福島のホームページに2014年8月末までの人口動態が福島県のHPに掲載されていました(1)。原発事故前の2010年に比べ14年の1から8月の死者数は増えていますが、それより驚いたのは地域に偏りがあることです。各年1~8月の死者数を比べてみると
学校給食に地元産米を使用している市や町
原発事故前(2010年) 5,285人
原発事故後(2014年) 5,670人
で7.3%増えています。一方、地元産米を使用していない市や村
原発事故前(2010年) 2,797人
原発事故後(2014年) 2,879人
で2.9%増です。
福島県域のうち中通りと浜通りでは、土壌から放射能汚染物を識別するためのクリアラスレベル(セシウム134,137合計で1グラム当たり200ベクレル)(2)を大きく超える放射性セシウムが見つかっています。

※(3)(4)にて作成
図―1 福島県の地域分けと土壌中の放射性セシウム濃度
福島県の中通りと浜通りの農産物は放射性物質の田畑で作られています。
福島県の市町村の中には学校給食の放射性セシウム測定結果を産地と共に公表しているところがあります(5)。会津地方を除く結果について以下に記載します。

※(5)より作成
図―2 福島県各市町村の給食での地元産米利用状況(会津地方を除く)
福島市、二本松市、伊達市、本宮市、郡山市および川俣町の5市1町で地元産米を使用して事を公表しています。一方、いわき市と西郷村では地元産以外のお米を給食に使用してる事を公表しています(5)。以下に2013年米の学校給食に地元産米を使用していると公表した市や町産のゲルマによる精密検査結果を示します。

※1(6)を転載
※2 40(Bq/kg)未満は無し
※3 (Bq/kg)は1キログラム当たりのベクレル数
図―3 学校給食の米産地の精密検査結果(2013年度産米)
2013年度米のゲルマニウム半導体による精密検査では、基準超へを含む放射性セシウムが見つかっていますが、学校給食にも使っているので、保護者の間には福島産食材に対する抵抗感は少ないと思います。ご家庭でも食べているのではないでしょうか?ネットで見る限り(あまり良いリファレンスとは言えませんが)学校給食に地元産米を使用していないいわき市の保護者にはそれなりの抵抗感があるようです(7)。
そんな訳でこの2地域について各年1-8月の死者数を集計しました。以下に学校給食に地元産米を使用している市や町の死者数の推移を示します。

※(1)を集計
図―4 地元産米を使用している市や町の死者数の推移(各年1-8月)
福島原発事故以降に死者数が増え、今も継続しています。死者数は各年の1-8月の累計で
原発事故前(2010年) 5,285人
原発事故後(2014年) 5,670人
で7.3%増えています。偶然に起こる確率を計算したら、0.15%なのでおよそ偶然とは思えません。
以下に学校給食に地元産米を使用していない市や町の死者数の推移を示します。

※(1)を集計
図―5 地元産米を使用していない市や町の死者数の推移(各年1-8月)
死者数は各年の1-8月の累計で
原発事故前(2010年) 2,797人
原発事故後(2014年) 2,879人
で2.9%増です。ただし偶然に起こる確率を計算したら23%ですので、偶然といっても構わないと思います。
学校給食に地元産米を使用しているところでは、現時点でも死者数の増加が統計的に認められるが、地元産米を使用していないところは、統計的には死者数の増加が認められないことになります。
<余談>
福島県は福島産品は検査されていて「安全」だと主張しています(8)。この主張が成立するには、福島県の検査に十分な精度がり適切にサンプリングされていることが必要です。これについて3つの問題があります。
問題1 他の検査機関より低くでる福島県の検査
厚生労働省の発表をみると福島県の農水産物の検査は概ね「福島県農業総合センター」で実施されています(9)。「福島県農業総合センター」は福島県の農林水産部に所属し(10)、いわば生産者の為の検査機関であって、消費者の安全を守るための検査機関ではありません。
以下に原発事故直後の福島県沖のシラスの放射性セシウム濃度を示します。

