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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

避難指示解除の富岡町、7割は新規転入者(3~5月)

 昨年4月に避難指示が解除された福島県富岡町(1)で 
  3~5月の町内居住者増加数 202人
  3~5月の新規転入者    138人
3~5月に富岡町に移った202人の7割が新規転入者です。避難指示が解除された富岡町は町が再生すのでなく、まったく別の町ができそうです。
 福島県富岡町は地図でみると福島第一原発から約10km程にある町で、先の原発事故によって全域が避難地域となりした(1)。
事故8年目も汚染されたままの福島
 ※1(2)の数値データを元に(3)に示す手法で6月1日時点に換算
 ※2 避難区域は(4)による
 図-1 福島県富岡町

 図に示す通り今も国が除染が必要だとする毎時0.23シーベルトを超えて(5)います。それでも安倍出戻り内閣は「安全」だとして、昨年4月1日に避難指示を解除しました(1)(4)。
 同町には多くの原子力や関連した施設があります。
 ・福島第二発電所(6)
 ・東京電力エネルギー館(7)
 ・指定(放射性)廃棄物処分場(8)。
また北隣の大熊町には福島第一原発や中間貯蔵施設があります(9)(10)。福島第一では安定化作業の為1万人弱の方が勤務しています(11)。中間貯蔵施設でも毎日2000人以上の方が働いています(12)。福島第二も含め同町や同町周辺には原子力の仕事が溢れています。
 以下に富岡町民の居住先を示します。
なかなか進まない富岡町への帰還
 ※1(13)~(25)にて作成
 ※2 1部過去分を使用
 図―2 富岡町民の居住先

 図に示す様に町内居住があまり進んでいません。避難指示解除後1年2ヶ月の今年6月時点で
   対象 13,266人中で町内在住は660人(5%)
です(25)。 
 富岡町には仕事もたっぷりあります。町は避難指示解除前から生活環境の整備に取り組んできました(26)。
 2016年10月 町営診療所再開(26)
 2017年 3月 ショッピングセンターのグランドオープン(27)
 2017年 4月 一部を除き避難指示解除(1)(5)(26)
 2017年10月 JR富岡駅再開(26)
 2018年 4月 学校再開(26)
です。それでも帰還は進まないようです。
 でも増えたものをあります。以下に富岡町への転入者数を示します。
男性が多い富岡町新規転入者
 ※(28)を集計
 図―3 富岡町内の転入者数

 図に示す様に避難指示が解除された昨年4月以降に急に増えています。避難指示解除によって富岡町内に住居を確保できれば誰もが富岡町に住むことができるようになりました。多くの方が富岡町に新たに移り住んだようです。
 以下に在住者の増減と新規転入者をしめします。
町内居住者の増加の過半数を超える富岡町新規転入者
 ※1(13)~(25)(28)にて作成
 ※2 1部過去分を使用
 図―4 富岡町内在住者の増減と新規転入者数

 図に示すように3~5月は町内在住者の増加人数に近い新規転入者がいます。町内在集者は帰還者と新規転入者ですが、帰還者より新規転入者が多い事を示します。数値を記載すると
 3~5月の町内居住者増加数 202人
 3~5月の新規転入者    138人
3~5月に富岡町に移った202人の7割が新規転入者です。
 図―3に示しように新規転入者の多くが男性です。数値を記載すると今年3~5f月の新規転入者は
 男性 103人
 女性  35人
です。福島第一で働くのは大部分が男性です(29)。富岡町や周囲には原子力関係の仕事が沢山あります。概ね原子力関係者です。男性3~5月で居住者は202増ですが、世帯数は150世帯増(23)(24)(25)、で概ね単身で富岡町に来ています。
 富岡町は避難指示が解除されました。避難指示が解除は町の再生のスタートでなく、別の町ができるスタートです。原子力に従事する単身暮らしの男性の街、これが富岡町の近未来です。
 
<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 富岡町は学校教育に力を入れており(30)、一つの問題を除けば子育てに最適です。でも原子力ムラの皆様は富岡町へは単身赴任です。家族は連れて来たくないようです。これでは福島の皆様は不安になると思います。
 福島を代表する果物にモモがあります(31)。今年も収穫が始まりました(32)。福島県福島市は福島最大のモモの産地です(33)。福島のモモのでもおいしさは 抜群だそうです(34)。福島県は福島産モモは「安全」だと主張しています(35)。でも、福島県福島市のスーパーのチラシには福島産モモはありません。
他県産はあっても福島産モモが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(35)を引用
 図―5 福島産モモが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)富岡町 - Wikipedia
(2)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(3)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(4)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(5)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(6)福島第二原子力発電所 - Wikipedia
(7)【東京電力福島第二原子力発電所エネルギー館】アクセス・営業時間・料金情報 - じゃらんnet
(8)処分に向けた取組み|福島県における取組み|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省
(9)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(10)中間貯蔵施設の概要|中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(11)福島第一原子力発電所作業者の被ばく線量の評価状況について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(12)第8回 中間貯蔵施設環境安全委員会 開催報告 - 福島県ホームページ
(13)県内外の避難・居住先別人数【平成29年5月1日現在】(平成29年5月9日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(14)県内外の避難・居住先別人数【平成29年6月1日現在】(平成29年6月2日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(15)県内外の避難・居住先別人数【平成29年7月1日現在】(平成29年7月4日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(16)県内外の避難・居住先別人数【平成29年8月1日現在】(平成29年8月2日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(17)県内外の避難・居住先別人数【平成29年9月1日現在】(平成29年9月4日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(18)県内外の避難・居住先別人数【平成29年10月1日現在】(平成29年10月3日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(19)県内外の避難・居住先別人数【平成29年11月1日現在】(平成29年11月2日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(20)県内外の避難・居住先別人数【平成29年12月1日現在】(平成29年12月4日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(21)県内外の避難・居住先別人数【平成30年1月1日現在】(平成30年1月5日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(22)県内外の避難・居住先別人数【平成30年2月1日現在】(平成30年2月1日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(23)県内外の避難・居住先別人数【平成30年4月1日現在】(平成30年4月2日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(24)県内外の避難・居住先別人数【平成30年5月1日現在】(平成30年5月2日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(25)県内外の避難・居住先別人数【平成30年6月1日現在】(平成30年6月4日更新)|新着【各種手続き・申請・お知らせについて】 | 富岡町役場
(26)広報とみおか(平成30年4月号)
(27)春の大感謝祭 さくらモールとみおか グランドオープン1周年イベント|イベント・催し情報 | 富岡町役場
(28)福島県の推計人口(平成30年6月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(29)<「あのとき、おなかに子供がいました」福島第一原発の女性オペレーターは、5年後も現場にいた。/a>
(30)
富岡町の学校教育に関するお知らせ | 富岡町文化交流センター 学びの森
(31)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(32)ローカルTime FNN被災地発...
(33)くだものづくりがさかんな福島盆地
(34)夏 | ふくしまの果物 | JA全農福島
(35)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(36)イオン福島店 | お買物情報やお得なチラシなど
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  1. 2018/06/30(土) 19:44:03|
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東電・株主総会で凍土壁効果あり、実際は効果なし

 福島第一に設置された凍土壁の内側への水の流入量を東電発表(1)から見積もると
 2017年6月 1日当たり平均で831トン
 2018年6月 1日当たり平均で752トン
で、凍土壁をすり抜け内側に流入する水の量は10%しか減っていません。凍土壁による止水はできていません。それでも東京電力は株主総会で、凍土壁の効果で汚染水の発生量を低減したと発表しました(2)。
 福島第一では地下水が山から流れて来て、原子炉やタービン建屋に流入しています。あるいは海までに達しています。汚染されれば海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています(3)。浄化しても排水基準(4)を満たさない汚染地下水は、タービン建屋に送っています(6)。
 地下水がタービン建屋に流れ込んだり、海岸の井戸からタービン建屋に送り込んだ地下水で汚染水は増えていきます。
どんどん増え福島第一汚染水
 ※(7)を集計
 図―1 どんどん増える福島第一汚染水

 最新の発表(8)を集計すると総量で約114万トンに達します。以下にタービン建屋から汲み上げた直後のセシウム137の濃度をします。
1億(Bql)のセシウムを含む福島第一汚染水
 ※(9)を集計
 図―2 タービン建屋から汲み上げた直後の汚染水のセシウム137濃度

 概ね1リットル当たりで1億ベクレル程度でしょうか?法定限度は1リットル当たり90ベクレルですので(10)、100万倍の高濃度です。このままでは海には流せないので、汚染水タンクを作り続け保管しています(12)。そのうちに汚染水タンクの増設が困難になる日が来そうです。汚染水の増加を抑えることは近々の課題です。
 汚染水の増加を抑える対策の柱として原子炉やタービン建屋を氷の壁で囲む「凍土壁」が作られました。以下に構造を示します。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン
 ※(3)(13)にて作成
 図―3 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン

 断面の模式図は以下の通りです。
凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面
 ※(3)(13)にて作成
 図―4 凍土壁、海側遮水壁、サブドレン、地下水ドレン(断面)

 氷の壁で地下水の流れを阻止し、タービン建屋に流れ込む地下水や海岸にまで達する地下水を減らす計画です(13)。当初の予定では2015年3月位から運用を始める予定でしたが(14)、完全凍結が始まったのは2017年8月22日からです(15)。ほぼ2年半の遅れです。
 東京電力は6月27日の株主総会で、凍土壁の効果で汚染水の発生量を低減したと発表しました(2)。
凍土壁の効果で汚染水の発生量を低減したと発表する東京電力
 (2)をキャプチャー
 図―5 凍土壁の効果で汚染水の発生量を低減したと発表する東京電力

