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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島・遺伝的影響資料に「出生性比」が無し

 6月18日に31回福島県「県民健康調査」検討委員会が開かれました(1)。そこに、福島程度の被ばくでは遺伝的影響は無いとする資料が提出されました(2)。放射線影響研究所は、放射性影響研究所は広島や長崎で遺伝的な影響が無かった根拠として、出生時の障害、DNA調査、赤ちゃんの男女比(出生性比)、染色体異常、血液蛋白質の突然変異、死亡率およびがん罹患率をあげています(3)。一方で提出された資料では出生時の障害、染色体異常、死亡率およびがん罹患率は取り上げられていますが、赤ちゃんの男女比(出生性比)等の4項目は抜けています(2)。(=^・^=)なりに調べると避難指示発令が4月22日と遅かった「計画的避難区域」が主な避難区域であった1町2村(川俣町、飯舘村、葛尾村)(4)では事故後に女の子が多く生まれる異常な事態が起きています。
 以下に福島で設定された避難区域を示します。
事故8年目になって汚染されている福島
 ※1(5)の数値データを元に(6)に示す手法で6月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(4)による
 図-1 旧計画的避難区域

 図に示し通り国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(7)を超えた地域が広がっています。事故8年目になりましたが福島は汚染されたままです。
 動物学において、アルビノ(albino)は、遺伝子の欠陥で先天的にメラニン(色素)が欠乏する疾患です(8)(9)。沼沢湖は福島県西部の山中にあるカルデラ湖で(10)、ヒメマスが生息しています(11)。原発事故でに沼沢湖のヒメマスは汚染されました。

長らく基準値を超えていた沼沢湖のヒメマス
 ※(11)を集計
 図-2 沼沢湖ヒメマスのセシウム濃度

 2016年5月にはアルビノのヒメマスが見つかっていたそうです(12)。
沼沢湖で見つかったアルビノニジマス
 ※(13)を転載
 図-3 沼沢湖で見つかったアルビノのヒメマス

 福島ではモミの木(14)や蝶の一種のヤマトシジミ(15)でも放射線の影響と思われる異常が見つかっています。昨年には福島県内でアルビノのスズメも見つかりました(16)。
 多くの方が不安だと思います。福島県飯舘村に住んでいた渡辺菜央さんは2011年5月に開かれた東京電力の説明会で
「将来結婚したとき、被ばくして子どもが産めなくなったら」
と質問されました(17)。
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 ※(18)を転載
 図―3 「産めなくなったら・・」と質問する福島県飯館村の綺麗な女性

 その後は彼女の質問の通りとなりました。以下に福島の合計特殊出生率を示します。
2011,12年と下がった福島の合計特殊出生率
 ※(19)を引用
 図―4 福島の合計特殊出生率

 図に示す通り、事故があった2011年と翌年に低下しています。一人の女性が一生に産む子供の数の平均の数です(20)。2012年の福島は特異的に子どもが生まれ難くなりした。このようなことは同じ被災地でも岩手や宮城では起こっていません。
brg130607a.gif
 ※(21)を転載
 図―5 福島および隣県と全国の合計特殊出生率推移

 事故前の2010年と事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれるであろう2012年の比較すると、被災地でも岩手、宮城では増えています。一方で震災の他に原発事故が発生した福島では下がっています。数値は以下の通りです(21)。
年   福島 全国 岩手 宮城
2008年 1.52 1.37 1.39 1.29
2009年 1.49 1.37 1.37 1.25
2010年 1.51 1.39 1.39 1.27
2011年 1.48 1.39 1.41 1.25
2012年 1.41 1.41 1.44 1.30

 6月18日に31回福島県「県民健康調査」検討委員会が開かれました(1)。そこで
「現在の放射線被ばくで、次世代以降の人(将来生まれてくる自分の子や孫など)への健康影響がどれくらい起こると思いますか。」(遺伝的影響)
との質問に
 36.1%(高い20.9%、非常に高い15.2%)が高いないしは非常に高い
と回答しています(22)。多くの福島の皆様は遺伝的影響を心配しています。こうした不安を打ち消すためでしょうか?福島程度の被ばくでは遺伝的影響は無いとする資料が提出されました(2)。
 放射線影響研究所(ほうしゃせんえいきょうけんきゅうしょ)は、広島や長崎の被爆者の健康調査及び被爆の病理的調査・研究を行う研究機関です。日本国政府とアメリカ合衆国政府が設立・運営しています(23)。そこが広島や長崎では被ばくに遺伝的影響が生じえないとして、以下の6つの根拠をあげています(2)。
 出生時障害(1948-1954年の調査)
 被爆者の子供における染色体異常(1967-1985年の調査)
 被爆者の子供における死亡率およびがん罹患率
 被爆者の子供のDNA調査(1985年-現在)
 被爆者の子供における男女比(1948-1962年の調査)
 被爆者の子供における血液蛋白質の突然変異(1975-1985年の調査)
このうち、6月18日に提出された資料に取り上げられたのは、出生時の障害、染色体異常、死亡率およびがん罹患率で、DNA調査、赤ちゃんの男女比(出生性比)、血液蛋白質の突然変異が抜けています(2)。
 民主党政権の時代に福島でもDNA調査が計画され、予算もつられました。2017年(平成29年)には終了する予定でした(24)。ところがその後の結果発表もなく、安倍出戻り内閣は実施を見送ったようです。広島や長崎で実施されているので、福島で実施しても問題が無いはずです。福島では調査が避けられています。
 以下に福島県の自然死産率の推移を示します。
全国の1.5倍の福島県死産率(グラフ)
 ※(25)を転載
 図―6 福島県の自然死産率の推移

福島では事故後に自然死産率は全国平均の1.5倍に跳ね上がっています。放射線影響研究所は出生時障害や自然死産について別々の評価がなされています(26)。
自然死産に異常がないことを遺伝的影響がない根拠としている放射線影響研究所
 ※(26)を引用
 図―7 広島や長崎では自然死産の増加はなかったとする放射線影響研究所の資料

 一方で福島県「県民健康調査」検討委員会に出された資料(2)には「自然死産」単独の項目はありません。
 福島事故では2種類の避難区域が設定されました。福島第一原発から20km圏内の警戒区域と、事故後にしばらくして放射線量が高い事が判明し設定された計画的避難区域です。警戒区域は事故翌日の3月12日には設定されましたが、計画的避難区域は事故から一ヶ月以上も後の4月22日にようやく設定されました(4)。計画的避難区域はいわば逃げ遅れた避難区域です。このうち飯舘村の全域と葛尾村も大部分に計画的避難区域が設定されました。また全部または大部分に計画的避難区域が設定されたのは、この2村だけです(4)。飯舘村と葛尾村はいわば逃げ遅れた村です。以下に各年2村合計の赤ちゃん誕生数を示します。
事故後に女の子が多く生まれる福島県飯舘村・葛尾村
 ※1(27)にて作成
 ※2 2018年は4月末までの集計
 図―8 飯舘村と葛尾村赤ちゃん誕生数

 図に示す通り、事故後に女の子が多く生まれています。事故後に懐妊したであろう赤ちゃんが生まれる2012年以降の赤ちゃんの誕生数を集計すると
 飯舘村
  男の子 146人
  女の子 186人
 葛尾村
  男の子 28人
  女の子 47人
 二村(飯舘村、葛尾村)合計
  男の子 174人
  女の子 233人
です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.34%でした。通常は男の子が多く生まれるの(28)で異常な事態です。以下に偶然に起こる確率の計算結果をしまします。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(29)による。
有意差検定表


 福島県「県民健康調査」検討委員会で「遺伝的影響」は心配いらないとの趣旨の資料が出されました。その資料には福島ではウヤムヤにされたDNA調査、福島で事故後にみられた自然死産の上昇、逃げ遅れた飯舘村や葛尾村で生じた赤ちゃんの男女比の逆転等が抜け落ちています。都合の良い部分だけを集め、福島は「安全」、忌避する行為を「風評被害」と主張しているようです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島県「県民健康調査」検討委員会の主要な関心事は多くの子どもで見つかっている甲状腺がんが事故に起因するか否かだと思います。事故の影響が出てくるであろう2順目以降のデータを見ると
 ①避難区域(特定避難勧奨地点、緊急時避難準備区域を含む)が設定された13市町村と13市町村にくらべれば汚染が少ない中通り(13市町村以外)を比較すると、13市町村の罹患率は倍以上である。
 ②全体の被ばく線量と2,3順目の検査を比較すると2,3順目の罹患者は高線量側にずれている。
 ③チェルノブイリの例から事故影響が少ないであろうと思われる1順目検査と2,3順目検査で見つかった罹患者の被ばく線量を比較すると、2,3順目の罹患者の被ばく線量が高い。
との特徴が見受けられます(30)。限りなく黒に近いグレーです。議論を聞いていたのですが(31)、事故との因果関係は議論されていませんでした。ところが福島のローカルテレビのFCT(読売系(32))は事故との因果関係について「考えにくい」と報じていました(33)。
福島・k甲状腺は事故との因果関係について「考えにくい」と報じるFCT
 ※(33)をキャプチャー
 図-9 事故との因果関係について「考えにくい」と報じるFCT

福島では、何の根拠もなく事故とは無関係と平然と報じられているようです。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島県のサクランボが本格シーズンになりました(34)。福島市のサクランボはつややかな赤い宝石の甘酸っぱさで人気があるそうです(35)。福島産は検査で「安全」とされます(36)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(37)を引用
 図―10 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)の開催について - 福島県ホームページ
(2)(1)中の 参考資料4 放射線の遺伝的影響について [PDFファイル/767KB]
(3)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 – 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
(4)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)アルビノ - Wikipedia
(9)メラニン - Wikipedia
(10)沼沢湖 - Wikipedia
(11)妖精の里 かねやま 沼沢湖
(12)報道発表資料 |厚生労働省
(13)金山町 ふるさと情報発信事業 - 金色に輝くヒメマスは金山に福をもたらすか!?... | Facebook
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島に遺伝的欠陥で色素が合成できないアルビノ・ヒメマス現る。
(15)大瀧研究室 | フクシマプロジェクト
(16)めげ猫「タマ」の日記 2017年度も女の子が多く生まれる福島県川俣町
(17)みんゆうNet 原発災害・「復興」の影-【10】“放射線と向き合う” 固執すると別のリスクが高まる恐れも(福島民友ニュース)
(18)めげ猫「タマ」の日記 6月も女の子しか生まれない・福島県飯館村
(19)10の指標にみる福島県のいまVer.29を掲載しました。 - 福島県ホームページ中の平成30年2月15日公表分 10の指標にみる福島県のいまVer.29 [PDFファイル/601KB] 
(20)合計特殊出生率 - Wikipedia
(21)めげ猫「タマ」の日記 福島県の合計特殊出生率がダウン―福島原発事故の影響、福島テレビ!―
(22)(1)中の資料2-2 平成28年度 県民健康調査「こころの健康度・生活習慣に関する調査」結果報告書 [PDFファイル/946KB]
(23)放射線影響研究所 - Wikipedia
(24)(新)福島におけるゲノム解析による放射線遺伝影響調査(福島ゲノム調査)
(25)めげ猫「タマ」の日記 福島の自然死産率は全国平均の1.5倍
(26)出生時障害(1948-1954年の調査) – 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
(27)福島県の推計人口(平成30年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(28)出生性比
(29)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(30)めげ猫「タマ」の日記 福島甲状腺、地域差あり
(31)甲状腺がん悪性または疑い200人超え〜福島県が公表 | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
(32)福島中央テレビ - Wikipedia
(33)ニュース|福島中央テレビ
(34)ニュース|福島中央テレビ
(35)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(36)検査体制 | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報
(37)ヨークベニマル/お店ガイド 続きを読む
  1. 2018/06/20(水) 19:45:03|
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第一原発1日当たりの汚染水量、2020年までの目標達成、ただし渇水期のデータ