※(11)を転載
図―6 原発事故直後の福島県いわき市沖のセシウム濃度
図で見てわかる通り、当初は「日本分析センター」や「日本食品分析センター」が検査を実施していました。福島原発事故によってにわかに検査を始めた検査機関でもあります。
福島県農業総合センターが検査を初めてから、急にシラスのセシウム濃度が下がっています。このような例はほかにもあります(12)。また、福島産品の福島県外の検査結果と福島県の検査を比較すると、福島県外の検査では福島県の検査の10倍に跳ね上がるなんて結果もあります(13)。
表―1 福島県の検査結果と県外の検査結果の比較
※1 2013年、14年1月17日までの厚労省の発表(1)を集計
※2 検査はゲルマニウム半導体検出器による精密検査について比較
※3 表中の全数NDは、全ての検査で放射性セシウムが見つからなかった事を示す。
※4 (13)を転載

以下にいわき市沖のアワビの検査結果を示します。

※(11)を転載
図―7 いわき市沖アワビの放射性セシウム濃度推移
福島県の検査では、全て検出限界未満ですが、福島県漁連の検査では確り見つかっています。このような例はほかにもあります(12)(14)。
茨城県北茨城市と福島県いわき市は県境を挟んで隣接しています(12)。以下に福島県いわき市と茨城県北茨城市のマダラのセシウム濃度推移を示します。

※1(12)を転載
※2 NDは検出限界未満を示す。
図―8 北茨城市産といわき市産のマダラのセシウム濃度
検査結果を見る限り、福島県の検査では殆どが検出限界未満(セシウムが見つからない事、ND)ですが、北茨城市産では確りセシウムが見つかっています。
以上を纏めると福島県の検査の大部分を担っている福島農業総合センターは、同じ物を測っても他の検査機関より低くでることです。
問題2 サンプリングは大丈夫?
福島県のサクランボ、桃、梨、ブドウなどの主産地は避難地域を除けば放射性物質汚染の酷い福島市や伊達地区です(15)(16)(17)(18)。福島県の検査が無いのにこれらの場所が主産地の果物の安全宣言を出したり果樹園の開園をしています。2014年は以下の通りです。
6月14日 福島市の果物が検査されてないのに福島市の観光果樹園開園(15)。
6月27日 主産地の福島市、伊達市、国見町、桑折町を検査せずに「桃」の安全宣言(16)
8月12日 主産地の福島市、伊達市を検査せずに「ブドウ」の安全宣言(17)
8月22日 主産地の福島市を検査せずに「梨」の安全宣言(18)
主産地でしかも放射性物質汚染の酷い場所を避けて検査し、次々に安全宣言を出しています。実質は検査をしなおに「安全宣言」と同じです。
今年5月の自主検査で福島県産キュウリから1キログラム当たりで25ベクレル以上の放射性セシウムが見つかりました(19)。

※(19)をキャプチャ
図―9 福島県キュウリの2014年5月の検査結果
自主検査ではおよそ1キログラムの検体で行います(20)。キュウリの重さを1本100gとすると(12)、10本のキュウリの平均値で値が出てきます。だから10倍の1キログラム当たり250ベクレルのキュウリが存在した可能性が否定できません。一方、福島県が公開しているビデオを見るがり、精密検査では100g程度で検査できます(1)。(=^・^=)は確り検査すべきだと思います。
福島県須賀川市はキュウリの生産量が福島県一位で年間6,700トンのキュウリを出荷します。10月までがシーズンだそうです(18)。

※(21)より作成
図―10 福島県須賀川市
以下に福島県須賀川市産のキュウリの累積の検査数を示します。

※(9)を集計
図―11 福島県須賀川市産キュウリの年度別の検査数
年々減っていき2013,14年はたった7件です。概ね出荷量1000トンに対し1件の割合です。キュウリは1本100gですので、1トンでは1万本、1000トンでは1000万本になります。須賀川市産キュウリは1000万本に1本の割合でしか検査されていません。これで安全が確認できたといえるのですかね?
問題3 ストロンチウム90が不明
国では福島県産食材などをごちゃまぜにして放射性物質を検査するMB方式の検査を実施しています。以下に示す通り急上昇しています。