 東京電力は事故前は原発は安全と言っていました(16)。でも、大事故です。嘘を言っている可能性もあります。そこで、本当に効果があったのか(=^・^=)なりに調べてみました。図―3に示す様に福島第一は西側が山で東側が海です。陸側(西側)から順に凍土壁・サブドレン・建屋・サブドレン・凍土壁・ウエルポイント・地下水ドレン・海側遮水壁です。このうち凍土壁と海側遮水壁は水の流れを遮ることを意図し設けられました(3)(13)。サブドレンは地下水を汲み上げる井戸です。図-3,4に示しように凍土壁の内側になり、ここで汲み上げらる水は全量が凍土壁をすり抜けて流れ込んだ水です。
 サブドレンでの汲みあげに失敗した地下水は建屋に流れ込むか、海に向かって流れて行きます。ウエルポイント、地下水ドレンは海側に流れた地下水を汲み上げる井戸です。すなわち、サブドレン汲み上げ量、原子炉建屋への流入量、ウエルポイント、地下水ドレンの汲み上げ量の合計が「凍土壁」では阻止できずに流れ込んだ「水」の総量です。以下に推移を示します。
あまり減らない凍土壁透過水量
 ※1(4)を集計
 ※2 サブドレンはサブドレン汲み上げ量、流入は建屋流入量、海岸部はウエルポイント、地下水ドレンの合計汲み上げ量
 図-5 「凍土壁」で阻止できなかった「水」の量

図に示すように凍土壁で阻止できなかった「水」の量はあまり減っていません。凍土壁は2017年8月に「完全凍結」がはじっまたので、先月と完全凍結開始間前の同月との流量を比較してみました。
 2017年6月 1日当たり平均で831トン
 2018年6月 1日当たり平均で752トン
で、凍土壁をすり抜け内側に流入する水の量は10%しか減っていません
凍土壁による止水はできていません。東京電力は株主にすら「嘘」をつく会社です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 (=^・^=)が見る限り福島に関しては平気で嘘が流されます。
 以前に福島県の地方紙・福島民報は福島第一原発の原子炉建屋周辺に地下水の流入を防ぐ凍土遮水壁が完成後の汚染水発生量は2017年12月~今年2月で平均で約140トンなり、政府が中長期ロードマップに定める2020年までに1日当たり150トンとしている目標を達成したと発表しましたと報道があります(17).。でも、東京電力の発表(2)を(=^・^=)なりに集計すると17年12月~今年6月では平均で約190トンで目標を達成してません。これについて東京電力は福島民報の報道には「渇水期」が抜けている旨を6月28日の会見で主張しました(18)。一方で、福島民報の電子版(19)では訂正が報じられていません。福島では平然と「嘘」が報じられるようです。
 東京電力は株主総会で、柏崎刈羽原発は「安全」だとも主張しましした。
柏崎刈羽は安全と主張する東京電力
 ※(2)をキャプチャー
 図-6 柏崎刈羽原発を「安全」と主張する東京電力

 同じようにこれも疑わしいと(=^・^=)は思います。さらには福島産は安全であり、福島を避ける行為は「風評被害」との主張も行いました。
 風評被害を主張する東京電力
 ※(2)をキャプチャ
 図―7 「風評被害」を主張する東京電力

 福島の皆様は信じないと思います。
 福島を代表する果物にモモがあります(20)。福島県伊達市では今年の収穫が始まりました(21)。同市産のモモは美味しいそうです(22)。福島県は福島産モモは「安全」だと主張しています(23)。でも、福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産モモはありません。
他県産はあっても福島産モモが無い福島伊達市のスーパーのチラシ
 ※(24)を引用
 図―8 福島産モモが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県伊達市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)中長期ロードマップ|東京電力中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2018年6月28日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第55回事務局会議)⇒資料3-1】汚染水対策(27.3MB)PDF
(2)動画アーカイブ|写真・映像ライブラリー|東京電力ホールディングス株式会社
(3)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ|東京電力
(4)サンプリングによる監視|東京電力
(5)報道配布資料|東京電力
(6)(5)中の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移 」
(7)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(8)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第358報)|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(9)(5)中の「水処理設備の放射能濃度測定結果」
(10)サンプリングによる監視|東京電力
(11)第56回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(12)(11)中の「資料6:フランジ型タンクに関するリスク低減策の進捗[東京電力]【PDF:2MB】
(13)陸側遮水壁|東京電力
(14)2014年3月12日 凍土式遮水壁の計画及び進捗状況について(資源エネルギー庁)
(15)2017年8月22日福島第一原子力発電所 陸側遮水壁第三段階開始について(PDF 786KB)
(16)原子力安全・品質保証会議|東京電力
(17)2020年までの目標達成 第一原発1日当たりの汚染水量 | 県内ニュース | 福島民報
(18)動画アーカイブ|写真・映像ライブラリー|東京電力ホールディングス株式会社
(19)福島民報
(20)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(21)ローカルTime FNN被災地発...
(22)伊達のもも - 福島県伊達市ホームページ
(23)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(24)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2018/06/29(金) 19:43:41|
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柏崎刈羽、設置許可合格6ヶ月、追加の審査会合が開けず

 柏崎刈羽原発が設置許可に2017年12月27日に合格しました。再稼働までには工事計画認可、保安規定の認可が必要です(3)。設置許可から半年が経過しましが、この間に審査会合が開かれておらず(4)、次のステップに進めません。
 柏崎刈羽原発は新潟県にある東京電力の原子力発電所です(5)。ただし、新潟での評判は良くないようです。6月10日に新潟県知事選挙が行われましたが(6)、選挙に合わせて朝日新聞が実施した出口調査で、柏崎刈羽の再稼働への賛否に絞った質問でも、反対(65%)が賛成(30%)をダブルスコアで上回わりました(7)。新潟の読者に事情を聴くと
 ・新潟に電気を供給してない東京電力の発電所である(8)。
 ・福島事故を起こした東京電力の発電所である(9)。
 ・2007年の中越沖地震では、火災(5)や放射能漏れ事故(10)をお越し、新潟県の海水浴客が半減する等(11)の被害を出しました。
2007年の柏崎刈羽原発火災映像を放送したBSN
 ※(12)を転載
 図-1 煙もくもく柏崎刈羽原子力発電所

6月10日に新潟県知事選挙が行われました。選挙の結果、与党系候補が当選しました(6)。前知事は野党系でしたので(13)、新潟県知事は野党系から与党系に代わりました。ただし、与党系の現知事も選挙公約では柏崎刈羽の再稼働には慎重な姿勢をしめしています。以下に選挙公報を示します。
再稼働慎重をうたう当選した現知事の選挙公報
 ※(14)をキャプチャー
 図―2 当選した現知事の選挙公報

 図に示す様に柏崎刈羽の再稼働への慎重姿勢を公約のトップに上げています。
 昨年12月27日の原子力規制員会は柏崎刈羽原発6,7号機の適合性審査(安全審査でない)のうち設置許可に合格しました(1)(2)。審査合格との報じられていますが、これで原子力規制員会の審査が全て終了した訳ではありません。
柏崎刈羽「合格」と報じるTV朝日
 ※(2)をキャプチャー
 図―3 柏崎刈羽合格と報じるTV朝日

 原子力規制員会の審査しには設計の妥当性を審査し、妥当であれば出される「設置許可」、設計に従っての工事の詳細を審査し、妥当であれれば出される「行為計画認可」、原発の運転規則を定めた保安規定を審査し、妥当であれば出される「保安規定認可」、最後に完成した原発を検査する「使用前検査」です(3)(15)。このうち、柏崎刈羽は合格していりのは「設置許可」だけです(1)(4)。再稼働にはこれとは別に立地自治体(柏崎刈羽の場合は新潟県、柏崎市、刈羽村(16))の合意が必要です(17)。
 ところが審査会合は「設置許可」が出た2017年12月27日(1)以降は開かれていません。半年近く、審査が止まったままです。日本の原発に大きく分けて加圧水側(PWR)と沸騰水型(BWR)があります(18)。柏崎刈羽は沸騰水型(BWR)の中では審査が優先されて進められていました(19)。報道によると東海第二はまもなく「設置許可」が事実上決まるようです(20)。原子力規制員長の会見(21)を聞いて入る限りは「設置許可」が決まれば、一気に「工事計画認可」「保安規定認可」に行きそうです。このままですと、東海第二に追い抜かれそうです。
 
<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 柏崎刈羽原発の再稼働について、日本経済新聞は
「花角氏(新潟県の新知事)にも現実を踏まえた対応を求めたい。柏崎刈羽原発の再稼働の可否は東電の経営を左右し、福島原発事故の被災地の復興にも影響を及ぼす。いたずらに判断を遅らせることは避けるべきだ。」
と論じていました(22)。柏崎刈羽の再稼働は東電の経営を安定化し、福島復興の為に必要なようです。東京電力は新潟に電気を供給していないので、東京電力の経営が安定化しても新潟県にはメリットはありません。再稼働すれば放射能が飛んでくるリスクを負うだけです。東京電力は株主総会で「地域の皆様との対話」を主張していました(23)。
 「地域の皆様との対話」を主張する東京電力
※(23)をキャプチャ
 図―4 「地域の皆様との対話」を主張する東京電力
 
 地域に皆様は電気を地域に電気を供給しない原発は廃炉を望んでいるようです。東京電力はいくら地域と対話しても、そのような話は汲み取らないと思います。東京電力は事故で福島を汚染しました。それなのに、福島を避ける行為を「風評被害」と断じています。
 風評被害を主張する東京電力
※(23)をキャプチャ
 図―5 「風評被害」と断じる東京電力