 福島第一原発の原子炉建屋周辺に地下水の流入を防ぐ凍土遮水壁が完成後の汚染水発生量は2017年12月~今年2月で平均で約140トンなり、政府が中長期ロードマップに定める2020年までに1日当たり150トンとしている目標を達成したと発表しました(1).。でも、東京電力の発表(2)を(=^・^=)なりに集計すると17年12月~今年5月では平均で約168トンで目標を達成してません。福島では12月~2月は最も雨が降らない時期です。この期間だけを都合よく集計し、瞬間で下がった量を引用し、達成していない目標を「達成した」と嘘を流しています。
 福島第一では地下水が山から流れて来て、原子炉やタービン建屋に流入しています。あるいは海までに達しています。汚染されれば海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています(3)。浄化しても排水基準(4)を満たさない汚染地下水は、タービン建屋に送っています(6)。
 地下水がタービン建屋に流れ込んだり、海岸の井戸からタービン建屋に送り込んだ地下水で汚染水は増えていきます。
どんどん増える福島第一汚染水
 ※(2)を集計
 図―1 どんどん増える福島第一汚染水

 最新の発表(7)を集計すると総量で約112万トンに達します。
 汚染水の増加を抑える対策の柱として原子炉やタービン建屋を氷の壁で囲む「凍土壁」が作られました。以下に構造を示します。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン
 ※(3)(13)にて作成
 図―2 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン

 断面の模式図は以下の通りです。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面
 ※(3)(8)にて作成
 図―3 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面)

 氷の壁で地下水の流れを阻止し、タービン建屋に流れ込む地下水や海岸にまで達する地下水を減らす計画です(8)。当初の予定では2015年3月位から運用を始める予定でしたが(9)、完全凍結が始まったのは2017年8月22日からです(10)。ほぼ2年半の遅れです。
 凍土壁について
「東京電力福島第一原発事故の影響で発生している汚染水は現在1日当たり約140トンで、政府が中長期ロードマップに定める2020年までに1日当たり150トンとしている目標を達成している。東電が(6月)16日に福島市で開かれた日本原子力学会シンポジウムで報告した。
 福島第一原発の原子炉建屋周辺に地下水の流入を防ぐ凍土遮水壁が<中略>完成後の2017年12月~今年2月の平均で約140トンになった。」
との発表を東京電力したそうです(1)。あたかも凍土壁が効果があったかのような発表です。以下に汚染水の増加量の推移を示します。
12~翌年2月は少ない福島第一汚染水増加量
 ※(2)を集計
 図―4 福島第一汚染水発生量

 図に示す様に17年12月~今年2月は減っていますが、今年3月以降は増えています。以下に福島第一原発近くのアメダス観測点・浪江の降水量の平年値(年・月ごとの値)を示します。
12~翌年2月は降水量が少ない福島・浪江
 ※(11)を集計
 図―5 江の降水量の平年値(年・月ごとの値)

 図に示す様に12月~翌年2月は少なくなっています。東京電力の発表(2)から、(=^・^=)なりに汚染水の増加量を集計すると
  2017年12月~18年2月 1日当たり136トン
  2017年12月~18年4月 1日当たり168トン
で、雨が多くなる5月までを集計すると目標を達成していません。東京電力は条件の良い渇水期(12月~翌年2月)のデータのみを集計し、「目標を達成」と言っているだけです。年間を通せば現状では達成していません。殆ど「嘘」です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 東京電力は平然と「嘘」を発信するようです。柏崎刈羽原発は安全だと主張していますが(12)、「嘘」かもしれません。同様に福島産は安全であり、これを避ける行為を「風評被害」としていますが(13)、「嘘」かもしれません。福島の皆様は信用しないと思います。
 福島県のサクランボが本格シーズンになりました(14)。福島市のサクランボはつややかな赤い宝石の甘酸っぱさで人気があるそうです(15)。福島産は検査で「安全」とされます(16)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(17)を引用
 図―6 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)2020年までの目標達成 第一原発1日当たりの汚染水量 | 県内ニュース | 福島民報
(2)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(3)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(4)サンプリングによる監視|東京電力
(5)報道配布資料|東京電力
(6)(5)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」(2)
(7)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第357報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(8)陸側遮水壁|東京電力
(9)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(10)2017年8月22日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第三段階開始について(PDF 786KB)
(11)気象庁|過去の気象データ検索
(12)発電所の安全対策|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(13)風評被害に対する行動計画の策定について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(14)ニュース|福島中央テレビ
(15)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(16)検査体制 | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報
(17)イオン福島店 | お買物情報やお得なチラシなど
  1. 2018/06/19(火) 19:44:58|
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福島甲状腺、地域差あり

 今日(6月18日)、31回福島県「県民健康調査」検討委員会が開かれました(1)。そこで福島県甲状腺検査2、3順目の結果が発表になりました(2)(3)。前回から13人増え(4)、3順目で23人の方が悪性ないし悪性の疑いと診断されたと発表があいました。(=^・^=)なりに集計すると2、3順目の悪性または悪性の疑いの割合は
 避難区域等が設定された13市町村 0.061%(検査 34,563人中 21人)
 避難区域外の中通り        0.031%(検査152,703人中 47人)
で、13市町村は避難区域外の中通の2倍の罹患率です。このような事が起こる確率を計算したら統計的の差があるとされる5%(5)を下回る0.8%でした。
 チェルノブイリ原発事故で子供の甲状腺がんの多発が見つかりました(6)。これを受けて福島でも事故当時18歳以下だった子供を対象にした甲状せん検査が実施されています(7)。当初の想定は100万人当たり2,3人です(8)。これまでの発表(2)(3)(9)を集計すると累積で
 約30万人の検査で210人
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つりました。1万人当たりにして7人です。当初の想定に比べ比べ極めて高い割合です。以下に推移を示します。
累積で210人となった福島甲状腺
 ※(10)を集計
 図―1 どんどん増える福島の甲状腺癌

 これについて福島原発事故の為とも(11)、そうでないとも主張があります(12)。現時点の公式見解は
「事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(13)。 
 甲状腺がんはヨウ素131の被ばくによって生じる物とされていますが(14)、ヨウ素131は半減期(量が半分になるまでの時間)が8日と短く(15)、その影響を後から調査するのが困難とされているようです。以下に事故直後から継続して放射線量が測定されている6地点(福島市、白河市、会津若松市、南会津町、南相馬市、いわき市平)の事故後から2012年3月末までの放射線量の推移を示します。
事故直後は急に下がりその後は下がらなくなった福島県の放射線量
 ※(16)を引用
 図―2 福島県6地点の放射線量

 図に示す様に事故直後は急激に下がり、その後は下がり方が緩慢になっています。事故直後はヨウ素131等の半減期が日単位で比較的短い(直ぐに無くなる)放射性物質からに放射線が主流で、事故から1年以上を経過すればセシウム134や137等の半減期が年単位(1年では無くらなない)放射性物からの放射線が主流をしめます。事故1年後と事故直後の放射線量に関係性がみられれば、半減期の短いヨウ素131の影響の相対的な大小をその後の放射線量で評価できます。以下に事故直後の2011年3月17日と事故1年後の2012年3月11日の放射線量の相関を示します。
事故直後と1年後で高い相関がある放射線量
 ※(16)を集計
 図―3 2011年3月17日と2012年3月11日の放射線量の相関

 図に示す様に綺麗に直線に並んでいます。ヨウ素131の半減期は短いので事故直後影響しますが、事故から1年も経てば影響は無くなります。事故直後と1年後の放射線量に高い相関があることは、ヨウ素131の影響はセシウム等の影響で評価できることを意味します。絶対的な評価は困難でも放射性セシウムの影響が強い場所や火とではヨウ素131の影響が強かったと言えますし、弱い場所ではヨウ素131の影響が低いと言えます。セシウムの影響の強弱と甲状腺がんの発生状況を比較すれば影響を把握できます。
 放射線の身体的影響には、早期効果と晩発効果の二つに分けられます。早期効果は、一度に大量の放射線を被曝した後数週間以内に現れてくる障害です。晩発効果は、被曝後しばらく症状の現れない潜伏期間があるものをいいます。発癌も晩発効果に含まれます(17)。甲状腺癌も直ぐに現れる訳ではありません。以下にチェルノブイリでの甲状腺がんの発症率の推移を示します。
1990年位から増えたチェルノブイリの甲状腺癌
 ※1(6)にて作成
 ※2 年齢は発症時の年齢
 ※3 チェルノブイリ原発事故は1986年(18)
 図―4 チェルノブイリ原発事故での甲状腺癌発生率

図に示す通りチェルノブイリ原発事故では事故の4年目以降から急な増加が見られます。
  福島県の放射線リスクアドバイザーの高村昇氏は
 「県民健康調査で行われている『甲状腺検査』のうち先行検査で甲状腺がんあるいはその疑いと診断された方の発症頻度を地域別に比較したところ、避難区域等の13市町村(田村市や伊達市、川俣町含む)で10万人当たり33.5人、中通りで38.4人、浜通り(避難区域以外のいわき市、相馬市、新地町)で43.0人、会津地方で35.6人と甲状腺がんの頻度はほぼ同じであり、少なくとも事故当時に東京電力福島第一原発の近くにいらっしゃった方に甲状腺がんが多いということはありません。」
との寄稿文を福島県地方紙の福島民報に寄せています(19)。以下に当該分における地域分けを記載します。
汚染の度合いが地域で違う福島
 ※1(20)のデータを元に(21)に示す手法で6月1日に換算
 ※2 避難地域等の13市町村は避難勧奨地点が設定された伊達市および緊急時避難準備区域のみの広野町を含む(22)
 ※3 福島県の区域分けは(23)による。
 ※4 浜通り、中通りは13市町村以外
 図―6 福島民報での甲状腺の区域分け

 6月18日に31回福島県「県民健康調査」検討委員会が開かれましたが開かれました(1)。そこで福島を4地域に分けての検査の集計結果が発表になりました(8)。「悪性ないし悪性疑い者数」を「罹患者」、「悪性ないし悪性疑いの割合」を罹患率とすると
 13市町村       検査 34,563人中 罹患者 21人 罹患率 0.061%
 13市町村以外の中通り 検査152,703人中 罹患者 47人 罹患率 0.031%
 13市町村以外の浜通り 検査 51,062人中 罹患者 10人 罹患率 0.02%
 会津          検査 32,212人中 罹患者  5人 罹患率 0.016%
 合計(福島県全体)   検査270,540人中 罹患者 83人 罹患率 0.031%
で、地域によって大きな差があります。これについて福島県立医大は
「地域別の発見数については、年齢、性別、検査間隔、年齢階級別一次検査受診率、二次検査受診率など、様々な因子が影響している可能性があるため、今後、解析方法を詳細に議論した上での評価が必要と考えられる。」
と主張し(24)、これが事故影響を証明する物ではないとしています。
 そして罹患率だけでなく種々のパラメータに差があるとしています(24)。甲状腺検査は1次検査、2次検査、細胞診の順で実施されます(25)。この中で地域ごとに最も大きな差があったのが最終の細胞診受診率です。以下に記載します。
 13市町村       2次検査受診  293人中 細胞診受診 38人 受診率13.0%
 13市町村以外の中通り 2次検査受診  967人中 細胞診受診127人 受診率13.1%
 13市町村以外の浜通り 2次検査受診  340人中 細胞診受診 31人 受診率 9.1%
 会津          2次検査受診  188人中 細胞診受診 10人 受診率 5.1%
 合計(福島県全体)   2次検査受診1,788人中 細胞診受診206人 受診率11.5%
でした。細胞診受診率に大きな差があります。特に13市町村と会津で大きな差があります。これについては2つの解釈が可能だと思います。
 ①図―6に示すように13市町村に比べれば会津の汚染はかなりマシです。放射線影響は出にくく、細胞診が必要な方の割合が少なくなった。
 ②会津の汚染が少ないので、会津の方は放射線影響をあまり心配しておらず、細胞診よりも経過観察を選ぶ方が多く、結果として細胞診受診率が下がった。
です。さらに会津の3順目検査は2017年度の検査実施ですが、図-5に示す様に2次検査が確定していません。 図―6に示す様に13市町村と中通りでは中通りの方が放射線量が低くなっています。そこで比較してみました。再掲になりますが
 13市町村       検査 34,563人中 罹患者 21人 罹患率 0.061%
 13市町村以外の中通り 検査152,703人中 罹患者 47人 罹患率 0.031%
で、13市町村は避難区域外の中通の2倍以上の罹患率です。このような事が起こる確率を計算したら統計的の差があるとされる5%(4)を下回る0.8%でした。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果(13市町村と中通りの比較)
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(26)による
有意差検定表(地域差)

