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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島値下がり、栃木は値上がり、2月のイチゴ価格、当然の結果です。

 今年と昨年2月の東京卸売市場のイチゴ価格を見ると、福島産は
  2015年2月 1,305円
  2016年2月 1,284円
で2%値下がりしましたしが、ライバル?の栃木産は
  2015年2月 1,282円
  2016年2月 1,331円
で4%値上がりしています(1)。これは福島産に対する消費者の理解が進んだ為であり当然の結果です。
 福島は果樹王国と呼ばれていますが、福島県全域で果物が採れる訳ではありません。概ね福島市、伊達市、桑折町、国見町の2市2町で構成される福島盆地が中心です。ここは
 ①避難地域を除けば福島でも汚染が酷い。
 ②原発事故以降、5年連続でセシウム入り。
 ③ここの産物は他県より低く出る検査で「安全」とされ出荷される。
 ④果物作りが盛んで、原発事故前に比べ7%葬式が増えている。
等の特徴があります(2)。
 いまの季節はイチゴですが(3)、農林水産省の統計(4)を見ると福島盆地に属する伊達市が主産地です。
福島県のイチゴの生産量
 ※(5)を転載(元データは(4))
 図―1 福島県のイチゴの生産量
 
 以下に福島県伊達市と飯舘村の位置を示します。
福島でも汚染が酷いイチゴ産地の伊達市、飯舘村
 今年と昨年2月の東京卸売市場のイチゴ価格を見ると、福島産は
  2015年2月 1,305円
  2016年2月 1,284円
で2%値下がりしましたしが、ライバル?の栃木産は
  2015年2月 1,282円
  2016年2月 1,331円
で4%値上がりしています(1)。これは福島産に対する消費者の理解が進んだ為であり当然の結果です。
 福島は果樹王国と呼ばれていますが、福島県全域で果物が採れる訳ではありません。概ね福島市、伊達市、桑折町、国見町の2市2町で構成される福島盆地が中心です。ここは
 ①避難地域を除けば福島でも汚染が酷い。
 ②原発事故以降、5年連続でセシウム入り。
 ③ここの産物は他県より低く出る検査で「安全」とされ出荷される。
 ④果物作りが盛んで、原発事故前に比べ7%葬式が増えている。
等の特徴があります(2)。
 いまの季節はイチゴですが(3)、農林水産省の統計(4)を見ると福島盆地に属する伊達市が主産地です。
福島県のイチゴの生産量
 ※(5)を転載(元データは(4))
 図―1 福島県のイチゴの生産量
 
 以下に福島県伊達市と飯舘村の位置を示します。
どんどん減って行く伊達市産イチゴの検査回数
 ※1(10)を集計
 ※2 日付は厚生労働省の発表日
 図-3 福島県産イチゴの検査回数

 福島のイチゴの主産地で汚染の酷い福島県伊達市の検査数は福島原発事故後にどんどん減っており今シーズンは僅かに1件です。ただし福島県全体としてはそれ程には減っていないので、検査能力が無いわけではありません。
 もっと酷いのは飯舘村です。飯舘村は今も避難地域ですが(8)、イチゴの生産は再開されています(11)。今シーズンも生産されています(12)。厚生労働省の発表を見ると(10)、2015年4月の検査を最後に1年近く検査が実施されていません。伊達市や飯舘村を活動範囲とする農協の自主検査結果を見たのですが、「イチゴ」はありません(13)。福島県は
「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。」
と主張していますが(14)、検査結果を見る限り、汚染の酷い産地を避けた検査で「安全」が主張されているようです。
 福島県はイチゴ栽培が盛んだそうです(15)。でも生産量の日本一は隣の栃木県です(16)。そこで、福島とライバル?の栃木県の各年2月のイチゴ価格を東京卸売市場の取引して見ました。
栃木は値上がり、福島値下がり、今年2月のイチゴ価格
 ※(1)を集計
 図―4 各年2月のイチゴの取引価格(東京卸売市場)

 福島原発事故後も概ね福島産の方が高値で取引されていました。でも今年(2016年)2月は
福島産は
  2015年2月 1,305円
  2016年2月 1,284円
で2%値下がりしましたしが、
栃木産は
  2015年2月 1,282円
  2016年2月 1,331円
で4%値上がりし(1)、価格が逆転しました。これは福島産に対する消費者の正しい理解が進んだ結果であり「風評被害」ではありません。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
安倍出戻り内閣(16)、福島県(17)や東京電力(18)は福島産は安全とし福島を避ける行為を「風評被害」と主張しています。でもデータを見る限り十分な「根拠」がありません。この方達は福島原発事故前は原発は「安全」といっていたような気がします(19)(20)(21)。でも事故りました。この方達は原発と同じように、東京電力救済と為に(22)、安全とは言えない「福島産」を「安全」と強弁している気がします。当然ながら消費者の反発に会い「福島産」は値下がりします。これは福島も事情は同じだと思います。
 福島産果物を使ったスイーツが提供されるカフェ列車「フルーティアふくしま」が9月まで引き続き磐越西線郡山―会津若松間で運行されることが決まりました。4月上旬から5月中旬はイチゴのスイーツが提供されるそうです(23)(24)。福島県が「福島産は安全」と主張しているのは本文に記載の通りです。でも、フルーティアふくしまの終点の会津若松市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。 
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(25)を引用
 図-5 福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「ふくしま産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)東京都中央卸売市場-統計情報検索を「大分類⇒果物、中分類⇒イチゴ」で検索
(2)めげ猫「タマ」の日記 果物作りが盛んな、汚染された福島盆地
(3)特産品情報 | 地区別くらし情報 伊達地区 | JAふくしま未来
(4)作物統計調査 市町村別データ  平成18年産市町村別データ 年次 2006年
(5)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(4月4週)―フルーティアふくしま出発、主産地の検査はありませんー
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(8)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(10)報道発表資料 |厚生労働省
(11)飯舘村の真っ赤ないちごをご紹介します(飯舘村) | ふくしま 新発売。
(12)飯館村産イチゴ使用の「いいたて までいな いちご」モニター募集 福島県飯舘村|ニュース|食品流通|JAcom 農業協同組合新聞
(13)農作物自主検査 | 農業 | JAふくしま未来
(14)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(15)栃木県/全国のいちご生産割合
(16)安倍内閣総理大臣 東日本大震災三周年記者会見 | 首相官邸ホームページ
(17)「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ
(18)風評被害対策について - 東京電力
(19)安倍晋三 - Wikipedia
(20)福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル実施に係る安全確認 - 福島県ホームページ
(21)福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所の耐震安全性評価結果中間報告書(改訂版)等の一部修正ならびに修正版の経済産業省原子力安|TEPCOニュース|東京電力
(22)めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援 東京電力
(23)フルーティアも運行 磐越西線、特製クッキー準備:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(24)フルーティアふくしま | 東日本旅客鉄道株式会社 仙台支社
(25)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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  1. 2016/03/31(木) 19:47:54|
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果物作りが盛んな、汚染された福島盆地

 福島県は果樹王国と言われますが(1)、福島県全域で果物が採れる訳ではありません。概ね福島市、伊達市、桑折町、国見町の2市2町で構成される福島盆地(2)が中心です(3)。ここは避難地域をの除けば福島の中でも特に放射能汚染が酷く、福島原発事故から5年連続で同地で生産される果物からはセシウムが見つかり(4)、葬式も増えています。
 福島原発事故によって福島第一原発からは(=^・^=)の試算では、広島原爆30個分の放射性物質がばら撒かれ(5)(6)(7)、福島の台地を汚染しました。
福島県内では汚染が酷い福島盆地
 ※1(8)の数値データを元に(9)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(10)による
 ※3 福島盆地の範囲は(2)による
 ※4 会津の範囲は(11)による。
 図-1 福島盆地と会津地方
  
 図に示す通り、福島県でも場所によって「汚染」の度合いが違います。図-1に示す様に避難地域の周囲と東北道の周囲に国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(12)地域が広がっています。東北道沿線では、北部の汚染が酷い感じです。
 福島県は東西に広がり3つとも4つとも言われています。地域によって気候風土に大きな差があります(13)。当然、地域ごとに農業にも特徴が出てきます。福島県は果樹王国と言われていますが(1)、果物が栽培されているのは福島盆地が中心です(3)。
 福島県は福島を代表する果物として「モモ」や「ナシ」を挙げています(14)。この他にリンゴ、オウトウ(サクランボ)、ブドウなどが作られています(3)。今の季節ですとイチゴがあります(15)。
 以下に福島県内の果物の生産順位を示します。
福島市で盛んな果物栽培
 ※(3)を引用
 図―2 福島県内の果物生産順位

 図に示す通り上位を福島市、伊達市、桑折町、国見町なのどの福島盆地に属する市や町が占めています。
 この辺りはもともと養蚕が盛んだったのですが、第二次世界大戦を境に衰退し、桑園は盆地特有の気候を活かした果樹園に転換されました(16)。なぜ養蚕がさんんだったとえいば、この辺りは河川が山地から平野や盆地に移る所などに見られる、土砂などが山側を頂点として扇状に堆積した地形である扇状地(17)が分布しています(1)。扇状地は河川の伏流により地下水位が低く乏水地となるため、水田には利用しにくいそうです(17)。
保水力が無い扇状地
 ※(3)を引用
 図-3 保水性が悪い(水はけが良い)扇状地

 結局は水田が作れず、桑や果樹しか作れない土地です。福島市の全袋検査数は約32万件で、ほぼ同規模の郡山市の136万件(16)の4分の1以下です。
 福島の果物が全国的評判が良いかといえばそうでもなさそうです。福島のモモは山梨についで全国2位の生産量ですが(19)、価格を見ると原発事故前から山梨より安く取引されています(20)。
 以下に福島産と山梨産のモモ価格を示します。
今年も低迷した福島のモモ価格
 ※(20)を転載
 図―4 福島産と山梨産のモモ価格