 こんな東京電力では福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する野菜にキュウリがあります。二本松市も福島のキュウリの主要な産地です(24)。福島の直売所では「きゅうりまつり」が開催されました(25)。福島はキュウリの季節になりました。福島のキュウリは美味しいそうです(26)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(27)。でも、福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
 他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
※(28)を引用
 図―6 福島産キュウリが無い福島県のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県二本松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第57回原子力規制委員会 | 原子力規制委員会
(2)柏崎刈羽6・7号機が正式合格 東電では事故後初めて(17/12/27) ANNnewsCH
(3)原子力施設等の安全規制 - 原子力施設と法律 | 電気事業連合会
(4)柏崎刈羽原子力発電所 6・7号炉 関連審査会合 | 原子力規制委員会
(5)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(6)2018年新潟県知事選挙 - Wikipedia
(7)花角氏、再稼働反対票も取り込む 新潟知事選、出口分析:朝日新聞デジタル
(8)東京電力ホールディングス - Wikipedia
(9)福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia
(10)柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて|TEPCOニュース|東京電力
(11)[PDF]PDF形式 858 キロバイト - 新潟県
(12)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい東電原発(3月1週)―柏崎刈羽・安全審査の申請書を再提出―
(13)新潟県知事一覧 - Wikipedia
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第二廃炉、狙いは柏崎刈羽の再稼働
(15)新規制基準適合性に係る審査・検査の流れ | 原子力規制委員会
(16)新潟の原発立地自治体3首長、7日に会談  :日本経済新聞
(17)原発周辺自治体:再稼働の同意権要求5割 立地自治体と差 - 毎日新聞
(18)日本の原子力発電所 - Wikipedia
(19)柏崎刈羽原発の先行審査を再開 規制委方針  :日本経済新聞
(20)東海第2原発、来月「合格」へ 規制委の再稼働審査 - 共同通信
(21)原子力規制委員会 定例記者会見(平成30年06月27日) NRAJapan
(22)原発への不安をどう拭うか  :日本経済新聞
(23)動画アーカイブ|写真・映像ライブラリー|東京電力ホールディングス株式会社
(24)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(25)農産物直売所 みらい百彩館「んめ~べ」 ? JAふくしま未来 直売所「んめ~べ」のブログ
(26)東京新聞:みずみずしい福島産キュウリ 風評被害を吹き飛ばせ:ふくしま便り:東日本大震災(TOKYO Web)
(27)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(28)安達店 | ベイシア
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  1. 2018/06/28(木) 19:43:12|
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福島のモモ、収穫始まる、安全?

 福島のモモの収穫が始まりました(1)。食べて良いか心配です。(=^・^=)なりに調べてると
 ①主産地の福島盆地(2)は汚染されている。
 ②福島県は福島産モモの「安全」を検査で確認したと主張しているが、主産地のモモは検査してない。
 ③福島盆地を構成する市町では葬式が増えているが、モモの主産地でない相馬・南相馬市の葬式増えていない。
との特徴があります。
 福島の夏を代表する果物にモモがあります(3)。今年も収穫が始まりました(1)。
2018年も収穫された福島のモモ
 ※(4)を引用
 図―1 今年も収穫された福島のモモ

福島の綺麗な女性の皆様も福島産モモのPRを始めたようです。
福島産モモをPRする福島の綺麗な女性
 ※(5)を引用
 図―2 福島産モモをPRする福島の綺麗な女性

 福島の女性はお隣の宮城や茨城に比べても大変に綺麗です。福島県は福島産モモの「安全」を検査で確認したと主張しています(6)。
 福島産モモの安全宣言をする福島県
 ※(7)を引用
 図―3 モモの「安全宣言」をする福島県


 福島県の主張を信じ、彼女達の呼びかけに答えたいのですが、心配です。そこで(=^・^=)なりに調べてみることにしました。
 モモは福島県全域で栽培される訳ではありません。福島盆地と呼ばれる狭い範囲で主に栽培されています(2)。以下に示します。
事故8年目も汚染されたままの福島盆地
 ※1 (8)のデータを(9)に示す手法で6月1日に換算
 ※2 避難区域は(10)による
 ※3 福島盆地は(11)による
 ※4 モモマーク一つはモモの検査1件を示し、(12)による。
 図-4 福島のモモ産地と相馬市・南相馬市 

 図に示す通り福島盆地は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(13)地域が広がっています。福島のモモは汚染された地で作られています。福島県は福島産モモの「安全」を検査で確認したと主張していますが(6)、図に示す通り主産地の福島盆地のモモの検査はしていません。
 福島県福島市はモモの購入数量が日本一です(14)。福島のモモ産地の皆様の健康が心配です。以下に福島盆地が広がる2市2町(福島市、伊達市、桑折町、国見町)(15)の各年1-5月の合計の葬式(死者)数を示します。
事故後に葬式が増えた福島盆地
 ※1(16)を各年1-5月で集計
 ※2 震災犠牲者は死者・行方不明者を含み関連死を含まず(17)よる。
 図―5 福島盆地が広がる町村(福島市、伊達市、桑折町、国見町)の各年1-5月の合計の葬式(死者)数

 図に示す通り事故後に増えています。数値を記載すると
  事故前(2010年1-4月) 1,732人
  今年(2018年1-4月)  2,009人
で16%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.001%です。以下に偶然に起こる確率を示します。
 
 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(18)による。
有意差検定表

福島県のひらた中央病院が福島産米や野菜を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(19)。以下に結果を示します。

 表ー2 福島産米や野菜を許容すかのアンケート結果
 ※ (19)を集計
福島産許容する割合が多い郡山市、少ない相馬・南相馬市

 表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では福島産米と野菜を共に許容する方は7%です。果物の調査結果はありませんが同様に避けていると推察です。モモの主要産地でなく、福島産果物を避けているであろう、相馬・南相馬市の1-5月の合計の葬式数は
 事故前(2010年1月~5月)578人
 今年(2018年1月~5月) 589人
で(15)、ほんと変りありません。
 今年も福島のモモの収穫が始まりました。そこで福島のモモについて(=^・^=)なりに纏めると
 ①主産地の福島盆地(2)は汚染されている。
 ②福島県は福島産モモの「安全」を検査で確認したと主張しているが、主産地のモモは検査してない。
 ③福島盆地を構成する市町では葬式が増えているが、モモの主産地でない相馬・南相馬市の葬式増えていない。
になります。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島を代表する果物のモモは汚染の酷い主産地を検査していなくても、検査で「安全」を確認したと福島県は主張しています。福島の皆様は福島産果物が安全とゆう福島県の主張(7)を信じているか興味があります。
 モモは少し先ですが、福島県福島市ではサクランボ狩りが楽しめます(19)。福島市はサクランボの季節です。島市産のサクランボはつややかな赤い宝石の甘酸っぱさで人気があるそうです(20)。福島産は検査で「安全」とされます(21)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―6 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)ちょっと早めモモ収穫 桑折 | 県内ニュース | 福島民報
(2)くだものづくりがさかんな福島盆地
(3)夏 | ふくしまの果物 | JA全農福島
(4)トピックス | JAふくしま未来
(5)トピックス | JAふくしま未来
(6)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(7)(6)中のくだもの編 [PDFファイル/193KB]
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(10)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(11)福島盆地 - Wikipedia
(12)品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報を「果物⇒ま行⇒も⇒モモ、モモ(施設)で6月27日に検索」
(13)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(14)福島県・福島市|なるほど統計学園
(15)福島県の推計人口(平成30年6月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(16)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(17)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(18)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(19)旬のくだもの情報 – くだもの消費拡大委員会
(20)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(21)検査体制 | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報
(22)ヨークベニマル/お店ガイド
  1. 2018/06/27(水) 19:45:53|
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義務教育世代は戻らない福島県楢葉町

 2015年9月に避難指示が解除された福島県楢葉町(1)の解除前の2013年6月1日の人口は7,230人で(2)、現在(2018年5月末)時点で住んでいる方は3,343人(4)で5年前の46%の人数が楢葉町内に住んでいます。2013年6月1日の0-9歳の人口は531人で(2)、5年を経た現在では5-14歳になっていますが、5-14歳の楢葉町居住者は122人で、23%です。5-14歳は概ね義務教育世代ですが、この値は再居住率とすると全体の半分で、義務教育世代は楢葉町には戻りません。
 楢葉町は福島県の沿岸部(浜通り)に立地する町で、町内には福島第二原発が立地し、直ぐ北側(概ね20km以下)には福島第一原発があり、原子力施設が多く立地する町です。原発事故によって全町が避難しました(1)。
事故8年目も汚染されている福島
 ※1(5)のデータを元に(6)に示す手法で5月1日に換算
 ※2 避難地域は(7)による。
 図―1 福島県楢葉町

 図に示す通り国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(8)を超えています。事故から7年が経ちましたが楢葉町は汚染されたままです。同町では高濃度の全ベータに汚染された「物体」がいくつも見つりました。(=^・^=)なりに計算すると1キログラム当たり週十億ベクレルの全ベータで汚染されています(9)。以下に1キログラム当たり40億べレルの全ベータが見つかった物体(9)の外観を示します。
楢葉町で見つかった高濃度汚染物体
 ※(10)を引用
 図-2 楢葉町で見つかった汚染物体