以下に0-19歳の方の事故後4ヶ月間の被ばく線量分布を示します。
1ミリシーベルト以上が少数の全体の被ばく線量
 ※1(27)を集計
 ※2 年齢は事故時
 図―7 事故後4ヶ月間の0-19歳の被ばく線量分布

 図に示す様に0-9歳と10-19歳の分布に大きな差はありません。0-19歳の被ばく線量分布はほぼ同一であり、これを甲状腺検査の対象である0-18歳にも適応できます。数値を記載すると
 1ミリシーベルト未満の方 92,874人 
 1ミリシーベルト以上の方 50,960人
で(27)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は38%で1ミリシーベルト以下が大半です。以下に1順目の検査で、罹患者と判定された方の事故から4ヵ月間の放射線量分布を示します。
1mSv未満が多い1順目の悪性または疑いの方
 ※1(9)を集計
 ※2 被ばく線量は事故から4ヶ月間
 図―8 1順目(先行検査)罹患者の被ばく線量分布

 図に示す通り1順目(先行検査)で見つかった罹患者の被ばく線量分布は図ー7と比較して全体の分布と大きな差はりません。数値を記載すると
  1ミリシーベルト未満 47人(全体の71%)
  1ミリシーベルト以上 19人(全体の29%)
です。
 以下に2,3順目(本格調査)で見つかった罹患者の被ばく線量分布を示します。
2,3順目で見つかった方の半分以上が1ミリシーベルと以上の甲状腺罹患者
 ※(2)(8)を集計
 図―9 2、3順目(本格調査)罹患者の被ばく線量分布
 
図に示す様に全体の分布(図-7)や1順目(図―8)に比べ、高線量側にずれています。数値を記載すると
 1ミリシーベルト未満の方 15人
 1ミリシーベルト以上の方 25人
で(2)(8)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は63%で1ミリシーベルト以上が多くなっており、数字が逆です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら
 全体の放射線量分布    0.1%
 1順目と2,3順目の比較 0.9%
で共に、統計的な差が統計的の差があるとされる5%(4)を下回っています。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―2 偶然に起こる確率の計算結果(基本調査との比較)
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(26)による
有意差検定表(対被ばく線量)

 表―3 偶然に起こる確率の計算結果(1順目検査との比較)
有意差検定表(先行検査との比較)
 ※1 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(26)による
 ※2 黄色部分は計算による。期待値は1順目、2順目とも1ミリシーベルト未満の割合が同じとして、計算式は以下の通で計算
  ③=①(観測値)+②(観測値)
  ⑥=④(観測値)+⑤(観測地)
  ⑦=①(観測値)+④(観測値)
  ⑧=②(観測値)+⑤(観測値)
  ⑨=⑦+⑧
  ⑩=⑦÷⑨
  ①(期待値)=③×⑩
  ②(期待値)=③×(1-⑩)
  ④(期待値)=⑥×⑩
  ⑤(期待値)=⑥×(1-⑩)
 ※3 ⑩はχの合計(⑩)と自由度3で計算

 以上をまめると
 ①13市町村と13市町村にくらべれば汚染が少ない中通り(13市町村以外)を比較すると、13市町村の罹患率は倍以上である。
 ②全体の被ばく線量と2,3順目の検査を比較すると2,3順目の罹患者は高線量側にずれている。
 ③チェルノブイリの例から事故影響が少ないであろうと思われる1順目検査と2,3順目検査で見つかった罹患者の被ばく線量を比較すると、2,3順目の罹患者の被ばく線量が高い。
との特徴が見受けられます。「県民健康調査」検討委員会の議論(28)を聞いていると結論は出ていませんが、限りなく黒に近いグレーです。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島の甲状腺検査を見直しすべしとの主張もあるようです(29)。議論を聞いていたら(28)、話題になっていました。放射線と甲状腺がんの関係が明確化されれば福島の子ども達は補償が受けられ、大きな利益になります。現状を考えれば検査の継続は福島の子どもの利益に合致し倫理的に正しいものです。だだし、原発の再稼働を目論む方は困ると思います。東京電力や安倍出戻り内閣は柏崎刈羽の再稼働を目論んでいます(30)。完全な「黒」となれば図ー9に示す通り、1ミリシーベルトの被ばくで放射線影響がでることになります。事故っても1ミリシーベルト以上の被ばくをしないような避難計画を作らなくてはなりません。現状は緊急時の被ばく限度は20~100ミリシーベルトですので(31)大変に厳しくなります。結論が出る前に福島の甲状腺検査を止めさせたいはずです。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島牛は霜降りの鮮やかな逸品です(32)。福島県は福島牛は安全だと主張しています(33)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
他県産はあって福島産牛肉が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図―10 福島産牛肉が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)の開催について - 福島県ホームページ
(2)(1)中の資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】」結果概要<平成29年度追補版> [PDFファイル/8.77MB] 
(3)(1)中の 資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要 [PDFファイル/969KB] 
(4)第30回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年3月5日)の資料について - 福島県ホームページ中の 資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回目)】」実施状況 [PDFファイル/2.27MB]
(5)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(6)放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会
(7)県民健康調査について - 福島県ホームページ
(8)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ中の当日配布資料
(9)(1)中の 参考資料3 甲状腺検査結果の状況 [PDFファイル/181KB]
(10)「県民健康調査」検討委員会 - 福島県ホームページ
(11)「福島の子供の甲状腺がん発症率は20~50倍」 津田敏秀氏ら論文で指摘
(12)福島県における小児甲状腺超音波検査について
(13)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(14)ヨウ素131 - Wikipedia
(15)半減期 - Wikipedia
(16)平成22・23・24年度 県内7方部環境放射能測定結果 - 福島県ホームページ
(17)放射線診療技術研修支援システム -社団法人 日本獣医師会-
(18)チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
(19)放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺がん 浜通りの割合高い? | 東日本大震災 | 福島民報
(20)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(21)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(22)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(23)福島県 - Wikipedia
(24)第9回甲状腺検査評価部会(平成30年1月26日)の資料について - 福島県ホームページ
中の「  資料2-2 地域別にみたB・C判定者、および悪性ないし悪性疑い者の割合について [PDFファイル/395KB]
(25)福島県での甲状腺がん検査結果の現状(鈴木眞一氏)|エネ百科|きみと未来と。
(26)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(27)(1)中の 資料1   県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/674KB]
(28)【ライブ配信】18日13時半~「県民健康調査」検討委員会 | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
(29)福島県立医大「甲状腺一斉検査は過剰診断につながる」に異論が続々 (1/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
(30)めげ猫「タマ」の日記 福島第二廃炉、狙いは柏崎刈羽の再稼働
(31)被ばく状況と防護対策 - 環境省
(32)福島牛販売促進協議会
(33)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(34)平尼子店 - 新鮮安い食品スーパーマルト
  1. 2018/06/18(月) 19:43:00|
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福島第一事故、「やりようで防げた」 津波工学専門家が証言

 福島県の地方紙・福島民報が報じるところによれば
「東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣3人の第16回公判は13日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。首藤伸夫東北大名誉教授(津波工学)が証人尋問で、『やりようによっては原発事故は防げた』と述べた。」
との事です(1)。
 (=^・^=)は福島第一原発事故の最大の謎は東京電力が津波対策をしていなかったかだと思います。これについて
 2011年3月11日に福島第一原発を津波が襲来しました(2)。
brg120312a.jpg
 (3)のオープイングをキャプチャー
 図―1 福島第一原子力発電所を襲った津波(海側から撮影)

そして大爆発を起こしました。
爆発する福島第一原発3号機
 ※(4)を引用
 図―2 大爆発する福島第一3号機

 5重の壁(5)が壊れ福島を中心に放射能が「うつり」ました。
事故8年目になって特異的に汚染されている福島
 ※ (6)のデータを(7)に示す手法で6月1日に換算
 図-3 事故から7年を経て福島を中心に広がる汚染

 事故8年目になりましたが、図に示す様に福島では国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(8)地域が広がっています。事故9年目の福島は汚染されたままです。
 放射性物質の量が半分になる時間で規定される半減期はセシウム137で約30年です(9)。30年で半分、60年で4分の1にかなりません。福島の汚染はあと数十年は続きそうです。福島の事故は原子力事故の影響は広範囲にかつ長期間に渡ることを示してます。原子力施設を運営する企業には「安全」を確保する高い能力が求められます。
 東京電力は2012年4月に福島第一を襲い事故の引き金となった津波について
 「東北地方太平洋沖地震は、これまでの知見では想定できないような規模のものであり、この地震によって生じた津波の高さ(規模)を想定できるものではなかったと考えています。」
と主張し(10)、福島第一事故は「想定外」の津波が原因だと主張しています。その考えはいまも変わっていません。
 東京電力は「柏崎刈羽の安全対策」を紹介した漫画を掲載しています(11)。以下にその一コマを示します。
今も「想定外」を主張する東京電力
 ※(11)を引用
 図―4 東京電力の「柏崎刈羽の安全対策」を紹介した漫画

 図に示す通り福島事故について
「想定を上回る津波が過酷な事故への引き金となりました」
記載し、ここでも「想定外」を主張しています。
 東北電力は貞観津波を想定し、女川原子力発電所の津波想定を海抜9.1m想定し,標高14.8mの場所に女川原発を
作ることをきめたようです(12)(13)。
brg140912a.gif
※(13)を抜粋・加筆
 図-5 東北電力の津波想定

 図で見てわかる通り「貞観津波」の波源は福島第一と女川の中間の位置ですので、同じ影響が福島第一にも起こることも十分に予想でき筈です。
 図―2に示す様に福島第一原発から100km程北に女川原発があります。こちらの原発も津波に襲われたのですが、大規模な放射能漏れはおこらず(14
)、図―1に示す様の汚染はありません。これについて女川原子力発電所を運営する東北電力は
「1号機の設計時(昭和40年代)、文献調査や地元の方々への聞き取り調査から津波の高さを3m程度と想定していました。しかし、専門家を含む社内委員会での『貞観津波(869年)や慶長津波(1611年)などを考えれば津波はもっと大きくなることもあるだろう』等の議論を経て、当社は敷地の高さを14.8mと決定しました。」
と説明しています(15)。東京電力では「想定外」だった津波は東北電力では「想定内」だったようです。東京電力は他社(東北電力)が想定していた津波を「想定外」にしています。
「津波」は想定していたとする東北電力
 ※(15)を引用
 図―6 「津波」は想定していたとする東北電力

