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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

NHKの嘘放送、2号機格納容器内撮影の作業風景は以前の物

 東京電力は1月30日に福島第一原発の2号機の格納容器下部の映像を発表しました(1)。NHKは同日19時台の番組でこれを報じていました。そこに作業風景が出て来るのですが、これは東京電力が従前に発表した画像であり、1月30日発表の作業風景ではありません。以前に発表した画像を当日の発表のように偽装する嘘放送です。
 福島第一原発事故では、核燃料が溶け落ちてしまいました。これをデブリと呼びます(2)。今の所2021年から取り出しの開始を予定しています(4)。これに先立ち2号機の格納容器の下部の第二段階が1月30日に実施されました(1)(5)(6)。
2号機格納容器内部調査を報じる福島県の地方紙福島民報
 ※(7)を1月31日に閲覧
 図―1 2号機格納容器内部調査を報じる福島県の地方紙福島民報

 この調査は2号機原子炉格納容器の「穴」から内部観察用の装置を入れ内部を見ようとするものです。
2号機内部観察の位置
 ※(8)をキャプチャー
 図―2 2号機内部観察の位置

 調査は4段階で計画されています。以下に手順を示します。
 第一段階はパイプの先きにカメラを付け、「穴」から突っ込み中をみるものです。
格納容器内部調査、第一段階
 ※1(9)に加筆
 ※2 ()内は東京電力の呼び名
 図―3 格納容器内部調査、第一段階

 この調査は1月26日に実施され、同日に結果が公表されました(10)。
 第二段階は曲げる事ができる第一段階よりも長い先端のカメラが付いたパイプをいれ、圧力容器を支える台(ペデスタル)(11)の内部にカメラを入れ圧力容器の下の一部を観察するものです。
格納容器内部調査、第二段階
 ※(9)に加筆
 図―4 格納容器内部調査、第二段階

 この調査が1月30日に実施され、結果が公表されなした(1)(5)(6)。第三段階は掃除用のロボットの投入、第四段階は自走式ロボットの投入ですが(9)、この先に実施されます。
 東京電力は格納容器内部調査、第二段階の原子炉圧力容器下部の調査結果を1月30日18時30分からの会見(12)で発表していました(13)。NHKはこの様子を30分後の1月30日19時台の番組で報じていました。その中で作業風景の様子を報じていました。
NHKが作業風景として報じた画像
 ※ 1月30日放送の19時台のNHKの番組をキャプチャー
 図―5 1月30日の作業風景と称して放送するNHKの番組

 以下に東京電力が発表した1月30日の作業風景を示します。
格納容器内部調査、第二段階(1月30日実施)の作業風景
 ※ (14)を引用
 図―6 格納容器内部調査、第二段階(1月30日実施)の作業風景

 どう見ても別物です。NHKが何処から入手したか気になります。以下に第一段階(1月26日に実施)を示します。
格納容器内部調査、第二段階(1月30日実施)の作業風景
 ※ (15)を引用
 図―7 格納容器内部調査、第一段階(1月26日実施)の作業風景

 図―5に示す「1月30日の作業風景と称して放送するNHKの番組」の映像と同じです。NHKは1月26日に実施した作業風景をあたかも1月30日の作業であるかのように報じる「嘘」放送をしました。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 NHKは東京電力のプロパガンダ機関です。新潟ローカルですが以前に東京電力の柏崎刈羽原子力発電所は「安全」であり再稼働が必要であるかのような放送を流しています(16)。昨年の10月に実施された新潟県知事選挙では「県庁に赤旗」キャンペーン(17)に呼応するかのように、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に慎重な野党系候補があたかも「共産党」の候補のような放送もしています(18)。なんかNHKと東京電力は繋がっているように感じます。
 1月30日の19時台の番組では内部調査の動画も放送しています。
NHKが19時台の番組で報じた動画の一部
 ※ 1月30日放送の19時台のNHKの番組をキャプチャー
 図―8 原子炉圧力容器の下の部分の動画を報じるNHKの1月30日放送の19時台のNHKの番組

 会見を見ていると動画が公表されたのは1月30日18時半過ぎです。
動画は18時半以降に公開されたと報じるTV朝日系列
 ※ TV朝日系の1月30日22時台のニュースをキャプチャ
 図―9 圧力容器の下の動画は1月30日18時半過ぎに公表されたとするTV朝日系列のニュース

 NHKが公表された動画を使っているとしたら30分以内にNHKに送り(会見を見る限り動画はUSBで最初に提供されました(13))、編集してテロップを入れ原稿を作りとんでもない早業です。むしろNHKだけには東京電力から事前に動画が提供されていた考えるのが自然な気がします。
 当該調査では図―1に示す足場に「堆積物」が見つかっています。
足場で見つかった堆積物
 ※(14)を引用
 図―10 圧力容器の下にある足場で見つかった堆積物

NHKはこれをあたかもデブリのうような放送をしていました。19時台の番組では2号機の格納容器下部と足場に同じ量のデブリがあるような放送しています。
足場と格納容器のデブリの量が同じNHKの放送
 ※ 1月30日放送の19時台のNHKの番組をキャプチャー
 図―11 格納容器下部と足場に同じ量のデブリあるように報じるNHKの1月30日放送の19時台のNHKの番組 

 図―2と比較においてNHKが過大に足場のデブリを過大に見せているかは明らかです。
 同日の21時台の番組では福島第一の1~3号機が同じようにメルトダウンしたかのように放送しています。
3機とも同じようにメルトダウンしているようにしか見えないNHKの放送
 ※ 1月30日放送の21時台のNHKの番組をキャプチャー
 図―11 1~3号機が同じようにメルトダウンしたかのように放送報じるNHKの1月30日放送の21時台のNHKの番組 

 以下に東京電力が推定しているメルトダウンの様子を示します。
東京電力が推定しているメルトダウンの様子
 ※(19)より作成
 図―12 東京電力が推定しているメルトダウンの様子

 今後の詳細な調査を待たなければなりませんが、2号機の格納容器からはそれ程にはデブリは零れ落ちていないとゆうにが(=^・^=)の印象です。第一に東京電力は昨年7月に宇宙線(空から降ってくる放射線(20))を使った2号機内部の観測結果を公表しています。それによると2号機のデブリの殆どは原子炉圧力容器の下部に溜まっているとの事です(20)
福島第一2号機圧力容器底部に集まっているデブリ
 ※(21)を引用
 図―13 2号機のデブリの殆どは原子炉圧力容器の下部に溜まっているする東京電力

 第二に圧力容器の下にある制御棒の駆動機構(CRD(22))がそれ程には変形していません。
 変形しているようには見えない制御棒の駆動機構
※(14)を引用
 図―14 1月30日に観測された2号機の制御棒の駆動機構

 水が滴り落ちているので2号機圧力容器に「穴」は開いているようですが、それ程には大きな穴ではないと思います。以下に東京電力が構造が近いとする5号機の当該部分を示します。
5号機の制御棒の駆動機構
 ※(5)を引用
 図―15 5号機の制御棒の駆動機構

 再度の記載になりますが安倍出戻り内閣は2021年からのデブリの取り出しを目指しています(4)。NHKの放送の通りであれば「デブリ」は足場の近くにあり取り出しは容易になります。2021年のデブリ取り出しが実現可能や様な印象を与えるNHKの「嘘」放送でした。
 「嘘」を流すNHKでは福島の皆さんは何を信用して良いか分かくなり、不安だと思います。
 福島県はイチゴ栽培が盛んだそうです(23)。福島県会津若松市でもイチゴ狩りが楽しめます(24)。同市はイチゴの季節です。同市辺りのイチゴは身の詰まったしっかりした食感で、食べると果汁が溢れるそうです(25)。福島県郡山市はイチゴの季節です。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(26)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産あっても福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(27)を引用
 図―16 福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)東京電力ホールディングス 写真・動画集| 2号機 原子炉格納容器内部調査におけるペデスタル内の事前調査の実施結果について
(2)燃料デブリ(ネンリョウデブリ)とは - コトバンク
(3)中長期ロードマップ|東京電力
(4)(3)中の「2015年6月12日(廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議第2回)⇒(資料1)中長期ロードマップ改訂案について(133KB)
(5)2017年1月30日PCV内部調査(A2調査)ガイドパイプによる事前調査結果(PDF 485KB)
(6)2017年1月30日2号機 原子炉格納容器内部調査におけるペデスタル内事前調査の実施結果(PDF 2.03MB)
(7)福島民報を1月31日に閲覧
(8)Nスタふくしま20170130 TUFchannel
(9)(3)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2017年1月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第38回事務局会議)⇒【資料3-3】燃料デブリ取り出し準備(2.81MB)
(10)"2017年1月26日2号機原子炉格納容器内部調査における格納容器貫通部(X-6ペネトレーション)内の事前調査の実施結果について(PDF 2.51MB)
(11)用語集
(12)2017年1月30日の原子力定例会見に関するご案内について|報道関係各位一斉メール|東京電力ホールディングス株式会社
(13)2017/1/30(月) 原子力定例記者会見
(14)東京電力ホールディングス 写真・動画集| 2号機 原子炉格納容器内部調査におけるペデスタル内の事前調査の実施結果について
(15)東京電力ホールディングス 写真・動画集| 2号機原子炉格納容器内部調査における格納容器貫通部(X-6ペネトレーション)内の事前調査の実施結果について
(16)めげ猫「タマ」の日記 NHKの柏崎刈羽再稼働プロパガンダ
(17)新潟県庁に赤旗が翻る危機|衆議院議員 金子めぐみオフィシャルブログ Powered by Ameba
(18)めげ猫「タマ」の日記 NHKのネガティブキャペーン、新潟知事選・野党統一候補は共産党の候補
(19)(3)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2017年1月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第38回事務局会議)⇒【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(8.63MB)
(20)(3)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒廃炉・汚染水対策現地調整会議⇒2016年7月29日(第34回)【資料1-6】福島第一原子力発電所2号機ミュオン測定による炉内燃料デブリ位置把握について(1.45MB)
(21)東京電力ホールディングス 写真・動画集| 福島第一原子力発電所2号機ミュオン測定による炉内燃料デブリ位置把握について
(22)制御棒 - Wikipedia
(23)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(24)フルーツランド北会津
(25)いちご | JA会津よつば
(26)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(27)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
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  1. 2017/01/31(火) 19:53:57|
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福島第一汚染水(1月5週)―外洋から過去最高の全ベータ―