全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質で、全ベータの半分がストロンチウム90です(11)。楢葉町産のストロンチウム汚染が心配です。ところが厚生労働省はストロンチウム90の検査は不要としています(12)。このためでしょうか?食品単品のストロンチウム90検査は殆ど実施されていません。例外的に東京電力が福島第一原発20km圏内の魚についいて実施しています(13)。以下に結果を示します。
ストロンチウム90が見つかる福島第一沖魚
 ※1(13)を集計
 ※2 日付けは捕獲日
 図―3 福島第一原発20km圏内の魚の検査結果

 木戸川は楢葉町を流れ海に注ぎます(14)。途中の木戸ダムの湖底土壌からは1キログラム当たりで、6,000ベクレルのセシウム137が見つかっています。ただし、ストロンチウム90の検査結果はありません(15)。そして図に示す様に木戸川沖で採れた魚からもストロンチウム90が見つかっています。(=^・^=)目にややや高め見えます。すくなくとも1キログラム当たり30ベクレルのストロンチウム90に汚染されたクロダイが木戸川沖から見つかっています(16)(17)。これまの最高値です。それでも「安全」とされ安倍出戻り内閣は2015年9月に避難指示が解除しました(1)(7)。 学校も再開されました(18)。牧場も再開されました(19)。再開された牧場では原乳が生産され福島県内の乳業メーカーに納められています(20)。
 楢葉町の牧場で乳製品を試食する安倍出戻り総理
※(20)を引用
 図―4 安倍出戻り総理が楢葉町の牧場で自社製品を試食したと広報する福島県圏の乳業メーカー

 。放射性ストロンチウムは生体内ではカルシウムと同じような挙動をとるそうです(21)。以下に比較的サンプル数が多い福島第二原発沖(T-S7)地点で採れたお魚のストロンチウム含有量とカルシウム含有量の相関を示します。
 カルシウム含有量が多い程にストロンチウム90を多く含む福島第二沖魚
※ ストロンチウム90含有量は(13)、カルシウム含有量は(22)による。
 図―5 カルシウム含有量とストロンチウム含有量の相関(福島第二沖:T-S7)

 図に示す通りカルシウム含有量が多い程にストロンチウム90を多く含みます。牛乳はカルシウムが豊富な食品です(23)。楢葉町沖のお魚同様にストロンチウム90が心配です。でも、福島県の発表(24)も厚生労働省の発表(25)の、福島県楢葉町はおろか原乳のストロンチウム90検査結果は全く掲載されていません。それでも福島県は福島の牛乳は「安全」と主張いています(26)。
 以下に楢葉町の学校給食を示します。
「農協牛乳」が出される楢葉町の学校給食
 ※(27)を引用
 図―6 楢葉町の学校給食

 牛乳のパッケージを見ると楢葉町産原乳等を原料としている福島県内の乳業メーカーのパッケージ(28)と同じです。楢葉町の学校では高濃度のストロンチウム90やストロンチウム90由来の全ベータを含む「魚」や「物体」が見つかっているのに、ストロンチウム90を検査しないまま出荷されている同町産原乳等を原料した牛乳が学校給食に出され、子供達は強制的に食べさせられています。お母さん世代の女性に理解が得られるとは思えません。
 以下に楢葉町の赤ちゃん誕生数を示します。
2015年以降に急に落ち込んだ楢葉町の赤ちゃん誕生数
 ※(2)を各年6月から翌年5月の1年間で集計
 図-7 楢葉町の赤ちゃん誕生数

 図に示す通り事故後を見ると、避難指示解除が行われた2015年をピークに2年連続で減っています。数値を記載すると
 避難指示解除時(2015年6月~17年5月) 61人(男の子26人、女の子35人)
 近々1年(2017年6月~18年5月)    43人(男の子21人、女の子22人)
で、避難指示解除から僅か2年の近々1年で避難指示解除時より3割減っています。福島県の発表(2)には楢葉町の男女別・年齢別の数値は発表していませんが、お母さんとなるべき若い女性は楢葉町との決別を決め、新天地での子育てを決めたようです。
 楢葉町はそれまで実施していた避難先での住宅の無償提供を今年(2018年)3月末で打ち切りました(29)。これで楢葉町町民は自分で避難先に住宅を手配するか、楢葉町に戻るかの選択を迫られることになりました。これについて楢葉町は今年1月16日に、今春にも町内の居住者が住民登録者数(約7100人)の半分を超えるとの推計を明らかにしました(30)。住民の帰還を促すことを狙ったのでしょうか?
  以下に楢葉町町内在住者の増減と転入者数を示します。
5月に入り落ち込んだ楢葉町の町内在住者の増加
 ※(2)(3)を集計
 図-8 楢葉町町内在住者の増減

 図に示すとおり5月には入り急に減っています。また増加分には「転入者」を含まれますが、これを引くともっと減ります。5月中の実績を数値で示すと
 町内居住者の増加 42人
 新規転入者    22人
で、町内居住者の増加の半分以上が新規転入者です。避難先の住宅支援打ち切りによる帰還促進効果は概ね4月で終わったようです。以下に楢葉町民の町内外の人数を示します。

以下に楢葉町民の町内外の人数を示します。
全住民の半分に見たたない楢葉町の町内在住者
 ※(3)を集計
 図-9 楢葉町町民の居住先

図に示すとおり半分などは帰還していません。
数値は見ると(4)
  住民登録 7,046人中 楢葉町町内在住 3,343人(町内居住率47.5%)
で、半分に達していません。でも、年齢別にみると子供がいません。以下に5月31日時点の楢葉町町内在住者の年齢別の人数を示します。
子供が少ない楢葉町の町内在住者
 ※(4)を集計
 図―10 楢葉町町内在住者人数

 図に示し通り60代がピークで5~14歳の義務教育世代(同町産原乳を強制的食べさせられる世代)が最小です。ただし年齢毎に人数も異なります。5年前の2013年6月1日の楢葉町の人口は7,230人でした。これを分母(母数)にして計算すると、楢葉町の居住者割合は46.5%で、先の居住割合とそれ程には差はりません。減っている慰留は避難先や新たな街での再出発を決め楢葉町と決別した方や、不幸にして帰還前に亡くなった方が含まれています。避難したかたかたのうちどれだけ戻ったかをみるにはより正確な指標ともいえます。先に挙げた「町内居住率」と区別するために「再居住率」とします。すると楢葉町全体の「再居住率」は46.5%です。5年前の2013年6月1日の0-9歳の人口は531人で(2)、5年を経た現在では5-14歳になっています。5-14歳の楢葉町居住者は122人で、「再居住率」は23%です。この値は再居住率とすると全体の半分です。以下に年齢別の「再居住率」を示します。
子供に少ない楢葉町の「再居住率」
 ※(2)(3)を集計
 図―11 楢葉町の年齢別「再居率」

 図示す通り5~14歳の義務教育世代で低く、60代で高くなっています。
 以下に5~14歳の「再居率」の推移を示します。
 頭打ちとなった楢葉町の子供の「再居住率」
※(2)(3)を集計
 図―12 楢葉町の「再居住率」

 図に示す通り、上昇のペースが落ちています。楢葉町の義務教育世代は町にあまり戻っていません。そして、今後も戻る事はありません。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 (=^・^=)が調べた限り、年齢別の帰還者数を発表しているのは避難指示が解除された10市町村(避難指示が出された12市町村中大熊町、双葉町は避難指示がだされたまま)中で楢葉町だけと思います。子どもが帰還しないのは他の市町村も同じだと思います。東京電力は柏崎刈羽原発は「安全」だとして(31)、再稼働を目論んでいるようです。一度、事故って子供達が避難したら子ども達が戻る事はないと思います。そして福島に残ったかたも不安だと思います。
 福島県福島市長が福島市で合宿いているソフトボール女子日本代表に同市産のサクランボを送りました(32)。
福島市産サクランボを贈る福島市長
 ※(33)をキャプチャー
 図-13 ソフトボール女子日本代表に福島市産のサクランボを贈る福島市長

 福島市のサクランボはつややかな赤い宝石の甘酸っぱさで人気があるそうです(34)。福島産は検査で「安全」とされます(35)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(36)を引用
 図―14 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)楢葉町 - Wikipedia
(2)福島県の推計人口(平成30年6月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(3)楢葉町内居住者数について|楢葉町公式ホームページ
(4)(3)中の平成30年5月31日現在⇒行政区別・年代別集計表(H30.5.31)  
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(7)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(8)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島・楢葉町から高濃度の汚染が疑われる物体が見つかる。8個目
(10)東京電力 写真・動画集| 放射性物質の調査について
(11)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(12)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(13)報道配布資料|東京電力中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 201*年度 第*四半期採取分(*は1~7の数値)」
(14)木戸川 (福島県) - Wikipedia
(15)2.河川・水源地のモニタリング結果
(16)2017年7月13日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 2016年度 第4四半期採取分(PDF 756KB)
(17)めげ猫「タマ」の日記 福島産クロダイから30(Bq/kg)のストロンチウム90
(18)安倍総理大臣が楢葉町「蛭田牧場」を視察 | 新着情報 | JA全農福島
(19)東北協同乳業株式会社 | 福島県本宮市にある11/19-B1乳酸菌ヨーグルトをはじめ、牛乳・プリンなどを製造している会社です。
(20)東北協同乳業株式会社 | 福島県本宮市にある11/19-B1乳酸菌ヨーグルトをはじめ、牛乳・プリンなどを製造している会社です。
(21)ストロンチウム - Wikipedia
(22)五訂増補日本食品標準成分表 [第2章]中の10 魚介類(PDF:283KB)
(23)大切な栄養素カルシウム:農林水産省
(24)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(25)報道発表資料 |厚生労働省
(26)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(27)楢葉南北小学校 - 給食
(28)東北協同乳業株式会社 | 福島県本宮市にある11/19-B1乳酸菌ヨーグルトをはじめ、牛乳・プリンなどを製造している会社です
(29)福島・楢葉、仮設住宅の無償提供終了へ 進む退去、不安拭えず 帰町か否か選択相半ば | 河北新報オンラインニュース
(30)発電所の安全対策|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(32)ソフト女子日本代表選手を激励 福島市長 | 県内ニュース | 福島民報
(33)Nスタふくしま20180625 TUFchannel
(34)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(35)検査体制 | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報
(36)イオン福島店 | お買物情報やお得なチラシなど 続きを読む
  1. 2018/06/26(火) 19:45:49|
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価格差拡大、5月福島産アスパラガス、当然の結果です。