 東京電力の「想定外」との主張に疑問があります。
 福島原発事故の最大の謎は福島原発事故の原因だと思います。
 ①東京電力の主張通り「想定外」の津波で起こった。
 ②十分に注意すれば「津波」は想定できたが、注意を怠り津波が想定できなかった。
 ③「津波」の危険性については、東京電力は薄々は感づいていたが、対策に莫大な費用がかかかるので、あえて無視した。
です。これをめぐり刑事裁判が行われています(16)。
 事故前に福島第一を襲った津波は想定されていました(17)。
 brg140919c.gif
 ※(17)を抜粋・加筆
 図―7 2002年の津波想定(福島第一原発付近)

 なぜか、福島第一原発付近の想定が消えていますが、周囲の溯上高で15mが想定されています。なお溯上高と津波の高さについては以下を参照ください。
brg140919e.gif
 ※1 (18)を抜粋・加筆
 ※2  縦横比を変えています。
 図―8 溯上高と津波の高さ

 報道を見る限り(1)(19)(20)、事故前の津波評価の妥当性が裁判では争われているようです。
 6月13日の公判で、 福島県の地方紙・福島民報が報じるところによれば
「東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣3人の第16回公判は13日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。首藤伸夫東北大名誉教授(津波工学)が証人尋問で、『やりようによっては原発事故は防げた』と述べた。」
との事です(1)。
「対策のやりようによっては事故は防げた」との証言を報じる福島のローカルTV(FCT)
 ※(19)をキャプチャー
 図―9 「対策のやりようによっては事故は防げた」との証言を報じる福島のローカルTV(FCT)
 
 ただし
「ただ、福島第一原発が営業運転開始から40年を迎えつつあったため、『あと10年、20年で廃炉を迎える原発に、一企業が多額の費用を投じることができるのか』と疑問を呈し、安全対策を促しても理解を得るのは難しかったと振り返った。」
そうです(1)。
「津波の試算に十分な説得力がなければ対策の取りようがなかった」との証言
 ※(19)をキャプチャー
 図―10 「津波の試算に十分な説得力がなければ対策の取りようがなかった」との証言

 証言をした首藤伸夫氏は津波工学の専門家ですが(21)、原子力について精通しているとは思えません。原子力災害は既に記載の通り重大な結果をもたらします。たとえ「十分な説得力」がなくても、東京電力は結果の重大さを考えにいれる責務があったはずです。
 6月15日の裁判ではかつての原子力安全委員会の元委員が
 原発の津波対策について「震災前は、防潮堤以外の多重な対策を求められていなかった」
「想定を超える津波が来るリスクは低いと考えられていた」
との証言をしたそうです(20)。
「想定を超える津波が来るリスクは低いと考えられていた」との証言を報じるFCT
 ※(20)をキャプチャー
 図―11 「想定を超える津波が来るリスクは低いと考えられていた」との証言を報じるFCT

 事故前に存在した「原子力安全委員会」は原子力の安全の確保に関する事項について企画し、審議し、および決定することでした(22)。結果として福島事故が起こったので「原子力安全委員会」はその任を結果として果たせなかったことになります。これに係った方は言い訳に終始し証言の信頼性は低いはずです。むしろ 「防潮堤以外の多重な対策を求められていなかった」「想定を超える津波が来るリスクは低い」などの事故前の「原子力安全委員会」が極めて甘い認識を持っていたことが明らかになっただけす。この証言について福島のローカルTV局FCTは
「震災前の原発における津波対策の実情を証言した。」
と評しています(20)。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 事故前の2008年当時、 東京電力原子力・立地本部原子力設備管理部長を務めていた方(故人)(2)は、政府事故調で
「日本の地震学者、津波学者のだれがあそこにマグニチュード9がくるということを事前に言っていたんですか。」
と証言しています(3)。ところが2008年に津波予測を試算した東電の関連会社(東電設計)の当時の担当者は
「最大で15.7メートルの津波が予測されることを東電の担当者に報告した」
は2月28日の公判で証言としました(1)。別の公判では
 ①津波の長期評価に専門家などからも異論はなかった(気象庁職員の証言(26))。
 ②内閣府の担当者から長期評価に信頼性が低いことを盛り込むように言われた(気象庁職員の証言(26))。
 ③長期評価を踏まえた津波の備えが必要だった(元大学教授の証言(27))
などの証言があります。事故前の2008年当時、 東京電力原子力・立地本部原子力設備管理部長を務めていた方(故人)の政府事故調で
「日本の地震学者、津波学者のだれがあそこにマグニチュード9がくるということを事前に言っていたんですか。」
は嘘です。東京電力は平然と嘘を言っています。そして、本文記載の通り福島事故は想定外の津波によって引き起こされたとの見解を変えていません。
 この件についてNHKはユニークな報道をしています。6月13日の公判につては
「首藤(津波工学の専門家)氏は、『津波の高さを予測する土木学会の手法は世界的にも高い評価を受けている』という考えを示した上で、弁護側に当時の東京電力の判断が妥当だったかどうか問われると、『電力会社1社では手に余る』と述べ、判断は妥当だったと証言しました。」
とは報じましたが
「やりようによっては原発事故は防げた」
との証言は報じていません(28)。
 6月15日の公判は「東電裁判 原子力工学専門家証言」との表題で報じ、なかで「原子力工学の専門家で全国の原発の安全審査に関わっていた東京大学の岡本孝司教授」と紹介しています(29)。東京大学の岡本孝司教授は2005年より2012年まで原子力安全委員会原子炉安全専門審査会審査委員を務めており(29)、まさに事故の当事者です。この点が完全に抜け落ちています。NHKがこのような報道をする意図は不明ですが、新潟県知事が与党系に代わり(30)、新潟県に立地する東京電力の柏崎刈羽原子力発電所(31)の再稼働について、
「与党関係者には『野党候補が勝利すれば、再稼働が見込めない事態に陥る可能性があった。(慎重派の)前知事よりは環境が整えやすくなったのでは』と期待する向きがある。」
そうです(32)。東京電力が今も福島事故を想定外の津波によるものと主張しているので、これに沿った報道は結果として柏崎刈羽原発の再稼働を後押しする効果があります。NHKは国民の知る権利を充足しません(33)。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島県のサクランボが本格シーズンになりました(34)。福島市のサクランボはつややかな赤い宝石の甘酸っぱさで人気があるそうです(35)。福島産は検査で「安全」とされます(36)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(37)を引用
 図―12 福島産サクランボが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)「やりようで防げた」 津波工学専門家が見解 | 県内ニュース | 福島民報
(2)福島第一原子力発電所事故の経緯 - Wikipedia
(3)Video: Inside Japan's Nuclear Meltdown | Watch FRONTLINE Online | PBS Video
(4)3号機核爆発 - YouTube
(5)5重の壁 - Wikipedia
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)半減期 - Wikipedia
(10)今回の津波は、それまでの知見では想定できない大規模なものでした|東京電力
(11)原子力発電所に質問です 柏崎刈羽原子力発電所の安全対策|東京電力ホールディングス株式会社
(12)めげ猫「タマ」の日記 福島原発事故は吉田所長の自作自演?
(13)女川原子力発電所における 津波に対する安全評価と防災対策
(14)女川原子力発電所 - Wikipedia
(15)原子力発電所の安全対策 東日本大震災と女川原子力発電所 | 東北電力 ホームページ
(16)詳報 東電 刑事裁判「原発事故の真相は」|NHK NEWS WEB
(17)予測された日本海溝津波地震 想定されなかった津波被害
(18)気象庁 | 津波について
(19)ニュース|福島中央テレビ
(20)ニュース|福島中央テレビ
(21)首藤伸夫 - Wikipedia
(22)原子力安全委員会 - Wikipedia
(23)吉田昌郎 - Wikipedia
(24)政府事故調査委員会ヒアリング記録 : 原子力防災 - 内閣府中の「吉田 昌郎⇒2011/8/8・2011/8/9⇒事故時の状況とその対応について 3」
(25)めげ猫「タマ」の日記 「最大で15.7メートルの津波」と東電関連会社、「だれがあそこに、くるということを事前に言っていたんですか」と東電原発設備責任者
(26)めげ猫「タマ」の日記 津波の長期評価に「信頼性が低い」を入れろと内閣府
(27)めげ猫「タマ」の日記 国の津波防災指針、原子力関係者に対する配慮があったに違いないと証言
(28)東電裁判「対策依頼の判断妥当」|NHK 福島県のニュース
(29)東電裁判 原子力工学専門家証言|NHK 福島県のニュース
(30)岡本孝司 | 著者プロフィール | 新潮社
(31)新潟県知事一覧 - Wikipedia
(32)【原発ゼロへ・第2原発廃炉表明】突然表明に波紋 臆測行き交う:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(33)【電子版】NHK受信料「合憲」 国民の知る権利を充足-最高裁(更新) | 商社・流通・サービス ニュース | 日刊工業新聞 電子版
(34)ニュース|福島中央テレビ
(35)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(36)検査体制 | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報
(37)イオンいわき店 | お買物情報やお得なチラシなど
  1. 2018/06/17(日) 19:44:18|
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福島第二廃炉、狙いは柏崎刈羽の再稼働

 福島県はこれまでの幾度に渡り福島第二の廃炉を要請していましが、これまでは曖昧な態度に終始していました。それが6月14日の福島県知事との面談で、東京電力社長は「このままあいまいな状況では復興の足かせになる。福島第二原発の全号機廃炉の方向で具体的な検討に入る」と言及し廃炉の方向性を示しました(1)。突然に良心に目覚めたとは思えず、いろいろと思惑が取りざたされてるようです(2)。6月10日の新潟県知事選で与党系候補が勝利し(3)、柏崎刈羽の再稼働の可能性が高まったと見る向きがあります(2)。東京電力は柏崎刈羽の再稼働を為に福島第二の廃炉を決めたようです。
 柏崎刈羽原発は新潟県にある東京電力の原子力発電所です(4)。ただし、新潟での評判は良くないようです。6月10日に新潟県知事選挙が行われましたが(3)、選挙に合わせて朝日新聞が実施した出口調査で、柏崎刈羽の再稼働への賛否に絞った質問でも、反対(65%)が賛成(30%)をダブルスコアで上回わりました(5)。新潟の読者に事情を聴くと
 ・新潟に電気を供給してない東京電力の発電所である(6)。
 ・福島事故を起こした東京電力の発電所である(7)。
 ・2007年の中越沖地震では、火災(4)や放射能漏れ事故(8)をお越し、新潟県の海水浴客が半減する等(9)の被害を出しました。
2007年の柏崎刈羽原発火災映像を放送したBSN
 ※(10)を転載
 図-1 煙もくもく柏崎刈羽原子力発電所

6月10日に新潟県知事選挙が行われました。選挙の結果、与党系候補が当選しました(3)。前知事は野党系でしたので(11)、新潟県知事は野党系から与党系に代わりました。ただし、与党系の現知事も選挙公約では柏崎刈羽の再稼働には慎重な姿勢をしめしています。以下に選挙公報を示します。
再稼働慎重をうたう当選した現知事の選挙公報
 ※(12)をキャプチャー
 図―2 当選した現知事の選挙公報