そして5年連続でセシウムも見つかっています。 以下に福島盆地と会津地方のサクランボのセシウム濃度の推移を示します。
原発事故4年目もセシウムが見つかる福島盆地のサクランボ
 ※1(21)を転載
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図―5 福島盆地と会津地方のサクランボのセシウム

会津地方では2013年以降はサクランボからセシウムは見つかっていませんが、福島盆地では事故から5年目の2015年もセシウムが見つかっています。 
 2015年度中の厚生労働省の発表を集計すると(22)、
福島県のモモの精密検査は96件全てで検出限界未満(ND)ですが、
福島県外の精密検査では5件中1件がセシウム入り
また
福島県のナシの精密検査では検査109件中108件で検出限界未満(ND)で、セシウム入りは1件ですが
福島県外の精密検査では5件中1件がセシウム入り
です。どう見ても福島県の福島産果物は他県より低くでる検査で「安全」とされているようです。産地の皆さんの健康が心配です。
 以下に各年3月から1年間の福島盆地(福島市、伊達市、桑折町、国見町)(4)の死者数を示します。
死者数が増えた福島盆地
 ※1(23)を集計
 ※2震災被害者には間接死を含まずデータは(24)による。
 ※3集計期間は各年3月から翌年2月までの1年間
 図―6 福島盆地の死者数推移

 福島原発事故以降に死者数の増加が認められます。
 福島原発事故前1年(2010年3月から11年2月)の死者数は3,988人
 福島原発事故後4年目(2015年3月から16年2月)の死者数は4,269人
で約7%増加しています。偶然に起こる確率を計算したら0.02%なので偶然とは考えにくいです。
一方、サクランボからセシウムが見つからなくなった福島県会津地方では
 福島原発事故前1年(2010年3月から11年2月)の死者数は4,130人
 福島原発事故後4年目(2015年3月から15年2月)の死者数は4,120人
で殆ど変化がありません。
 果物づくりが盛んな福島盆地ではセシウムが見つかり、死者数が有意増えているのに、セシウムが見つからなくなった会津地方の死者数の増加が認められません。
 福島の果物には以下の特徴があると思います。
 ①避難地域を除けば福島でも汚染が酷い福島盆地で主に作られている。
 ②原発事故以降、5年連続でセシウム入り
 ③他県より低く出る検査で「安全」とされる。
 ④果物作りが盛んで、汚染の酷い福島島盆地では葬式が増えている。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
福島県は福島復興の柱に「農業の復興」を掲げています(25)。でもこれって放射能汚染リスクのある福島産を誰かに押し付ける事になります。福島の方の理解が得られているのか興味があるところです。
 原発事故後に福島からは当時の暫定基準値を超えるセシウム汚染牛が出荷されました(26)。消費地で見つる汚染牛がなぜ産地の福島で見つからなかったかの明確な説明はいまだになされていない気がします。それでも福島県は果物の他に牛肉にも力を入れています。福島県によれば福島県全域で生産されているそうです(14)。福島牛は、鮮やかな色合いと良質の霜降りをもつ絶品だそうです(27)。福島県は福島牛は「安全」だと主張してます(28)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
他県産はあっても福島産牛肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(29)を引用
 図―7 福島産牛肉が無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
 以下に福島盆地の葬式の増加が偶然に起こる確率計算結果を示します。
 
 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(30)による
有意差検定表

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)果樹王国 - Wikipedia
(2)福島盆地 - Wikipedia
(3)くだものづくりがさかんな福島盆地
(4)めげ猫「タマ」の日記 今年(2015年)も、福島産果樹はセシウム入り
(5)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
(6)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!
(7)めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(10)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(11)会津 - Wikipedia
(12)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(13)気候 - 福島県ホームページ
(14)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(15)特産品情報 | 地区別くらし情報 伊達地区 | JAふくしま未来
(16)1.ふくしまの文化と花の回廊(福島市) / ふくしまの歴史と文化の回廊 - 福島県ホームページ
(17)扇状地 - Wikipedia
(18)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(19)桃の出荷量の都道府県ランキング - 都道府県格付研究所
(20)めげ猫「タマ」の日記 今年(2015年)も低迷、福島モモ価格、山梨との価格差広がる
(21)めげ猫「タマ」の日記 福島・サクランボ価格、2年連続山形に及ばず
(22)報道発表資料 |厚生労働省
(23)福島県の推計人口(平成28年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(24)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報 - 福島県ホームページ
(25)農林水産業 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(26)放射性セシウムを含む稲わらを与えた肉用牛について - 埼玉県
(27)(14)中の「福島牛」
(28)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(29)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
  1. 2016/03/30(水) 19:43:35|
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月)―千葉銚子のヒラメからセシウム、福島は25件全数ND―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。2月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)~(6)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先月に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(7)。今週は基準超えです。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数4,214件中12件の基準超え(全体の0・3%)
  ②平均は、1キログラム当たり2.5ベクレル、最大3,800ベクレル(県産)。
 原発事故6年目を迎えましたが、未だに宮城、群馬でセシウム汚染食品が見つかっています。
事故から5年経っても見つかるセシウム汚染食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(8)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年3月)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(9)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

1.千葉銚子のヒラメからセシウム、福島は25件全数ND
 千葉県銚子は千葉県北部で地図で見ると、茨城県の直ぐ南にある市です。3月は1件の検査ですが、セシウムが見つかりました。茨城県のヒラメからもそこそこセシウムが見つかっています。でも、福島県が実施した福島産ヒラメからはセシウムが見つかっていません。以下に推移を示します。
千葉銚子や茨城では見つかっているのに、福島産スズキでは見つからないおかしな福島産の検査結果
 ※1(3)(4)(5)(6)を集計
 ※2NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 ※3日付は検査日
 図-2 2016年3月中のヒラメのセシウム濃度

 図に示す通り汚染源はある福島が低く出ています。

2.横浜市の検査で福島産果物ジュースからセシウム、福島県検査は大部分がND
 福島は果物多くと呼ばれていますが(10)、果物の生産は福島盆地と呼ばれる狭い範囲に集中しています(11)
事故から5年経っても除染が必要な地域が広く広がる福島
 ※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(14)による
 ※3 福島盆地の範囲は(15)による。
 ※4 会津地方は(16)による。
 図-3 福島盆地、伊達市、田村市といわき市

 図に示す通り福島盆地は原発事故から5年以上経過しても、大部分が国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(17)を超えています。
以下に福島盆地を代表する果物のモモ(11)の価格を示します。
今年も低迷した福島のモモ価格
 ※(18)を転載
 図―4 福島産と山梨産のモモ価格
 
 福島原発事故以降は価格が低迷したままです。売れ残った果物は加工用に回されれ今も販売されています(19)。セシウムが心配です。消費地としては今年初めて、横浜市が検査を実施しました。1件の検査でセシウムが見つかっています。
 福島産果物ジュース(検査横浜市) 1キログラム当たり2.5ベクレル(検査数1)
です。一方で福島県の検査では25件中で22件は検出限界未満(ND)です(1)。福島産果物ジューズは福島県外の検査では大部分でセシウムが見つからないのに、福島県外(横浜市)が検査すると、1件の検査で確りセシウムが見つかります。福島県の検査は他より低く出る検査です。
 1キログラム当たり2.5ベクレルなら低いと考える方もいると思いますが、ジュースは飲み物(飲料)です。飲料の基準値は1キログラム当たり10ベクレルです。1回の検査でそれなりにセシウムが見つかってので、検査数を増やせば基準超えが出ても不思議ではありません。
 福島産は他より低く出る検査で安全され出荷されます。そして産地では葬式が増えています。

3.福島県田村市でスイーツ店開店、材料のエゴマの検査2件、しかもセシウム入り
 田村市は、福島県中部の山の中に位置し、2005年3月1日に田村郡7町村の内、滝根町、大越町、都路村、常葉町、船引町の旧5町村が合併し形成されました。同市は「緑豊かな自然にいだかれた高原都市」を主張していますが(20)、(=^・^=)は単なる山間僻地だと思います(21)。
汚染の差が激しい福島県田村市
 ※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 田村市の区域分けは(22)による。
 図―5 福島県田村市

 福島原発事故によって、東部の都路地区全域が緊急時避難準備区域および警戒区域に指定され住民の避難しました。緊急時避難準備区域は2011年9月に解除され、2014年4月1日は安全とは言えない状態のまま旧警戒区域の避難指示が解除されました(14)。避難指示は無くなりましたが図―6に示すように同市の都路地区は酷く汚染されたままです。
 同市では古くからエゴマが栽培されています(23)。エゴマはシソ科の一年草で(24)、5月頃に種まきが行われ10頃に収穫します(25)。同市の都路で3月24日にスイーツ店が開店しました。同市特産の「えごま」を使ったシフォンケーキや、あぶくまの天然水でつくったコーヒーがだだれるそうです(26)。セシウム汚染が心配です。以下に福島県田村市産のエゴマのセシウムの検査結果を示します。
検査すればセシウムが毎年見つかる福島県田村市産エゴマ
※1(1)を集計
 ※2NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す
 図―6 福島県田村市のエゴマの検査結果

 検査が実施されていない2012年を除き、原発事故以降は連続してセシウムが見つかっています。今シーズン(2015年10月以降)の検査は2件で、うち一件からは1キログラム当たりで
 6ベクレル
のセシウムが見つかっています。厚生労働省の発表を見ると(1)、産地は「田村市」と記載があるだけで田村市の何処で採れたか記載がありません。エゴマは同市の「船引」でも栽培されています(23)。図-6に示す通り、田村市船引は概ね毎時0.23マイクロシーベルト以下ですが、都路は全域で超えており、毎時0.5マイクロシーベルトを超える場所も広がっています。都路のエゴマが検査されない限り、田村市産のエゴマが「安全」とは言えません。「船引」のエゴマを検査して、田村市産のエゴマは基準値以下と主張されても、公開されてるデータでは分かりません。それにしても2件は少なすぎます。