 5月アスパラガス価格を最大産地の北海道(1)と比較すると、1キログラム当たりで
  福島産  1,464円
  北海道産 1,635円
  福島産が△171円安
です(2)。昨年4月の価格差△130円よりも大きく、価格差が拡大しています。これは福島産に対する消費者の正しい理解が進んだ結果であり当然のことです。
 福島県を代表する野菜にアスパラガス、キュウリ、トマトがあります(3)。以下に福島産アスパラガスの東京中央卸売市場への月別出荷量を示します。
5月がピークのアスパラガスの出荷
 ※1(2)を集計
 ※2 4月までは2008年から18年までの平均、6月以降は2008年から17年までの平均
 図-1 福島産アスパラガスの東京中央卸売市場への月別出荷量

 図に示すとおり福島産アスパラガスのピークは5月です。福島のアスパラガスのシーズンはキュウリやトマトより早く始まります。アスパラガス価格はその年度の福島産野菜価格の選考指標になります。
 福島のアスパラガス産地の一つに二本松市、本宮市、大玉村からなる安達地区(4)があります(5)。以下に位置を示します。
事故8年目になって汚染されている福島安達
 ※1(6)のデータを(7)に示す手法で3月11日に換算
 ※2 旧避難区域は(8)による。
 図―2 事故から7年以上を経て汚染されている福島

 図に示す様に福島では国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(9)を概ね超えています。福島のアスパラガスは汚染された地でも作られています。以下に安達地区の各年1月から5月までの1年間の合計の葬式数を示します。
事故後に葬式が増えた福島・安達
 ※1(10)を集計
 ※2 各年1月から5月
 ※3 震災犠牲者は(11)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―3 福島・安達の各年1月から5月の葬式(死者)数

 福島・安達の葬式(死者)数は
 事故前(2010年1月~年5月)475人
 今年(2018年1月~年5月) 544人
で15%増えていました。このような事が起こる確率を計算したら統計的に差があるとされる5%を下回る(12)、3.1%でした。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(13)による
有意差検定表


福島県のひらた中央病院が福島産米や野菜を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(14)。以下に結果を示します。
 表ー2 福島産米や野菜を許容すかのアンケート結果
 ※ (14)を集計
福島産許容する割合が多い郡山市、少ない相馬・南相馬市 

 この表について
「相馬市・南相馬市では福島産米と野菜を共に許容する方は7%です。は嘘で、正しくは16.5%だ。」
と嘘を流す方がいるので(15)計算方法を示します。
 まずは基本データとして
  ①母数(全体の数)      715
  ②福島産米を避ける      551
  ③福島産野菜を避ける     530
  ④福島産米と野菜を共に避ける 417
です。ここから導かれる量として
  ⑤福島産米のみ避ける  134(②-④)
  ⑥福島産野菜のみ避ける 113(③-④)
  ⑦福島産米や野菜のどれか、ないし共に避ける 664(⑤+⑥+④)
母数から⑦(福島産米や野菜のどれか、ないし共に避ける)を引けば、福島産米も野菜も避けない(すなわち共に許容する)の人数が出てきて51人です。これを全体の数(母数)で割ると7.1%(51÷715)になります。
 表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では表に示す通り715人中530人の方(全体の74%)が福島産野菜を避けています。当然ながら福島産アスパラガスも避けていると思います。以下に相馬・南相馬市の同じく各年1月から5月までの合計の葬式数を示します。
被災を除けば事故後も増えていない相馬・南相馬市の葬式
 ※1(10)を集計
 ※2 各年5月から翌年4月の1年間
 ※3 震災犠牲者は(11)により、行方不明者を含み関連死を含まず
 図―4 相馬・南相馬市の各1月から5月の葬式(死者)数

 図に示すとおり震災犠牲者を除けばそれ程には増えていません。数値を記載すると
 事故前(2010年1月~年5月)578人
 今年(2018年1月~年5月) 589人
でほんと変りありません。
 福島産アスパラガスは汚染され葬式が増えた安達は産地の一つです。そして、福島産野菜を避けている相馬・南相馬市では葬式が増えていません。福島県は福島産アスパラガスは「安全」だとしていますが(16)、消費者の理解が得られるのでしょうか?以下にアスパラガスの東京中央卸売市場の取引価格を示します。
2011年以降に北海道産より安くなった福島産アスパラガス価格
 ※(2)にて作成
 図-5 アスパラガスの東京中央卸売市場の取引価格

 北海道は日本最大のアスパラガスの産地です(1)。北海道と福島を比較すると、事故前は図に示すようにほぼ同等の価格でした。事故後は福島産は大幅にやすくなりました、今年5月の価格は1キログラム当たりで
  福島産  1,464円
  北海道産 1,635円
  福島産が△171円安
です(2)。昨年4月の価格差△130円よりも大きく、価格差が拡大しています。これは福島産に対する消費者の正しい理解が進んだ結果であり当然のことです。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 安倍出戻り総理と同じよう(17)に福島は「安全」だと主張するかたも平気で「嘘」をつくのはリファレンス(15)の通りです。これでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島を代表する野菜にキュウリもあります(3)。6月に入り福島の直売所では「きゅうりまつり」が開催されました(18)。福島はキュウリの季節になりました。福島県塙町辺りのキュウリは美味しいそうです(19)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(16)。でも、福島県塙町のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県塙町のスーパーのチラシ
 ※(20)を引用
 図―6 福島産キュウリが無い福島県塙町のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県塙町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)アスパラガスの生産量の都道府県ランキング(平成28年) | 地域の入れ物
(2)東京都中央卸売市場-統計情報検索

(3)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(4)福島県 - Wikipedia
(5)安達の農業 - 福島県ホームページ
(6)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(7)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(8)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(9)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(10)福島県の推計人口(平成30年6月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(11)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(12)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(13)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(14)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(15)品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月3週)―福島県はモモの安全宣言、汚染が酷く葬式が増えている主産地の検査は… 赤かぶ中のコメント
(16)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(17)東京新聞:加計氏発言、首相と矛盾 会見でほころび新たに:社会(TOKYO Web)
(18)農産物直売所 みらい百彩館「んめ~べ」 – JAふくしま未来 直売所「んめ~べ」のブログ
(19)みりょく満点ブランド|JA東西しらかわ
(20)グディング/塙店のチラシと店舗情報|シュフー Shufoo! チラシ検索
  1. 2018/06/25(月) 19:43:15|
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避難指示解除2年、日本一人口の少ない村となる福島県葛尾村

 2016年6月に避難指示が解除された福島県葛尾村(1)の今年6月時点の帰村者は232人、仮設在住者は83人で(2)、合計325人です。数字を見ている帰還者と仮設在住者の合計がほぼ一定で推移しているので、これが村に戻る最大人数です。高知県大川村は、離島並びに福島第一原子力発電所事故の影響を受けている自治体を除くと、全国で最も人口が少ない村で、人口374人です(3)。これより少ないので、葛尾村は日本一人口の少ない村になりました。
 福島県葛尾村は福島県東部を南北に連なる阿武隈高地に位置する山村です。先の事故では福島第一原発から放射能が「うつり」村は汚染されました。そして避難区域に指定されました。
事故8年目になって汚染されている福島
 ※1(4)のデータを元に(5)に示す方法で6月1日に換算
 ※2 避難区域は(7)による。
 図―1 福島県葛尾村

 図に示す様に全域が国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(7)を超えています。事故8年目になりましたが福島県葛尾村は汚染されたままです。
 以下に福島県葛尾村の赤ちゃん誕生数を示します。
女の子が多く生まれる福島県葛尾村
 ※(8)を集計
 図―2 葛尾村の赤ちゃん誕生数(各年度)

 図に示しように事故後に女の子が多く生まれるようになりました。2012年度以降を集計すると
  男の子 26人
  女の子 46人
で女の子が多く生まれています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら統計的に差がるとされる5%を下回る(9)1.8%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果(葛尾村)
 ※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(10)による。
有意差検定表

 通常は男の子が多く生まれるので(11)異常な事態です。
 葛尾村では今年から幼稚園が再開されました(12)。当然ながら女の子が多くなっています。
女の子が多い葛尾村幼稚園
  ※(13)を引用
 図―3 女の子が多い葛尾村の幼稚園

 とっても可愛い園児です。でも喜んでばかりはいられないようです。福島県の資料では何故か抜け落ちていますが(14)、放射線影響研究所は広島や長崎で遺伝的影響がな事の根拠に生まれている赤ちゃんの男女の比率に異常がない事あげています(15)。広島や長崎では起きなかった事が福島県葛尾村では起きています。
 それでも安倍出戻り内閣は「安全」だとして、2016年6月に大部分で避難指示を解除しまた(1)(7)。
 安倍出戻り内閣は除染を行ったと主張しています。除染が2015年12月末までに完了したのですが(16)、対象面積は葛尾村総面積84.37平行キロメートル(1)の2割の17平方キロメートルです。以下の葛尾村に放置されている放射性セシウムの量を示します。
セシウムが残ったままの葛尾村
 ※ 計算方法および元データは(=^・^=)の過去の記事(17)による。
 図―4 葛尾村の放射性セシウム量

