確率を計算したら0.1%なので偶然とは思えません。
 福島県相馬市や南相馬市は米作りはそれ程には盛んではありません。各年3月から翌年1月までの両市の死者数の合計は
  原発事故前年(2010年3-11年1月) 1,178人
  原発事故5年目(2015年3-16年1月)1,144人
で少し減っていますが、統計的な差はありません。
 こんな結果が出てくると福島の方は不安だと思います。
  福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(20)。いわき市のイチゴはたわわに実っっており甘くてジューシーだそうです。今はいわき市でもイチゴ狩りが楽しめます(21)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(22)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(23)を引用
 図―6 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。



―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第972報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月1週)―福島のモスソガイから12.4ベクレル、福島県の検査は12件全数ND―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)鯉料理レシピ集/郡山市
(8)農林水産部 - 福島県ホームページ
(9)(3)中の「PDF 原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等(PDF:453KB)」
(10)栄養と美味しさ満点!ふくしまの冬野菜たち! | ふくしま 新発売。
(11)統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103
(12)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(13)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(14)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(15)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(16)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「ニラ」、「ニラ(施設)」で3月15日に検索
(17)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(18)農作物自主検査 | 農業 | JAふくしま未来
(19)めげ猫「タマ」の日記 原発事故5年目、福島県郡山市の死者数9%増、相馬・南相馬は別
(20)いわき市 - Wikipedia
(21)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(22)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(23)イトーヨーカドー 平店
  1. 2016/03/15(火) 19:49:43|
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福島第一汚染水(3月2週)―地下貯水槽観測孔の全ベータは下がらず―

 福島第一原発汚染水の3月1週(3月7日から14日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①地下貯水槽観測孔の全ベータは下がらず
 ②港湾口のストロンチウム90濃度が上昇中
 ③地下水バイパスや山側井戸からは排水基準を超えた放射性物質
 ④海岸付近の井戸から過去最高の放射性物質
 ⑤サブドレンの排水のトリチウムの濃度が上昇中
 ⑥法令限度を超えた汚染水が排水路から海へ


1.地下貯水槽観測孔の全ベータは下がらず
 事故から5年近くになりました。時間が経ても外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
5年たっても 汚染水が見つかる外洋
  ※1 (4)~(7)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度

 事故から5年経っても外洋から放射性物質が見つかっています。
 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(7)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(7)。先回の記事でこの井戸の水がら突然に全ベータが見つかった旨の記事を記載しましたが(1)、その後が気になります。以下に観測孔の一つのA4の全ベータ濃度を示します。
突然上昇し下がらない地下貯水槽観測孔の全ベータ濃度
 ※1(6)(9)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(全ベータが見つからない事)を示す
 図-2 地下貯水槽周辺の観測孔A4の全ベータ濃度

 地下貯水槽周囲には19本の観測用の井戸がありますが(7)、今週は全ての井戸から全ベータが見つかっています。先週と今週の最高値は1リットル当たりで
 3月3日 A5井戸 340ベクレル
 3月7日 A4井戸 870ベクレル
で濃度が上昇しています。
 過去に汚染水漏れを起こしたフランジ型タンク(10)の寿命は5年と言われています(11)。事故から5年が経過しそろそろ寿命です。タンクの増設が汚染水の増加に追いつかず今後も使い続けるようですが(10)、(=^・^=)は心配です。
 
2.港湾口のストロンチウム90濃度が上昇中
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
高い濃度の放射性物質が見つかる港湾内
  ※1 (5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  SR90はストロンチウム90を示し、採取日は2015年2月1日  
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 この中で気になるのは港湾口のストロンチウム90濃度です。以下に推移を示します。
上昇が続く港湾口のストロンチウム90濃度
  ※1 (5)で作成
  ※2  凡例中でストロンチウム90はSR90と略す
 図―4 港湾口のストロンチウム90濃度

