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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

デタラメ、新しい放射線副読本その4―放射線量が高いから避難―

 文部科学省は2月に新しい「放射線副読本」を公表しました(1)。そこには事実と異なる内容や事実を誤解されてる内容が沢山含まれています(2)(3)(4)。その一つに、前文中の
 「放射性物質が多量に降った地域では、多くの住民が自宅からの避ひ難を強いられました。」
の記述です。高い放射線量が観測された地域だけが避難させらたみたいです。
以下に避難区域の拡大の推移をしめします。
brg140312a.gif
 図―1 避難区域の変遷

以下に経緯を示します(5)。
3月11日 半径10km圏内に避難指示
3月12日 半径20km圏内に避難指示
3月15日 半径30km圏内 屋内退避区域
4月22日 半径30km圏内(いわき市を除く)を緊急時避難準備区域に変更
4月22日 計画的避難区域を設定
当初は放射線量に関係なく福島第一原発からの距離で避難区域を設定していました。放射線量が高いことを理由に設定された避難区域は原発事故1月が過ぎた4月22日です。これは福島第一原発に近い所はリスクが大きいので、距離で避難区域を設定したためだと思いいます。
 以下に福島第一原発から約24kmの距離あり緊急時準備区域として避難区域に指定された南相馬市の福島県合同庁舎と63kmの距離にあり避難区域には指定されなかった福島市の放射線量の推移を示します。
brg140312b.gif
 ※(6)を集計
 図―2 福島市と南相馬市の放射線量

 避難区域になった南相馬市の1地点の方が、福島市より低くなっています。放射性物質が多量に降った地域では、多くの住民が自宅からの避ひ難を強いられましたなら、なんで福島市は避難区域にならず南相馬が避難区域になったか(=^・^=)には分かりません。
 

<余談>
生徒さんへ
放射線量が低い場所もある南相馬が避難区域になり、放射線量の高い福島市が避難区域にならなかったか先生に聞いてみてください。(=^・^=)が先生なら原発に近い場所はリスクが高いからだと答えますが、放射線量が高くなった場所だけでなくリスクの高い原発周囲すべてからの避難が必要とすると、原発再稼働に必要な避難計画の作成が大変(事実上作れなく)になります。

 新しい「放射線副読本」のデタラメぶりは本稿だけではありません。これまでの記事と今後の予定を示します。
1.これまでの記事
めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その1―野菜・果物は基準超えなし―
めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その2―いじめが起こった―
めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その3―原発を止めて電力制限―
④デタラメ、新しい放射線副読本その4―放射線量が高いから避難―(本稿)
 
2.今後の予定(暇な時に記事にします)
①「様々な分野で放射線が利用されています」(はじめに―1ページ)―近々の流れは放射線を利用しない方向に向いている。―しかし本文中には一切の利用例がない。かくのが難しいと思います。
②「水素が爆ばく発する事故が起こり、原子炉ろ内に閉じ込めておくべき放射性物質が大気中に大量に放出されました。」(福島第一原子力発電所事故 2ページ)―2号機からの放射性物質が汚染に寄与したの見方が強いが(7)、2号機は水素爆発していない。
③「風に乗って北西や南西の方角を中心に広い地域で地上に降りました。」(放射性物質の放出-2ページ)―東京電力の推計(8)よれば、東側に流れたセシウムの量が多い。ただし東側は海なので調査ができないなだけ!
④「暫定規制値を超える食品が市場に流通しないよう出荷制限などの措そ置をとってきました。」(食品安全に関する基準―2ページ)―セシウム汚染牛肉やセシウム汚染乾し椎茸など、多くの暫定基準値を超えた食品が市場から見つかり(9)(10)、一部は食されている。
⑤「福島県では「ふくしまっ子体験活動応援事業」により、子供たちが心身ともにリラックスした環境の中で、自然・環境、生活・歴史文化、スポーツなどの体験活動
や移動教室に参加しています。」(福島県の未来を担う子供の育成に向けた取組-8ページ)―、「ふくしまっ子体験活動応援事業」は宿泊費と活動費・交通費を補助する事業である(11)。
⑥「◆波のように伝わる放射線」(原子から出る放射線-9ページ)―光をエネルギーの塊(粒子)する概念「光量子」の概念(12)を無視している。
⑦「放射性物質が放射線を出す能力(放射能の強さ)を表すには「ベクレル(Bq)」(放射線・放射能の単位ー10ページ)―ベクレルは1秒間にでてくる放射線の総数を示す単位(13)であり「強さより」は「量」である。
⑧「放射性物質から離れれば放射線量も減ります。例えば、距離が 2 倍になれば受ける放射線量は、4 分の 1 になります。」(放射線から身を守るには―11ページ)―
点ならば正しいが福島のように面的に汚染された場所では適応できない。
⑨「ICRP では、100mSv を受けたとすると、がんで亡くなる可能性がおよそ 0.5 %増加する」(放射線量と健康との関係―11ページ)―ICRP勧告は0.5%でなく0,55%である(14)。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)新しい放射線副読本について:文部科学省
(2)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その1―野菜・果物は基準超えなし―
(3)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その2―いじめが起こった―
(4)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その3―原発を止めて電力制限―
(5)福島県ホームページ - 組織別 - 区域見直し等について中の「避難指示等の経緯(PDF:985KB)」
(6)福島県ホームページ - 組織別 - 過去のデータ
(7)福島第一原発事故による放射性物質の拡散 - Wikipedia
(8)【120524】東北地方太平洋沖地震の影響による福島第一原子力発電所の事故に伴う大気および海洋への放射性物質の放出量の推定について|TEPCOニュース|東京電力
(9)めげ猫「タマ」の日記 セシウム汚染牛肉の出荷が始まる。
(10)めげ猫「タマ」の日記 幼稚園の給食に1,400ベクレルの乾しシイタケ!-これは犯罪だ-(茨城県産)
(11)ふくしまっ子体験活動応援事業
(12)光子 - Wikipedia
(13)ベクレル - Wikipedia
(14)(ICRP)2007年勧告(Pub.103) - 原子力規制委員会
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  1. 2014/03/12(水) 20:16:48|
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