 福島第一原発汚染水の1月4週(1月23日から29日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①外洋から過去最高の全ベータ
 ②港湾内各所で見つかるストロンチウム90
 ③地下水バイパス井戸のトリチウムが上昇中
 ④海岸付近で見つかる高濃度汚染地下水
 ⑤サブドレン排水のトリチウム濃度が上昇

1.外洋から過去最高の全ベータ
 以下に福島第一の外洋の汚染状況を纏めます。
事故から6年経て、放射性物質が見つかり続ける福島第一沖外洋
 ※1(4)(5)(6)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりまたは1キログラム当たりのベクレル数
 ※3 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 ※4 集計期間内の最大値
 図―1 福島第一原発の放射性物質濃度

 図に示す通り、事故から6年近く経ちましたが確り外洋からは放射性物質が見つかり続けています。このうち南放水口付近の全ベータの1リットル当たり17ベクレルは「過去最高」(新記録)です(8)。以下にT-2地点の今週の全ベータ濃度の推移を示します。
23日かけて上昇したT-2地点の全ベータ
 ※(6)を集計
 図―2 T-2地点の全ベータ濃度

 1月23、24日に「南放水口付近」と同じタイ記録の1リットル当たり17ベクレルを記録しています。南放水口付近の採取日は1月23日ですので、この日は外洋の2地点で高い全ベータ濃度を記録しています。1月22日ないしは23日に外洋放射性物質が漏れ汚染しています。

2.港湾内各所で見つかるストロンチウム90
 以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
 ストロンチウム90が見つかる福島第一港湾内
 ※1 (4)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は12月19日
 図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 図に示す通り多くの地点でストロンチウム90が見つかっています。1項に記載したように外洋から過去最高の全ベータが見つかりました。以下に港湾口に設置してある海水放射線モニタ計測状況を示します。
23日かけて上昇した港湾口の全ベータ
 ※(9)を1月24日に閲覧
 図―4 港湾口の海水放射線モニタ計測状況

 図に示す通り1月23日前後に全ベータが上昇しています。どこかからストロンチウム90等の全ベータの要因となる放射性物質が漏れ出し港湾口を経由し、外洋を汚染したと考えるのが自然です。

3.地下水バイパス井戸のトリチウムが上昇中
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(10)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(11)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(12)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる地下水バイパスと山側井戸
 ※1 (11)(12)にて作成。
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(3)、排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのがE-8井戸です。以下に推移を示します。 
急に上昇した地下水パイパスNi8井戸のトリチウム
 ※(12)を集計
 図―6 地下水バイパスNo8井戸のトリチウム濃度

 値は低いのですが、急な上昇をしています。この先が心配です。

4.海岸付近で見つかる高濃度汚染地下水
 以下に海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況を示します。
高濃度の汚染地下水が見つかる福島第一海岸
  ※1 (4)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
 図―7 海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況

 1リットル当たりでセシウム137の法定限度は90ベクレル、ストロンチウム90は30ベクレルですので(3)、全ベータの半分をストロンチウム90として(7)、全ベータ換算で60ベクレルです。図に示す様に法定限度を大きく超えた汚染地下水が見つかっています。この中で気になったのがNo1-6のトリチウムです。
上昇が続くNo1-6井戸のトリチウム
 ※1(4)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
 図―8 No0-1井戸のトリチウム濃度

どんどん上昇しています。やがては福島の海に流れ出し汚すことになります。

5.サブドレン排水のトリチウム濃度が上昇
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(14)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始り(15)、13日より排水を開始しました(14)。以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。 
上昇するサブドレン排水のトリチウム
 ※(16)を集計
 図―9 サブドレン排水のトリチウム濃度

 図に示す通りこのところ上昇しています。福島の海をトリチウムで汚すことは間違いありません。
 東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(15)、濃度×排出量で累積のトリチウム排出量を求めてみました。
累積で1,330億ベクレルを超えたサブドレンのトリチウム排出量
 ※(15)(16)を集計
 図―10 サブドレン累積のトリチウム排出量

 どんどん増えています。2017年1月27日時点で累積で約1,334億ベクレルに達しました。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 事故から6年近く経過しますが、福島第一原発の放射能漏れは止まる気配がありません。福島の皆様は不安だと思います。
 福島県はイチゴ栽培が盛んだそうです(17)。福島県郡山市でもイチゴ狩りが楽しめます。郡山市のイチゴは美味しいようです(18)。福島県郡山市はイチゴの季節です。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(19)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(20)を引用
 図―11 福島産イチゴが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(1月4週)―事故から5年10ヶ月以上、汚染魚が見つかる福島第一港湾内
(2)報道配布資料|東京電力
(3)サンプリングによる監視|東京電力
(4)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(5)(3)中の「1.海水(港湾外近傍)」
(6)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング」⇒「南放水口・排水路」
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)2017年1月24日福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 642KB)
(9)福島第一原子力発電所付近での海水放射線モニタ計測状況|東京電力
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(11)(3)中の「H4エリア周辺観測孔」
(12)(2)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(14)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(15)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(16)(2)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(17)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(18)郡山いちご園 |福島県郡山市日和田町 いちご狩り
(19)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(20)2017年1月29日(日)発行の鎌倉屋折込チラシ
  1. 2017/01/30(月) 20:00:20|
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福島県矢祭町60周年、未来は暗い

 福島県矢祭町は1957年1月に隣町の一部を併合し、現在の形になりました(1)。60周年ですのでお祝いしたのですが
 ①放射能が降り注ぐ町
 ②安定しない基幹産業
 ③子どもと若者が逃げて行く町
 ④事故後に戻らない観光客
等の特徴が見え、未来は暗そうです。

1.福島県矢祭町とは
 福島県矢祭町は福島県または東北の最南端にある面積118.27平方キロメートル(1)、人口6,039人の小さな町です(2)。それでも平成の大合併をしなかった町です(1)。
福島県矢祭町
 ※1 (3)のデータを(4)に示す手法で1月1日に換算
 ※2 避難区域は(5)による
 図-1 福島県矢祭町

 1957年1月10日に隣町の1部を併合し現在の形となりました。今年で60周年です。同町は1月21日に記念式典を開いたそうです(6)。

2.放射能が降り注ぐ町
 矢祭町は福島県の外れにあり、図―1に示す様に福島県内では放射能汚染がマシな町ですが安心はできないようです。以下に2014年11月に対しいる15年11月の放射線量の増減を示します。
放射線量が増えた場所がある福島県矢祭町
 ※1(3)(7)で作成
 ※2 2015年11の放射線量―14年の放射線量で計算
 図―2 矢祭町の放射線量の増減

 図に示す通り同町では2014年11月に比べ、15年11月の方が放射線量が高くなった場所が広がっています。同町は放射能が降り注ぐ町です。

3.安定しない基幹産業
 以下に福島県矢祭町の生産額の内訳を示します。
製造業中心の福島県矢祭町
 ※(8)にて作成
 図―3 福島県矢祭町の生産額の内訳

 製造業が大部分です。図に示す通り製造業が大半です。同町の基幹産業は製造業です。以下に同町の製造業の生産額を示します。
変動幅が大きい福島県矢祭町の製造業生産額
 ※(8)にて作成
 図―4 福島県矢祭町の製造業生産額

 図に示す通り大きく変動しています。同町の基幹産業である製造業は不安てす。

4.子どもと若者が逃げて行く町
福島県矢祭町の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は、2013(平成25)年に2.23となり、全国の1.33、福島県の1.42と比べて高く、09年からの5年間は、全国、県を常に上回っており、町独自の支援策が結果に表れていとのことです(9)。でも人口減の歯止めにならないようです。
 福島県矢祭町では5年前の2012年1月には15から19歳の女性は141人いました(10)。5年経って彼女達は20から24歳になりました。この年齢層の方は2017年1月時点で半分近い76人になっています。同町ではこの5年間で252人の赤ちゃんが生まれています。今は0から4歳になっています。0から4歳の人口は217人で、矢祭町に生まれても14%の子供さんが5年間で町を去っています。このような考えを元に5年残存率を
 現在の人口÷5年前の人口(現在の年齢が5歳以上の方)
ないしは
 現在の人口÷過去5年間の出生数(現在の年齢が0-4歳の方)
で定義します。以下に示します。
若者と子供が出て行く福島県矢祭町
 ※1(10)を集計
 ※2 年齢は現時点(2017年1月)
 ※3 2012年1月と17年1月の比較
 図―5 福島県矢祭町の5年残存率

 同様の図を福島県についても示します。
福島県の5年残存率
※ 注記は図―5に同じ
 図―6 福島県の5年残存率

 両者を比較すると矢祭町独特の特徴が見えてきます。
 ①子供が生まれると町を出て行く
 ②15から19歳も減っている
 また福島県と共通の特徴として
 ③20から24歳が減っている
です。同町には高校がありません(1)。高校は他所の町の高校へ行くことになります。現年齢15から19歳の方は過去5年間に中学を卒業された方です。高校進学を機会に他所へ引っ越したと思います。20から24歳の方は過去5年間に高校を卒業された方です。大学進学や就職機会に町から離れているようです。
 25歳から29歳の女性が増えています。この中には過去5年間に大学を卒業された方もいる筈です。大学を卒業を機に町に戻った方も一部はいるようです。このような特徴は男性では見られません。矢祭町の方が高校に通うとしたら、お隣の塙町か棚倉町の高校になると思います。塙町の高校卒業者の進学率を見ると男性0、女性50%です(11)。この辺りでは高校を卒業すると男性は就職、女性は進学のようなパターンがあるのでしょうか?
 福島県の平均初婚年齢は男性・女性とも20代後半です(12)。赤ちゃんが100人生まれたとして、最終的にどれだけ残るかを(=^・^=)なりに試算してみました。
 ①同町で過去5年間生まれた女の子は129人で、現在残っているのは108人(0-4歳の人口)で84%です。
 ②5年前に0-4歳だった女の子は121人で、現在残っているのは112人で93%です。
すると生まれた赤ちゃんが5から9歳まで残る割合は①×②(0.84×0.93)=78%(0.78)です。矢祭町では女の子が100人生まれても10歳前に22人が町からいなくなります。このような計算を繰り返せば、100人生まれた赤ちゃんが何人残るかを計算できます。これを仮に累積残存率とします。以下に矢祭町の累積残存率を示します。
適齢期までに半数以下になる矢祭町の女性
 ※(9)を集計
 図―7 矢祭町の累積残存率