上昇傾向にあります。港湾口は外洋との境目です。外洋に確り流れていきそうです。福島のお魚が心配です。それでもセシウムを検査して基準値以下なら「安全」と国は主張してます(12)(13)。

3.地下水バイパスや山側井戸からは排水基準を超えた放射性物質
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(14)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(15)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(16)。以下に放射性物質濃度を示します。
排出基準を超えた汚染水が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (15)(16)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。
上昇傾向を続けるE-4井戸のトリチウム
 ※(16)を集計
 図―6 E-4井戸のトリチウム濃度

 他に比べればそれ程には高い値ではありませんが、じわりじわりと上昇しています。図-5に示すようの道路を挟んだ反対側のE-10井戸からはそれなりに高濃度のトリチウムが見つかっています。道路を超えて流れ出している気がします。

4.海岸付近の井戸から過去最高の放射性物質
 海岸付近の井戸からは高濃度に汚染された地下水が見つかっています。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一海岸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 ※4 ストロンチウム90はSR90と略し、採取日は2月2日
 図―7 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

 このうち以降は1リットル当たりの値でNo1-14の全ベータ66,000ベクレル、ストロンチウム90の65,000ベクレルは過去最高(新記録)です。以下に推移を示します。以下に推移を示します。
上昇が続くNo1-14井戸の全ベータとストロンチウム90
 ※(5)を集計
 図―8 No1-14井戸の放射性物質濃度

 昨年10月位から急に上昇しだし、止まる気配がありません。

5.サブドレンの排水のトリチウムの濃度が上昇中
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(17)。サブドレンの運用は9月3日から始まったので(18)ほぼ6ヶ月が経過しました。
 以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。
上昇を続けるサブドレン排水のトリチウム
 以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。
 ※(19)を集計
 図-9 サブドレン排水のトリチウム濃度

 1月中旬くらいまでは1リットル当たり300ベクレル前後でしたが、その後は上昇し800ベクレル程度になりました。
 濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
排出ペースを加速し累積で280億ベクレルを超えたサブドレンのトリチウム累積排出量
 ※(19)(20)を集計
 図―10 サブドレンの累積排出量
 
 図に示す様に排水のトリチウム濃度の上昇に伴い、排出のペースを上げ累積で280億ベクレルを超えました。

6.法令限度を超えた汚染水が排水路から海へ
福島第一原発構内には幾つもの排水路があります。
福島第一原発排水路
 ※(20)で作成
 図―11 福島第一原発内の排水路

 当然ながら福島第一構内は放射性物質で汚染されており、排水路に流れ込みます。全ベータの法令限度は1リットル当たり60ベクレルであることは1項に記載の通りです。このうちK排水路では法令限度を超えた汚染水の流れが確認されています。 
 以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。
法令限度を超えた排水が流れるK排水路
 ※(20)(21)を集計
 図―12 K排水路の放射性物質濃度

 K排水路の3月8日の放射性物質濃度は1リットル当たりで
  全ベータ 64ベクレル
で法令限度を超えています。東電の発表(19)を見ると排水路は遮水壁を超えて海に繋がっているので、「海側遮水壁」が完成しても排水路の汚染水はブロックされません。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)とこちら(ブログ図表②)を参照ください。
原発事故から5年経ちましたが、福島第一からの汚染水漏れは止む気配がありません。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島はイチゴの栽培が盛んだそうです。いまがイチゴの季節です(22)。福島はイチゴのシーズンです。農林水産省の統計を見ると(23)、福島県伊達市は福島最大のイチゴの産地です。福島県伊達市のイチゴは「とても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのもの」だそうです(24)。福島県は福島産について「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(25)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(26)を引用
 図-13 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月1週)―地下貯水槽観測孔から突然の全ベータ―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月6日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(7)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力中の各月の「地下貯水槽に関する分析結果」
(10)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月1週)―凍土壁工事の下請けさんが43ミリシーベルト被ばく―
(11)タンク耐用年数、根拠なし 第一原発 | 東日本大震災 | 福島民報
(12)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島産、ストロンチウム90の割合が想定外の10%超え―福島産は安全?―
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(15)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(16)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(17)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(18)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(19)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(20)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(20)(3)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(21)(3)中の「 福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果 」
(22)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(23)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「9-5 野菜(果実的野菜) ⇒福島県 」
(24)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(25)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(26)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
  1. 2016/03/14(月) 19:43:21|
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トラブルいっぱい福島原発(3月2週)―核燃料容器から警報―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、3月2週(3月6日から13日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①核燃料容器から警報
 ②満水状態が続く「処理水タンク」
 ③SR処理水タンクの空容量が1ヶ月で8000立方メートル減