4.伊達・小国の信夫冬菜の漬物が発売、検査結果はありません。
 信夫冬菜は伝統の福島野菜で、収穫時期は12月中旬からですが、一部春先に茎立ち菜として利用されるケースもあります(27)。伊達市霊山町小国地区の畑で採れた信夫冬菜を使った漬物が3月24日から発売されました(28)。
信夫冬菜漬を試食して見せる福島の女の子
 ※(29)をキャプチャー
 図―7 伊達市霊山町小国地区の畑で採れた信夫冬菜を使った漬物の販売を報じる福島のローカルTV局(TUF)


以下に伊達市霊山町小国地区を示します。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 小国地区は(30)による。
 図―8 福島県伊達市霊山町小国

 伊達市霊山町小国地区は図に示す通り原発事故から5年が経ちましたが、国が除染の基準とする毎時0.23マイクロシーベルトのない以上の0.5マイクロシーベルトを超えています。検査結果が心配です。
 福島県運営するサイト(31)で「フユナ」を選択し福島県全体の3月29日に検査結果を調べたら、検査結果が出て来ません。厚生労働省の検査結果を見ると福島県全体で2011年4月21日以降5年近くもの間、検査結果がありません。最後の検査では福島県産の信夫冬菜のセシウム濃度は
 1キログラム当たり1,960ベクレル
で基準値を大きく超えています。その後の検査も無く、出荷が再開されたようです。
 福島産はセシウム汚染が酷い産地を避けた検査で「安全」とされ出荷されます。

5.急上昇した福島県いわき市産クロダイ
 以下に福島県いわき産クロダイのセシウム濃度を示します。
伊達市内でも汚染が酷い霊山町小国地区
 ※1(1)を集計
 ※2日付は捕獲日
 ※3NDは検出限界未満を示す
 図-9 福島県いわき産クロダイのセシウム濃度

 しばらく検出限界未満(ND:セシウムが見つからない事)が続いていたのですが、突然の上昇です。福島産はセシウム濃度が急に上昇することがあります。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・セシウム汚染が酷い産地を避けた検査で安全とされる福島産
 ・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
 これでは福島の方は不安だと思います。
  福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(32)。いわき市のイチゴはたわわに実っっており甘くてジューシーだそうです。今はいわき市でもイチゴ狩りが楽しめます(33)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(34)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
突然に上昇した福島県いわき市産クロダイのセシウム濃度
 ※(35)を引用
 図―10 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第971報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)食品中の放射性物質の検査結果について(第972報) |報道発表資料|厚生労働省
(5)食品中の放射性物質の検査結果について(第973報) |報道発表資料|厚生労働省
(6)食品中の放射性物質の検査結果について(第974報) |報道発表資料|厚生労働省
(7)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月)―千葉のマダイからセシウム、福島は47件連続ND―
(8)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(9)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(10)果樹王国 - Wikipedia
(11)[PDF]くだものづくりがさかんな福島盆地
(12)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(13)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(14)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(15)福島盆地 - Wikipedia
(16)会津 - Wikipedia
(17)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(18)めげ猫「タマ」の日記 今年(2015年)も低迷、福島モモ価格、山梨との価格差広がる
(19)【楽天市場】「桃の恵み」桃ジュース【送料無料】JAふくしま未来 伊達地区本部果汁100%ももジュース10P08Feb15:伊達の蜜桃webshop
(20)田村市の概要 - 福島県田村市ホームページ
(21)めげ猫「タマ」の日記 田村市10周年、未来は暗い
(22)田村郡 - Wikipedia
(23)福島県田村市におけるエゴマの再発見と普及 - 日本特産農
(24)エゴマ - Wikipedia
(25)雑穀・山菜・その他|農作業便利帖|みんなの農業広場
(26)都路にスイーツ店誕生 こぼれる笑顔で復興を後押し:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(27)福島野菜の広瀬ちぢみと信夫冬菜ってどんな野菜なの?
(28)「信夫冬菜」漬物に 旧避難勧奨地点の住民ら郷土野菜を栽培:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(29)スイッチ20160324 TUFchannel
(30)伊達郡 - Wikipedia
(31)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。
(32)いわき市 - Wikipedia
(33)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(34)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(35)チラシ情報 イオンいわき店

テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記

  1. 2016/03/29(火) 19:45:02|
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若い女性が逃げて行く原発事故5年目の福島

 福島県の3月中の人口動態が発表になったので(1)、原発事故5年目(2015年3月から16年2月)の20代前半の方の社会的増減を集計してみました。
 20代前半男性   △773人減
 20代前半女性 △1,690人減
で、原発事故から5年目を経ても若い女性の福島から逃げ出しています。
 福島原発事故によって、福島第一原発からは(=^・^=)の試算で広島原爆30個分もの放射性物質がばら撒かれ(2)(3)(4)、福島の台地を汚染しました。原発事故から5年が経過しましたが、福島の放射性物質の殆どが放置されたままです(5)。
周りは除染が必要な福島空港
 ※1(6)の数値データを元に(7)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(8)による
 図-1 原発事故から5年経っても除染が必要な福島

図に示す通り原発事故から5年経っても国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(9)を広い地域で超えています。
 福島でも放射線量の高い地域では、死者数が有意に増えています。
一直線に並ぶ放射線量と葬式の増加率
 ※(10)を転載
 図-2 平均の空間放射線量と原発事故前年に対する5年目の葬式(死者数)の増加率の相関

 避難が遅れた旧計画的避難区域が避難区域の大部分を占める町や村では、福島原発事故以降は女の子が多く生まれる現象が起こっています(11)。通常は男の子が多く生まれるので(12)、奇妙な事です。
原発事故後は女の子が多く生まれる避難区域が主に計画的避難区域の町村
 ※(11)を転載
 図-3 旧計画的避難区域が避難区域の大部分を占める町や村(飯舘村・葛尾村・川俣町)の累積の赤ちゃん誕生数

 福島では「晩発的影響の可能性が 高い」答えて人が 39.6%、「次世代のへ響の可能性が 高い」と答えてる人が48.1% に達し(13)、多くのかたが「不安」を持っています。
 進学、就職あるいは結婚を機会に福島脱出を考える方もいると思います。 以下に原発事故5年目(2015年3月から16年2月)の年代別の社会的な増減を示します。
中年男は増えても若い女性が減っている原発事故5年目の福島
 ※(1)を集計
 図―4 福島県の年代別、男女別社会的増減

 35歳から64歳の男性(中年男)は増えていますが、15歳~24歳の若年層の流出が顕著です。特に20代前半の女性が多くなっています。以下に各年の3月から翌年2月までの20代前半の男女別の社会的増減を示します。
5年経っても若い女性の減少が止まらい福島
 ※(1)を集計
 図―5 福島県の20代前半の社会的増減

 男性の減少はおさまりつつありますが、女性の減少は収まる気配がありません。このままでは、福島県は男と老人の県になり、次世代を担う子供が生まれなくなります。そして「消滅」です。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 福島の女性はお隣の茨城や宮城に比べても大変に綺麗です。
結婚式場放火を報じる福島の綺麗な女性アナウンサー
 ※(14)をキャプチャ
 図-6 結婚式場の放火を報じる福島の綺麗な女性アナウンサー(福島県出身(15))。

(=^・^=)の知る福島の女性に性格の悪い方はいません。何処に行っても歓迎されます。でも男性は困ると思います。以下に20代後半の女性100人に対する男性の人数(性比)(12)を示します。
原発事故後に上昇を続ける福島・20代後半の性比
 ※(1)を集計
 図―7 福島県の20代後半の性比

 福島原発事故前は男女の出生割合と同じ(12)105前後で推移していましたが、事故後は上昇を続けています。福島県の平均の初婚年齢は男性29.6歳、女性27.8歳ですのでこの世代は適齢期です(16)。福島の男性は結婚しようにも相手となるべき女性がいません。無論、福島県外からも無理です(17)。福島の独身男性のイライラは相当なものだと思います。結婚できない福島の男性が結婚式場に放火しても不思議ではありません。と思ったら福島県田村市の結婚式場が放火されました(18)。結婚できない福島の男性にとって福島は「安全」でなくてはなりません。
 いくら福島は「安全」と叫んでも福島が「安全」とは言い切れないのは本文に記載の通りです。福島の方は不安だと思います。
 原発事故後に福島からは当時の暫定基準値を超えるセシウム汚染牛が出荷されました(19)。消費地で見つる汚染牛がなぜ産地の福島で見つからなかったかの明確な説明はいまだになされていない気がします。それでも福島は牛肉の生産に力を入れているようです(20)。福島県郡山市の牛の飼育頭数は7,825 頭で福島県最大です(21)。福島牛は、鮮やかな色合いと良質の霜降りをもつ絶品だそうです(22)。福島県は福島牛は「安全」だと主張してます(23)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
福島産以外はあっても福島産牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(24)を引用
 図―8 福島産牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。



―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県の推計人口(平成28年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(2)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
(3)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!
(4)めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能(5)めげ猫「タマ」の日記 除染が終わっても、除染が必要な福島
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(8)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(10)めげ猫「タマ」の日記 1(μSV/h)で葬式40%増、原発事故5年目の福島
(11)めげ猫「タマ」の日記 原発事故5年目も女の子が多く生まれる福島県川俣町
(12)出生性比
(13)第22回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成28年2月15日)の資料について - 福島県ホームページ中の「 県民健康調査における中間取りまとめ 最終案 [PDFファイル/382KB]」
(14)スイッチ20160322 TUFchannel
(15)TUFテレビユー福島
(16)結果の概要|厚生労働省
(17)東京新聞:福島の男性 厳しい婚活 県外お見合い ほぼ門前払い:福島原発事故(TOKYO Web)
(18)田村の結婚式場で放火か 侵入の跡...事務所焼く:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(19)放射性セシウムを含む稲わらを与えた肉用牛について - 埼玉県
(20)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(21)届出情報の統計-目的別索引-牛の個体識別情報検索サービス中の「【平成27年10月31日公表】」⇒「飼養頭数 牛の種別 市区町村別 平成27年9月末時点 」
(22)(20)中の「福島牛」
(23)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(24)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2016/03/28(月) 19:45:19|
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福島第一汚染水(3月4週)―外洋から14ベクレルの全ベータ―