 除染は終りましたが、多くが残ったています。安倍出戻り内閣は効果があまりない除染を実施、安全になったと避難指示を解除したようです。
 以下に葛尾村村民の居住形態を示します。
帰還が進まない福島県葛尾村
 ※(18)を集計(過去分も含む)
 図―5 葛尾村民の居住形態

 図に示す様に自力で村外に自宅を入手された方や村外の災害公営住宅だと、葛尾村村外に安定した住居を入手した方を含むその他が大部分です。葛尾村村民の多くは帰還をあきらめ村外に安定した住居を入手したようです。この方が村に戻る事はありません。
 以下に仮設と帰村の合計の人数を示します。
仮設と帰村の合計が一定に推移している葛尾村
 ※(18)を集計(過去分も含む)
 図―6 葛尾村民の仮設と帰村の合計人数

 図に示す通り仮設と帰村の合計人数は昨年10月以降はほぼ一定しています。仮設を引き払って帰村するパターンでしょうか?この合計人数が葛尾村に帰還する最大人数になります。合計すると325人です(2)。離島並びに福島第一原子力発電所事故の影響を受けている自治体を除くと、全国で最も人口が少ない村は人口374人の高知県大川村です(3)。葛尾村か大川村より人口が少ない日本一(ただし離島を除く)人口の少ない村になります。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 葛尾村は事故前は3,548頭の肉用牛が飼育されていました(19)。事故前(2010年)の人口は1,531人ですので(1)、人口の倍の肉用牛が飼育されていることになります。でも、復活は困難です。
 福島県田村市の肉牛飼育頭数は5,403頭で(20)。福島県最大です。福島の牛肉は美味しいそうです(21)。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(22)。でも、福島県田村市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
他県産はあっても福島牛肉が無い福島県田村市のスーパーのチラシ
 ※(23)を引用
 図―7 福島産牛肉が無い福島県のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県田村市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。


―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)葛尾村 - Wikipedia
(2)葛尾村からの避難者の状況(6月1日現在) - 葛尾村ホームページ
(3)大川村 - Wikipedia
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日~11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(6)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(7)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(8)福島県の推計人口(平成30年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(9)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(10)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(11)出生性比
(12)沿革 - 葛尾村ホームページ
(13)広報かつらお 平成30年度 - 葛尾村ホームページ中の•広報かつらお6月号 [PDFファイル/5.81MB]
(14)第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)の開催について - 福島県ホームページ中の 参考資料4 放射線の遺伝的影響について [PDFファイル/767KB]
(15)原爆被爆者の子供における放射線の遺伝的影響 ? 公益財団法人 放射線影響研究所 RERF
(16)福島県葛尾村の除染進捗情報|除染特別地域(国直轄除染)の概要・進捗|除染情報サイト:環境省
(17)めげ猫「タマ」の日記 ばら撒かれたセシウムの6割が残る福島県本宮市
(18)住民生活課 - 葛尾村ホームページ
(19)わが葛尾村の農業 -022/036page
(20)届出情報の統計-目的別索引-牛の個体識別情報検索サービス⇒【平成29年10月31日公表】  (毎年10月31日頃更新)⇒飼養頭数 牛の種別 市区町村別 平成29年9月末時点 ⇒Excelの福島県をホルスタイン種、ジャージー種、乳用種を除き集計
(21)ふくしまの牛 | ふくしまのお肉 | JA全農福島
(22)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(23)船引店|店舗・チラシ情報|リオン・ドール
  1. 2018/06/24(日) 19:46:07|
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食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月3週)―福島県はモモの安全宣言、汚染が酷く葬式が増えている主産地の検査はしていません。―

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。6月15日までの食品中の放射性セシウムの検査結果が6日遅れで発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先回に続き今回もしっかりセシウム入り汚染が見つかっています(4)。牛肉を除く検査結果の概要は以下の通りです。
  ①検査数841件中14件で基準超え(全体の2%)
  ②平均は、1キログラム当たり6ベクレル、最大300ベクレル(福島県産ネマガリタケ)。
事故8年目でも見つかるセシウム汚染食品
   ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2018年6月21日発表分)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

 危険なセシウム汚染食品が宮城、福島産から見つかっています。今週の発表から
 ・岩手県産ブリからセシウム、福島産は116件連続ND
 ・福島県はモモの安全宣言、汚染が酷く葬式が増えている主産地の検査はしていません。
 ・福島産ネマガリタケから過去最高のセシウム
などの特徴が読み取れ福島産は安全とは言えません。

1.岩手県産ブリからセシウム、福島産は116件連続ND
 岩手県産ブリからセシウムが見つかったと発表がありました(8)。福島産が気になります。以下に検査結果を示します。
近県では見つかっても福島産からは見つからないブリのセシウム
 ※1(1)を集計
 ※2 日付けは捕獲日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 ※4()内は検査先
 図―2 ブリの検査結果

 図に示す通り岩手県産だけでなく、各県が検査した宮城、茨城、千葉県からも見つかっています。でも、福島県が検査した福島産ブリからはセシウムは見つかりません。厚生労働省の発表(1)を見ると2016年以降で116件連続で検出限界未満(ND)です。
  岩手県産ヒラマサからセシウムが見つかったと発表がありました(9)。茨城産、千葉産の検査結果を厚生労働省の発表(1)でみると2016年以降は1件以下なので福島産と比較してみました。
岩手産からは見つかっても福島産ヒラマサからは見つからないセシウム
 ※1(1)を集計
 ※2 日付けは捕獲日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 ※4()内は検査先
 図―3 ヒラマサの検査結果

 図に示す通り岩手県が検査した岩手産からは見つかっているのに、福島県が検査した福島産からは見つかっていません。
 ブリにしてもヒラマサにしても、福島近県ではセシウムが見つかっているのに、汚染源がある福島産からは見つかりません。海はつなっているのにおかしな話です。ブリやヒラマサなどの福島産の農水産物の出荷前検査は、厚生労働省の発表(1)を見ると、すべてを福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(10)が実施してます。中立性に疑問があります。福島産は他より引く出る検査で「安全」とされ出荷されます。

2.福島県はモモの安全宣言、汚染が酷く葬式が増えている主産地の検査はしていません。
 福島を代表する果物にモモがあります(11)。福島県は今年も検査で「安全」が確認されたと発表しました(12)。
福島産モモの安全宣言をする福島県
 ※(13)を引用
 図―3 モモの「安全宣言」をする福島県

 福島のモモは、福島県全域で栽培される訳ではありません。福島盆地と呼ばれる狭い範囲で主に栽培されています。特に福島市、伊達市、桑折町は福島のモモの3大産地です(14)。以下に示します。
事故8年目になって汚染が広がる福島盆地
 ※1 (15)のデータを(16)に示す手法で6月1日に換算
 ※2 避難区域は(17)による
 ※3 福島盆地は(18)による
 ※4 モモマーク一つはモモの検査1件を示し、(19)による。
 図-4 福島のモモ産地と相馬市・南相馬市 

 図に示す通り福島盆地は国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルトを超えた(20)地域が広がっています。福島のモモは汚染された地で作られています。
 それでも福島県福島市はモモの購入数量が日本一です(21)。福島のモモ産地の皆様の健康が心配です。以下に福島のモモ産地(上位3市町、福島市、伊達市、桑折町)の各年1-4月の合計の葬式(死者)数を示します。
事故後に葬式が増えた福島のモモ産地
 ※1(22)を各年1-4月で集計
 ※2 震災犠牲者は死者・行方不明者を含み関連死を含まず(23)よる。
 図―5 福島のモモ産地(上位3市町、福島市、伊達市、桑折町)の各年1-4月の合計の葬式(死者)数

 図に示す通り事故後に増えています。数値を記載すると
  事故前(2010年1-4月) 1,383人
  今年(2018年1-4月)  1,599人
で16%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.008%です。以下に偶然に起こる確率を示します。
 
 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
 ※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(24)による。
有意検定表

 福島県のひらた中央病院が福島産米や野菜を避けるか、避けないかのアンケート結果を発表しています(25)。以下に結果を示します。

 表ー2 福島産米や野菜を許容すかのアンケート結果
 ※ (25)を集計
福島産許容する割合が多い郡山市、少ない相馬・南相馬市

 表に示す通り、地域によって大きな差があります。相馬市・南相馬市では福島産米と野菜を共に許容する方は7%です。果物の調査結果はありませんが同様に避けていると推察です。モモの主要産地でなく、福島産果物を避けているであろう、相馬・南相馬市の1-4月の合計の葬式数は
 事故前(2010年1月~4月)478人
 今年(2018年1月~4月) 456人
で(22)少し減っていますが、統計的な差はありません。
 主要産地では無い相馬・南相馬市では葬式が増えていなにのに、汚染されている主要産地(福島市、伊達市、桑折町)では葬式が増えている福島のモモ、確り検査して欲しいと思います。以下に検査結果を示します。
福島市、伊達市、桑折町の検査結果が無い福島産モモ
 ※(19)を引用
 図-6 福島産モモの検査結果

 図に示す通り、主産地で汚染されており葬式が増えている福島市、伊達市、桑折町の検査結果がありません。
 福島産は汚染され、葬式が増えた主産地を避けた検査で「安全」とされます。