図に示す通り初婚年齢に達する20代後半では男性は6割程度は残っていますが、女性は4割程度です。女性がいなくなれば子供は生まれなくなり人口減少が進みます。
 矢祭町の未来は女性に逃げて行かれ、子供が生まれなくなる町です。

4.事故後に戻らない観光客
 矢祭町には奥久慈県立自然公園(13)や滝川渓谷(14)などの自然豊かな観光地があります。以下に入り込み数を示します。
事故前の水準に戻らない福島県矢祭町の観光客
 ※(15)を集計
 図―8 矢祭町の観光客入り込み数

 図に示すように事故前の水準に戻っていません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 矢祭町に茨城県に接している。交通が不便だ(地図で見る限り近くに新幹線も自動車専用道路もありません)。独自の事情があるかもしれませんが、福島に共通する課題を抱えていると思います。以下に福島県の累積残存率を示します。
福島県の累積残存率
 ※(9)を集計
 図―9 福島県の累積残存率

 図に示す通り各年齢とも女性が減り続ける傾向があります。しかたがないことです。図―1に示す通り福島は国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(16)地域が広がっています。
 福島を代表する冬野菜にニラとシイタケがあります(17)。矢祭町近辺の特産品でもあります。特にこの辺りのニラは茹でても生で食べてもおいしいそうです(18)。福島県は福島産農産物は
「 安全な農林水産物を提供するため、福島県がモニタリング検査を実施するほか、産地においても、米の全量全袋検査など自主検査を実施しています。」
と主張しています(19)。でも、お隣の塙町のスーパーのチラシは福島産ニラで作った餃子はありません。
他県産はあっても福島産ニラで作った餃子が無い福島県塙町のスーパーのチラシ
 ※(20)を引用
 図―10 福島産ニラで作った餃子が無い福島県塙町のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県塙町の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
 

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)矢祭町 - Wikipedia
(2)トップページ | 矢祭町公式ホームページ
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(5)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(6)矢祭町合併60周年祝う 名誉町民、功労者たたえる | 県内ニュース | 福島民報
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (KMZ, CSV)」
(8)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(9)出生率が高水準、福島・矢祭 独自の子育て支援、婚活支援も力:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(10)福島県の推計人口(平成29年1月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(11)平成27年度学校基本調査(全文) - 福島県ホームページ中の「卒業後の状況調査(高等学校) [Excelファイル/152KB] 」
(12)結婚が早い都道府県ランキング 1位は男女ともに「福島県」 - ライブドアニュース
(13)県立自然公園矢祭山 | 矢祭町公式ホームページ
(14)滝川渓谷 | 矢祭町公式ホームページ
(15)福島県観光ホームページ 統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(16)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(17)冬 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(18)みりょく満点ブランド|JA東西しらかわ
(19)水・食品等の放射性物質検査 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(20)グディング/塙店のチラシと店舗情報|シュフー Shufoo! チラシ検索
  1. 2017/01/29(日) 19:46:11|
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トラブルいっぱい福島原発(1月4週)―3号機の核燃料プールからの使用済み核燃料取り出しは「半年」遅れ―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、1月4週(1月22日から28日)もしっかりトラブルが起こっています。
 ①汚染水ポンプ室で雨漏り
 ②福島第一2号機の変圧器から油漏れ
 ③二号機の格納容器内部観察は2日遅れ
 ④凍土壁の効果は限定的
 ⑤設計寿命を過ぎた汚染水タンクを使っています。
 ⑥3号機の核燃料プールからの使用済み核燃料取り出しは「半年」遅れ

福島第一トラブルマップ(1月4週)
 ※位置は(3)等のよる。
 図―1 福島第一トラブルマップ(1月4週)

1.汚染水ポンプ室で雨漏り
 福島第一では20日、31日と雨が降りました。降水量は
  1月20日 19mm
  1月21日  4mm
  1月22日  0mm
です(4)。
 1月22日午前8時46分頃、福島第一原子力発電所構内G4タンクエリア付近にあるポンプ室で、数カ所の水溜まりが見つかりました。水溜まり近くの汚染水配管からの漏れがく、水溜まりの水をふき取って測定したても特に高い放射量ではなかったので、ケーブル貫通部等から雨水が浸入してでいきた水溜りと東京電力は判断したそうです(5)。福島第一の汚染水ポンプ室で雨漏りが起きたようです。

2.福島第一2号機の変圧器から油漏れ
 1月26日午前6時15分頃、2号機主変圧器の絶縁油が漏れ取り付けてあるビニール袋に溜まっているのが見つかりました。油は約3~5平方メートルに広がり、漏れた量は約10リットルとのこです。消防に通報したそうです(6)。

3.2号機格納容器の観察は2日以上の遅れ
 福島第一2号機では格納容器に横に空いてる孔(ペネ)からカメラを入れれて内部を観察する計画がなされています(7)。1月23日の会見(8)では、資料を作り翌日(1月24日)から内部の観察を始める(9)と大々的に喧伝しました。ところが寒さで周りのゴムが固くなり「穴」に引っかかり、内部監察用の装置が入らなくなりました(10)。そこで慌てて、「穴」の温める設備を設置して、1月26日に2日遅れの実施となりました(11)。
急きょつくられた穴を温める設備
 ※(12)を引用
 図―2 急遽設置された「穴」を温める設備

 この装置の設置で下請けさんは余計な被ばくをしたと思います。
 以下に内部の様子を示しします。
撮影装置の直ぐ側の映像
 ※(13)を引用
 図―3 撮影装置の直ぐ側の映像

 図に示す通り、装置の近くはそれなりに見えています。以下に2m先を撮影した映像を示します。
2m先が見えない福島第一2号機格納容器内
 ※(13)を引用
 図―4 撮影装置から約2mの映像

 図に示す通り2m先は良く見えません。今後、観測を強化しても(7)、それ程には広い範囲は見えず限定的な調査になりそうです。そして被覆が溶け落ちたケーブルが撮影されました。
格納容器内の被服が溶け落ちたケーブル
 ※(13)を引用
 図―5 2号機格納容器内で見つかった被覆が溶け落ちたケーブル

爆発しなかった2号機(14)ですらこのありさまですから、3号機はもっと酷い気がします。視界は2mも無いので今後に自走式のロボットを入れる計画ですが(7)、見える範囲は限定的で溶け落ちたであろう核燃料(デブリ)の様子などは分からないと思います。

4.凍土壁の効果は限定的
 凍土壁は福島第一のタービンや原子炉建屋の回りを氷の壁で囲い地下水の流れを阻止し、汚染水の増加を抑止しようとするものです(15)。その第一段階として3月31日より海側の凍土壁の凍結を開始しています(16)。現在、海洋への汚染水流出を抑える為にタービン建屋の海側に海側遮水壁等の「壁」を作り海への汚染水の流れを阻止する試みがなされています。
凍土壁・海側遮水壁・サブドレンピット・地下水ドレンピット
 ※(15)を転載
 図―6 サブドレン、凍土壁、地下水ドレン、海側遮水壁

 これについて東京電力は1月26日の会見で(15)で、以下の図を発表しました。
凍土壁の効果を主張する東京電力
 ※(3)を引用・加筆
 図―7 「凍土壁」は効果があったとする東京電力

 図に示す通り、昨年(2016年)1月の海岸部からの汲み上げ量は1日当たり363トンだったものが、今年(2017年)1月には1日当たり138トンまで減ったので「効果」があったと説明しました。でもこの図をよく見ると、2月から10月が抜けています。以下に2月から10月も入れた図を示します。
昨年8月に大幅に増えた福島第一海岸からの地下水くみ上げ量
 ※(18)より作成
 図―8 福島第一の海岸部からの汲み上げ量

 図に示す通り昨年8,9月に大幅に増えていますが、図―7では隠されています。以下に福島第一の月平均の降水量をしめします。
8,9月に多かった昨年の福島第一降水量
 ※1(19)を集計
 ※2 2017年1月は26日まで
 図―9 福島第一の降水量

 図に示す通り8,9月の降水量が多くなっています。その後に雨が降らなくり、減っています。昨年1月と今年1月を比較して海岸部からの汲みあげ量は減っていますが、降水量も減っています。
 2016年1月 1日当たり2.9mm
 2017年1月 1日当たり1.8mm
で4割近く減っています。結局は梅雨や秋の台風シーズンなどの雨の多い時期を経ないと評価はできません。
 凍土壁は図―6に示すように海側だけでなく山側もあります。こちらは全ての凍結が始まっていません(18)。1月27日に原子力規制員会第50回特定原子力施設監視・評価検討会が開かれ、この中で山側の凍土壁の完全凍結が審議されました(17)。中継映像(20)をみていると原子力規制委の見解は、海側凍土壁によって当初は海側からの汚染地下水の汲み上げ量が当初の目論みでは1日当たり70トンだったのが140トンにしか減っていない事に触れ、凍土壁の効果は限定的で山側を完全凍結しても安全上の問題は生じないので、全面凍結を認めるようです。