1.核燃料容器から警報
 福島第一の4号機から核燃料プールから燃料が取り出されました(2)。核燃料サイクルに従うなら、再処理工場に送られ再処理がなされるべきですが(3)。事故った原発の核燃料などは引き取る所はありません。行き場が無く福島第一構内に保管されています(2)。取り出した核燃料は共用プールと呼ばれる施設で保管されるはずですが(4)、いっぱうなので使用済み核燃料を「乾式キャスク」にも保管しています。「乾式キャスク」に保管されている燃料は1412本です(5)。
 乾式キャスクは二重構造になっており、中をヘリウムで満たし、外側よりも内側の圧力を低くして内側に使用済み核燃料を保管しています。圧力を低くするのは放射性物質が漏れ出さないようにするためだそうです。外側に比べ内側の圧力が低くなっていることを確認するため2台の「圧力計」で圧力の差を監視しています(6)。
 3月7日午前5時14分頃、乾式キャスク仮保管設備に保管しているキャスクの内、一基のキャスクにおいて蓋間圧力異常警報が発生しました。原因は圧力計の故障です。東京電力は故障した圧力計を交換するとは発表していますが、故障の原因調査や今後は故障が起きないような対策(再発防止策)を実施するとは発表していません(7)。
 核燃料サイクルが完成しても、福島第一の使用済み核燃料が引き取られる事はないと思います。取り出した核燃料は半永久的に福島第一の中で保管されるはずです。今後が心配です。

2.満水状態が続く「処理水タンク」
 福島第一原発では地下水や地下水ドレンからくみ上げた汚染水がタービン建屋に日々流入し増え続けています。タービン建屋の汚染水は汲み上げてて
 タービン建屋⇒SARRY⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(8)(9)(10)。最終段の処理水について
  満水率を「汚染水保管容量÷汚染水タンク容量」
と規定し、推移を示します。
満タン状態が続く処理水タンク
 ※(11)を集計
 図ー1 福島第一の「処理水タンク」の満水率

 この所、約96~98%で推移しています。ここからは(=^・^=)の想像ですが、東電はこれが限度だと判断していると思います。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(12)。安全にくみ上げた汚染水を保管するにはある程度の「空」が必要です。事実上は満タン状態です。

3.SR処理水タンクの空容量が1ヶ月で8000立方メートル減
 処理水タンクが一杯なら、前段のSR処理水タンクが気になります。以下にSR処理水の量を示します。
増加傾向にあるSR処理水
 ※(11)を集計
 図-2 福島第一の「SR処理水」の量

 このところ増えています。SR処理水として汚染水の保管するのは、その先の処理水タンクが満タンで送れないからです(12)。SR処理水タンクの空容量が無くなれば、福島第一の汚染水は行き場を失い汚染水処理は破綻します。空き容量がきになります。
減少傾向にあるSR処理水タンクの空き容量
 ※(11)を集計
 図-3 福島第一の「SR処理水タンク」の空容量

