東京電力の7月2日の発表を集計したら、福島第一原発の汚染水が50万0230トンと、50万トンを突破しました(1)。このまま行くと2年後にタンクが一杯になり、溢れ出る計算です。地下水バイパスの稼働したのですが、今の所は効果がありません。凍土壁も行先不透明です(2)。
福島第一原発の汚染水は
①原子炉建屋やタービン建屋に放置されているもの(未処理水)
②セシウムを分離した後のもの(濃縮塩水)
③濃縮塩水からストロンチウム90等の放射性物質を分離してもトリチウムがそのままのもの(処理水)などがあります。以下に福島第一原発の汚染水処理の流れを示します。

※(3)を転載
図―1 福島第一原発の汚染水処理の流れ
このうち濃縮塩水と処理水がタンクに保管されています。原発事故いらい一直線で増え続け、7月2日の発表(1)で50万トンを突破しました。

※(4)より作成
図―2 増え続ける福島第一原発の汚染水
東京電力は90万トン分の汚染水タンクを用意するとしています(5)。以下に地下水バイパスで汲み上げた(汚染?)水の放流が始まった5月21日以降の1日当たりの汚染水増加量を示します。

※(4)より作成
図―3 一日当たりの汚染水増加量
1日平均で556トンのペースで増えています。残りが40万トンなのであと720日分の余裕しかありません。このまま行くと2016年6月頃には汚染水タンクが一杯になり、溢れ出る計算になります。福島第一原発の敷地は既にタンクや他の建物で埋まっているので、これ以上の増設計画は無理です。

※(5)とGoogle Mapで作成
図―4 汚染水タンクで埋まっていく福島第一原発の敷地
<余談>
福島第一原発の汚染水対策は3つのポイント進められています(6)。
・流出防止
・汚染源の除去
・増加の抑制
です。増加の抑制対策として、
①原子炉やタービン建屋に入る前の地下水を事前に汲み上げて海に流す地下水バイパス(6)(7)
②原子炉やタービン建屋の周りを氷の壁で囲み、地下水や汚染水の流れを止める「凍土壁」(6)
がありますが、どちらも上手くっていないようです(2)。特に地下バイパスは5月21日から、地下からあげた放射性物質が混入した水を海に流しはじめましたが、地下水が殆ど低下しません。

(a)水位 (b)観測点
※(2)より転載
図―5 原子炉建屋付近の水位
効果を上げるには6m以下にする必要がると(=^・^=)は試算していますが(7)。ほど遠い状態です。東京電力は汚染水の増加量を日量400トンとしていますが(6)、図ー3をみていただければわかる通り、日量400トンを超えています。それ程遠くない時期に福島第一原発の汚染水が保管できなくなる時がきます。その時の為の準備が必要な気がします。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第157報)|東京電力(2)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(6月4週)―汚染水対策は「赤」信号-(3)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(3月3週)―汚染水対策の要のはずが 放射性物質取り除けず-(4)
プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」を集計
(5)
第20回特定原子力施設監視・評価検討会|会議|特定原子力施設監視・評価検討会中の「資料2汚染水貯留タンク増設設計について [東京電力]【PDF:437KB」
(6)
「衆議院経済産業委員会 閉会中審査」における当社配布資料について|東京電力(7)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
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- 2014/07/03(木) 19:48:44|
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