5.設計寿命を過ぎた汚染水タンクを使っています。
 福島第一のタービン建屋から汲み上げた汚染水は汚染水タンクに貯められています。汚染水タンクにはフランジ型と溶接型があります(21)(22)。フランジ型のタンクは寿命が5年とも言われていますので(23)、事故から5年以上経て、寿命を迎えています。東京電力はフランジ型タンクを解体し溶接型タンクに置き換えるリプレース工事をすると発表しています(21)。
 原子力規制員会第50回特定原子力施設監視・評価検討会(17)で、古いフランジ型タンクの使用状況が明らかになりまいた。2011年8月と11月から使われている図―1に示すH9とH9西エリアにあるRO処理水タンクは今も使われてうなす(24)。寿命を5ヶ月超えた汚染水タンクが福島第一では使われています。
今も使われている古びた汚染水タンク
 ※ Google Mapで作成
 図―10  寿命を過ぎても使われ続けるH9、H9西の汚染水タンク

6.3号機の核燃料プールからの使用済み核燃料取り出しは「半年」遅れ
 福島第一原発1~3号機には溶け落ちた原子炉内にあった核燃料の他に使用済み核燃料プールに合計で1,573本の核燃料があります(25)。事故から6年近く放置されています。このうち3号機燃料については、ほぼ1年後の2018年3月までには核燃料プールの取り出しをする計画でした(26)。東京電力はこれを2018年10月以降になると発表しました(27)。2011年12月に策定された最初の廃炉計画では2015年3月までのは取り出しを開始する計画でした(28)ので、3年半遅れです。
 福島第一の廃炉工程は示されていますが期限が近付くと見直され、先延ばしされるようです。4年後の2021年には溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しを始めるとしていますが(26)、期限が近付けば先延ばしになりそうです。30年~40年で廃炉を完了するとしていますが(26)、これも怪しいと思います。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 トラブル続きの福島第一原発では福島の皆様は心配だと思います。
 福島県はイチゴ栽培が盛んだそうです(29)。福島県郡山市でもイチゴ狩りが楽しめます。郡山市のイチゴは美味しいようです(30)。福島県郡山市はイチゴの季節です。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(31)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(32)を引用
 図―11 福島産イチゴが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月3週)―汚染水タンク増設できず―
(2)中長期ロードマップ|東京電力
(3)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2017年1月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第38回事務局会議)⇒【資料2】中長期ロードマップの進捗状況(概要版)(8.63MB)
(4)2017年1月26日福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて(PDF 325KB)
(5)2017年01月22日福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(6)2017年01月26日 福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
(7)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2017年1月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第38回事務局会議)⇒【資料3-3】燃料デブリ取り出し準備(2.81MB)
(8)2017/1/23(月) 原子力定例記者会見
(9)2017年1月23日2号機原子炉格納容器内部調査(A2調査)計画について(PDF 1.49MB
(10)"2017年1月25日2号機格納容器内部調査作業中断に関する原因と対策(PDF 508KB)
(11)2017年1月26日2号機原子炉格納容器内部調査における格納容器貫通部(X-6ペネトレーション)内の事前調査の実施結果について(PDF 2.51MB)
(12)東京電力ホールディングス 写真・動画集| 福島第一原子力発電所2号機格納容器内部調査作業中断に関する原因と対策
(13)東京電力ホールディングス 写真・動画集| 2号機原子炉格納容器内部調査における格納容器貫通部(X-6ペネトレーション)内の事前調査の実施結果について
(13)めげ猫「タマ」の日記 凍土壁が失敗した訳
(14)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(15)2016年3月31日 福島第一原子力発電所 陸側遮水壁の凍結運転開始についてPDF
(16)2017/1/26(木) 中長期ロードマップ進捗状況について
(17)第50回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(18)(16)中の「資料2:地下水流入対策の現状[東京電力]【PDF:3MB】
(19)報道配布資料|東京電力中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(20)第50回特定原子力施設監視・評価検討会(平成29年01月27日) NRAJapan
(21)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2016年10月27日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第35回事務局会議)⇒【資料3-1】汚染水対策(22.7MB)
(22)原子炉の安定化|東京電力
(23)タンク耐用年数、根拠なし 第一原発 | 東日本大震災 | 福島民報
(24)資料5:フランジ型タンク内のSr処理水に関するリスク低減対策について[東京電力]【PDF:1MB】
(25)福島第一・第二原子力発電所の燃料貯蔵量 - 福島県ホームページ
(26)(2)中の「2015年6月12日(廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議第2回)⇒(資料1)中長期ロードマップ改訂案について(133KB)PDF
(27)(2)中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2017年1月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第38回事務局会議)⇒【資料3-2】使用済燃料プール対策(13.5MB)
(28)東京電力福島第一原子力発電所1〜4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ|TEPCOニュース|東京電力
(29)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(30)郡山いちご園 |福島県郡山市日和田町 いちご狩り
(31)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(32)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2017/01/28(土) 19:42:07|
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若い女性が逃げて行く2016年の福島

 事故から6年目にあたる2016年の福島県の20代前半の社会増減を集計すると
  男性   △891人減
  女性 △1,901人減
で、多くの若い女性が福島を去っています。
 福島は原発事故によって酷く汚染されました。
事故から6年近く経って、汚染されたままの福島
 ※1(1)の数値データを元に(2)に示す手法で10月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(3)による
 図-1 原発事故6年目も汚染されたままの福島

図に示す通り広い範囲で国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルト(4)を超えています。事故から6年近くが過ぎましたが福島は汚染されたままです。若い皆様の反応が気になります。
 以下に2016年通年(1-12月)の福島県の社会的増減を示します。
20代前半女性の社会減が顕著な福島
 ※(5)を集計
 図―2 2016年の福島県の社会的増減

図に示す通り10代後半と20代前半で社会減(転出者が転入者を上回る事)が多くなっています。2016年の福島の15歳から24歳の社会減を合計すると4,539人になります。新たに成人に達した人口(平成29年1月1日現在20歳の人口)は、推計で14,500人です(6)。15歳から24歳の社会減の人数はこの3割を超えます。20歳前後は就職や大学進学といった新たな一歩を踏み出す時期です。福島の方には福島から踏み出すか、福島を出るか選択を迫られる時でもあります。そして3割を超える方が福島県外からのスタートを決断したようです。
 図-2に示すように福島の社会減は20代前半、特に女性に顕著です。以下に20代前半の各年の社会的増減の推移を示します。
20代前半女性の脱出が増えている福島
※(5)を集計
 図-3 20代前半のの社会的増減

 図に示すように20代前半女性の社会減が事故後の6年間、男性の社会減を大きく超えています。改善されるどころか5年目と6年目を比べると悪化しています。20代前半の社会減を見ると
 2015年 △1,697人
 2016年 △1,901人
で約12%増えています。若い女性の福島から脱出は収まるどころか逆に増えています。
 以下に2013年の福島でのお母さんの年齢別(5歳階級)別にみた出生数を示します。
25-34歳が出産のピークの福島
 ※(7)より作成
 図―4 福島でのお母さんの年齢別(5歳階級)別にみた出生数

 図に示す通り20代後半から30代前半がピークです。このような状態が6年も続くと、25歳から34歳の女性の数にも影響してきます。以下に福島県の25歳~34歳の女性人口の推移を示します。
25~34歳の女性人口が減り続ける福島
 ※(5)を集計
 図―5 福島県の25歳~34歳の女性人口

 図に示す様に事故後は減り続けています。
  事故直前の2011年3月 108,121人
  近々の2017年1月    86,066人
で2割以上減っています。当然、子供は生まれなくなります。以下に各年の赤ちゃん誕生数を示します。
減少に転じた福島の赤ちゃん誕生数
 ※(5)を集計
 図―6 福島県の赤ちゃん誕生数

 図に示す様に減り続けています。赤ちゃん誕生数は
 2010年 16,169人
 2014年 14,561人
 2015年 14,325人
 2016年 13,753人
で、2016年は事故前に対し14.7%減、前年(2015年)に対し4.0%減です。2015年の赤ちゃん誕生数は前年に対し1.6%減でしたので減少は加速しています。
 女性の大量脱出は別の問題起こします。福島の平均初婚年齢は30歳程度です(8)。20代後半がパートナーを見つける時期です。以下に20代後半女性100人にたいする男性の人数(性比(9))を示します。
20代後半の性比の上昇が続く福島
 ※(5)を集計
 図―7 20代後半女性100人にたいする男性の人数(性比)

 一般に女の子に比べ男の子は少し多く生まれます。概ね女の子100人対し男の子は105人です(10)。事故直後は105で、生まれた時と同じ割合でしたがその後はどんどん上昇しています。これからも上昇すると思います。福島に残った男性がパトーナーを探す時期になると相手になるべき女性は福島にはいません。無論、福島以外から来ていただくのは無理です(11)。
 福島では若い女性の脱出が続き、子供が生まれなくなっり男性はパトーナーが見つけられない事態が進行してます。もうすぐバレンタイン、義理チョコしか貰えない福島の男性がふえそうです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です(12)。
福島第一視察後の感想を話す福島の高校生
 ※(13)を引用
 図―8 福島第一原発を見にいった福島の綺麗な女性
 
 新天地でも歓迎されます。
 福島に残った女性も安心してるとは思えません。福島から出て行きたくと仕事や家族の関係で福島に残らざるを得ない方も多いと思います。(=^・^=)の街のスーパーに出かけると男性に比べ女性が多くなっています。福島でも同じだと思います。
 福島もイチゴ栽培が盛んだそうです(14)。福島県いわき市ではイチゴ狩りが楽しめます。同市のイチゴは甘くてジューシーだそうです(15)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(16)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(16)を引用
 図―9 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(2)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(3)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(4)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(5)福島県の推計人口(平成29年1月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(6)福島県の「酉(とり)年生まれ」と「新成人」の人口~平成29年 新年にちなんで~ - 福島県ホームページ
(7)保健・医療・福祉の統計調査 - 福島県ホームページ中の「人口動態調査⇒
福島県版概況
(8)都道府県ランキング! 結婚・出産の年齢、そして生涯未婚率 | 結婚し隊
(9)性比 - Wikipedia
(10)出生性比
(11)東京新聞:福島の男性 厳しい婚活 県外お見合い ほぼ門前払い:福島原発事故(TOKYO Web)
(12)秋田美人 - Wikipedia
(13)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘放送。福島第一の凍土壁で海岸からの汲み上げ量は100トンに減、実は倍
(14)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(15)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2016-2017 | いわき市 観光情報サイト
(16)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(17)店舗情報 | マルト - 店舗情報
  1. 2017/01/27(金) 19:48:59|
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2016年の葬式が10%増えた果物作り盛んな福島盆地(対2010年)、相馬は別

