東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、7月2週(7月7日から7月12日)もしっかりトラブルが起こっています。
1.凍土壁は溶けます。
福島第一原発の凍土壁が凍らないとのマスコミ報道が従前から流れていましたが、7月7日に開催された第24回特定原子力施設監視・評価検討会で明らかになりました(2)。福島第一原発では、タービン建屋からトレンチ(地下道)が海に向かって伸びています。いまその地下道のは汚染水が溜まっているので、凍土壁の技術を使い「地下道」とタービン建屋の接続部4か所を凍らせ、タービン建屋と「地下道」の汚染水の行き来を遮断する計画です。

※(3)とgoogle mapより作成
図―1 凍土壁の工事位置
このうち2号機の立坑Aは4月28日から凍結を開始しましたが、7月1日なっても凍りついていないそうです。以下に立坑Aを南北に切った断面の様子を示します。

図―2 2号機立坑Aの温度分布
凍るためには0℃以下にする必要ですが、0℃以上の場所がかなります。以下に2号機立坑A S6地点地下2mの温度の推移を示します。

※(3)より、グラフを読み取り作成
図―3 2号機立坑A S6地点地下2mの温度の推移
いったんは-20℃程度まで下がったのですが、その後に再び+5℃程度になってます。凍土壁って、一度は凍ってもまた溶けるみたいです。以下に本番の凍土壁の平面図を示します。

(a)平面 (b)断面
※(4)を転載
図―4 凍土壁の概要
今回、凍らなかったものに比べずっと規模が大きいです。うまく制御できるんですかね!
2.仕様間違いのモータに交換して、水漏れを起こす!
前の記事(1)で、7月6日に福島第一原発5号機の核燃料プールの冷却系から水漏れが見つかり、冷却が停止したことをお伝えしましたが、その後の話があるの書きます。
①漏れた量は、漏えい量は合計約1,310リットルだそうです(5)。このためでしょうか原子炉建屋地下階設備において、漏えいした海水が被水した設備への影響が心配されるので点検するそうです(6)。
②水漏れの原因はモータなのですが、原因となったモータは震災後の2012年7月に新品に交換したのはいいのですが、オイルベーパー(油が沸騰し、気泡ができて油としての機能が劣化する現象(8))の対策として、対策として1部の配管にに金属製ウールが入っていますが、交換前のモータで使っている金属製ウールに比べ目の細かい物を使い、目詰まりを起こしたごとが原因だそうです(7)。これって、仕様の違うモータに交換した為に起こったトラブルとしか思えないですがね。
3.今週も油漏れ
先週も油漏れが起こりましたが、今週も確り油漏れが起こっています。しかも2件!
①7月7日午前10時43分頃、固体廃棄物貯蔵庫第3棟付近において、仮置きされている発電機から油が漏れているのを下請けさんが見つけました。現在、床面に約50cm×約50cmの範囲の漏れ跡ができたそうです。消防署に連絡したらより「危険物の漏えいである」との判断されたそうです(9)。
②7月12日午前11時51分頃、福島第一原子力発電所構内の体育館付近に置いてある車の下から、1秒に数滴程度の油が漏れを下請けさんが見つけました。漏れ油は約1.5m×約2mであり、消防署へ通報したそうです(10)。
ここの所、油漏れ続きです。最近の油漏れ実績を記載します。
①5月29日、福島第一発電構内の免震重要棟駐車場に戻った際に、車から油(エンジンオイル)が漏れ、その後、消防署に通報したそうです。
②5月29日、福島第一発電構内企業厚生棟駐車場で、車から油漏れ、その後、消防署に通報
③6月6日、福島第一原発構内登録センター西側道路上で、下請けさんが使っている車が燃料配管からのガソリン漏れ
④6月17日、5号機残留熱除去系海水ポンプ(A)のモータ下側の軸封部から油が漏れ、消防署に通報したそうです。
⑤7月3日午前6時頃、福島第一発電所内協力企業厚生棟前の路上で、下請けさんが使ってしいる車がエンジンオイル漏れ(以上(1)))
⑥7月7日午前10時43分頃、固体廃棄物貯蔵庫第3棟付近において、仮置きされている発電機から油が漏れ(本稿)
⑦7月12日午前11時51分頃、福島第一原子力発電所構内の体育館付近に置いてある車の下から油漏れ(本稿)
油漏れの度に消防署に通報しているみたいですが、消防の皆さんご苦労様です。
4.今週も水漏れで冷却停止
2項で書いた通り、先週は5号機で水漏れがあり核燃料プールの冷却が停止しましたが、今週は6号機が水漏れを起こり、核燃料プールの冷却が停止しました。7月11日午後3時30分頃、福島第一原子力発電所6号機原子炉建屋6階の燃料プール冷却水を浄化する装置の弁の当たりから水が漏れいるを東電社員様が見つけました。漏れた水は約1m×約0.5m×深さ約1mmの範囲に広がったそうです(10)。
また、一時冷却できなくなったそうです。これに対し福島県は東電に漏えいの原因調査や5、6号機での点検強化を要望したそうです(11)。
<余談>
台風8号の影響で福島県内も大量の雨が降ったそうです(12)。

図―5 雨による土砂崩れで線路が宙づりになった福島県内の鉄道
そしたら福島県のローカル放送局のFCTが台風の雨によるトラブルは起こってないなんてニュースを流していました(14)。

※(14)をキャプチャー
図―6 台風でもトラブルが無い事を報じる福島のローカル放送局(FCT)
トラブルが無い事がニュースになる福島第一原発ってどんな状態?
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(7月1週)― けが人を誤診(2)
特定原子力施設監視・評価検討会|会議|原子力規制委員会(3)
第16回 原子力規制委員会|会議|原子力規制委員会中の「資料3※2東京電力福島第一原子力発電所2、3号機海水配管トレンチ建屋接続部止水工事の進捗及び課題について【PDF:5.8MB】別ウインドウで開きます」
(4)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(4月4週)―汚染水対策の未来は暗い―(5)
2014年7月7日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】 (6)
2014年7月9日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】 (7)
2014年7月11日東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について|東京電力(8)
ヴェイパーロック現象 - Wikipedia(9)
2014年7月8日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】(10)
2014年7月12日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】(11)
6号機プール冷却一時停止 第一原発、配管で水漏れ | 県内ニュース | 福島民報(12)
県内大雨 喜多方145ミリ | 県内ニュース | 福島民報(13)
福島のニュース 福島テレビ(7月11日ひる放送) (14)
ニュース|福島中央テレビ
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- 2014/07/12(土) 19:30:55|
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| コメント:1
こんにちは。
凍土壁を凍らせるのは大変なことなのですね。
塩分濃度がもし高かったたら、よけい凝固点降下で固まらなくなりそうですね。
- 2014/07/13(日) 18:22:30 |
- URL |
- 身内に被爆者がいたもの #YOiJM49g
- [ 編集 ]