 福島第一原発汚染水の3月4週(3月22日から27日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①外洋から14ベクレルの全ベータ
 ②港湾奥地より高い港湾口の全ベータ濃度
 ③地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
 ④海岸付近の井戸から高濃度の放射性物質
 ⑤サブドレンのからのトリチウムの累積排出量は約330億ベクレル

1.外洋から14ベクレルの全ベータ
 原発事故から5年以上が経過しました。時間が経ても外洋からは相変わらず放射性物質が見つかっています。
事故から5年以上経過しても放射性物質が見つかる福島第一外洋
  ※1 (4)~(7)で作成
  ※2  数値は1リットルまたは1キログラム当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
 図―1 福島第一原発および近傍外洋の放射性物質濃度
 
 
 地下貯水槽は一時期、汚染水の保管に利用されていましたが、汚染水漏れををお越し使われなくなりました(7)。ただし、一時は高濃度の汚染水が貯められていたので、周囲に観測井戸を掘り地下水の汚染の有無を観測してます(7)。従前の記事でこの井戸の水がら突然に全ベータが見つかった旨の記事を記載しましたが(9)、今週も
 全ベータが1リットル当たりで150ベクレル
見つかっています。東京電力の会見(10)(11)を聞いていると「原因不明」のままだそうすです。これでは対策も取れず、拡散するのみと思います。
 もっと気になるが外洋です。以下に南放水口付近の放射性物質濃度を示します。
事故から5年経過しても下がる気配がない南放水口付近の放射性物質濃度
 ※1(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―2 南放水口北側の放射性物質濃度

 図に示すとおり、原発事故から5年近く経ちましたが低下の兆しがありません。1リットル当たりの全ベータ濃度を見ると
 3月16日 11ベクレル
 3月21日 14ベクレル
で上昇しています。1リットル当たり14ベクレルの全ベータは2015年11月12日以来4ヶ月ぶりです。

2.港湾奥地より高い港湾口の全ベータ濃度
 港湾内からはもっと高濃度の汚染水が見つかっています。
外洋より高い濃度の放射性物質が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (5)で作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

(=^・^=)が気になったのは、港湾奥地の1~4号機取水口内南側(遮水壁前)と港湾口の全ベータ濃度の比較です。以下に3月中の推移を示します。
港湾奥地より高い全ベータが見つかる港湾口
  ※1(5)を集計
  ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
  ※3 「1~4号機取水口内南側(遮水壁前)」は「取水口内南側」と略す
 図-4 港湾口と1~4号機取水口内南側の全ベータ濃度

 図に示す通り、港湾奥地の1~4号機取水口内南側(遮水壁前)より港湾口の全ベータ濃度が高くなっています。3月中の最高値を1リットルで見ると
 1~4号機取水口内南側 20ベクレル
 港湾口        22ベクレル
3月中の全ベータ検出回数を見ると
 1~4号機取水口内南側 検査26回中6回
 港湾口        検査26回中8回
で最高値、検出回数共に港湾口の方が高濃度であることを示しています。港湾口は外洋との境目で外洋の海水も混じります。低くないといけないのですが。
 東京電力は2015年10月26日に福島第一原子力発電所の1~4号機側の敷地から港湾内に流れている地下水をせき止める「海側遮水壁」を完成させ(12)、汚染水の海洋への流れ込みが大幅に減ったと主張しています(13)。でも、堰き止めた汚染水が「海側遮水壁」を迂回して海に流れる可能性は否定できません。このような仮定をすれば港湾奥地の1~4号機取水口内南側(遮水壁前)より港湾口の全ベータ濃度が高いとの現象の説明が付きます。

3.地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(14)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(15)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(16)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (15)(16)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(2)、多くの場所で排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で地下水バイパス井戸No3のトリチウム濃度が過去最高(新記録)を記録しました。以下に推移を示します。
過去最高を記録した地下水バイパスNo3井戸のトリチウム
 ※(16)を集計
 図―6 地下水バイパス井戸No3のトリチウム濃度

 当初は上がり下がりしていたのですが、2015年7月位から単調な増加に転じ、過去最高を記録しました。

4.海岸付近の井戸から高濃度の放射性物質
 海岸付近の井戸からは高濃度に汚染された地下水が見つかっています。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一海岸
 ※1 (5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―7 海岸付近の井戸の放射性物質濃度

  以下にNo17井戸の全ベータ濃度を示します。
3月に入り急上昇したNo17井戸の全ベータ
  ※(5)を集計
 図―8 No17井戸の全ベータ濃度

 図に示す様に、これまで1リットル当たり1万ベクレル未満で推移していました。しかし3月に入り突然に上昇し3月25日のには1リットル当たりで
 全ベータ 66,000ベクレル
に達しました。この先が心配です。

5.サブドレンのからのトリチウムの累積排出量は約330億ベクレル
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(17)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始まったので(18)半年以上が経過しました。東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(19)(20)、濃度×排出量で累積のトリチウム累積の排出量を求めてみました。
約330億ベクレルとなったサブドレントリチウムの総排出量
 ※(19)(20)を集計
 図―9 サブドレンの累積排出量

 累積で約330億ベクレルになりました。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表①)とこちら(ブログ図表②)を参照ください。
 原子力ムラの総会ともいうべき日本原子力学会の春の年会(21)が3月26日に開幕し、「今取り組むべき課題は何か」と題したパネル討論が行われたそうです(22)。そこでは
 ①「福島の農産物の安全は高いレベルで担保されているが、それでも買いたたかれている現実について考えてほしい」
 ②「放射線の健康影響に注目するあまり、他の防ぎ得た健康被害が見落とされているのではないか」
 ③「『(福島)県産農産物は危険』と強調するなどの原発事故に伴い本(福島)県に向けられるようになった『デマ・偏見』について「原発事故後続いてきた問題なのだが、他の問題が解決していく中で最近、大きな課題として注目されるようになってきた。この問題は長引くことになると思う』」
等の議論が交わされたそうです(22)。でもこれって原子力学会で話すべき議題ですかね?福島の課題は二つです。
 ①本文に記載した通り、今も続く福島第一からの放射能流出を止める。
 ②原発事故後に福島に放置された放射性物質(23)を取り除く
これが解決すれば福島の問題はほぼ解決すると思います。なんか徹底的な責任転嫁をしているみたいで、福島原発事故にも関わりもある(24)、「村」としての反省が無いようです。これでは福島の方は心配だと思います。
 原発事故後に福島からは当時の暫定基準値を超えるセシウム汚染牛が出荷されました(25)。消費地で見つる汚染牛がなぜ産地の福島で見つからなかったかの明確な説明はいまだになされていない気がします。それでも福島は牛肉の生産に力を入れているようです(26)。福島県白河地区で肉牛繁殖モデル農場が竣工したそうです(27)。でも未来は暗そうです。福島牛は、鮮やかな色合いと良質の霜降りをもつ絶品だそうです(28)。福島県は福島牛は「安全」だと主張してます(29)。でも福島県白河地区のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
福島産以外はあっても福島産牛肉が無い福島県白河地区のスーパーのチラシ
 ※(30)を引用
 図―10 福島産牛肉が無い福島県白河地区のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県白河地区の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月3週)―港湾口ムラソイから25,400ベクレルのセシウム―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月6日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「地下貯水槽に関する分析結果」
(7)[PDF]地下貯水槽からの汚染水漏えい 及び 対応状況 ... - 東京電力
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(3月1週)―地下貯水槽観測孔から突然の全ベータ―
(10)【2016年3月22日】東京電力 記者会見 - 2016/03/22 17:30開始 - ニコニコ生放送
(11)【2016年3月24日】東京電力 記者会見 - 2016/03/24 17:30開始 - ニコニコ生放送
(12)海側遮水壁|東京電力
(13)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況」⇒「2016年2月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第27回事務局会議)」⇒「【資料3-1】汚染水対策(10.0MB)」
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(15)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(16)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(17)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(18)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(19)(3)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(20)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(21)日本原子力学会に“潜入” - 産経ニュース
(22)『福島の今』...抱える問題議論 日本原子力学会・春の年会:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(23)めげ猫「タマ」の日記 除染が終わっても、除染が必要な福島
(24)原子力村 - Wikipedia
(25)放射性セシウムを含む稲わらを与えた肉用牛について - 埼玉県
(26)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(27)肉牛繁殖モデル農場竣工 JA東西しらかわ | 県内ニュース | 福島民報
(28)(26)中の「福島牛」
(29)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(30)イオン白河西郷店
  1. 2016/03/27(日) 19:43:37|
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トラブルいっぱい福島原発(3月4週)―東電再建計画8回目の破綻、賠償見込み額7.7兆円―

東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、3月4週(3月20日から26日)もしっかりトラブルが起こっています。
①東電再建計画8回目の破綻、賠償見込み額7.7兆円
②セシウム除去装置から5、300リットルの汚染水漏れ
③満タン状態が続く処理水タンク
④汚染水の総量は90万立方メートル超え
⑤ALPSからも汚染水漏れ
おまけ.柏崎刈羽原発は優先原発を外れる

1.東電再建計画8回目の破綻、賠償見込み額7.7兆円
 東京電力は再建計画に当たる「特別事業計画」の変更を申請しました(2)。報道によると想定される賠償の総額は5831億円増え7兆6585億円に膨らむ見通しだそうです(3)。
 福島原発事故を起こした東京電力は巨額の賠償責任をおいました。賠償額が巨額でおよそ東京電力が支払きれるものではないので、国は「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を設立し東京電力を援助する仕組みを作りました(4)。そのかなで東京電力の再建計画に相当する「特別事業計画」が策定されました(5)。2011年11月の最初の計画では賠償見込み額は1兆0109億円でしたが(6)、その後は次ぎ次に破綻が明らかになり8回目の計画で7兆0753億円に膨らみました(7)。これも破綻し東京電力は新たな計画を申請しました(2)。最初の計画から9回目ですので、東京電力再建計画に当たる「特別事業計画」は8回破綻したことになります。賠償の見込み額は約7.7兆円(7兆6585億円)ですが、今後も破綻を繰り返し、増え続けると思います。
 このお金は電力会社が毎年分担金として原子力損害賠償・廃炉等支援機構に支払っていますので(8)、結局は(=^・^=)も支払う電気代に上乗せです。それもだめなら(=^・^=)も支払う「税金」の投入もあるかも知れません。