 福島はくだもの王国を自称していますが(1)、福島全域で採れる訳ではありません。概ね福島盆地と呼ばれる内陸北部の狭い地域に集中しています(2)。福島盆地は避難地域に隣接し避難地域を除けば、汚染が酷い場所です。福島産果物を食べて良いか迷ったので、福島盆地の葬式(死者)数を数えてみたら
 2010年(事故1年前)3,929人
 2016年(事故6年目)4,316人
でした。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.002%なので、偶然とは言えません。同じく避難地域に接している飯舘村を除く相馬地方では  
 2010年(事故1年前)1,407人
 2016年(事故6年目)1,398人
で、少し減っていますが統計的な差はありません。
 福島はくだもの王国を自称していますが(1)、福島県全域でくだものが採れるわけではなさそうでです(2)。福島県は福島を代表する11種の農産物を列挙していますが、その中でモモとナシが入っています。産地を見ると共に福島市、伊達市、伊達郡になっています。福島盆地は福島市、伊達市、伊達郡桑折町、伊達郡国見町からなるので(4)、福島盆地の範囲と一致しています。以下に福島のモモの生産量を示します。 
福島市、伊達市、桑折町、国見町で大部分を占める福島のモモの生産
 ※(5)を集計
 図―1 福島県の桃の市町村別生産量

 福島盆地を構成する福島市、伊達市、桑折町、国見町で大部分を生産しています。福島のモモ等の果物は福島盆地で作られています。
 以下に福島盆地の範囲を示します。
 事故から6年近くたっても汚染されたままの福島盆地
※1(6)のデータを元に(7)に示す方法で1月1日に換算
 ※2 避難地域は(8)による。
 ※2 福島盆地の範囲は(4)、相馬地方の範囲は(9)による。
 図―2 本記事に取り扱う地域

 図に示す通り国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(10)地域が広がっています。福島のモモは事故後6年連続でセシウム入りです。
事故後6年連続でセシウムが見つかる福島産モモ
 ※1(11)を転載
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは厚生労働省発表日
 図―3 福島産モモの検査結果

 図に示す通り6年連続でセシウム入りです。
 以下に福島盆地の農水産業の生産額を示します。
事後もそれ程には減っていない福島盆地の農水産業生産額
 ※(12)を集計
 図―4 福島盆地の農水産業生産額

 「風評被害」が叫ばれていますが(13)、それ程には減っていません。汚染された福島盆地ではセシウム入り農水産物の生産が確り行われています。福島盆地の皆様の健康が心配です。以下に福島盆地の葬式(死者)数を示します。
事故後に葬式が増えた福島盆地
 ※1(14)を通年(1~12月)で集計
 ※2 震災犠牲者は(15)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―5 福島盆地の各年(通年)の葬式(死者)数

 図に示す福島盆地の葬式(死者)数を数えてみたら
 2010年(事故1年前)3,929人
 2016年(事故6年目)4,316人
で10%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.002%なので、偶然とは言えません。以下に偶然に起こる確率の計算結果をしめします。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(16)による。
有意差検定表(福島盆地)

 避難地域を挟んだ反対側に図―2に示すように福島県相馬地方があります。現在も全村避難が続く福島県飯舘村(8)を除く福島県相馬地方の農業生産額を示します。
事故後に激減した福島県相馬地方の農水産業生産額
 ※1(12)を集計
 ※2 全村避難の飯舘村(8)を除く
 図―6 福島県相馬地方(飯舘村を除く)の農水業生産額

 図に示す通り事故以降に大幅に農水産業の生産額を減らしています。ここの特産品にはモモはありません(17)。以下に相馬地方の葬式(死者)数を示します。
震災を除けば葬式が増えていない相馬地方
 ※1(14)を通年(1~12月)で集計
 ※2 震災犠牲者は(15)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 ※3 飯舘村を除く
 図―7 飯舘村を除く相馬地方の葬式(死者)数

 図に示す通り飯舘村を除く相馬地方では  
 2010年(事故1年前)1,407人
 2016年(事故6年目)1,398人
で、少し減っていますが統計的な差はありません。
 同じ福島でもくだもの作りが盛んで農水産業の生産額がそれ程には減っていない汚染された福島盆地では葬式(死者)数は増えていますが、くだもの作りが盛んでなく農水産業の生産を大幅に減らした相馬地方(飯舘村を除く)では葬式(死者数)は増えていません。
 もう一つ気になるデータがあります。以下に福島産米の全数・全袋検査数を示します。
郡山市がトップの福島産米全数全袋検査数
 ※(18)を集計
 図―8 福島県産米全数・全袋検査数

 図に示す通り福島県郡山市の全数全袋検査数は約131万件で福島県トップです。お隣の三春町と合わせると約137件に達します。この辺りは福島県最大のお米の産地です。一方で図―2に示す様に、除染がひつような地域が広がっています。
 以下に福島県のひらた中央病院のHP(18)に掲載されている福島産を避けていますかとのアンケート調査結果の集計を示します。図-1に示すように、三春町と郡山市、相馬と南相馬市は隣接しているので3グループ(郡山市と三春町、いわき市、相馬と南相馬市)に分けで集計してみました。以下に結果を示します。
表―2 「福島産を避けていますか?」のアンケート結果
 ※1 ①~④は(18)を転載
 ※2 ⑤は⑤=①-②-③+④で計算
 ※3 ⑥は⑥=⑤÷⑥×100で計算(福島産野菜も米も許容している人の割合)
福島産を許容する割合

 福島県郡山市やお隣の三春町は福島を代表するお米の産地であり、福島産を避けていないようです。以下に葬式(死者)数の2010年と16年(通年)の比較を示します。

 表―3 各市や町の各年の死者数
 ※(14)を通年で集計
表・郡山・三春で増えて相馬・南相馬で増えていない葬式


表―3に示す通り郡山市・三春町は福島産野菜と米を共に許容する割合が7割近くになっています。死者数を見ると 
 2010年(事故1年前)3,140人
 2016年(事故6年目)3,499人
で約10%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.01%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果をしめします。

 表―4 偶然に起こる確率の計算結果(郡山・三春)
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(16)による。
有意差検定表(郡山・三春)
 
一方で、相馬・南相馬市は福島産野菜と米を共に許容する割合が1割以下です。死者数を見ると 
 2010年(事故1年前)1,300人
 2016年(事故6年目)1,273人
で少し減っていますが、統計的な差はありません。
 福島産を許容している郡山市・三春町では葬式(死者数)が増えていますが、許容していない相馬・南相馬市では増えていません。これは明確な事実です。
いわき市も含め死者数(葬式)の増加率と福島産米を避ける割合から以下のグラフができました。
福島産を許容する所で増える福島の葬式
 ※表ー1,2の値より作成
 図-9 福島産を許容する割合と死者数(葬式)の増加率

 図に示す通り福島産を許容する割合が多いほど、葬式も増えています。
 (=^・^=)の福島産に対する理解は
 ①くだもの作りが盛んで農水産業の生産額がそれ程には減っていない汚染された福島盆地では葬式(死者)数は増えていますが、くだもの作りが盛んでなく農水産業の生産を大幅に減らした相馬地方(飯舘村を除く)では葬式(死者数)は増えいない。
 ②お米作りが盛んで汚染されているのに福島産を許容する郡山市・三春町では葬式が増えているが、お米作りが盛んでなく福島産を許容しない相馬市・南相馬市では葬式(死者数)は増えていないです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 これに対する福島県の主張は福島産は確り検査されており「安全」だと思います(19)。でも(=^・^=)は福島の検査結果に疑念を持っています。以下に福島産キノコの検査結果を示します。
県外検査に比べ大幅に低い福島県の福島産キノコの検査結果
 ※1(11)を転載
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは収穫日または購入日
 ※4 福島県内で販売を含む
 ※5 県外は「国立医薬品食品衛生研究所」が検査
 図―10 キノコ(栽培を除く)の検査結果

 図に示す様に大きく違います。平均を取ると1キログラム当たりで
  県外(国立医薬品食品衛生研究所) 90ベクレル
  福島県 7ベクレル
で10倍以上も違います。
 以下にスズキの検査結果を示します。
 宮城・茨城・千葉産からは見つかっても福島産からはセシウムが見つからないスズキの検査結果
 ※1(20)を転載
 ※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
 ※3 日付けは捕獲日
 ※4 淡水は除く
 図―11 スズキの検査結果

 図に示す様に宮城、茨城、千葉産スズキからセシウムが見つかっているのに、福島産は42件全数で検出限界未満(ND)です。汚染源がある福島産が低く出るなどおかしな話です。厚生労働省の発表(21)をみると福島産を検査しているのは福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(22)です。中立性に疑問があります。
 だいたい福島県がちゃんと検査してるかも怪しいと思います。福島県須賀川市は福島のキュウリの大産地です。露地栽培が中心です。ところが厚生労働省の発表(21)見ると同市産のキュウリの検査は全て施設栽培もので行われ、露地栽培が1件もありません。事実上、無検査のまま出荷されています。
 福島県知事が大相撲初場所の優勝力士に福島産イチゴなどの目録を送ったそうです(23)。福島はイチゴの季節です。福島県福島市では今、イチゴ狩りが楽しめます(24)。以下に今シーズンのイチゴの検査状況を示します。
福島市産が検査されていない福島のイチゴ
 ※(25)にて作成
 図―12 2016-17シーズンの福島県のイチゴの検査状況