 図に示す様に柏崎刈羽の再稼働への慎重姿勢を公約のトップに上げています。
 昨年12月27日の原子力規制員会は柏崎刈羽原発6,7号機の適合性審査(安全審査でない)の合格を決めました(13)(14)(15)。 6,7号機は合計で271.2万kWの出力があり(4)、稼働率を75%と見込むと(16)、年間178.2億kWh(271.2万×365×24×0.75)の発電が可能です。ガスタービン発電の燃料費は1kWh当たり13円だそうです(17)。東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働で年間2,316億円(178.2億×13)の燃料費が節約できます。東京電力からみれば柏崎刈羽原発は打ち出の小槌です。
 現知事は官僚出身の与党系知事です(18)。官僚は平然と嘘をつきます(19)。現知事が与党系であることから、公約とは別に柏崎刈羽の再稼働を認めるのではとの見方があります(2)。日本経済新聞は6月12日付の社説「原発への不安をどう拭うか 」との社説で
「花角氏(現新潟県知事)にも現実を踏まえた対応を求めたい。柏崎刈羽原発の再稼働の可否は東電の経営を左右し、福島原発事故の被災地の復興にも影響を及ぼす。いたずらに判断を遅らせることは避けるべきだ。」
と論じ(20)、公約に係らず柏崎刈羽の再稼働への早急な同意を求めています。
 東京電力も同じ見方をしているかもしれません。柏崎刈羽が適合性審査に合格といっても、合格したのは「設置許可 」のみです。再稼働を実現するには、新潟県知事の同意の他に原子力規制員会の「工事計画認可」と「保安規定(変更)認可」が必要です(21)。設置許可には、
「福島第1原発の廃炉の進展や原発の安全性向上に向けて小早川智明(東京電力)社長が示した取り組みを確実に実行させるため、規制委の権限が及ぶ保安規定にその内容を書き込むこと」
との条件が付けられています(22)。言い換えれば福島第1原発の廃炉の取り組みが確実できていなければ、原子力規制委員会から保安規定の認可は受けられず、たとえ新潟県知事が同意しても柏崎刈羽の再稼働はできません。
 福島第一では地下水が山から流れて来て、原子炉やタービン建屋に流入しています。あるいは海までに達しています。汚染されれば海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています(23)。浄化しても排水基準(24)を満たさない汚染地下水は、タービン建屋に送っています(25)。地下水がタービン建屋に流れ込んだり、海岸の井戸からタービン建屋に送り込んだ地下水で汚染水は増えていきます。
どんどん増える福島第一汚染水
 ※(26)を集計
 図―3 どんどん増える福島第一汚染水

 最新の発表(27)を集計すると総量で約112万トンに達します。これについて東京電力の社長は5月30日、原子力規制委員会との面談し、福島第一原発の汚染水の処分について、「(取り扱いを議論している)政府の小委員会の結論を待ちたい」と繰り返し答えました。「主体性がない」と指摘された昨年7月の面談と同様の回答に、原子力規制委員長は「トップの方針として大きな疑問を持つ」と厳しく批判されました(28)。このままでは「保安規定」が認可されず、柏崎刈羽の再稼働はできません。東京電力は焦っていると思います。
 福島県はこれまでの幾度に渡り福島第二の廃炉を要請していましが、これまでは曖昧な態度に終始していました。それが6月14日の福島県知事との面談で、東京電力社長は「このままあいまいな状況では復興の足かせになる。福島第二原発の全号機廃炉の方向で具体的な検討に入る」と言及し廃炉の方向性を示しました(1)。
福島第二の廃炉の方向性を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(29)を6月15日に閲覧
 図―4 福島第二の廃炉の方向性を報じる福島県の地方紙・福島民報

突然に良心に目覚めたとは思えません。これについて
「有力視される海洋放出に対しては、地元自治体も漁業者も『風評被害が再燃する』と反発している。今回の判断が処分方法決定に向けた『地ならし』との見方は根強い」
と報じられています(30)。
福島第二の廃炉は「トリチウム水(汚染水)の処理」と報じる福島のローカルTV局FTV
 ※(31)を引用
 図―5 福島第二の廃炉は「トリチウム水(汚染水)の処理」と報じる福島のローカルTV局FTV

 福島第二の廃炉は柏崎刈羽の再稼働を狙ったもののようです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島第二が廃炉になっても廃炉作業が進められることはないと思います(32)。
第二廃炉の実現見通しは不透明と報じる福島の地方紙・福島民報
 ※(29)を6月16日に閲覧
 図-6 第二廃炉の実現見通しは不透明と報じる福島の地方紙・福島民報

状態表示が「停止中」(34)が「廃炉」に代わるだけです。福島第一の5,6号機は2014年1月に廃炉になりました(35)。それから4年以上が経過しましたが、廃炉作業が進められている様子がありません(36)。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島県福島市でサクランボが本格シーズンになりました(37)。福島市辺りのサクランボはつややかな赤い宝石の甘酸っぱさで人気があるそうです(37)。福島産は検査で「安全」とされます(38)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(39)を引用
 図―7 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第二原発全基廃炉へ 東電社長、知事に表明 | 県内ニュース | 福島民報
(2)【原発ゼロへ・第2原発廃炉表明】突然表明に波紋 臆測行き交う:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(3)2018年新潟県知事選挙 - Wikipedia
(4)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(5)花角氏、再稼働反対票も取り込む 新潟知事選、出口分析:朝日新聞デジタル
(6)東京電力ホールディングス - Wikipedia
(7)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(8)柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて|TEPCOニュース|東京電力
(9)[PDF]PDF形式 858 キロバイト - 新潟県
(10)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい東電原発(3月1週)―柏崎刈羽・安全審査の申請書を再提出―
(11)新潟県知事一覧 - Wikipedia
(12)中の5月25日
【県知事選挙】選挙公報を掲載しました。

(13)第57回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会
(14)東京電力ホールディングス(株)に柏崎刈羽原子力発電所6号炉及び7号炉の設置変更を許可 | 原子力規制委員会
(15)(コメント)柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の新規制基準への適合性に係る原子炉設置変更許可について|お知らせ|東京電力ホールディングス株式会社
(16)原子力発電所の設備利用率|発電所等データ|資料室(発電所運転データ他)|原子力情報センター(KNIC)|公開情報|原子力発電について|エネルギー|エネルギー・安定供給|関西電力
(17)化石燃料に依存する日本の電力事情(1):電力の88%を火力で作る
(18)花角英世 - Wikipedia
(19)東京新聞:財務省の処分 佐川氏独断の不可解:社説・コラム(TOKYO Web)
(20)原発への不安をどう拭うか  :日本経済新聞
(21)柏崎刈羽原子力発電所 6・7号炉 関連審査会合 | 原子力規制委員会
(22)規制委:東電「適格」条件付き 柏崎刈羽、新基準適合へ - 毎日新聞
(23)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(24)サンプリングによる監視|東京電力
(25)報道配布資料|東京電力中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(26)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(27)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第356報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(28)東電の処理水方針「疑問」 社長と面談「トップとして無責任」 | 東日本大震災 | 福島民報
(29)福島民報
(30)<福島第2廃炉>汚染水処分へ地元対策か | 河北新報オンラインニュース
(31)ローカルTime FNN被災地発...
(32)<福島第2廃炉>再建に不確定要素 人材や費用課題山積 | 河北新報オンラインニュース
(33)福島第二原子力発電所 - Wikipedia
(34)福島第一原子力発電所 - Wikipedia
(35)中長期ロードマップ|東京電力
(36)ニュース|福島中央テレビ
(37)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(38)検査体制 | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報
(39)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2018/06/16(土) 19:44:52|
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月2週)―福島でセシウム汚染食品が市場流出、49日間発表しません―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。6月8日までの食品中の放射性セシウムの検査結果が6日遅れで発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先回に続き今回もしっかりセシウム汚染食品が見つかっています(4)。しかも市流出です。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数1,015件中6件の基準越え
  ②平均は、1キログラム当たり1ベクレル、最大200ベクレル(福島県産タケノコ)。
事故8年目を市場流出するセシウム汚染食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2018年6月2週)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

 危険なセシウム汚染食品が宮城、福島、茨城、栃木で見つかっています。今週の発表から
 ・福島でセシウム汚染食品が市場流出、49日間発表しません
 ・宮城県産クロダイからセシウム、福島産は全てND
 ・福島県福島市はサクランボが最盛期、検査結果がありません
 ・福島県産ソラマメから突然のセシウム
などの特徴が読み取れ福島産は安全とは言えません。

1.福島でセシウム汚染食品が市場流出、49日間発表しません
 福島で基準値(5)を超える1キログラム当たり130ベクレルのセシウム汚染食品が(茨城県産コシアブラ)が流通しているのが見つかったと発表がありました。検査は4月26日に終っているのですが、安倍出戻り内閣が発表したのは49日後の6月14日です(8)。
 福島では基準超のセシウム汚染食品が見つかっても直ぐに発表される事はありません。その間に知らずに食べてしまうリスクがあります。

2.宮城県産クロダイからセシウム、福島産は全てND
 宮城県が検査した宮城県産クロダイから1キログラム当たり19ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました(9)。以下に検査結果を示します。
宮城・茨城産からは見つかっても福島産クロダイからは見つからないセシウム
 ※1(1)を集計
 ※2 日付けは捕獲日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 ※4()内は検査先
 図―2 クロダイの検査結果

 図に示す通り宮城県産だけでなく、茨城県が検査した茨城産からも見つかっています。でも、福島県が検査した福島産クロダイからはセシウムは見つかりません。
 アメリカが福島産スズキの輸入制限を解除したそうです(10)。本当に「安全」か気になります。以下に検査結果を示します。
隣県では見つかっても福島産スズキからは見つからないセシウム
 ※1(1)を集計
 ※2 日付けは捕獲日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 ※4()内は検査先
 ※5 淡水は除く
 図―3 スズキの検査結果

  図に示す通り茨城・千葉産だけでなく、岩手産、宮城産のスズキからもセシウムが見つかっています。ところが福島県が検査した福島県産からは見つかっていません。
 クロダイにしてもスズキにしても、福島隣県ではセシウムが見つかっているのに、福島県の検査では、汚染源がある福島産からは見つかりません。海はつなっているのにおかしな話です。クロダイやスズキなどの福島産の農水産物の出荷前検査は、厚生労働省の発表(1)を見ると、すべてを福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(11)が実施してます。中立性に疑問があります。福島産は他より引く出る検査で「安全」とされ出荷されます。

3.福島県福島市はサクランボが最盛期、検査結果がありません

 以下に福島県福島市等の位置を示します。
事故8年目も汚染されている福島
 ※1 (12)のデータを(13)に示す手法で6月1日に換算
 ※2 避難区域は(14)による
 図-4 福島市と相馬市・南相馬市

 図に示す通り福島市では、事故8年目ですが、図に示す通り福島では 国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(15)地域が広がっています。事故8年目の福島市は汚染されたままです。
 そして葬式が増えています。福島県の発表(16)を集計すると
 事故前(2010年1月~4月)1,042人
 今年(2018年1月~4月) 1,235人
で19%増えていました。このような事が起こる確率を計算したら0.005%です(17)。
 福島市は福島県内でもくだもの作りが盛んな市です。サクランボ、モモ、リンゴ、ナシ、ブドウ等の福島を代表する果物(18)の栽培面積は福島市がトップです(19)。一方でくだもの作りがあまり盛んでない相馬・南相馬市(19)の葬式(死者)数を集計すると事故前(2010年1月~4月)478人
 今年(2018年1月~4月) 456人
で(16)少し減っていますが、統計的な差があるとまではいえません。
 福島県福島市でサクランボの出荷が最盛期を迎えたそうです(20)。汚染され葬式が増えた福島市で作られるサクランボは確り検査して欲しいと思います。以下に検査結果を示します。
検査結果が出てこない福島市産サクランボ
 ※(21)を引用
 図-5 福島産サクランボの検査結果