2.セシウム除去装置から3、500リットルの汚染水漏れ
 福島第一原発では地下水や地下水ドレンからくみ上げた汚染水がタービン建屋に日々流入し増え続けています。タービン建屋の汚染水は汲み上げてて
 タービン建屋⇒セシウム吸着装置⇒SR処理水タンク⇒ALPS⇒処理水タンク
の順で処理されています(9)(10)(11)。
 このうちセシウム吸着装置から5,300リットルの汚染水が漏れ出しました。漏れた汚染水からは1リットル当たりで
 セシウム134  6万3000べクレル
 セシウム137 32万ベクレル
 セシウム合計  38万3000ベクレル
 全ベータ    48万ベクレル
の放射性物質が見つかったそうです(12)。
 セシウム吸着装置に接続されている配管を工事中のため切断したのですが、上流に設置されている弁が開いたままセシウム吸着装置を起動したため、装置内の汚染水が漏れ出したそうです(13)(14)。以下に汚染水が漏れ出した配管の切断箇所を示します。
汚染水漏れを起こしたセシウム除去装置の配管
 ※(15)を引用
 図―1 汚染水が漏れ出した配管

 これだけ隙間が空いていれば汚染水がどっと漏れ出すのは当たり前です。弁を開けたまま配管を切断したかは「謎」です。

3.満タン状態が続く処理水タンク
 2項に記載した通り汚染水は最終的に処理水タンクに貯められます。最終段の処理水について
  満水率を「汚染水保管容量÷汚染水タンク容量」
と規定し、推移を示します。
満水状態が続く処理水タンク
 ※(16)を集計
 図ー2 福島第一の「処理水タンク」の満水率

 この所、約96~98%で推移しています。ここからは(=^・^=)の想像ですが、東電はこれが限度だと判断していると思います。タンクを満タンにすると地震などで生じるスロッシング(容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動すること。)でタンクから液体が漏れ出すことが知られています(17)。安全にくみ上げた汚染水を保管するにはある程度の「空」が必要です。事実上は満タン状態です。

4.汚染水の総量は90万立方メートル超え
 東京電力の発表(18)を集計したら福島第一の汚染水の総量が90万2245立法メートルとなり90万立方メートルを超えました。以下にこれまでの汚染水量の推移を示します。
90万㎥を超えた福島第一汚染水
 ※(18)を集計
 図-3 福島第一の汚染水量

 確実に増えています。東京電力は汚染水対策を実施していると主張していますが(10)、あまり効果が無いようです。

5.ALPSからも汚染水漏れ
 3月25日19時42分に福島第一原子力発電所 多核種除去設備(ALPS)から汚染水もれを示す警報がでました。同日21時10分頃にALPS(多核種除去設備)A系の吸着塔6A下部に設置してある配管のフランジから1秒に1滴程度の割合で汚染水が漏れ出ているのを東電社員様が確認しました。漏れ出た汚染水は漏えい検知用の升(約20cm×20cm×深さ5cm)と床面の漏えい範囲(約2m×3m×深さ1mm)に広がり、約8リットルと推定してるとの事です。汚染水を分析した結果1リットル当たりで
 ・セシウム134: 150 ベクレル
 ・セシウム137:  690 ベクレル
 ・セシウム合計  840 ベクレル
 ・全ベータ  :19,000 ベクレル
の放射性物質が見つかりました(19)。
 今週はセシウム吸着装置にALPSと汚染水じゃやもれです。

おまけ.柏崎刈羽原発は優先原発を外れる
 柏崎刈羽原子力発電所は新潟県柏崎市と刈羽村にまたがって設置された東京電力の原子力発電所です(20)。現在、原子力規制委員会で「適合性審査」が進められています(21)。これまでは他の原子力発電所に「優先」して審査をするいわゆる「優先原発」でしたが(22)、3月23日の原子力規制員会で「優先原発」を外されました(22)(23)(24)。なんでも
、「耐震設計方針の審査を開始したところ、(中略)東京電力(株)は、審査を進めるための必要な資料等の準備をしていなかったため、今後、その準備に相当の時間を要することが見込まれる。」との事です(23)(24)。
 安全審査の過程で、原発が耐えなければならない最大の地震(基準地震動)(25)が引き上げられたのですが、従来の評価方法ではこれに耐えられないので、評価方法を変えるようです。以下に比較を示します。
大きく揺れる従来手法の解析結果 小さく揺れる新手法の解析結果
 (a)従来の手法         (b)新手法
 ※1(26)を引用
 ※2引用例は「7号機原子炉建屋のシミレーション解析結果加速度応答スペクトル(東西方向)」
 図―4 加速度応答スペクトル(東西方向)の解析例
 
 応答スペクトルとは外部から一定周期の振動を建屋に加えた時に、建屋がどれだ揺れるかを周期を変えてグラフ化したものですが(27)、0.4秒周期の振動を加えた時に図ー4(a)に示すように従来手法では毎秒40m/sの加速度が加わりますが、新しい手法では(b)に示す様に毎秒12m/sの加速度に低減されます。この結果、建物を補強したくてもより大きな地震に耐えられるとの結果を得ることができます。
 ところが東京電力は新しい手法が正しいと言えるだけの根拠が用意できておらず、審査が止まるので「優先原発」を外れるそうです。
 もっとも審査に通っても再稼働できるかは疑わしいと(=^・^=)は思います。東京電力は新潟限定でCMを流していますが(28)、あまり評判は良くないようです(29)。新潟県に電気を供給しているのは東京電力でなく東北電力です(30)。電気の安定供給の為にも「原発」は重要だと主張されても(31)、新潟の安定供給には寄与しません。リスクだけあってメリットの無い柏崎刈羽原発(32)は新潟では評判が悪いようです(33)。


<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
福島県の地方紙の福島民報は3月26日付の社説で
「不安解消のためには、廃炉を進める原発の制御が絶対条件だ。発生する汚染水の適切な処理はもちろん、周辺環境に影響する事態に細心の注意と何重もの防護策を取ってほしい。」
と論じていました(34)。でも福島第一原発はトラブル続きです。これでは福島の方は不安だと思います。
 東京電力の元役員が社長を務める東京電力福島第一原発事故からの地域農業再生を目指し、福島県南相馬市原町区の下太田工業団地に建設されたトマトの大規模工場「南相馬トマト菜園」から3月25日、南相馬産を前面に出した「あすびとトマト」ブランドのトマトが初出荷されたそうです(35)(36)。同トマトはヨークベニマルの原町西(南相馬市)、相馬、相馬黒木(相馬市)の地元3店の店頭で販売されたそうです(35)。でもヨークベニマル原町西(南相馬市)店のチラシには別のトマトが載っていました。チラシの目的はチラシの商品に興味を持ってもらえた後は次のステップへ誘導させる事です(37)。スーパーのチラシなら次のステップは来店です。3月25日付のヨークベニマルの原町西店(南相馬市)のチラシには別のトマトが載っていました。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県南相馬市のチラシ
 ※(38)を引用
 図―5 福島産トマトが無いヨークベニマルの原町西店(福島県南相馬市)

 福島の方にとって福島産は興味の持てる商品ではありません。(=^・^=)も福島県南相馬市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月3週)―ALPS停止―
(2)特別事業計画の変更の認定申請について|東京電力
(3)東電、9回目の新総合特別事業計画改訂-賠償額、7兆6585億円に(2面)-電気新聞-
(4)原子力損害賠償・廃炉等支援機構 - Wikipedia
(5)原子力損害賠償・廃炉等支援機構
(6)特別事業計画の認定について|TEPCOニュース|東京電力
(7)特別事業計画の変更の認定について|東京電力
(8)原子力損害賠償・廃炉等支援機構
(9)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(10)汚染水対策の主な取り組み|東京電力
(11)原子炉の安定化|東京電力
(12)2016年3月24日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(13)2016年3月24日福島第一原子力発電所 高温焼却炉建屋内における堰内漏えいについて(PDF 209KB)
(14)2016年3月25日高温焼却炉建屋内における堰内漏えいについて(続報)(PDF 29.8KB)
(15)東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所 高温焼却炉建屋内における堰内漏えいについて
(16)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(17)スロッシング - Wikipedia
(18)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第245報)|東京電力
(19)2016年3月26日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(20)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(21)柏崎刈羽原子力発電所 6・7号炉 関連審査会合 | 原子力規制委員会
(22)東京新聞:柏崎刈羽原発の優先見直し 規制委、審査長期化も :社会(TOKYO Web)
(23)第62回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会
(24)第62回原子力規制委員会(2016年3月23日開催)における議論について|東京電力
(25)地質調査と基準地震動|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(26)第337回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合 | 原子力規制委員会中の「資料1-1 柏崎刈羽原子力発電所 6号及び7号炉 既工認で採用実績のない耐震評価手法について(主要な検討事項)【PDF:671KB】」
(27)応答スペクトル - Wikipedia

(28)TVCM・新聞・雑誌広告
(29)避難者が東電CMに抗議|社会|新潟県内のニュース|新潟日報モア
(30)東北電力 - Wikipedia
(31)燃料の安定供給 - 原子力発電の特徴 | 電気事業連合会
(32)(7)新潟県限定で、大量のCM|敷かれたレール|特集(短期連載)|新潟日報モア
(33)(9)県内経済界 冷めた目も|敷かれたレール|特集(短期連載)|新潟日報モア

(34)【本県漁業の再生】不安払う不断の対策を(3月26日) | 県内ニュース | 福島民報
(35)「あすびとトマト」初出荷 一足先に南相馬、相馬で販売 | 県内ニュース | 福島民報
(36)「復興のトマト」初出荷...農業の「あす」へ第一歩:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(37)チラシデザインの目的 | 売れるチラシ研究所
(38)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2016/03/26(土) 16:32:42|
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1(μSV/h)で葬式40%増、原発事故5年目の福島