 2月11日には約4万8千立方メートルありましたが、3月10日には約4万立方メートルになりました。1ヶ月で8千立方メートル減っています。このペースで行けば、5ヶ月後の今年の夏には破綻します。
 最近は東京電力も福島第一汚染水の海洋放出を口にするようになりました(14)。(=^・^=)はその前に有効な汚染水抑制対策を立案すべきと思います。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
トラブル続きの福島第一原発、福島の方は不安だと思います。
 自民党本部で福島県産農林水産物を応援する物産展を開かれたそうです。そこでは福島県いわき市産トマトが配られました(15)。福島県いわき市のトマトは美味しいようです(16)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張してます(17)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(18)を引用
 図―4 福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月1週)―凍土壁工事の下請けさんが43ミリシーベルト被ばく―
(2)燃料取り出し|東京電力
(3)原子燃料サイクルとは - 原子燃料サイクル | 電気事業連合会
(4)福島第一原子力発電所における放射性廃棄物の処理と管理 - Wikipedia
(5)2016年3月7日乾式キャスク蓋間圧力警報発生について(2016年2月25日公表資料)(PDF 125KB)
(6)2016年3月7日乾式キャスク蓋間圧力警報発生について(2013年3月27日公表資料抜粋版)(PDF 102KB)
(7)016年3月8日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(8)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(9)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(10)原子炉の安定化|東京電力
(11)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(12)スロッシング - Wikipedia
(13)第41回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「配布資料」⇒「資料2:今後のタンクの運用計画について【PDF:1MB】」
(14)<福島第1>汚染水 希釈し海洋放出も 河北新報-2016/03/03
(15)小泉進次郎氏「ふくしまイレブンを応援」 自民党本部で物産展:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(16)とまとランドのサンシャイントマト - いわきのめ 【いわき農産物加工品ブランド化支援サイト】
(17)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「やさい編 [PDFファイル/128KB]」
(18)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2016/03/13(日) 19:42:06|
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NHKの嘘放送―「除染などが進むにつれて放射線量はさらに下がってくるだろう」

 NHKは原子力規制委会が実施してる航空機モニタリング(1)のデータを取り上げ
「30キロより外側で1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上になっている範囲は狭まり、飯舘村や浪江町の一部になっています。」
と報じていました。これでは浪江町でも1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上の範囲が狭まった報道です。浪江町の大部分は30km圏内にあり、30km圏外そのもがごく一部です。そして「除染などが進むにつれて放射線量はさらに下がってくるだろう」とのコメントも載せていますが、福島の放射線量の低減を見ると自然減衰で計算される程度にしか減っておらず(3)、除染の効果は見えません。あからさまな「嘘」報道です。
 福島第一原発事故では福島に大量の放射性物質が降り注ぎ福島は汚染されました。福島では避難区域が設定されていますが(4)、その基準は年間20ミリシーベルトで、これは毎時3.8マイクロシーベルトに相当するとされています(5)。
 原子力規制委会は航空機を使って福島等の放射線量を面的に計測する航空機モニタリングを実施しています(1)。最新の結果は2月2日発表になりましたが(6)、以下に結果を示します。
30km圏外も含め3.8(μSV/h)超が大部分の浪江町
 ※(6)を引用加筆
 図-1 航空機モニタリング結果(2016年2月2日発表)

 浪江町についてみると、大部分で毎時3.8マイクロシーベルトを超えて(黄色、橙、赤)います。これは30km圏外も同様です。
多分、原発事故5年目に併せてでしょうか3月10日に報じています(1)。その中で
「30キロより外側で1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上になっている範囲は狭まり、飯舘村や浪江町の一部になっています。」
と報じていました。これでは浪江町でも1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上の範囲が狭まった報道です。比較の対象にしたのは2011年12月発表の物ですが(1)、以下に示します。
航空機モニタリング2011年10月
 ※(6)を引用加筆
 図-2 航空機モニタリング結果(2011年12月発表)