 図に示す通り検査結果が出て来ません。
 福島産は検査していなくても、検査で「安全」とされます(22)。

4.福島県産ソラマメから突然のセシウム
 福島産ソラマメから1キログラム当たり14ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました(23)。以下に現行基準施行後(6)の検査結果を示します。
突然のセシウムが見つかった福島県産ソラマメ
 ※1(1)を集計
 ※2 日付けは収穫日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 図―6 福島県産ソラマメの検査結果

 図に示す様にしばらくは検出限界未満(ND)が続いていたのですが、突然のセシウムです。今年の福島産野菜はセシウム入りです。
 そして、福島産はセシウムが上昇する事があります。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 ・汚染食品の市場流出も直ぐには公表されない福島
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・検査されていなくても検査で安全とされる福島産
 ・セシウム濃度が上昇する事がある福島産
 (=^・^=)は不安なので
 「買わない」「食べない」「出かけない」の「フクシマ3原則」を決めています。これって(=^・^=)だけではないようです。
 福島県伊達市産米の全量・全袋検査数が約19万件となりました(24)。同市は人口6万人程度の市(16)なので市民が食べるには充分な量です。福島のお米は美味しいそうです(25)。伊達市産米は全量・全袋検査を実施しているので「安全」だそうです(26)。でも、福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(27)を引用
 図―7 福島産米が無い福島県伊達市のスーパーのチラシ


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第1087報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月1回)―福島スズキ漁再開、隣県のスズキからはセシウム―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)(3)中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒検査結果(PDF:168KB)
(8)(7)中のNO.519
(9)(3)中の「1 自治体の検査結果⇒検査結果(PDF:959KB)のNO.2342
(10)米政府が福島県産スズキの輸入停止解除 主要魚種全て試験操業:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(11)農林水産部 - 福島県ホームページ
(12)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(13)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(14)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(15)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(16)福島県の推計人口(平成30年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(17)めげ猫「タマ」の日記 原発忌避も風評被害
(18)くだもの図鑑 – くだもの消費拡大委員会
(19)くだものづくりがさかんな福島盆地
(20)ニュース|福島中央テレビ
(21)品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報を「果物⇒あ行⇒お⇒オウトウ(サクランボ)、オウトウ(サクランボ)(施設)、オウトウ(施設)および福島市で6月15日に検索」
(22)検査体制 | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報
(23)(7)中のNO.353
(24)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(25)ふくしま米
(26)米の全量全袋検査スタート - 福島県伊達市ホームページ
(27)西友保原店 - 店舗詳細|SEIYU

テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記

  1. 2018/06/15(金) 19:45:37|
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福島の待機児童は4割減、子どもの数が減っただけ

 福島県の地方二紙が県内16市町村を集計した結果として、待機児童が昨年度に比べ4割(224人)減ったと報じました。報道では行政の努力の結果と報じられていますが(1)(2)、保育対象となる6歳未満の乳幼児の人数を出生数(3)から推計すると
 2017年4月 64,077人
 2018年4月 63,949人
で、1,128人減っています。(=^・^=)は福島では赤ちゃんが生まれなくなり、保育園の入園希望者減った結果だと思います。
 福島は事故によって汚染されました。多くに方が福島から逃げ出したと思います。以下に2011年3月から1年間の福島県の社会的増減を示します。
女性を中心に福島脱出が起こった事故1年目
 ※(3)を集計
 図―1 事故から1年間の福島の社会的増減

 20代、30代の女性を中心に多くに方が福島を脱出しました。この年代は保育士の年齢層とも重なります(4)。多くの保育士さんも福島から逃げ出したと思います。保育士がいなくなれば保育園のキャパも減ります。事故後に福島では待機児童問題が深刻かしました(1)。ところが福島の地方二紙は2017年4月に比べ今年(2018年)4月は県内16市町村を集計した結果として、待機児童が昨年度に比べ4割(224人)減ったと報じました(1)(2)。
 待機児童減を報じる福島県の地方紙・福島民報
※(5)を6月14日に閲覧
 図―2 待機児童減を報じる福島県の地方紙・福島民報

 これについて報道は
「最多の待機児童を抱える福島市は正規保育士を8人増やした。嘱託保育士の賃金を引き上げるなど人材確保に努め、市立保育所の受け入れ児童数を前年より110人多い919人とした。私立保育所・小規模保育所などの定員も新増設や認可外施設からの移行で164人増の4480人となった。」
等と報じ、行政の努力で保育園のキャパが増えたかのように報じています(1)。
 福島県の各年3月から翌年2月までの赤ちゃんの誕生数を示します。
事故4年目以降は減り続ける福島の赤ちゃん誕生数
 ※1(3)を集計
 ※2 各年3月から翌年2月を集計
 図-3 福島の赤ちゃん誕生数

 図に示す通り年々減っていきます。
 事故前1年(2010年3月から11年2月) 16,124人
 近々1年(2017年9月から18年2月)  13,177人
で約2割減っています。これからも減って行きます。
 赤ちゃんが減れば、保育園入園対象者も減ります。以下に過去6年分の出生数の合計で推計した16市町村の保育園入園対象となる6歳未満の子どもの人数を示します。
減り続ける福島の保育園入園該当者
 ※1(3)を集計
 ※2 過去6年間の出生数の合計
 図-4 6歳未満の子ども人数(推計値)

 図に示す様にどんど減っています。出生数から推計される6歳未満の乳幼児の人数は
 2017年4月 64,077人
 2018年4月 63,949人
で、1,128人減っています。これは待機児童の減少数224人を超えます。
 福島のマスコミが行政の努力と報じていますが(1)(2)、実態は事故後に出生数が大幅に減り、子どもの数が減ったことにより待機児童が減ったようです。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島の行政は色々と努力はしているようですが、なかなか結果には結びつかないようです。待機児童のように行政の努力とは別の要因で改善されても行政の努力にされるようです。福島では事実が正確に報じられることはないようです。福島では福島産は安全であり、これを避けるのは「風評被害」との報道がなされていましが(6)、福島の皆様は信用しないと思います。
 福島県いわき市産米の全量・全袋検査数が49万件を超えました(7)。同市は人口34万人程度の市なので(3)、市民が食べるには充分な量です。同市のお米は「Iwaki Laiki」とゆうブランド米だそうです。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(8)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産はあっても福島産米が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(9)を引用
 図―5 福島産が無い福島県のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)県内待機児童 昨年比4割減 保育士確保、依然課題 県速報値 | 県内ニュース | 福島民報
(2)「待機児童」12市町村372人 6年ぶりに減少、施設整備が要因:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(3)福島県の推計人口(平成30年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(4)保育士の平均年齢は?転職に年齢制限はあるの?有利な年齢層はこの年齢!
(5)福島民報
(6)復興の道標:福島民友新聞社 みんゆうNet
(7)ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報
(8)いわき市産ブランド米「Iwaki Laiki」好評販売中 | いわき市 観光情報サイト IWAKI
(8)ふくしまプライド。
(9)マルト 平尼子店のチラシ・特売情報 | トクバイ
  1. 2018/06/14(木) 19:41:02|
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原発忌避も風評被害

 新潟県知事選で与党系候補が当選したことを受け(1)(2)、日本経済新聞は6月12日付の社説「原発への不安をどう拭うか 」との社説を発信しました(3)。表題を見る限り原発は安全であり、再稼働を妨げているのは住民の「不安」のような論調です。(=^・^=)が調べた限りでは「福島産は安全」には科学的根拠がありません(4)。それでも、「風評被害」が叫ばれています。福島産には「「世界一厳しい基準と検査」が適応されているそうです(5)。同じように原発は「世界でもっとも厳しい水準の新しい規制基準が策定されました」との事です(6)。だったら原発も安全であり、当該社説の表題の通り原発の再稼働を妨げているのは「原発への不安」であり、原発を忌避するのは「風評被害」です。たとえ数年前に大事故を起こした(7)としても。
 福島第一原発の大事故で、放射性物質を閉じ込めるはずだった5重の壁(8)があっさりと壊れ放射能(8)が炉心から福島を中心に各地に「うつり」ました。以下に放射線量の分布を示します。
事故8年目も特異的に汚染されている福島
 ※(9)の数値データを元に(10)に示す手法で6月1日時点に換算
 図-1 特異的に汚染されている福島 

 図に示す通り福島では国が除染が必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(11)地域が広がっています。一方で、福島県外には広がっていません。避難地域が設定されているのは「フクシマ」だけです(12)。事故8年目になりましたが「福島」は特的に汚染されています。
 福島を代表する農作物にモモがあります(13)。福島県福島市は福島最大のモモの産地であり(14)、県庁所在地の中では一人当たりのモモの消費量が全国一です(15)。以下に福島県福島市の各年1-4月の合計の葬式数を示します。
 事故後に葬式が増えた福島県福島市
 ※1(16)を集計
 ※2 各年1-4月の4ヶ月間
 ※3 震災犠牲者は(17)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―2 福島県福島市の各年1-4月の葬式(死者)数

 モモの生産が盛んで消費が多い福島市の葬式(死者)数は
 事故前(2010年1月~4月)1,042人
 今年(2018年1月~4月) 1,235人
で19%増えていました。2010年と2018年に亡くなった方を一つのグループとして、これを2010年と2018年に亡くなった方の二つのグループに分けます。もし、葬式が増えていないなら同じ数になります。一方で2018年の葬式が増えているなら、2018年が多くなるます。葬式が増えていないとして、このような事が起こる確率を計算したら0.005%でした。福島市で葬式が増えていないとは言い難い状況です(18)。
 福島県のひらた中央病院が福島産米や野菜を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(19)。これを集計すると相馬市・南相馬市では福島産米と野菜を共に許容する方は7%です。果物の調査結果はありませんが同様に避けていると想像できます。そこで、比較のために相馬・南相馬についても集計してみました。
相馬・南相馬市の葬式(死者)数は
 事故前(2010年1月~4月)478人
 今年(2018年1月~4月) 456人
で(19)少し減っていますが、統計的な差があるとまではいえません。
 福島の最大のモモの産地でモモの消費が多い福島県福島市では葬式が増えていますが、そうでは無い相馬・南相馬市では増えていません。図―1に示す通り福島は特異的に汚染されており、多くの方が「福島産」を避けるはずです。
 以下に生産量第一位の山梨県(20)と福島県産モモの取引価格を示します。
事後に低迷が続く福島産モモ価格
 ※(21)を集計
 図―3 山梨・福島のモモ価格(東京中央卸売市場)

 図に示す通り、事故前から福島産は安かったのですが、事故後は汚染されたので、消費者がこれを忌避しさらに安値になりました。
 ところが経済産業省はこうした「福島産」を避ける行為を「風評」と呼んでいます。なんでも
「世界一厳しい基準と検査」
で安全が担保されているとの主張です(5)。ただ、この役所には記憶を無くしり、戻したりする妙な審議官がいます(22)。(=^・^=)には何かの目的の為に、適当に「嘘」言っているようにしか見えません。だったら、福島産は「安全」も嘘の可能性があります。
 モモ等の果物の基準値は日本は1キログラム当たり100ベクレルですが(23)、ウクライナは70ベクレルです(24)。モモは福島よりウクライナの方が基準が厳しくなっています。そして検査も怪しげです。以下にスズキの検査結果を示します。
隣県では見つかっても福島産スズキからは見つからないセシウム
 ※1(25)を集計
 ※2 日付けは捕獲日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 ※4()内は検査先
 ※5 淡水は除く
 図―4 スズキの検査結果