 福島県の2月中の人口動態が発表になりました(1)。これで原発事故5年目の人口動態が揃いました。原発事故前年(2010年3月から11年2月)と原発事故5年目(2015年3月から16年2月)の葬式数(死者数)と航空機モニタリングのデータ(2)を比較すると、
 福島県安達地区
  平均放射線量 毎時0.36マイクロシーベルト
  葬式増加率  12%増
 福島県会津地域
  平均放射線量 毎時0.06マイクロシーベルト
  葬式増加率  0%減
で、毎時1マイクロシーベルト当たりで40%の葬式(死者数)が増えています。
 福島は福島原発事故によって多くの放射性物質が降り注ぎました。福島第一がばら撒いた放射性物質の量は(=^・^=)は広島原爆の30個分と試算しています(3)(4)(5)。以下に航空機モニタリングも元に作成した福島の放射線量分布を示します。
原発事故から5年以上経ても除染が必要な福島
 ※1(2)の数値データを元に(6)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(7)による
 ※3 福島盆地の範囲は(8)による
 ※4 「安達広域行政圏」は安達地区と略し、範囲は(9)による。
 ※5 会津の範囲は(10)による。
 図-1 本記事で使用する福島の地域分け

 図に示す通り原発事故から5年以上が経過しましたが、図に示す通り広い範囲で国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(11)を超えています。福島は汚染されています。福島の方の健康が心配です。そこで福島県を地域分けし原発事故前年(2010年3月から11年2月)に対する原発事故5年目(2015年3月から16年2月)の葬式(死者数)の増加率を比較してみました。
 福島県は7地域に分けていますが(7)、このうち県南は市が一つで、南会津は市がないのでそれぞれ隣接する県中と会津に合わせて集計することにしました。また会津と南会津を併せて「会津」と表記するのが一般的です(10)。県北地域は4市あり、川俣町が避難区域になっているので(7)、川俣町を集計の対象から外す為と2市づつになるように地域分けするため、福島盆地(福島市、伊達市、桑折町、国見町)(8)と「安達広域行政圏」(二本松市、本宮市、大玉村)(9)に分けました。以後「安達広域行政圏」は安達地区と略します。いわきはいわき市のみですが、同市は人口が30万人以上あるので(1)、一つの地域として集計しました。相双地区は図-1に示す通り避難地域があるので、川俣町と同様に集計の対象から外しました。
 以下に安達地区の各年3月から翌年2月の死者数(葬式)の推移を示します。
原発事故後に葬式が増えたままの福島県安達地区
 ※(1)を集計
 図―2 安達地区の死者数(葬式)の推移

 原発事故後から葬式(死者数)が増え、原発事故前年と5年目を比較すると
  原発事故前年(2010年3月から11年2月)  1,100人
  原発事故5年目(2015年3月から16年2月) 1,233人
で12.1%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.59%なので偶然と言うのは無理があります。
 一方で会津は
  原発事故前年(2010年3月から11年2月)  4,130人
  原発事故5年目(2015年3月から16年2月) 4,120人
で0.2%減で殆ど変っていません。航空機モニタリングの数値データ(2)の平均を取ると
 安達地区 毎時0.36マイクロシーベルト
 会津   毎時0.06マイクロシーベルト
で、安達地区の放射線量が大幅に高くなっています。
 他地区については以下の通りです。
 福島盆地は
  原発事故前年(2010年3月から11年2月)  3,988人
  原発事故5年目(2015年3月から16年2月) 4,265人 
 で7%増
  平均の空間放射線量 毎時0.27マイクロシーベルト
 いわきは
  原発事故前年(2010年3月から11年2月)  4,007人
  原発事故5年目(2015年3月から16年2月) 4,193人 
 で4.6%増
  平均の空間放射線量 毎時0.19マイクロシーベルト
 県中・南は
  原発事故前年(2010年3月から11年2月)  7,213人
  原発事故5年目(2015年3月から16年2月) 7,502人 
 で4%増
  平均の空間放射線量 毎時0.18マイクロシーベルト
です。
 以下に原発事故前年(2010年3月から11年2月)に対する原発事故5年目(2015年3月から16年2月)の葬式数(死者数)の増k率と航空機モニタリングのデータ(2)から得られる平均の空間線量率を示します。
放射線量が高いほど増える福島の葬式
※(1)(2)を集計
 図-3 平均の空間放射線量と原発事故前年に対する5年目の葬式(死者数)の増加率

 なんか放射線量が高い程に葬式(死者数)が増えています。以下に線形回帰(12)と呼ばれる手法での分析結果を示します。
一直線に並ぶ放射線量と葬式の増加率
 ※(1)(2)を集計
 図-4 平均の空間放射線量と原発事故前年に対する5年目の葬式(死者数)の増加率の相関

 図に示す通りデータは1直線上に並んでおり高い相関を示しています。図に示し通り
 毎時1マイクロシーベルトで40%の葬式(死者数)が増加
する結果になりました。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
福島県飯舘村の航空機モニタリングによる平均の放射線量は毎時1.8マイクロシーベルトになりました。図―4の結果を当てはめると、帰村した場合は葬式が70%(1.8×40)増える計算になります。それでも原発事故から5年経ち放射線量が下がったので「安全」とされ、来年3月の避難指示解除が決まりました(13)。これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(14)。いわき市のイチゴはたわわに実っっており甘くてジューシーだそうです。今はいわき市でもイチゴ狩りが楽しめます(15)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(16)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(17)を引用
 図―5 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
 以下に安達地区の偶然に起こる確率計算結果を示します。
 
 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(18)による
有意差検定表
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県の推計人口(平成28年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(2)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(3)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発から広島原爆の30倍のウランもえかすが!
(5)めげ猫「タマ」の日記 1gのセシュウム137の放射能
(7)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(8)福島盆地 - Wikipedia
(9)福島県 - Wikipedia
(10)会津 - Wikipedia
(11)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(12)線形回帰 - Wikipedia
(13)避難指示来年3月末解除 学校再開は30年4月 飯舘村 | 県内ニュース | 福島民報
(14)いわき市 - Wikipedia
(15)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(16)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(17)平尼子店 | マルト - 店舗情報
(18)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について

  1. 2016/03/25(金) 19:42:37|
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原発事故5年目も女の子が多く生まれる福島県川俣町

 3月の福島県の人口動態が発表になったので、原発事故5年目(2015年3月から16年2月)の福島県川俣町の赤ちゃん誕生数を集計したら
 男の子 22人
 女の子 30人
で女の子が多く生まれています。これで原発事故後5年連続で女の子が多く生まれています。5年連続なので偶然に起こる確率は3%(100÷25)で偶然を言うには無理があります。
 福島原発事故後に福島では二種類の避難区域が設定されました。一つは福島第一原発20圏内の警戒区域と原発事故後しばらくして放射線量が高い事が判明し、指定された計画的避難区域です。警戒区域は福島原発事故翌日の2011年3月12日に設定されましたが、計画的避難区域が設定されたのは原発事故から1ヶ月以上も後の2011年4月22日です(3)。旧計画的避難区域はいわば「逃げ遅れた」避難区域です。
事故から5年経っても除染が必要な旧計画的避難区域やその周辺
 ※1(4)の数値データを元に(5)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(3)による
 図-1 旧計画的避難区域

 図に示す通り、川俣町、飯舘村、葛尾村の避難区域は主に「計画的避難区域」です(3)。このうち川俣町は全域が避難区域になった訳ではなく図に示す通り東部のみです。ただし、原発事故から5年が経過した今でもほぼ全域が国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(6)を超えています。福島県川俣町はいわば逃げなった町です。おかしな事が起きてないか心配です。
 以下に福島県川俣町の各年3月から1年間の赤ちゃん誕生数を示します。
原発事故後5年連続で女の子が多くうままれる川俣町
 ※(1)を集計
 図-2 川俣町の赤ちゃん誕生数

 原発事故後5年連続で女の子が多く生まれています。5年連続なので偶然に起こる確率は3%(100÷25)で偶然を言うには無理があります。普通は男の子が多く生まれるので(6)異常な事態です。
 このような事は川俣町だけではありません。原発事後の5年間(2011年3月から16年2月)の赤ちゃんの誕生数を集計すると
 飯舘村
  男の子 110人
  女の子 150人
 葛尾村
  男の子  15人
  女の子  35人
川俣町
  男の子 141人
  女の子 182人
で、避難区域が主に計画的避難区域であった全てに認められます。以下に飯舘村・葛尾村・川俣町の累積の赤ちゃん誕生数を示します。
原発事故後は女の子が多く生まれる避難区域が主に計画的避難区域の町村
 ※(1)を集計
 図-3 飯舘村・葛尾村・川俣町の累積の赤ちゃん誕生数

 原発事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2011年12月頃から女の子の方が多く生まれています。合計すると
  男の子 232人
  女の子 367人
です。このような事が偶然に起こる確率は0.1%なので「偶然」とは言えません。

<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
男の子でも女の子で生まれて来れば良いと考える方が多いと思います。まして福島県の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
福島県川俣町の綺麗な女性
 ※(7)を転載
 図-4 福島県川俣町の綺麗な女性

でも他に影響がないか心配です。福島県県民健康管理調査によれば、48.1%の方が放射線は「次世代への影響の可能性が高い」と回答しています(8)。
 放射線の影響は「積算線量」が重要だそうです(9)。福島の放射線量は下がっていますが、「積算線量」は確実に増え続けています。これまで見つからなかった事が4年後や5年後に出てきても不思議はありません。
 福島県の県放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇氏は福島県の地方紙の福島民報に、広島や長崎の二世調査の結果から
 「次世代への影響は考えにくいと思われます。」
と寄稿しています(10)。でも遺伝には孫の世代で見える「隔世遺伝」があります(11)。このような遺伝は「二世調査」では分かりません。
 放射性影響研究所は広島や長崎の原爆投下で遺伝的な影響が生じていない根拠として
  ①赤ちゃんの男女比に異常が起きていない。
  ②自然死産の増加が認められない
ことを上げています(12)。以下に福島県の自然死産率の推移を示します。
全国の1.5倍の福島県死産率(グラフ)
 ※(13)を転載
 図―5 福島県の自然死産率の推移