 福島市の検査結果がありません。ここは図―2に示す様に汚染が広がり、図―5に示す様に葬式が増えている福島盆地に属する市です。検査結果ないのに福島県は福島産イチゴは検査で「安全」が確認されたと喧伝しています(26)。
 福島県は昨年の10から11月にかけて福島産米は全数・全袋検査実施されているので「安全」とのテレビCMを流していました(27)。この検査は福島原発事故後に導入された簡易検査であり、精度を担保するには従来の検査との比較が必要ですが、そのようなデータが発表された形跡がありません。それどこか極めて制度の低い検査でおよそ基準値超えを確実に見つけること等はできない検査であると考えられます(28)。
 福島産は安全であるろうが無かろうが「安全」され出荷されるような気がします(29)。
 福島の皆様がどう考えているか興味があります。福島県相馬市でもイチゴ狩りがはじまりした(30)。同市のイチゴは甘くて美味しいようです(31)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(26)。でも、福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
 ※(32)を引用
 図―13 福島産イチゴが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県相馬市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県くだもの消費拡大委員会ホームページ
(2)[PDF]くだものづくりがさかんな福島盆地
(3)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(4)福島盆地 - Wikipedia
(5)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「10 果樹 ⇒福島県⇒Excel」
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(8)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)相馬地方とは | 相馬広域観光案内
(10)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(11)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2016年)―デタラメな検査で安全とされる福島産―
(12)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(13)福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ
(14)福島県の推計人口(平成29年1月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(15)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(16)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(17)特産品情報 | 地区別くらし情報 そうま地区 | JAふくしま未来
(18)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(19)農林水産物 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ
(20)報道発表資料 |厚生労働省
(21)農林水産部 - 福島県ホームページ
(22)福島県 すかがわ岩瀬農業協同組合 (きゅうり)~「パリッと新鮮でおいしい 岩瀬きゅうり」~ 月報 野菜情報-産地紹介-2010年9月
(23)稀勢の里に赤べこトロフィー贈る 内堀知事、県産米や野菜なども | 県内ニュース | 福島民報
(24)福島 いちご狩り特集 | 一般社団法人 福島市観光コンベンション協会公式ページ こらんしょふくしま
(25)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「イチゴ、イチゴ(施設)」で1月26日に検索
(26)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(27)TVCM ふくしまプライド。 安全安心「お米」篇 | ふくしま 新発売。
(28)めげ猫「タマ」の日記 福島産米全数・全袋検査の測定誤差は75ベクレル以上
(29)めげ猫「タマ」の日記 福島・あんぽ柿って安全?
(30)TOP | 和田観光苺組合
(31)『ハウス栽培された”イチゴ30分間食べ放題(1,400円)”にトライしてみました!』by トテチータ : 和田観光苺組合 - 相馬/その他 [食べログ]
(32)Webチラシ情報 | フレスコキクチ中の「相馬店」
  1. 2017/01/26(木) 19:43:37|
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2016年も女の子が特異的に生まれる避難指示解除の葛尾村

 2016年12月中の福島県の人口動態が発表になりました(1)。昨年6月に避難指示が解除された福島県葛尾村(2)の2016年中の赤ちゃん出生数を集計したら
 男の子 3人
 女の子 9人
で女の子が多くなっています。これでは数が少ないので、福島第一原発事故以降に懐妊したであろう赤ちゃんが生まれる2012年以降を集計すると
 男の子 15人
 女の子 40人
で、圧倒的に女の子が多くなっています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.1%なので偶然と言うには無理があります。通常は男の子が多く生まれるので(3)異常な事態です。
 妊娠期間は概ね280日と言われています(4)。2011年3月11日の280日後は2012年12月16日なので、福島第一原発事故以降に懐妊した赤ちゃんが生まれるのは概ね2012年以降です。2012年に福島では出生に関して異常な数値が出ています。
 合計特殊出生率は一人の女性が一生に産む子供の平均数です(5)。以下に2008年から12年の合計特殊出生率を示します。
2012 年に大きく落ち込んだ福島の合計特殊出生率
 ※(6)を転載
 図―1 被災3県と全国の合計特殊出生率

 図に示すように福島だけで低下しています。同じく震災で被災した岩手・宮城は逆に上昇しているので、震災によるものでなく福島独特の要因です。
 以下に福島と全国の自然死産率を示します。
2012年に上昇した福島の自然死産率
 ※(7)を転載
 図―2 福島と全国の自然死産率

(=^・^=)にはもう一つ気になる数字があります。福島原発事故直後には二つの避難区域が設定されました。福島第一原発から20km圏内の警戒区域と、その後に放射線量が高い事が判明し避難区域となった計画的避難区域です(8)。以下に範囲を示します。
汚染されたままの福島県葛尾村
 ※1 (9)のデータを(10)に示す手法で1月1日に換算
 ※2 避難区域は(8)による
 図-3 計画的避難区域

 事故前の葛尾村の人口は約1,500人ですが(11)、肉用牛3548頭(12)と人口を大きく超える肉用牛が飼育されており、計画的避難区域からは避難指示後に避難区域から移動ようです(13)。村民の中には牛の移動や、移動までの世話の為に避難指示発令後もいたようです。避難してもそれなりに放射能にさらされた方もいたと思います。
 以下に葛尾村の赤ちゃん誕生数を示します。
2012年以降に女の子が多く生まれるようななった葛尾村
 ※(1)を集計
 図―4 葛尾村の赤ちゃん誕生数

 福島第一原発事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012年以降には女の子が多く生まれるようになりました。事故6年目の2016年も
 男の子 3人
 女の子 9人
と女の子が多く生まれています。2012年以降に生まれた赤ちゃんを合計すると
 男の子 15人
 女の子 40人
で、圧倒的に女の子が多くなっています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.1%なので偶然と言うには無理があります。通常は男の子が多く生まれるので(3)異常な事態です。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(14)による。
 有意差検定表(葛尾村)

 図―3に示す様に飯舘村は全域が計画的避難区域です。飯舘村の避難がほぼ完了したのは事故から3ヶ月先の2011年6月22日です(15)。こちらは逃げ遅れた村です。以下に赤ちゃん誕生数を示します。
事故後に女の子が多く生まれるようになった飯舘村
 ※(1)を集計
 図―5 飯舘村の赤ちゃん誕生数

 図に示す通りこちらも2012年以降、女の子が多く生まれています。2012年以降を集計すると
 男の子 117人
 女の子 154人
です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら2.5%でした。通常は5%以下は統計的な差(有意差)があるとされます(16)。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(14)による。
 有意差検定表(飯舘村)


福島第一原発事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれる2012年には福島では
 ①合計特殊出生率の低下
 ②自然死産の増加
 ③計画的避難区域で女の子が多く生まれる
との現象が起こっています。福島とう特定地域に同じ2012年に!共通の要因が働いたと見るのが自然です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 男の子でも女の子で生まれて来れば良いと考える方が多いと思います。まして福島県の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。
福島の綺麗な女性
 ※(17)を転載
 図―6 福島県葛尾村の綺麗な女性

 でも喜んでばかりはいられないようです。福島県県民健康管理調査によれば、48.1%の方が放射線は「次世代への(遺伝的)影響の可能性が高い」と回答しています(18)。 福島では遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマスが見つかりました(19)。
 福島県の県放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇氏は福島県の地方紙の福島民報に、広島や長崎の二世調査の結果から
 「次世代への影響は考えにくいと思われます。」
と寄稿しています(20)。でも遺伝には孫の世代で見える「隔世遺伝」があります(21)。このような遺伝は「二世調査」では分かりません。
 放射性影響研究所は広島や長崎の原爆投下で遺伝的な影響が生じていない根拠として
  ①赤ちゃんの男女比に異常が起きていない。
  ②自然死産の増加が認められない
ことを上げています(22)。どちらも福島では異常が認められることは本文に記載の通りです。
 福島の皆様の遺伝的影響を心配する声(18)に答えるためでしょうか?福島で遺伝子の異常の有無を調べる福島ゲノム計画が2012年提唱されました。計画でな2013年度から調査を開始し、来年度(2017年度)に終える計画でした(23)。計画が提唱されて4年になりますが、進められているようなニュースを(=^・^=)は知りません。いつの間にかうやむやになった感じです。福島でが怪しげな物は「調査」されません。これでは福島の皆様は不安だと思います。
  福島県は1月22日、大相撲初場所で初優勝した大関稀勢の里に、知事賞として福島産イチゴなどを贈ったそうです(24)。福島はイチゴの季節です。福島県伊達市は福島最大のイチゴの産地です(25)。同市産のイチゴはとても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのものだそうです(26)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(27)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(28)を引用
 図―7 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県の推計人口(平成29年1月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(2)葛尾村の避難指示解除について - 葛尾村ホームページ
(3)出生性比
(4)十月十日(とつきとおか)妊娠週数の数え方・計算方法 [妊娠の基礎知識] All About
(5)合計特殊出生率 - Wikipedia
(6)めげ猫「タマ」の日記 福島県の合計特殊出生率がダウン―福島原発事故の影響、福島テレビ!―
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍
(8)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(11)葛尾村 - Wikipedia
(12)わが葛尾村の農業 -022/036page
(13)第3章 原発事故と避難 - 葛尾村
(14)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(15)飯舘村 - Wikipedia
(16)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(17)めげ猫「タマ」の日記 女の子しか生まれない10,11月の避難指示解除の福島県葛尾村
(18)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(19)めげ猫「タマ」の日記 福島に遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマス現る。
(20)放射線 放射性物質 Q&A これから生まれる子どもに被ばくの影響は | 東日本大震災 | 福島民報
(21)隔世遺伝 - Wikipedia
(22)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 - 放射線影響研究所
(23)(新)福島におけるゲノム解析による放射線遺伝影響調査(福島ゲノム調査)
(24)稀勢の里に赤べこトロフィー贈る 内堀知事、県産米や野菜なども | 県内ニュース | 福島民報
(25)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月3週)―福島でイチゴ狩りが始まる。検査結果はありません―
(26)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(28)リオン・ドール スーパーマーケット お得情報満載
  1. 2017/01/25(水) 19:44:11|
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月4週)―福島県楢葉町の原乳出荷再開、検査結果がありません―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。1月4中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかりセシウム入り汚染食品が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数741件中7件の基準超え(全体の1%)
  ②平均は、1キログラム当たり6.2ベクレル、最大2,200ベクレル(福島県産イノシシ)。
 事故から6年近く経って見つかり続けるセシウム汚染食品
  ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2017年1月4週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