3.福島産ネマガリタケから過去最高のセシウム
 福島県産ネマガリタケから1キログラム当たり300ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました(27)。以下に推移を示します。
過去最高のセシウムが見つかった福島産ネマガリタケ
 ※1(1)を集計
 ※2 日付けは収穫日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 図―7 福島産ネマガリタケの検査結果

 図に示す通り上昇し、事故以来の最高値を記録しました。
 福島県産リーフレタスから1キログラム当たり8.1ベクレルのセシウムが見つかったと発表がありました(28)。以下に推移を示します。
過去最高のセシウムが見つかった福島産リーフレタス
 ※1(1)を集計
 ※2 日付けは収穫日
 ※3 NDは検出限界未満(みつからな事)を示す
 図―8 福島産リーフレタスの検査結果

 図に示す通り上昇し、事故以来の最高値を記録しました。
 事故8年目になりましたが福島産はセシウムが上昇し事故以来の最高値を出しています。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 ・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
 ・汚染の酷い主産地避けた検査で安全とされる福島産
 ・セシウム濃度が上昇する物がある福島産
 (=^・^=)は不安なので「買わない」「食べない」「出かけない」の「フクシマ3原則」を決めています。でも、これって(=^・^=)だけではないようです。
 福島県産サクランボのPRが福岡市で行われたそうです。好評との事です(29)。でも福島では違うようです。福島はサクランボの季節です。福島県福島市産のサクランボはつややかな赤い宝石の甘酸っぱさで人気があるそうです(30)。福島産は検査で「安全」とされます(31)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(32)を引用
 図―9 福島産サクランボが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第1088報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月2週)―福島でセシウム汚染食品が市場流出、49日間発表しません―
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)(3)中の「1 自治体の検査結果⇒検査結果(PDF:779KB)
(8)(3)中のNo21
(9)(3)中のNo22
(10)農林水産部 - 福島県ホームページ
(11)くだもの図鑑 ? くだもの消費拡大委員会
(12)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(13)(12)中のくだもの編 [PDFファイル/193KB]
(14)くだものづくりがさかんな福島盆地
(15)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成27年9月12日~11月4日測定) 平成28年02月02日 (KMZ, CSV)」
(16)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線
(17)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(18)福島盆地 - Wikipedia
(19)品目から探す | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報を「果物⇒ま行⇒も⇒モモ、モモ(施設)で6月22日に検索」
(20)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(21)福島県・福島市|なるほど統計学園
(22)福島県の推計人口(平成30年5月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(23)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(週1回更新) - 福島県ホームページ
(24)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(25)研究報告|ひらた中央病院 | 医療法人 誠励会 | 福島県 医療 介護 リハビリ
(26)(3)中の「2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果⇒検査結果(PDF:144KB)
(27)(26)中のNo315
(28)(26)中のNo368
(29)福岡で福島県産農産物PR 復興応援フェスタ、サクランボ人気:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(30)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(31)検査体制 | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報
(32)ヨークベニマル/お店ガイド 続きを読む

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  1. 2018/06/24(日) 18:54:12|
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福島事故、津波対策な経営判断に従うとNHK

東京電力福島第1原発事故をめぐる刑事裁判の第18回公判が6月20日、東京地裁で開かれました。事故前に津波水位を計算する部署に所属していた現役の東電社員が証人で出廷し、被告の一人が津波対策の保留を指示した際、「経営判断が働いたと思った」と証言しました。さらには会議以降も「長期評価を取り入れるべきとの考えは変わらなかった」と強調し、「(会議以降)対策工の検討が進まずフラストレーションがたまった」と証言したそうです(1)。一方でNHKは「フラストレーションがたまった」と証言は報じぜす、「経営判断であり、従うべきだと思った」と証言を報じていました(2)。これでは、証言者(東京電力社員様)が対策が必要と考えていたことが伝わりません。東京電力は福島事故は今も「想定外の津波」で起こったと主張しています(3)(4)。NHKは東京電力の主張のバックアップに努めているようです。NHKは国民の知る権利を充足(5)しません。
 福島原発事故の最大の謎は福島原発事故の原因だと思います。
 ①「想定外」の津波で起こった(6)。
 ②十分に注意すれば「津波」は想定できたが、注意を怠り津波が想定できなかった。
 ③「津波」の危険性については、東京電力は薄々は感づいていたが、対策に莫大な費用がかかかるので、あえて無視した(7)。
です。
 東京電力の主張は「想定外」です。
事故前の2008年当時、 東京電力原子力・立地本部原子力設備管理部長を務めていた方(故人)(8)は、政府事故調で
「日本の地震学者、津波学者のだれがあそこにマグニチュード9がくるということを事前に言っていたんですか。」
と証言しています(9)。
 2012年4月には
「今回の津波は、それまでの知見では想定できない大規模なものでした」
とのプレス文を発表しています(6)。(=^・^=)が東京電力の発表を調べる限りでは、このプレス分を訂正する発表を知りません。さらには、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の「安全対策」を紹介した漫画では福島事故について
「想定を上回る津波が過酷な事故への引き金となりました」
記載し、ここでも「想定外」を主張しています(3)(4)。
今も「想定外」を主張する東京電力
 ※(3)を引用
 図―1 東京電力の「柏崎刈羽の安全対策」を紹介した漫画

ただし、「想定外」との東京電力の説明はあまり信じられていないようです。そのためでしょうか?これをめぐり刑事裁判が行われています(8)。
 事故前に福島第一を襲った津波は想定されていました(9)。
 brg140919c.gif
 ※(10)を抜粋・加筆
 図―2 2002年の津波想定(福島第一原発付近)

 なぜか、福島第一原発付近の想定が消えていますが、周囲の溯上高で15mが想定されています。報道を見る限り(1)(11)、事故前の津波評価の妥当性が裁判では争われているようです。
 第18回公判が6月20日、東京地裁で開かれました。事故前に津波水位を計算する部署に所属していた現役の東電社員が証人で出廷し、被告の一人が津波対策の保留を指示した際、「経営判断が働いたと思った」と証言しました。さらには会議以降も「長期評価を取り入れるべきとの考えは変わらなかった」と強調し、「(会議以降)対策工の検討が進まずフラストレーションがたまった」と証言したそうです(1)。
津波対策が進まず「フラストレーションがたまる感じだった」と報じる福島のローカルTV(FCT)
 ※(12)を引用
 図―3 津波対策が進まず「フラストレーションがたまる感じだった」と報じる福島のローカルTV(FCT)

 福島第一は津波対策が必要なのに「経営判断」で進められない事にイライラしていたような報道です。東京電力の担当者はそれだけ切迫したものを感じていたと思います。また朝日新聞は「経営判断には従うしかないと思った」と証言したと報じています(13)。経営判断が出た以上はそれに従うしかい苦渋の気持ちでしょうか?
 この公判はNHKも報じています(2)。NHKは「フラストレーションがたまった」と証言は報じぜす、「経営判断であり、従うべきだと思った」と証言を報じていました(2)。朝日新聞の「従うしかない」がNHKでは「従うべき」に変わっています。
「経営判断であり、従うべきだと思った」と発信するNHK
 ※(2)をキャプチャー
 図―4 「経営判断であり、従うべきだと思った」と発信するNHK

これでは、証言者(東京電力社員様)が対策が必要と考えていたことが伝わりません。総合的(経営的)判断すれば緊急に対策を取るよりさらなる検討をする方が良いともとれる報道です。福島第一の津波を想定すべく東京電力は努力をしていたが、事故当時は想定にたる充分な根拠はなく、「想定外」との主張を是認する内容です。NHKは「想定外」にそって報道内容を組み立てているようです。NHKは国民の知る権利を「充足」(5)しません。


<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 6月15日の公判は「東電裁判 原子力工学専門家証言」との表題で報じ、なかで「原子力工学の専門家で全国の原発の安全審査に関わっていた東京大学の岡本孝司教授」と紹介しています(14)。東京大学の岡本孝司教授は2005年より2012年まで原子力安全委員会原子炉安全専門審査会審査委員を務めており(15)、まさに事故の当事者です。この点が完全に抜け落ちています。NHKがこのような報道をする意図は不明ですが、新潟県知事が与党系に代わり(16)、新潟県に立地する東京電力の柏崎刈羽原子力発電所(17)の再稼働について、
「与党関係者には『野党候補が勝利すれば、再稼働が見込めない事態に陥る可能性があった。(慎重派の)前知事よりは環境が整えやすくなったのでは』と期待する向きがある。」
そうです(18)。東京電力が今も福島事故を想定外の津波によるものと主張しているので、これに沿った報道は結果として柏崎刈羽原発の再稼働を後押しする効果があります。こんな放送が平然と行われるようでは福島の皆様は不安だと思います。
 福島県田村市の肉牛飼育頭数は5,403頭で(19)。福島県最大です。福島の牛肉は美味しいそうです(20)。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(21)。でも、福島県田村市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
他県産はあっても福島牛肉が無い福島県田村市のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―5 福島産牛肉が無い福島県のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県田村市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。