 赤ちゃんの男女比は本文に書いた通りです。福島では広島や長崎では見つからなかったことが福島では起きています。広島や長崎のデータを元に福島は「安全」と主張しても成立しません。
 それでも飯舘村は来年3月の避難指示解除をきめました(15)。
来年3月の避難指示解除を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(16)を引用
 図―6 来年(2017年3月)の飯舘村避難指示解除を1面トップで伝える福島県の地方紙福島民報

 これについて飯舘村村長は「村をやはりみんなで守っていかなければならない」と説明してます(17)。
「村をやはりみんなで守っていかなければならない」と発言する飯舘村村長
 ※(17)をキャプチャ
 図―7 「村をやはりみんなで守っていかなければならない」と発言する飯舘村村長

 でも、村民が村を守るのでなく村が村民を守るのが普通でないですかね?これでは福島の方は不安だと思います。
 福島県いわき市の特産物にイチゴがあります(18)。いわき市のイチゴはたわわに実っっており甘くてジューシーだそうです。今はいわき市でもイチゴ狩りが楽しめます(19)。福島県いわき市はイチゴのシーズンです。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(20)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(21)を引用
 図―8 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。
 以下に飯舘村・葛尾村・川俣町合計の偶然に起こる確率計算結果を示します。
 
 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(22)による
有意差検定表

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県の推計人口(平成28年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(2)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(5)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(6)出生性比
(7)めげ猫「タマ」の日記 5年連続でも女の子が特異的に生まれる福島県飯舘村
(8)第22回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成28年2月15日)の資料について - 福島県ホームページ中の「 県民健康調査における中間取りまとめ 最終案 [PDFファイル/382KB]」
(9)放射線の健康への影響は積算線量が決める
(10)放射線 放射性物質 Q&A これから生まれる子どもに被ばくの影響は | 東日本大震災 | 福島民報
(11)隔世遺伝 - Wikipedia
(12)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 - 放射線影響研究所
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍
(15)避難指示来年3月末解除 学校再開は30年4月 飯舘村 | 県内ニュース | 福島民報
(16)福島民報を3月24日に閲覧
(17)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2016年3月23日(水)放送」
(18)いわき市 - Wikipedia
(19)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2015-16 | いわき市 観光情報サイト
(20)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(21)ヨークベニマル/お店ガイド
(22)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
  1. 2016/03/24(木) 19:54:49|
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月3週)―宮城・茨城・千葉県より低い福島のスズキの検査結果―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。2月3週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り食品が見つかっています(4)。今週は基準超えです。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数1、135件中6件の基準超え(全体の1%)
  ②平均は、1キログラム当たり4ベクレル、最大3,800ベクレル(宮城県産スズキ)。
事故から5年以上経ても見つかるセシウム汚染食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2016年3月3週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

1.宮城・茨城・千葉県より低い福島のスズキの検査結果
 宮城県産スズキから1キログラム当たり1.3ベクレルのセシウムが見つかりました(3)。福島が気になります。以下に今年(2016年中)のスズキの検査結果(平均値)を示します。
宮城・茨城・千葉に比べ低い福島県産スズキの検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2集計期間は2016年1月1日以降捕獲、3月22日発表分まで
 図-2 スズキのセシウム濃度(平均値)の比較

 図に示す通り、宮城、茨城、千葉は1キログラム当たり1ベクレル程度の値ですが、福島県が検査した福島産スズキは1キログラム当たり0.3ベクレルです。汚染源がある福島産が宮城、茨城、千葉県産に比べ大幅に低くなっています。あり得ない話です。福島産は他より低く出る検査で安全とされ出荷されます。

2.宮城のイノシシから3,800ベクレル、福島は半年間検査なし
 宮城県産イノシシから1キログラム当たり3,800ベクレルのセシウムが見つかりました(3)。福島が気になります。以下に福島県と宮城県のイノシシの検査結果を示します。
2015年8月以降の検査が無い福島県産イノシシ
 ※1(1)を集計
 ※2日付は捕獲日
 ※3NDは検出限界未満を示す
 図-3 イノシシのセシウム濃度

 福島県の検査は2015年6月捕獲分を最後に検査が実施されていません。図に示す通りイノシシは高濃度のセシウムが見つかるので、福島にとっては不都合な検査結果しか出ないかもしれませんが、福島の汚染の状況を知る上では貴重なデータです。福島は不都合な物を避けた検査で「安全」とされます。

3.上昇が続く福島産クロソイ
 以下に福島産クロソイのセシウム濃度を示します。
上昇傾向を示す福島産クロソイのセシウム濃度
 ※1(1)を集計
 ※2日付は捕獲日
 ※3NDは検出限界未満を示す
 図-4 福島産クロソイのセシウム濃度

図に示すとおり今年に入り上昇傾向が続いています。各月の最高値を見ると1キログラム当たりで
 1月 全数が検出限界未満(ND)
 2月 12ベクレル
 3月 28ベクレル
です。
 福島産はセシウム濃度が上昇する事もあります。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・不都合な物を避けた検査で安全とされる福島
 ・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
これでは福島産食べて応援、あの世行です。福島県の人口統計を集計すると、原発事故5年目は、原発事故前年に比べ葬式(死者数)は
 福島産を許容する割合が46%の郡山市 2,940人から3,105人で9%増
 福島産を許容する割合が7.1%の相馬市・南相馬市 1,178人から1,144人(少し減っているが統計的な差は無し)
なんて結果もあります(7)。
 福島県相馬地方の特産品にイチゴがあるそうです(8)。福島県相馬市のイチゴは美味しそうです(9)。相馬市では今、イチゴ園が開園しています(10)。福島県相馬市はイチゴの季節です。福島県は福島産について「食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(11)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
※(12)を引
 図―5 福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。



―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第973報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(3月2週)―福島産コイから2.6ベクレル、福島県は過去3年間で29件全てでND―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)めげ猫「タマ」の日記 原発事故5年目、福島県郡山市の死者数9%増、相馬・南相馬は別
(8)特産品情報 | 地区別くらし情報 そうま地区 | JAふくしま未来
(9)和田観光苺組合 - 相馬/その他 [食べログ]
(10)福島県相馬市 観光のご案内 イチゴ狩り
(11)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(12)Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」

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  1. 2016/03/23(水) 19:44:23|
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「指定廃棄物」福島集約を警戒する福島

 福島県の地方紙の福島民報が3月22日の社説(1)で、福島県外の指定廃棄物処理について
「 県外の候補地からは『福島集約論』が相次ぐ。『国の支援策次第で、福島が受け入れてくれるのでは』との臆測すら飛び交う状況を憂える。」
と論じていましす(1)。福島は「福島集約論」を警戒しているようです。
 福島原発事故によって、福島県に限らず福島の隣県にも多くの放射性物質がばら撒かれました。放射性廃棄物は放置すると危険なので集めて管理する必要があります。国は1キログラム当たり8000ベクレル以上のセシウムを含む「ゴミ」を指定廃棄物と命名し、各県(宮城、福島、栃木、群馬、千葉)に一箇所つづ最終処分場をつくり各県で処理する計画になっていました(2)。
東日本各地に広がる放射性物質
 ※(3)の数値データを元に(4)に示す手法で3月1日時点に換算
 図-1 東日本各地に散らばった放射性物質

 これに対し最終処分場の候補地となった市や町は激しく反発し、国はとりあえず発生元の市町村で保管する「分散保管」を継続する方針に転換しましました(5)。
 しかし、福島は事情が違います。ほぼ市町村をまたぐ広域処理が確立しました。
広域で移動する福島の指定廃棄物
 ※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で3月1日時点に換算
 ※2避難区域は(6)による
 ※3焼却施設は(7)による
 ※4最終処分場は(8)による。
 図-2 福島県の指定廃棄物の流れ

 福島県飯舘村では昨年末に焼却施設の火入れが行われました。ここでは飯舘村で出た指定廃棄物の他に、福島市、伊達市、南相馬市、川俣町、国見町で発生した農林業系廃棄物及び下水道汚泥約70,000トンも処理することになっています(7)。さらに発生した焼却灰は楢葉町と富岡町の境界付近の富岡町側に設置される既存の管理型処分場(フクシマエコテッククリーンセンター)を活用して、速やかに埋立処分を行う計画が決まっています(8)。
 市町村を超えた指定廃棄物の最終処分があるなら、都道府県を超えた広域処理もあっても良いと考える方がいても不思議ではありません。宮城県内の市町村長会議では、加美町長が福島県飯舘村の仮設焼却施設で処分することを提案しました(9)。さらには1月4日の記者会見で 宮城県内の指定廃棄物を福島県飯舘村の仮設焼却施設で集約処理するよう提案していることについて「国と福島県、(処分場設置方針の)5県が本音で話し合う時期に来ている」と強調しました(10)。また栃木県のの処分場建設候補地になっている栃木県塩谷町長長は1月15日、「分散させると災害が起こったときに廃棄物が散らばる可能性がある」と述べ、国に抜本的な対策を求める考えを示しました(5)。福島県外の市町村は福島への集約を期待しているようです。
 これについて、福島県の地方紙の福島民友は
 「根底に福島県は『汚染されたところ』との意識がある。『福島の汚染された場所で集約処分すべき。どこで処分しても風評被害は出る』」
 と反論していますが(11)、図-2に示すように焼却施設がある福島県飯舘村や最終処分場のある福島県冨岡町・楢葉町の境界付近は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(12)を超えており今も除染が必要です。除染が必要である以上は「汚染」されています。「風評被害」を主張していますが、焼却施設のある福島県飯舘村では5年連続で女の子が多く生まれています。
5年連続で女の子が多く生まれた飯舘村
 ※(13)を転載
 図-3 福島県飯舘村の赤ちゃん誕生数

