福島第一原発の5月2週(5月9日から14日)の状況を纏めてました。先週に続き高濃度の汚染水が見つかっています(1)。
①地下水バイパス放水決定!(2)。でも井戸の一つからは基準値ギリギリのトリチウム
②外洋からは今週もセシウムや全ベータ
③海岸近くの井戸から高濃度のトリチウム
以下に(=^・^=)が気づいた5月2週の主な高濃度汚染水観測点を示します。

図―1 福島第一原発高濃度汚染水観測点(5月2週)
1.地下水バイパスの放出決定!でもトリチウムはギリギリ
地下水バイパスからくみ上げたトリチウムを含む「水」を5月21日にも「海」流すそそです(1)。

※(12)をキャプチャー
図―2 地下水バイパスの水の放出を報じる福島県のローカルTV(FTV)
東京電力によると(3)、1リットルあたりで以下の放射性物質が含まれていろうそうです。
セシウム134 0.016ベクレル
セシウム137 0.047ベクレル
トリチウム 220ベクレル
ストロンチウム90 0.013ベクレル
です。
以下に地下水バイパス井戸No12のトリチウム(放射性の水素(4))の濃度の推移を示します。

以下に地下水バイパス井戸No12のトリチウム(放射性の水素(4))の濃度の推移を示します。
※(6)を集計
図―3 地下水バイパスNo12のトリチウム濃度推移
以下に「基準値」を示します。
表―1 地下水バイパス排出基準

※(1)を転載
地下水バイパスの他の井戸でもトリチウムが見つかっており、周囲の井戸からは基準値より高い濃度のトリチウムが見つかっています。

リチウムが見つかっています。
※(6)(7)(8)より作成
図―4 地下水バイパス付近の井戸のトリチウム濃度
この中で(=^・^=)はG-3井戸のトリチウム濃度を気にしております。急上昇って感じです。

※(8)を集計
図―5 トリチウム濃度放射性物質濃度の推移
そのうち地下水バイパス井戸に到達して、基準値超えを起こしたりして・・
2.外洋からセシウムなどの放射性物質
今週も図―1に示す通り、外洋からセシウムやストロンチウム90由来の全ベータ(9)が見つかっています(10)(11)。
北から1リットル当たりの値で
①5、6号機排水路北側
セシウム137 0.97ベクレル
全ベータ 11ベクレル
②排水路出口付近T-2
セシウム137 1.8ベクレル
③南側放水口付近
全ベータ 13ベクレル
です(10)(11)。以下に推移を示します。

※(10)を集計
図―6 5、6号機排水路北側の放射性物質濃度推移
(=^・^=)には改善されているようには見えません。福島県沖のセシウム汚染魚はしばらく無くなりそうにもありません。それよりもっと心配なのはセシウムよりストロンチウム90由来の全ベータです。セシウムより高い濃度を示していますが、福島県産沖のお魚のストロンチウム90の濃度は殆ど検査されていません。
12日に雨が降りました。そしたら福島第一原発の排水路の全ベータ濃度が急上昇しました。このまま海に流れだすと思います。

※(11)(12)を集計
図―7 排水路の放射性物質濃度と降水量
3.海岸付近の井戸からは高濃度の汚染水
東京電力はタービン建屋と海の間に沢山の観測用井戸を掘っています。その井戸の放射性物質濃度を示します。

※(10)を集計
図―8 護岸エリアの放射性物質濃度
この中で(=^・^=)が気になったのはNo1-14井戸の全ベータとNo3-3のトリチウム濃度です。

(a)No1-14井戸全ベータ濃度 (b)No3-3トリチウム濃度
※(10)より作成
図ー9 護岸付近の井戸の放射性物質濃度推移
どちらも上がり続けています。海に漏れて立派な汚染魚を誕生しそうです。
<余談>
5月12日にアメリカのケネディ大使が福島第一原発を訪問しました(13)。彼女は福島原発事故を「悲劇的な災害」と評していました。

※NHKの19時台の番組をキャプチャー
図ー10 福島第一原発事故を「悲劇的な災害」と評するケネディ大使
決して「風評被害」で片付く問題(14)ではないと(=^・^=)は思います。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(5月1週)―雨が降ればセシウムが海に流れ出す-(2)
21日にも海洋放出 第一原発地下水バイパス | 県内ニュース | 福島民報(3)
2014年5月14日福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク詳細分析結果(PDF 11.5KB)(4)
めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは放射性水素(5)
報道配布資料|東京電力(6)(5)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(7)(5)中の「福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果(H4エリア周辺)」
(8)(5)中の「福島第一原子力発電所構内H6エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果(H6エリア周辺)」
(9)
めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(10)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」を集計
(11)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」を集計
(12)
福島のニュース 福島テレビ(5月14日ひる放送) (13)
(コメント)キャロライン・ケネディ駐日米国大使の福島第一原子力発電所ご視察について|東京電力(14)
めげ猫「タマ」の日記 非科学的な「美味しんぼ」に対する福島県の見解
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- 2014/05/14(水) 20:19:23|
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