今週のデータを解析すると以下の特徴が見えてきます。
 ①福島産スズキの検査結果は42件連続ND、宮城、茨城、千葉産からはセシウムが見つかっている。
 ②福島県楢葉町の原乳出荷再開、検査結果がありません。
 ③上昇を続ける福島県二本松市産イノシシのセシウム濃度
とても安心などできません。
  
1.福島産スズキの検査結果は42件連続ND、宮城、茨城、千葉産からはセシウムが見つかっている。
 先週の記事でスズキについて書きましたが、データが追加になったので以下に示します。
 宮城・茨城・千葉産からは見つかっても福島産からはセシウムが見つからないスズキの検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
 ※3 日付けは捕獲日
 ※4 淡水は除く
 図―2 スズキの検査結果

 図に示す様に宮城、茨城、千葉産スズキからセシウムが見つかっています。福島産は42件全数で検出限界未満(ND)です。
同じくサメについて書きましたが、データが追加になったので以下に示します。
宮城・静岡産から見つかっても福島産サメからはセシウムが見つからない検査結果
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
 ※3 日付けは捕獲日
 図―3 サメの検査結果

 図に示す通り宮城、静岡のサメはセシウム入りです。一方で福島産は22件全数で検出限界未満(ND)です。
 スズキにしてもサメにしても福島以外でセシウムが見つかるのに、汚染源のある福島で見つからいのは奇妙な話です。福島産農水産物の産地での検査は福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(7)が実施しています。中立性に疑問があります。
 福島産は他所より低い検査で「安全」され販売されます。

2.福島県楢葉町の原乳出荷再開、検査結果がありません。
 福島県楢葉町は概ね福島第一原発から20km圏内にある町で、福島原発事故によってほぼ全域が避難区域に指定されました。それでも安全とされ2015年9月に避難指示が解除されました(8)。同町では福島第一原発事故によって飛散したと思われる放射能に酷く汚染された物体が過去に7個見つかっています(9)。当然ながら氷山の一角で、見つからない物も多くあるはずです。こんなところで牧草が育ったら局所的に高濃度の汚染牧草ができる可能性もあると思います。
 それでも復興は進み今日(1月24日)から楢葉町産原乳の出荷が再開されます(10)。検査されているか心配です。福島県は毎週月曜日に原乳の検査を実施しています(2)。福島県の原乳の検査は乳業工場や中間の集積地であるクラーステーション(11)に集められた原乳を検査しています。但し各乳業工場やクラーステーションが何処の市町村の原乳を扱ったかを記載しています。昨日(1月23日月曜日)の検査結果をみたら「楢葉町」の記載がありません(12)。楢葉町産原乳は無検査のまま出荷されるようです。それでも福島県は福島産原乳は検査されていて「安全」が確認されたと主張しています(13)。
 福島産は検査されていなくても検査で「安全」が確認されたとされ出荷されます。

3.上昇を続ける福島県二本松市産イノシシのセシウム濃度
 福島県二本松市のスキー場で、今年から6年ぶりに埼玉県越谷市のスキー教室が再開されました(14)。以下に福島県二本松市産イノシシのセシウム濃度を示します。
昨シーズンに比べ汚染がひどくなった福島県二本松市産イノシシ
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからないと)を示す
 ※3 日付けは捕獲日
 図―4 福島県二本松市産イノシシの検査結果

 図に示す通り昨シーズンに比べセシウム汚染は酷くなっています。福島県二本松市の汚染は酷くなっているようです。スキー教室を再開して大丈夫ですかね?
 福島産はセシウム濃度が上昇する事があります。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・検査されていなくても検査で「安全」が確認されたとされる福島産
 ・セシウム濃度が上昇する事がある福島産
 福島県知事が大相撲初場所の優勝力士に福島産イチゴなどの目録を送ったそうです(15)。福島はイチゴの季節です。福島県会津若松市ではイチゴ狩りが楽しめます(16)。同市辺りのイチゴは身の詰まったしっかりした食感で、食べると果汁が溢れるそうです(17)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(13)。でも福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産イチゴがありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(18)を引用
 図―5 福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。



―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第1017報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月2週)―新年早々セシウム入り食品―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)農林水産部 - 福島県ホームページ
(8)楢葉町 - Wikipedia
(9)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月4週)―福島第一汚染水100万トン突破―
(10)旧避難区域の福島・楢葉町、原乳出荷24日再開  :日本経済新聞
(11)クーラーステーションとは - 酪農用語 Weblio辞書
(12)(2)中の「平成29年1月23日公表:原乳(H29.1.23採取分) [PDFファイル/126KB]
(13)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(14)6年ぶりスキー教室 埼玉・越谷の中学生 二本松のあだたら高原 | ホッとニュース | 福島民報
(15)稀勢の里に赤べこトロフィー贈る 内堀知事、県産米や野菜なども | 県内ニュース | 福島民報
(16)フルーツランド北会津
(17)いちご | JA会津よつば
(18)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ

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  1. 2017/01/24(火) 19:45:44|
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福島第一汚染水(1月4週)―事故から5年10ヶ月以上、汚染魚が見つかる福島第一港湾内―

 福島第一原発汚染水の1月4週(1月16日から22日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
 ①事故から5年10ヶ月以上、汚染魚が見つかる福島第一港湾内
 ②法令違反の汚染排水が海へ
 ③港湾内で突然に上昇したセシウム137濃度
 ④地下水バイパス山側井戸のトリチウムが上昇中
 ⑤サブドレン排水のトリチウム濃度が上昇
 
1.事故から5年10ヶ月以上、汚染魚が見つかる福島第一港湾内
 以下に福島第一の外洋の汚染状況を纏めます。
事故から6年近く経て、汚染魚や放射性物質が見つかる福島第一沖外洋
 ※1(4)(5)(6)(7)にて作成
 ※2 数値は1リットル当たりまたは1キログラム当たりのベクレル数
 ※3 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は12月5日
 ※4 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
 ※5 集計期間内の最大値
 図―1 福島第一原発の放射性物質濃度

 図に示す通り、事故から5年10ヶ月以上が過ぎましたが、福島第一起きの外洋からはストロンチウム90の放射性物質や汚染魚が見つかっています。以下に推移を示します。
基準を大幅に超えたヒラメが見つかる福島第一港湾内
 ※(9)を集計
 図―2 福島第一港湾内のヒラメのセシウム濃度

 図に示す通り、基準値の1キログラム当たり100ベクレル(10)を大きく超えたヒラメ見つかっていまいす。しかもピークは上昇している感じです。福島沖のヒラメ漁は昨年8月から再開しています(11)。移動して福島の漁師さんに捕まったりして!大丈夫ですかね?安倍出戻り内閣は操業海域を制限していません(12)。

2.法令違反の汚染排水が海へ
福島第一原発構内には幾つもの排水路が走っています(8)。以下に排水路の汚染状況をしめします。
違法な汚染排水が流れる福島第一排水路
 ※1(6)(13)を集計
 ※2 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
 ※3 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※4 赤丸()はサンプリング地点
 図-3 福島第一原発排水路の放射性物質濃度

 1リットル当たりでストロンチウム90の法定限度(告示限度)は30ベクレルです(3)。全ベータの半分はストロンチウム90なので(8)、法定限度は60ベクレルです。今週の測定では図に示すようにK排水路から法定限度を超えた法律違反の汚染排水が福島の海に流れています。以下にK排水路の推移を示します。
違法な汚染排水が度々流れる福島第一K排水路
 ※1(13)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからい事)を示す。
 図―4 K排水路の放射性物質濃度

 図に示すとおり2016年も、K排水路からは違法な汚染排水が度々見つかっています。事故から6年近くになりますが、排水路から福島の海へ汚染排水が流れ続けています。

3.港湾内で突然に上昇したセシウム137濃度
 以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
各所でストロンチウム90が見つかる福島第一港湾内
  ※1 (4)を集計
  ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3 集計期間内の最大値
  ※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は12月12日
 図―5 福島第一港湾内の放射性物質濃度

 図に示す通り多くの地点でストロンチウム90が見つかっています。この中で気になるのセシウム137の濃度です。以下に推移を示します。
WHOガイドラインを超えるようなセシウム137が度々見つかる福島第一港湾内
 ※1(4)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す。
 図―6 港湾内3地点のセシウム137濃度

 図に示す通り突然に上昇しWHOガイドラインの1リットル当たり10ベクレル(3)近くに到達しました。過去には頻繁に超えています。福島第一原発の港湾は汚染されたままです。やがて外洋に漏れ出し、福島の海を汚染し続けます。

4.地下水バイパス山側井戸のトリチウムが上昇中
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(14)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(15)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(16)。以下に放射性物質濃度を示します。
排水基準を超えた汚染地下水が見つかる地下水バイパスおよび山側井戸
 ※1 (15)(16)にて作成。
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―7 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
  全ベータ  5ベクレル
  トリチウム 1500ベクレル
ですので(3)、排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのがE-1井戸です。以下に推移を示します。 
トリチウムの上昇が続くE-1井戸
 ※(13)を集計
 図―8 E-1井戸の放射性物質濃度