 図に示す通り茨城・千葉産だけでなく、岩手産、宮城産のスズキからもセシウムが見つかっています。ところが福島県が検査した福島県産からは見つかっていません。隣県産から見つかっているのの福島県が検査した福島産スズキからはセシウムが見つかっていませ。海はつなっているのにおかしな話です。スズキ等の福島農水産物の出荷前検査は、厚生労働省の発表(25)を見ると、すべてを福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(26)が実施してます。中立性に疑問があります。福島産は他より引く出る検査で「安全」とされ出荷されます。
 柏崎刈羽原子力発電所は事故を起こした東京電力の原子力発電所です。2007年の中越沖地震では、柏崎刈羽原子力発電所は火災(27)や放射能漏れ事故(28)をお越し、新潟県の海水浴客が半減する等(29)の被害を出しました。
2007年の柏崎刈羽原発火災映像を放送したBSN
 ※(30)を転載
 図-5 煙もくもく柏崎刈羽原子力発電所


 昨年12月27日の原子力規制員会は柏崎刈羽原発6,7号機の適合性審査(安全審査でない)の合格を決めました(31)(32)(33)。 6,7号機は合計で271.2万kWの出力があり(27)、稼働率を75%と見込むと(34)、年間178.2億kWh(271.2万×365×24×0.75)の発電が可能です。ガスタービン発電の燃料費は1kWh当たり13円だそうです(35)。東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働で年間2,316億円(178.2億×13)の燃料費が節約できます。東京電力からみれば柏崎刈羽原発は打ち出の小槌です。新潟県は福島事故の検証を独自に進めています(36)。そのなかでは福島の子どもの間で見つかっている甲状腺がんも話題になっています(37)。(=^・^=)の見る限り福島の子ども甲状腺がんは事故影響の可能性が高そうです(38)。柏崎刈羽が再稼働後に事故って子供達が甲状腺がんになっては新潟の皆さんは困ると追います。
 6月10日に新潟県知事選挙の投票が行われました。与野党対決の構図で、3人が立候補しましたが、実質は与党系の花角候補(当選、現知事)と野党系の池田候補(落選)の一騎打ちでした(1)(2)。選挙公報を見ると(39)両候補とも柏崎刈羽の問題をトップにしていました。
原発再稼働問題を第一に掲げた新潟県知事選与野党系候補
 ※(39)を抜粋
 図-6 2018年新潟県知事選、選挙公報

 原発再稼働問題は新潟の皆さんの関心事のようです。NHKが報じるところによれば、知事選当日の出口調査で柏崎刈羽原発の再稼働への賛否を聞いたところ、反対が73%、賛成が27%で大多数が再稼働反対です(40)。それでも与党系候補が当選しました(1)(2)。原発の再稼働に「賛成」と答えた人は、70%台前半と、「反対」と答えた人のうち、30%台後半が与党系候補を、「反対」と答えた人のうち、50%台後半が野党系候補を支持したそうです(40)。与党系候補の支持率を見ると原発賛成が19%(0.27×0.7×100)、反対が22%(0.73×0.3×100)で、原発反対の方が多くなっています。当選した与党系候補に投票した方の半分以上が柏崎刈羽の再稼働に反対なようです。
 経済産業省は原発の安全性について
「世界でもっとも厳しい水準の新しい規制基準」
と主張しています(6)。福島産に対する
「世界一厳しい基準と検査」
と(5)極めて近い表現です。なんだか原発は安全であり、これを忌避するのは「風評被害」と言いたげです。
 これを受けてでしょうか?日本経済新聞は6月12日付の社説「原発への不安をどう拭うか 」との社説を発信しました(3)。この社説ではまず
「新潟県知事選で自民・公明両党が支援した花角英世氏が当選した。同氏は東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に慎重な構えで、再稼働をめぐり地元の不安がなお強いことを浮かび上がらせた。 <中略>
柏崎刈羽6、7号機は昨年12月、原子力規制委員会の審査に合格している。東電や国は地元の同意を早く得て、再稼働させたい考えだが、知事が交代しても厳しい状況は変わりそうにない。

 地元の不安が強いのは、東電が福島原発事故を起こした当事者であるからだけではない。柏崎刈羽原発では2002年、原子炉のひび割れを東電が組織ぐるみで隠していた問題が発覚した。07年の中越沖地震でも火災発生の通報が遅れ、地元は不信を募らせた
 <中略>
花角氏にも現実を踏まえた対応を求めたい。柏崎刈羽原発の再稼働の可否は東電の経営を左右し、福島原発事故の被災地の復興にも影響を及ぼす。いたずらに判断を遅らせることは避けるべきだ。」
と論じています。柏崎刈羽は「世界でもっとも厳しい水準の新しい規制基準」をクリアし「安全」であり、これを忌避するのは(科学的根拠のない)地元の不安、すなわち「風評被害」である。新知事は東電の経営を安定化し、福島原発事故の被災地の復興を進める為に再稼働を認めるべきとの主張のようです。
 福島産の「風評被害」の連呼の裏には、原発忌避は「風評被害」との主張が隠れているようです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 (=^・^=)は原発に限らず技術はメリットとデメリットを比較しメリットがデメリットを上回れば使うべきだし、そうでないなら止めるべきだと考えます。交通事故は危険ですが、自動車を廃止などの意見は出ません。これは交通事故リスクより自動車の利便性が高いかからだと思います。原発再稼働も同様だと思います。事故等のリスクよりメリットが大きければ再稼働するべきと思いますし、デメリットが大きければ再稼働すべきでないと思います。
 日本全体で考えると難しい問題ですが、柏崎刈羽の再稼働は答えが簡単です。東京電力は新潟に電気を供給していません(41)。日本経済新聞は柏崎刈羽の再稼働のメリットを
「東電の経営を安定化し、福島原発事故の被災地の復興を進める」
のに有用としていますが(3)、東電の経営が安定化は首都圏や福島の問題で新潟には関係ありません。一方で再稼働すれば大小は別にして事故リスクを負います。さらには。柏崎刈羽が再稼働すれば東京電力の発電コストが低下するので、首都圏では電気料金の値下げの声が高まると思います。原子力政策を上手く進めるには、原発を再稼働した電力会社から順次の電気料金値下げは効果てきだと思います。柏崎刈羽原発が再稼働すれば東京電力が電気を供給している首都圏(42)の電気料金が下がる可能性が大きいと思います。一方で立地しているのに電気を供給していない新潟(41)の電気料金は下がりません。相対的に電気料金が高くなった新潟の産業は競争を失います。当該社説は
「新潟は政令指定都市があり、日本海側の拠点だ。新知事は地域の活性化にも全力を挙げてほしい。」
と結んでいます(3)。でも、実現は不可能になります。この社説は新潟の活性化を主張していますが、一方でこれを妨げかねない柏崎刈羽の再稼働を主張しています。事故後の原発報道を見るとこうした怪しげな報道をよく見かけます。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する野菜にキュウリがあります。二本松市は主要な産地です(43)。同市産の「ブルームきゅうり」が人気だそうです(44)。福島県二本松市はキュウリの季節です。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(45)。でも、福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
 ※(46)を引用
 図―7 福島産キュウリが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県二本松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)2018年新潟県知事選挙 - Wikipedia
(2)2018新潟県知事選|特集|新潟日報モア
(3)原発への不安をどう拭うか  :日本経済新聞
(4)めげ猫「タマ」の日記 「福島産は安全」には科学的根拠が無い
(5)風評に立ち向かう|福島復興|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
(6)原発の安全を高めるための取組 ~新規制基準のポイント|広報特集|資源エネルギー庁
(7)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(8)福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさないために|あくなき安全性の追求|[関西電力]
(9)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(10)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(11)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(12)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(13)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(14)くだものづくりがさかんな福島盆地
(15)福島県・福島市|なるほど統計学園
(16)福島県の推計人口(平成30年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(17)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(18)めげ猫「タマ」の日記 除染土利用計画段階で購入拒否、風評被害?
(19)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(20)桃の生産量の都道府県ランキング(平成28年) | 地域の入れ物
(21)東京都中央卸売市場-統計情報検索を「大分類⇒果物、中分類⇒もも類、品目(小分類)⇒もも」で検索
(22)柳瀬元首相秘書官の国会証言はやはり嘘だった 官邸面談録を全文公開 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
(23)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(24)ウクライナにおける法的取り組み
(25)報道発表資料 |厚生労働省
(26)農林水産部 - 福島県ホームページ
(27)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(28)柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて|TEPCOニュース|東京電力
(29)[PDF]PDF形式 858 キロバイト - 新潟県
(30)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい東電原発(3月1週)―柏崎刈羽・安全審査の申請書を再提出―
(31)第57回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会
(32)東京電力ホールディングス(株)に柏崎刈羽原子力発電所6号炉及び7号炉の設置変更を許可 | 原子力規制委員会
(33)(コメント)柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の新規制基準への適合性に係る原子炉設置変更許可について|お知らせ|東京電力ホールディングス株式会社
(34)原子力発電所の設備利用率|発電所等データ|資料室(発電所運転データ他)|原子力情報センター(KNIC)|公開情報|原子力発電について|エネルギー|エネルギー・安定供給|関西電力
(35)化石燃料に依存する日本の電力事情(1):電力の88%を火力で作る
(36)新潟県:原発事故に関する3つの検証について
(37)新潟県:新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会
(38)めげ猫「タマ」の日記 福島甲状腺、地域差あり
(39)発電所の安全対策|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力中の柏崎刈羽原子力発電所安全対策リーフレットPDF
(40)新潟県知事選 出口調査結果から|NHK 新潟県のニュース
(41)【経済インサイド】電力自由化、仁義なき戦い 東京電力が東北電力エリアの新潟に進出!? 柏崎刈羽原発再稼働の切り札か?(1/4ページ) - 産経ニュース
(42)東京電力ホールディングス - Wikipedia
(43)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(44)「ブルームきゅうり」人気 表面の白い粉特徴、通販で福島県産:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(45)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(46)安達店 | ベイシア
  1. 2018/06/13(水) 19:46:36|
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福島産、食べて応援、あの世行(事故8年目)

 福島県のひらた中央病院が発表したアンケート結果(1)を(=^・^=)なりに集計すると、福島産米や野菜を共に許容する割合は
  福島県郡山市  46%
  福島県相馬市・南相馬市 7%
で、郡山市が断然に多くなっています。郡山市の2018年3-5月中の葬式(死者)数を(=^・^=)なりに郡山市の発表(2)集計してみました。郡山市の葬式(死者数)は
 事故前年(2010年3-5月) 636人
 事故8年目(2018年3-5月)853人
で、事故前に比べ16%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.3%でした。
一方で福島県が発表している各年3.4月の人口動態(3)を集計したら、福島県相馬市・南相馬市の合計の葬式(死者数)は
 事故前年(2010年3.4月) 230人
 事故8年目(2018年3.4月)223人
で減っていますが統計的な差はありません。事故8年目になりましたが
 「福島産、食べて応援、あの世行」
が続いている感じです。
 原発事故で福島は汚染されました。
事故8年目になって汚染されたままの福島
 ※1 (4)のデータを(5)に示す手法で6月1日に換算
 ※2 避難区域は(6)による
 図-1 郡山市・相馬市・南相馬市といわき市