 図-1に比べ飯舘村では3.8マイクロシーベルト以上になっている範囲は狭まっていますが、浪江町ではそれ程でもありません。そして飯舘村でも気になることがあります。チェルノブイリ原発事故では5年目から避難基準は年間5ミリシーベルトに引き下げられました(5)。年間20ミリシーベルトが毎時3.8マイクロシーベルトなら、年間5ミリシーベルトは毎時約1マイクロシーベルトです。図に示す様に大部分で毎時1マイクロシーベルトを超えて(緑、黄緑、黄色、橙、赤)です。飯舘村もチェルノブイリの基準に照らせば、指示が必要な地域です。
 以下に福島の住宅除染の進行状況を示します。
75%以上で住宅除染完了した福島県
 ※(8)を転載
 図-3 福島県の住宅除染の進行状況

 それなりに進み終わりに近づいています。
 放射性物質は自然に減っていく性質があります。半分になるまでの時間を半減期と呼んでいます(9)。半減期を使うと先の放射線量が計算できますが(3)、半減期程度しか減っていないなら除染の効果は無い事になります。
  以下に2015年11月時点の航空機モニタリング結果の数値データより作成した福島の放射線量分布を示します。
除染が必要なところが広く広がる福島
 ※(3)を転載
 図-4 福島の放射線量分布(2015年11月時点)

 国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(10)の場所が広く広がっています。以下に2014年11月時点の航空機モニタリング結果と半減期から計算される放射線量を示します。
半減期から計算しても実測と大差が無い福島の放射線量
 ※(3)を転載
 図-5 半減期から計算される放射線量

 図-1と図ー2を比べるとそれほど大きな差はありません。福島の放射線は半減期でしか下がらず「除染」の効果はありません。航空機モニタリングで見る限り除染の効果は見えません。それでもNHKは
 「除染などが進むにつれて放射線量はさらに下がってくるだろう」とのコメントも載せています(1)。
 NHKの記事(2)では65%に減ったと報じていますが、放射性物質は半減期2年のセシウム134や30年のセシウム137がありますが(9)、事故から5年経てばセシウム134は当初の2割以下になっていますが、セシウム137は約9割は残っています。今後はなかなか自然には減らないセシウム137が残り続けます。
だんだん減らなくなる福島の放射線量
 ※(3)を転載
 図-6 今後の放射線量

「除染などが進むにつれて放射線量はさらに下がってくるだろう」
などはあり得ない話です。NHKは「嘘」を平気で流します。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
当該のNHKの配信は
 ①福島第一原発30圏外では避難の必要はない放射量に低下した。
 ②これからも放射線量は下がって行く
との内容ですが、本文に書いた通り「嘘」です。NHKは3月11日には人災である「福島原発事故」を天災である「震災」と言い換えています(11)。NHKは報道機関で無くプロパガンダ機関です。それでも(=^・^=)はNHKから「受信料」と称するカツアゲを食らっています。
 こんな放送局があっては福島の方は不安だと思います。
福島でもイチゴ栽培が盛んだそうです(12)。今はイチゴ狩りも楽しめます(13)。福島はイチゴのシーズンです。福島県は福島産について「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(14)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(15)を引用
 図―7 福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会
(2)福島第一原発から半径80キロ 放射線量65%減少 NHKニュース
(3)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(4)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(5)[PDF]年間20ミリシーベルト - 環境省
(6)(1)中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(7)(1)中の「第4次航空機モニタリング (平成23年10月22日~11月5日測定) 平成23年12月16日 (KMZ, CSV)」
(8)めげ猫「タマ」の日記 除染が終わっても、除染が必要な福島
(9)半減期 - Wikipedia
(10)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(11)めげ猫「タマ」の日記 原発事故を「震災」と言い換える福島のマスコミ
(12)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(13)福島 いちご狩り特集 | 一般社団法人 福島市観光コンベンション協会公式ページ こらんしょふくしま
(14)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(15)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
  1. 2016/03/12(土) 19:43:12|
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