2015年は
 男の子 18人
 女の子 32人
でした。通常は男の子が多く生まれるので(14)、おかしな現象です。飯舘村は現在は全村避難していますが、避難が終了したのは原発事故から3ヶ月以上経過した2011年6月22日です(15)。わずか3ヶ月の生活でこのような現象が続いては「風評被害」と言い切るのは無理があります。
 楢葉町は昨年9月に避難指示が解除され半年が経過しましたが帰還したのは全人口7,379人(住基人口)中の442人で(16)全体の6%です。特に若い層の帰還が進んでいないようです(17)。冨岡町ではお彼岸に併せ夜間も含め一定期間、滞在を認める特例宿泊を開始したのですが、申し込んだ方は9816人中53人です(18)。これについて福島民報は
「除染による放射線への不安解消や生活基盤の復旧が課題として挙げられる。時間の経過とともに、避難先に落ち着く世帯が増えていることも要因の一つだ。子どもの教育や仕事の関係で故郷に戻ることを断念した人は少なくない。」
と論じています(19)。放射線の不安もあるし、5年も経てば避難先に根付いてしまいいまさら戻る人はいないとの旨でしょうか?(=^・^=)の見る限り最終処分場周辺の富岡町・楢葉町は福島第一の廃炉作業の前進基地以外の使い道しかなさそうです。
 福島民友は
「避難指示解除後の古里で営農を再開した田村市都路町の坪井久夫(65)は、指定廃棄物の本県への集約論に『乱暴な話だ』と憤る。風評払拭に苦労してきた経験から『いろいろな考え方があり、全ての人に理解してもらうのは難しい』というのが実感だ。」
と報じ(11)、福島県田村市においては福島を正しく恐れこれを避ける行為が解消しているかのように報じていますが、同市で最も観光客が多いの観光施設の「あぶくま洞」(20)の観光客数は以下に示すように回復の兆しがありません。
大幅に減ったあぶくま洞来場者
 ※1(20)を集計
 ※2入水鍾乳洞を含む
 図―4 あぶくま洞等の入り込み数

2015年も20万人程度の見込みです(21)。同紙の報道では福島の方の努力で福島県田村市を正しく恐れる方は減ったような書き方ですが、いまも多くの方が恐れています。
 ・人が戻る見込みが無い
 ・5年経っても放射能に汚染されたままである。
 ・5年経っても多くに方が正しく恐れて避けている。
実態があれば周りの方は「福島集約」に期待すると思います。
 (=^・^=)の住む街にも福島原発事故後に福島から多くの方と放射性物質がやっていきました。5年経つと福島から来ていただいた方は(=^・^=)の住む街に組み込まれ必要な隣人です。福島から来ていただいた方に福島に帰られるのは困ります。でも、放射性物質はできれば福島に帰って欲しい思っているのが「本音」です。
 福島県の地方紙の福島民報が3月22日の社説(1)で、福島県外の指定廃棄物処理について
「 県外の候補地からは『福島集約論』が相次ぐ。『国の支援策次第で、福島が受け入れてくれるのでは』との臆測すら飛び交う状況を憂える。」
と論じていましす(1)。「国の支援策次第で、福島が受け入れてくれるのでは」などと言うことはまず期待できないと思います。
 以下に福島県の予算・決算額を示します。
原発事故後に水膨れした福島県予算
 ※1(22)を転載
 ※2 2009年から13年度は決算(歳出)額
 ※3 2014・15年度は補正後の予算額
 ※4 2016年度は報道による予算額
 ※5 2016年の除染費用は前年度流用
 図-5 福島県の予算・決算額
 
 原発事故後に1兆円以上の水ぶくれを起こしています。以下に年度別の福島第一原発事故の賠償支払い額を示します。
毎年1兆円を超える原発事故の賠償金額
 ※1(23)を過去分も含め集計
 ※2 2015年年度は2016年3月18日支払分まで
 図-6 福島第一原発事故の賠償支払い額

 毎年1兆円以上のお金が福島を中心に「賠償」として支払われています。この他に国の直轄事業や東京電力による福島第一原発廃炉費用等(22)を含めれば年間3兆円近いお金が福島に新たに流れ込んでいます。福島県のGDPは約7兆円です(24)。そこに年間3兆円のお金が流れ込んで来ては福島は歪ます。
 福島県川俣町では震災で役場庁舎が被災しました(25)。それから5年が経ちましたが役場庁舎の再建工事は始まっている様子がありません(26)。役場庁舎の再建は必要ですが、除染、インフラ復旧、災害公営住宅、子どもの遊び場の復旧(27)等の他にもやらなればばらない事が沢山ありおよそ「国の支援策次第で、福島が受け入れてくれるのでは」のような事業まで手を出す余裕はなさそうです。
 だいたい福島県内各地には大量の除染廃棄物が仮置きされており(28)、福島島には他所の放射性廃棄物を受け入れて処分する余裕など無いと思います。
 
<余談>
  図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 (=^・^=)の住む街の指定廃棄物も何処でもいいから(=^・^=)の住む街以外に運び出して貰いたいと思います。福島が無理だとすると、(=^・^=)は栃木県塩谷町に集約するのが最適だと思います。
 ①塩谷町が主張するように指定廃棄物処分場は各県に作るより、一箇所に集約し保管した方が「安全」で合理的である(29)。
 ②本文に記載した通り福島県は復興にリソースを割かれ、他の都県の指定廃棄物まで処分する余力がないので、福島県外の指定廃棄物は福島県外一箇所に集約するのが合理的である。
 ③環境省のデータを集計すると(2)福島県以外の指定廃棄物の総量は27,838トンで、そのうち栃木県分が13,533トンで約半分を占めるので、栃木県内に最終処分場を作るのが合理的である。
 ④栃木県塩谷町の候補地は除染が必要なレベル程度に汚染されている。
最終処分場候補地は除染が必要な栃木県塩谷町
  ※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で3月1日時点に換算
  ※2 候補地の位置は(29)による。
 図―7 栃木県塩谷町と最終処分場候補地

 「穏やかで自然豊かな水源地が、今危険にさらされようとしている」と主張しているが、図―7に示すように塩谷町の水源地は福島原発事故により十分に汚染されいる。
 ⑤図―7に示す通り栃木県塩谷町は高速道路も新幹線も通過しているがインターも駅も無い。塩谷町に高速のインターや駅を作る事で地域振興がはかり易い。
 ⑥東京電力の管内にあるので最終処分場の反対給付として東京電力の責任で電気料金を大幅に割り引くことも可能である。⑤と合わせ塩谷町への企業立地が促進できる。
 ⑤⑥でも足りなければ、栃木県には国立の医学部が無いので国の責任で設置するとか、空港が無いので国営の空港を作るとか色々と知恵を出せばいいと思います。ただし(=^・^=)の住む街に同じ提案をされたら「拒否」します。
 最終処分場の立地は相当な「飴」を用意しないと無理なのは安倍出戻りも分かっているはずです。でも「飴」を用意した気配がありません。無責任です。結果は福島集約論を広げました。これでは福島の方は不安だと思います。
  福島はイチゴの栽培が盛んだそうです。いまがイチゴの季節です(30)。福島はイチゴのシーズンです。農林水産省の統計を見ると(31)、福島県伊達市は福島最大のイチゴの産地です。福島県伊達市のイチゴは「とても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのもの」だそうです(32)。福島県は福島産について「 食の安全・安心を確保するため、生産、製造・加工、流通、消費の各段階において、食品中の放射性物質検査を実施しています。 」と主張してます(33)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図-8 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様も見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)【指定廃棄物処分】いがみ合いは避けたい(3月22日) | 県内ニュース | 福島民報
(2)指定廃棄物について|放射性物質汚染廃棄物とは|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(5)<最終処分場>政府断念か 分散保管を継続 | 河北新報 2016/01/16
(6)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)飯舘村蕨平地区仮設焼却施設の火入れ式について(お知らせ)[福島環境再生事務所]:環境省
(8)処分に向けた取組み|福島県における取組み|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(9)<最終処分場>集約論に福島反発「心外」 | 河北新報オンライン 2015/12/15
(10)<最終処分場>福島集約「話し合う時期」 | 河北新報オンライン 2016/01/05
(11)【復興の道標・ゆがみの構図-3】乱暴な「福島県集約論」 見えない国の関与:復興の道標:福島民友新聞社 みんゆうNet
(12)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(13)めげ猫「タマ」の日記 5年連続でも女の子が特異的に生まれる福島県飯舘村
(14)出生性比
(15)飯舘村 - Wikipedia
(16)広報ならは 3月号(第554号)|楢葉町公式ホームページ
(17)めげ猫「タマ」の日記 楢葉町の男性は5ヶ月連続で転入超、未来は原子力ムラ
(18)<特例宿泊>福島・富岡5年ぶり夜間滞在 河北新報-2016/03/17
(19)【避難区域の帰還】二地域居住の道探れ(3月21日) | 県内ニュース | 福島民報
(20)福島県観光ホームページ 統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(21)めげ猫「タマ」の日記 福島・あぶくま
(22)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原総費用16兆9205億円は決まり―でもまだまだ増える―
(23)賠償金のお支払い状況|東京電力
(24)福島県県民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(25)役場庁舎移転のお知らせ - 川俣町公式ホームページ
(26)新庁舎建設 - 川俣町公式ホームページ
(27)田んぼスケート場、5年ぶり再開 福島・川俣町  :日本経済新聞
(28)1000万袋超が仮置きに=汚染土解消、めど立たず-中間貯蔵、用地 時事通信-2016/03/09
(28)- 栃木県塩谷町 - 指定廃棄物最終処分場候補地選定までの経緯と現状
(29)候補地の状況 - 塩谷町民指定廃棄物最終処分場反対同盟会
(30)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(31)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「9-5 野菜(果実的野菜) ⇒福島県 」
(32)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(33)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(34)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
  1. 2016/03/22(火) 19:50:05|
  2. -
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