 全ベータは上昇したと高止まりって感じです。トリチウムの上昇が続いています。この先が心配です。


5.サブドレン排水のトリチウム濃度が上昇
 サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(17)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始り(18)、13日より排水を開始しました(19)。以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。
 トリチウムが上昇したサブドレン排水
※(19)を集計
 図―9 サブドレン排水のトリチウム濃度

 図に示す通りこのところ上昇しています。福島の海をトリチウムで汚すことは間違いありません。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 事故から6年近く経っても、止まる気配がない福島第一の汚染水漏れ、福島の皆様は心配だと思います。
 福島県は1月22日、大相撲初場所で初優勝した大関稀勢の里に、知事賞として福島産イチゴなどを贈ったそうです(20)。
福島産を贈呈を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(21)を引用
 図―10 福島産イチゴ等の贈呈を報じる福島県の地方紙・福島民報

 福島はイチゴの季節です。福島県伊達市は福島最大のイチゴの産地です(22)。同市産のイチゴはとても甘くてちょっと酸っぱい、新鮮そのものだそうです(23)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(24)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(25)を引用
 図―11 福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(1月3週)―事故から5年10ヶ月以上、外洋から放射性物質―
(2)報道配布資料|東京電力
(3)サンプリングによる監視|東京電力
(4)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(5)(3)中の「1.海水(港湾外近傍)」
(6)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング」⇒「南放水口・排水路」
(7)2017年1月19日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>(PDF 91.3KB)
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)(2)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>」
(10)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(11)福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです中の「試験操業
(12)食品中の放射性物質の検査結果について(第1016報) |報道発表資料|厚生労働省中の「原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等(PDF:287KB)
(13)(2)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(15)(3)中の「H4エリア周辺観測孔」
(16)(2)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(17)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(18)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(19)(2)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(20)稀勢の里に赤べこトロフィー贈る 内堀知事、県産米や野菜なども | 県内ニュース | 福島民報
(21)福島民報を1月23日に閲覧
(22)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月3週)―福島でイチゴ狩りが始まる。検査結果はありません―
(23)伊達のいちご - 福島県伊達市ホームページ
(24)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(25)西友保原店 - 店舗詳細|SEIYU
  1. 2017/01/23(月) 19:47:45|
  2. -
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福島リンゴ価格差、事故後最大(10―12月、対全国平均)

 東京中央卸売市場の11月中の取引価格が発表になったとので(1)、10―12月の福島産リンゴの全国平均の価格差(福島産価格―全国平均価格)を見ると、1キログラム当たりで
 2011年 △112円安
 2014年  △89円安
 2015年 △109円安
 2016年 △120円安
で、2年連続で価格差が拡大し、事故のあった2011年よりも大きくなり、事故後最大です。これは消費者の福島産に対する正しい理解が進んだ結果であり、当然の事です。
 リンゴの出荷量は年間約66万トンでミカンについで2位で、モモの約11万トンのおよそ6倍です(2)。この時期になるとミカンかリンゴかま迷うかたも多いとおもいます。福島県の果物出荷量を見ると
 モモ   27,100トン
 リンゴ  23,500トン 
 日本ナシ 18,300トン 
で、モモに次ぎ第二位ですが(3)、出荷量はそれ程には変らず果樹王国の福島(4)、にとっては大事な果物です。価格が気になります。以下に福島産リンゴの東京中央卸売市場への月別の出荷量を示します。
11,12月がピークの福島のリンゴ出荷
 ※1(1)を集計
 ※2 2008年から16年の平均
 図―1 福島産リンゴの月平均の出荷量

図に示す通り10月から出荷が本格化し、12月まで続きます。そこで10―12月の東京卸売市場でのリンゴ価格を調べてみました。
事故後の全国平均に比べさらに安くなった福島産リンゴ
 ※(1)を集計
 図―2 10―12月のリンゴの取引価格(東京中央卸売市場)

 図に示す通り福島産リンゴは事故前から、全国平均に比べ安く取引されていましたが、事故後は価格差が拡大しますます安くなっています。以下に全国平均との価格差(福島産―全国平均)を示します。
事故後に拡大し続け最大となった福島産リンゴの全国平均に対する価格差
 ※1(1)を集計
 ※2 各年10-12月の東京中央卸売市場
 ※3(福島産価格―全国平均価格)で計算
 図―3 福島産リンゴの全国平均との価格差

 図に示す通り、福島産リンゴの価格差は事故後に拡大しています。特に2014年から2年連続で拡大し事故のあった2011年よりも大きくなり、事故後最大です。以下に1キログラム当たりの価格を示します。
 2011年 △112円安(福島産191円、全国平均303円)
 2014年  △89円安(福島産171円、全国平均260円)
 2015年 △109円安(福島産179円、全国平均288円)
 2016年 △120円安(福島産208円、全国平均328円)
これは消費者が福島産について正しく理解するようになった結果であり当然の事です。
 以下に福島産リンゴの生産量を示します。
 以下に福島産リンゴの生産量を示します。
福島・伊達市で半分上を占める福島のリンゴ生産
 ※(5)を集計
 図―4 福島産リンゴの市町村別の生産量

 図に示す通り1位の福島市、2位の伊達市で福島産リンゴの半分以上を生産しています。以下に位置を示します。
汚染された場所が広がる福島県福島市、伊達市、相馬地方
 ※1 (6)のデータを(7)に示す手法で1月1日に換算
 ※2 避難区域は(8)による
 ※3 相馬地方の範囲は(9)による。
 図-5 福島のリンゴ産地と相馬地方

 図に示し通り国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(10)地域が広がっています。福島産リンゴは汚染された地域で栽培されています。
 地元の農協の自主検査結果によると(11)
  2016年10月 検査736件中、1件でセシウム確認
  2016年11月 検査536件中 1件でセシウム確認
と、事故から6年近くが経過しましたが確りセシウム入りです。
 以下に福島のリンゴ産地(福島市・伊達市)の農水業生産額を示します。
2013年には回復した福島・リンゴ産地の農業生産額
※(12)を集計
 図―6 福島・リンゴ産地(福島市・伊達市)の農水業生産額

 風評被害が叫ばれていますが(13)、福島のリンゴ産地の農水業生産額は2013年には事故前の水準に戻っています。汚染された福島のリンゴ産地(福島市・伊達市)の皆様の健康が心配です。以下に葬式(死者)数の推移を示します。
事後に増えた福島・リンゴ産地の葬式
 ※1(14)を各年3-11月について集計
 ※2 震災犠牲者は(15)により死者・行方不明者を含み関連死を含まず。
 図―7 福島・リンゴ産地(福島市・伊達市)のの葬式(死者)数

 図に示すように事故後に増えています。事故前と事故後を比較すると
 事故前年(2010年3月~11月) 2,665人
 事故6年目(2016年3月~11月)2,940人
で、約10.4%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、0.02%で、偶然を主張するのは無理です。
 図-5に示す様に福島県相馬地方は一部が避難区域になっており、避難区域外も伊達市・福島市と同様にそこそこ汚染されています。以下に相馬地方の全村避難の飯舘村(8)を除く農水産業の生産額を示します。
事故後に激減した福島県相馬地方の農水産業生産額
 ※1(12)を集計
 ※2 全村避難の飯舘村(8)を除く
 図―8 福島県相馬地方(飯舘村を除く)の農水業生産額

 図に示す通り、農水産業を合わせて100億円程度ありましたが事故後は40億円程度に激減しています。
 以下に福島県相馬地方の各年3月から11月の葬式(死者数)を示します。
事故後も葬式が増えていない相馬地方
 ※1 (15)を集計
 ※2 飯舘村を除く
 図―9 飯舘村を除く相馬地方の葬式(死者)数

 2011年3月からは増加していますが、後はそれ程には増えていません。原発事故前の2010年3月から11月の葬式(死者)数は1,017人で、2016年3月からの11月は1,018人で一人増えていますが、統計的な差はありません。
 汚染され葬式が増えた産地で栽培され、しかもセシウム入りの福島産リンゴを消費者が避け、価格が下がるのは当然です。
 以下に福島・リンゴ産地(福島市・伊達市)の葬式(死者)数が偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※ 計算方法は(16)よる。
有意差検定表

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 以下に福島産リンゴの11・12月の東京中央卸売市場への出荷量の推移を示します。
事故後に増加し続ける福島産リンゴの東京中央卸売市場への出荷出荷量
 ※(1)を集計
 図―10 福島産リンゴの東京中央卸売市場への出荷量(各年11月)

 図に示すように事故前は500トン弱でしたが、事故後は800トン台に近づき、大幅に増えています。福島のリンゴは全国生産に占める割合はそれ程高くは事は本文の通りです。概ね地産地消をターゲットした生産だと思います。事故で福島で売れなくなったリンゴを県外の市場に出荷している気がします。
 図―1に示す様に福島のリンゴのシーズンは終りですが、これからはイチゴのシーズンです(17)。福島のイチゴ栽培が盛んだそうです(18)。福島県会津若松市では今、イチゴ狩りが楽しめます(19)。同市近辺のイチゴは身の詰まったしっかりした食感で、食べると果汁が溢れるそうです(20)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(21)。でも、福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―11 福島産イチゴが無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)東京都中央卸売市場-統計情報検索果物⇒りんご類で検索
(2)出荷量の多い果物
(3)福島県の果物ランキング
(4)福島県くだもの消費拡大委員会ホームページ
(5)作物統計調査>市町村別データ>平成18年産市町村別データ>年次>2006年中の「10 果樹 ⇒福島県⇒Excel」
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(8)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(10)相馬地方とは | 相馬広域観光案内
(11)農作物自主検査 | 農業 | JAふくしま未来
(12)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(13)福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ
(14)福島県の推計人口(平成28年12月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(15)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(16)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(17)イチゴ狩りのシーズンはいつ?美味しい時期は?美味しい品種はどれ? | ハッピーライフ★お役立ち情報
(18)福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。
(19)フルーツランド北会津
(20)いちご | JA会津よつば
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(22)アピタ会津若松店│「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ
  1. 2017/01/22(日) 19:53:41|
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