―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)津波対策保留は「経営判断」 東電社員が証言、強制起訴裁判:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(2)東電裁判 津波対策担当社員証言|NHK 福島県のニュース
(3)原子力発電所に質問です 柏崎刈羽原子力発電所の安全対策|東京電力ホールディングス株式会社
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島事故は「想定外」を主張し続ける東京電力、想定外がまた起きて柏崎刈羽も事故りそう
(5)【電子版】NHK受信料「合憲」 国民の知る権利を充足-最高裁(更新) | 商社・流通・サービス ニュース | 日刊工業新聞 電子版
(6)今回の津波は、それまでの知見では想定できない大規模なものでした|東京電力
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島原発事故は「未必の故意」?
(8)吉田昌郎 - Wikipedia
(9)政府事故調査委員会ヒアリング記録 : 原子力防災 - 内閣府)中の「吉田 昌郎 東京電力福島第一原子力発電所長 ⇒事故時の状況とその対応について 3 ⇒吉田 昌郎-5(PDF形式:845KB)
(9)詳報 東電 刑事裁判「原発事故の真相は」|NHK NEWS WEB
(10)予測された日本海溝津波地震 想定されなかった津波被害
(11)「やりようで防げた」 津波工学専門家が見解 | 県内ニュース | 福島民報
(12)ニュース|福島中央テレビ
(13)福島第一原発、事故前から巨大津波危ぶむ声 公判で証言:朝日新聞デジタル
(14)東電裁判 原子力工学専門家証言|NHK 福島県のニュース
(15)岡本孝司 | 著者プロフィール | 新潮社
(16)新潟県知事一覧 - Wikipedia
(17)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(18)【原発ゼロへ・第2原発廃炉表明】突然表明に波紋 臆測行き交う:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(19)届出情報の統計-目的別索引-牛の個体識別情報検索サービス⇒【平成29年10月31日公表】  (毎年10月31日頃更新)⇒飼養頭数 牛の種別 市区町村別 平成29年9月末時点 ⇒Excelの福島県をホルスタイン種、ジャージー種、乳用種を除き集計
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  1. 2018/06/23(土) 19:43:00|
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福島産ヒラメ完全復活(2018年5月)、要注意

 東京中央卸売市場への福島産ヒラメの出荷量をみたら(1)
  事故前年(2010年5月)7.1トン
  昨年(2017年5月) 12.8トン
  今年(2018年5月) 15.4トン
で(1)、今年5月の出荷量は事故直前に比べ倍以上、昨年に比べ20%増しです。福島の海の汚染は続いています。注意が必要です。
福島第一原発では幾つかの排水路があります。以下に示します。
福島第一構内から海に続く福島第一排水路
 ※(2)にて作成
 図―1 福島第一排水路

 以下に各排水路のセシウム137濃度を示します。
事故から7年以上経て法定限度を超えたセシウム137で汚染された排水が流れる福島第一排水路
 ※1(2)にて作成
 ※2 法定限度は(3)による。
 図―2 福島第一排水路のセシウム137

 図に示す通り事故から7年間、法定限度を超える汚染排水が流れて続けています。福島の海は汚染され続けています。厳格な検査が必要です。福島県いわき市は福島県沿岸部南部に位置し、南を茨城県と接しています(4)。以下にヒラメの検査結果を示します。
茨城、千葉産からは見つかっても福島・いわき市産ヒラメからは見つからないセシウム
 ※1 検査結果は(5)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
 ※3 日付けは捕獲日
 ※4 ()内は検査先
 図―3 ヒラメの検査結果

 図に示す様に千葉県産、茨城県産からもセシウムが見つかっています。福島県が検査すると福島県いわき市産ヒラメからは見かりません。厚生労働省(5)の発表を数えると昨年(2017年)10月以降で147件連続で検出限界未満(ND)です。海は繋がっているのに千葉や茨城産ヒラメから見つかるセシウムが県境を越えて汚染源に近い福島県いわき市に入ると見つからなくなるなど、おかしな話です。
 ヒラメに限らず福島産水産物の出荷前検査は厚生労働省の発表(5)を見ると、福島県農林水産部に属する福島県農業総合センター(6)で実施してます。中立性に疑問があります。
 以下に各排水路の全ベータ濃度を示します。
事故から7年以上が過ぎて全ベータに汚染された排水が流れる福島第一
 ※1(2)で作成
 ※2 法定限度は(3)に示すストロンチウム90の基準値を(4)にて全ベータに換算
 図―4 福島第一路排水の全ベータ濃度

 図に示す通り事故から7年近く経ちましたが、福島第一から海へは法定限度を超える全ベータを含む汚染排水が流されています。福島の海は汚染され続けています。全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質で、全ベータの半分がストロンチウム90由来です(4)。当然ながらセシウムだけでなくストロンチウム90の汚染も心配です。
 ところが厚生労働省はストロンチウム90の検査は必要ないとしています。
ストロンチウム90はセシウムに対し一定の割合を想定すればよいとの説明です。厚生労働省は放射性物質がセシウムだけなら1キログラム当たり120ベクレルまで「安全」であり、基準値は100ベクレルとしています(8)。するとセシウム20ベクレル相当がストロンチウム90等の放射性物質よる被ばく分です。1ベクレルの放射性物質を取り込んだとして
 セシウム137では  0.013マイクロシーベルト
 ストロンチウム90では0.028マイクロシーベルト
の被ばくをします(9)。この割合から考えると厚生労働省が想定しているストロンチウム90の限度は1キログラム当たりで
  9ベクレル(20×0.013÷0.028)
になります。現行の基準値を下回った食品から1キログラム当たり9ベクレルを超えるストロンチウム90が見つかれば、基準値以下でも「安全」とは言えなくなります。
以下に福島原発沖20km圏内の魚のストロンチウム90の検査結果を示します。
過去最高のストロンチウム90が見つかった今年の福島の魚
 ※(10)を集計
 図―5 20km圏内の魚のストロンチウム90の検査結果

 図に示す様に本年は過去最高となる1キログラム当たり30ベクレルのストロンチウム90を含む魚が見つかりました(11)。最高値を出した魚(クロダイ)セシウムは基準値以下の50.2ベクレルですので、危険なレベルのストロンチウ90です。この件は福島の魚はストロンチウム90が検査されていない限り「安全」とは言えません。東京電力の発表(10)を見る限り福島産ヒラメのストロンチウム90は検査されていません。
 それでも福島県は福島産ヒラメは安全だとし(12)、漁と市場への出荷が再開されました(13)。ヒラメは福島県が力を入れている魚です(13)。以下に各年5月の東京中央卸売市場への出荷量を示します。
事故前より大幅に増えた福島産ヒラメの東京中央卸売市場への出荷量
 ※(1)を集計
 図―6 福島産ヒラメの東京中央卸売市場への出荷量

 図に示すように出荷量が回復し、福島産ヒラメの東京中央卸売市場の出荷量を見たら
  事故前年(2010年5月)7.1トン
  昨年(2017年5月) 12.8トン
  今年(2018年5月) 15.4トン
で(1)、今年5月の出荷量は事故直前に比べ倍以上、昨年に比べ20%増しです。
 以下に東京中央卸売市場でにヒラメの出荷量に対する福島産の割合を示します。
事故前よりも高い福島産ヒラメのシャア
 ※(1)を集計
 図―7 福島産ヒラメの割合(東京中央卸売市場)

 事故前は11%程度だったものが16%に上昇しています。東京中央卸売市場に出荷されてるヒラメのしているヒラメの6匹に1匹は福島産です。
 以下に各年3月の全国平均と福島産の東京中央卸売市場での取引価格を示します。
全国平均に比べ、安い福島産ヒラメ
※(1)を集計
 図―8 ヒラメの取引価格(東京中央卸売市場)

 図に示す通り事故後は福島産は全国平均に比べ安くなっています。水産加工品はフライ類を除き原産地表示の必要がありません(15)。ヒラメのお寿司やヒラメを含むお刺身の盛り合わせなどは産地表示義務がありません。公式には福島産ヒラメは「安全」とされています(12)。そして美味しいそうです(16)。だったら産地表示のいらない物には価格が安い「フクシマ産」を優先するのは仕方がないとです。
 安全とは言えない福島産ヒラメが広く出回っています。注意が必要です。

<余談>
 図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
 福島産は安全でなかろうがあろうが「安全」とされ、出荷されていきます。これでは福島の皆さんは不安だと思います。
 福島はサクランボのシーズンになりました(17)。福島のサクランボはつややかな赤い宝石の甘酸っぱさで人気があるそうです(18)。福島産は検査で「安全」とされます(19)。でも福島県相馬市のスーパーのチラシには福島産サクランボはありません。
 他県産はあっても福島産サクランボが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ
※(20)を引用
 図―9 福島産サクランボが無い福島県相馬市のスーパーのチラシ

 (=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
 
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)東京都中央卸売市場-統計情報検索中を「大分類⇒鮮魚、中分類⇒その他鮮魚類、品目(小分類)⇒ひらめ(国内)」で検索
(2)中長期ロードマップ|東京電力⇒中長期ロードマップの進捗状況⇒2018年4月26日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第53回事務局会議)⇒【資料3-6】環境線量低減対策(9.52MB)PDF
(3)サンプリングによる監視|東京電力中の「サブドレン・地下水ドレンに関するサンプリング」
(4)いわき市 - Wikipedia
(5)報道発表資料 |厚生労働省
(6)農林水産部 - 福島県ホームページ
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(9)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(10)報道配布資料|東京電力中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 201*年度 第*四半期採取分(*は1~7の数値)」
(11)2017年7月13日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域> 2016年度 第4四半期採取分(PDF 756KB)
(12)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の海産魚介類編 [PDFファイル/199KB]
(13)福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです
(14)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(15)加工食品品質表示基準改正(原料原産地表示等)に関するQ&A|消費者庁
(16)福島のヒラメ 不安の声受けタイでのPRイベント中止 | 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース | NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今
(17)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
(18)特産品を知る | JAふくしま未来について | JAふくしま未来
  1. 2018/06/21(木) 19:59:49|
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