 事故8年目ですが、図に示す通り福島では 国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超える(7)地域が広がっています。事故8年目の福島は汚染されたままです。それでも経済産業省は福島産は安全であり、これを避ける行為を「風評被害」と呼んでいます(8)。ただ、この役所には記憶を無くしり、戻したりする妙な審議官がいます(9)。(=^・^=)には何かの目的の為に、適当に「嘘」言っているようにしか見えません。だったら、福島産は「安全」も嘘の可能性があります。
 福島県のひらた中央病院が福島産米や野菜を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(1)。以下に結果を示します。
表ー1 福島産米や野菜を許容すかのアンケート結果
 ※ (1)を集計
福島産許容する割合が多い郡山市、少ない相馬・南相馬市

 表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では福島産米と野菜を共に許容する方は7%ですが、郡山市では46%の方が共に許容しています。いわき市はその中間です。そこで郡山市と相馬・南相馬市の葬式(死者)数を比較してみました。
 各年3-5月の福島県郡山市の葬式数を示します。
事故前に比べ16%葬式が増えた福島県郡山市
 ※1(2)を各年3-5月で集計
 ※2 震災犠牲者は(10)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―3 福島県郡山市の各年1~4月の葬式(死者)数

郡山市の葬式(死者数)は
 事故前年(2010年3-5月) 636人
 事故8年目(2018年3-5月)853人
で、事故前に比べ16%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.3%でした。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
 
 表―2 偶然に起こる確率の計算結果
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(10)による。
有意差検定表

 以下に相馬・南相馬市合計の各年3.4月までの葬式数を示します。
葬式が増えていない福島県相馬・南相馬市
 ※1(3)を各年3.4月で集計
 ※2 震災犠牲者は(11)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―4 福島県相馬・南相馬市の各年3.4月の葬式(死者)数

福島県相馬市・南相馬市合計の葬式(死者数)は
 事故前年(2010年3.4月) 230人
 事故8年目(2018年3.4月)223人
で減っていますが統計的な差はありません。
 なお、4月までとなったのは、相馬・南相馬市の発表は福島県の発表(3)によりますが、現時点(2018年6月12日)では4
月までのためです。
 以下に各年3月から5月の福島県いわき市の葬式数を示します。
 葬式が増えていない福島県いわき市
※1(12)を各年3-5月で集計
 ※2 震災犠牲者は(11)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―5 福島県いわき市の各年1~4月の葬式(死者)数

 いわき市の葬式(死者数)は
 事故前年(2010年1-4月)1,072人
 今年(2018年1-4月)  1,065人
で、少し減っています。ただし統計的な差があるとまでは言えません。
表―1とこれらの結果をまとめると以下の図ができました。 
福島産を許容する程に増える葬式
図―6 葬式(死亡)増加率と福島産を許容する割合

 図に示すように福島産を許容する地域程、葬式が増えています。事故8年目ですが
  福島産、食べて応援、あの世行
って感じです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 このようなデータが出て来ると不安なので、(=^・^=)は「買わない」「食べない」「出かけな」の「フクシマ3原則」を決めています。でも、これって(=^・^=)だけではないようです・ 
福島を代表する夏野菜にインゲンがあります(13)。6月に入りシーズンです(14)。福島のインゲンは栄養も豊富で、食べるとサクサクとおいしい食味が味わえるそうです(15)。 福島県は福島産はインゲン「安全」だと主張しています(16)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産インゲンはありません。
他県産はあっても福島産インゲンが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(17)を引用
 図―7 福島産インゲンが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(2)郡山市の現住人口/郡山市
(3)福島県の推計人口(平成30年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(6)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)風評に立ち向かう|福島復興|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
(9)柳瀬元首相秘書官の国会証言はやはり嘘だった 官邸面談録を全文公開 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
(10)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(11)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(12)地区別世帯数・男女別人口 | いわき市役所
(13)夏 | ふくしまの野菜 | JA全農福島
(14)さやいんげんの巻 - 東京多摩青果株式会社
(15)サヤインゲン | JA会津よつば
(16)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中のやさい編 [PDFファイル/173KB]
(17)イオン福島店 | お買物情報やお得なチラシなど
  1. 2018/06/12(火) 20:00:20|
  2. -
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除染土利用計画段階で購入拒否、風評被害?

 福島県二本松市で除染土を道路造成に再利用する環境省の実証事業で、予定地周辺の稲を使った家畜用発酵飼料を手掛ける市内の生産組合が、取引先から購入を拒まれているそうです(1)。これについて「風評被害」と報じられていますが(1)(2)、工事が始まっても関係者に通知される保証はなく、たとえ、計画段階でも危険が生じる可能性があれば、避けるの当然であり「風評被害」ではありません。
 福島では除染が進められていますが(3)、除染伴い東京ドーム(容量124万立方メートル)(4)の約18個分の2200万立方メートルの除染廃棄物が出ると見積もられています(3)。当面は中間貯蔵施設に運ばれることになっていますが、中間貯蔵施設は2045年3月までで、その後は福島県外で最終処分されることになっています(5)。膨大は除染廃棄物を再利用する計画が進められいます(6)。
 放射能汚染物の再利用には事故前からセシウム137で1キログラム当たり100ベクレルとの基準値が設けられています(7)。一方で国の責任で処分するとされる汚染物は1キログラム当たり8000ベクレルとなっています(8)。100ベクレルと8000ベクレルについては
 ひとこで言えば、
・100Bq/kgは「廃棄物を 安全に再利用できる基準 安全に再利用できる」
・8,000Bq/kgは「廃棄物を安全に処理するための基準 廃棄物を安全に処理するための基準 」
との説明が従前より環境省によってなされています(9)。この考えに沿えば1キログラム当たり100ベクレル以上のセシウム137に汚染された除染廃棄物は再利用ができず「廃棄物」として処理されなければなりません。ところが100ベクレルから8000ベクレルの放射能汚染物を再利用する計画が進められています(6)。
 福島県二本松市では除染で発生した土を道路で路床に利用する計画が進められています(10)。事業予定地の同市原セ才木(はらせさいき)地区では、畜産農家5戸でつくる安達太良飼料生産受託組合が生産主体では原料の稲は周辺を含む稲作農家約35戸から購入し、一部を販売しています。ところが、昨年飼料を販売した県内の大規模畜産農家から5月上旬、「そういう餌は要らない」と連絡があった。理由について「除染土再利用事業の影響を不安視する顧客から問い合わせがあった」といった趣旨の説明を受けたというそうです(1)。
 これについて福島発の報道は「風評被害」を主張しています。
除染土の再利用の計画段階で「風評被害」と報じる福島のローカルテレビ(FTV)
 ※(2)をキャプチャー
 図―1 除染土の再利用の計画段階で「風評被害」と報じる福島のローカルテレビ(FTV)

 (=^・^=)はこの7年間、福島を見ていると福島には誠実さが全くありません。(=^・^=)の見る限り福島はなんの科学的根拠もなく福島は「安全」、「風評被害」を喧伝しています。
 福島県福島市は福島県最大のサクランボ産地です(11)。以下に示します。
事故から7年以上過ぎて汚染されている福島
 ※1(12)のデータを元に(13)に示す方法で6月1日に換算
 ※2 避難区域は(14)による。
 図―2 本記事で取り上げる市や村

 図に示す通り事故から7年が経過しましたが国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(15)地域が広がっています。福島のサクランボは汚染された福島市で作られています。
 いかに福島市の各年1-4月の合計の葬式数を示します。
事故後に葬式が増えた福島県福島市
 ※1(16)を集計
 ※2 各年1-4月の4ヶ月間
 ※3 震災犠牲者は(17)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―3 福島県福島市の各年1-4月の葬式(死者)数

 福島市の葬式(死者)数は
 事故前(2010年1月~4月)1,042人
 今年(2018年1月~4月) 1,235人
で19%増えていました。2010年と2018年に亡くなった方を一つのグループとして、これを2010年と2018年に亡くなった方の二つのグループに分けます。もし、葬式が増えていないなら同じ数になります。一方で2018年の葬式が増えているなら、2018年が多くなるます。葬式が増えていないとして、このような事が起こる確率を計算したら0.005%でした。福島市で葬式が増えていないとは言い難い状況です。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。


 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(18)による。
有意差検定表

福島県のひらた中央病院が福島産米や野菜を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(19)。以下に結果を示します。
 表ー2 福島産米や野菜を許容すかのアンケート結果
 ※ (19)を集計
福島産許容する割合が多い郡山市、少ない相馬・南相馬市

 表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では福島産米と野菜を共に許容する方は7%です。果物の調査結果はありませんが同様に避けていると想像できます。そこで、比較のために相馬・南相馬についても集計してみました。
相馬・南相馬市の葬式(死者)数は
 事故前(2010年1月~4月)478人
 今年(2018年1月~4月) 456人
で(19)少し減っていますが、統計的な差があるとまではいえません。
 福島県葛尾村の子ども達が福島市でサクランボ狩りをしたそうです(20)。
葛尾村の子供達の福島市でのサクランボ狩りを報じるFTV
 ※(20)をキャプチャー
 図-4 葛尾村の子ども達のでサクランボ狩りを報じるFTV

 子供達が食べるので確り検査して欲しいと思います。以下に福島県の福島県福島市産の検査結果を示します。
検査結果が無い福島県福島市産サクランボ
 ※(21)を引用
 図―5 福島市産サクランボの検査結果

 図に示す通り検査結果が出て来ません。葬式が増え汚染されている福島市産のサクランボを福島県は検査していません。それを子供達に食べさせいます(20)。それでいて「風評被害」は確り主張しています(22)。福島は不誠実と言わざる得ません。
 除染土を利用する工事現場付近の稲で作る飼料の購入を計画段階でことわれたことを「風評被害」と報じられています(1)(2)。でも、福島が不誠実ですので。工事が始まって、購入者に伝達される保証はありません。近い将来に工事が始まり汚染土が運びこまれ、汚染される危険が生じることを考えれば、計画段階で購入を断ることは「風評被害」ではありません。当然の事です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島は根拠もなく「風評被害」が叫ばれています。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する農畜産物に牛肉があります(23)。美味しいそうです(24)。福島県牛肉は福島産は「安全」だと主張しています(25)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
他県産はあっても福島産牛肉が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(26)を引用
 図―6 福島産牛肉が無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。




―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)<除染土活用>はや風評 売れぬ飼料 二本松の道路造成事業、計画段階の被害に困惑 | 河北新報オンラインニュース
(2)ローカルTime FNN被災地発...
(3)最終処分量2万7000立方メートル 除染廃棄物 | 東日本大震災 | 福島民報
(4)東京ドーム (単位) - Wikipedia
(5)福島原発事故:中間貯蔵施設が本格稼働 - 毎日新聞
(6)除染土、農地再利用基準を決定 食用作物には使わず | 県内ニュース | 福島民報
(7)日本のクリアランス制度 (11-03-04-10) - ATOMICA -
(8)指定廃棄物について|放射性物質汚染廃棄物とは|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(9)[PDF]100Bq/kg と 8000Bq/kg の二つの基準の違いについて - 環境省
(10)めげ猫「タマ」の日記 「福島産は安全」には科学的根拠が無い
(11)めげ猫「タマ」の日記 福島・果物狩り始まる。検査結果がありません。
(12)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(13)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(14)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(15)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(16)福島県の推計人口(平成30年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(17)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(18)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(19)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(20)ローカルTime FNN被災地発...
(21)品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報をあ行⇒お⇒オウトウ(サクランボ)、オウトウ(サクランボ)(施設)、オウトウ(施設)および福島市で検索
(22)福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ
(23)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(24)ふくしまの牛 おいしい店・買える店 | ふくしまのお肉 | JA全農福島
(25)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(26)マルト 平尼子店のチラシ・特売情報 | トクバイ
  1. 2018/06/11(月) 20:06:27|
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