※(22)を転載
図-12 MB検査によるストロンチウム90濃度推移(福島県)
この検査では、MB方式の検査は購入した食品を12のグループに分け、セシウム濃度を測ったあとセシウム濃度が1キログラム当たり0.5ベクレル以上のものについてのみストロンチウム90濃度を測るそうです(19)。以下に東京電力が測定した福島第一原発沖合2km(T-S7)のお魚の放射性セシウム濃度とストロンチウム90濃度の相関を示します。

※(23)を転載
図-13 セシウム137とストロンチウム90の相関
でもカルシウム濃度とは関係ありそうです。

※1 (23)を転載
※2 カルシウム含有量は100g当たりのmg
※3 「クロソイ」はメバル族である。
図―11 カルシウム含有量とストロンチウム90濃度(T-S7地点)
だからセシウム濃度でなくカルシュウム含有量で、検査対象を決めるべきですがそのような事はしていません。ストロンチウム90について言えば、リスクのあるものの検査を避けています。
以上に示すように
①福島県産は他より低くでる検査で出荷される(検査そのものがザル)
②放射性物質汚染の酷い主産地は避けて検査される、少ないサンプル数(サンプリングが恣意的)
③ストロンチウム90等はリスクのあるもは測らない
の事態が起こっています。これではとても検査されていて「安全」だとは言えないと思います。そして本稿で書いたように、基準超えも見つかっている地元産米を給食に使うなどの福島産に寛容な地域では特異的に死者数が増えています。これでは「食べて応援 あの世行き」です。(=^・^=)は
「行かない」「買わない」「食べない」
のフクシマ3原則を決めています。でもこれは(=^・^=)だけではないみたいです。

※(24)を抜粋
図ー12 須賀川はキュウリの産地、でも宮崎産キュウリが載っている福島県須賀川市のスーパーのチラシ
以下に偶然に起こる確率(危険率)の計算結果を示します。計算方法は(25)によります。
表―2 偶然に起こる確率の計算結果(地元産米を給食に使用)

表―3 偶然に起こる確率の計算結果(地元産米を給食に未使用)

学校給食に地元産米でなく放射性物質汚染のない北海道産米を使用していた福島県いわき市が、12月からいわき市産米を使うとゆうニューズが流れました(26)。

※(26)をキャプチャー
図ー13 いわき市が地元産米を使うことを決めたと報じる福島県のローカル放送(FCT)
大丈夫ですね?
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
福島県の推計人口(平成26年9月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(2)
日本のクリアランス制度 (11-03-04-10) - ATOMICA -(3)
農林水産省/(2)放射性物質による農地土壌等の汚染と対応(4)
めげ猫「タマ」の日記 福島県について(5)
めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援、あの世行き(6)
めげ猫「タマ」の日記 男の子が生まれ難い福島県県北地域(7)
学校給食での地産地消について | いわきの初期被曝を追及するママの会(8)
県産食品の安全・安心を確保する取組み | ふくしま 新発売。(9)
報道発表資料 |厚生労働省(10)
農林水産部 - 福島県ホームページ(11)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(9月4週)―今週も危険な福島汚染食品の放置する安倍出戻り総理ー(12)
めげ猫「タマ」の日記 原発事故から3年半―「安全」を偽装する福島県―(13)
めげ猫「タマ」の日記 福島県のセシウム検査の値は他県の10分の1(14)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月1週)―献上桃の検査データをねつ造する福島県ー(15)
めげ猫「タマ」の日記 福島市の果樹園開園、でも検査はされていません。(16)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月)―主産地を検査せず安全宣言を出す福島県ー(17)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月2週)―汚染食品がマーケットの流出!12日間も秘匿する安倍出戻り内閣ー(18)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月4週)―福島の汚染食材を5日間も秘匿する安倍出戻り内閣ー(19)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報(20)
農作物放射性物質全戸調査の取り組み - JA伊達みらいのホームページ(21)
東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会(22)
めげ猫「タマ」の日記 フクシマ産のストロンチウム90が半年で倍増(23)
めげ猫「タマ」の日記 福島県沖シラス漁再開―ストロンチウム90は9ベクレル?―(24)
ヨークベニマル ヨークベニマルメガステージ須賀川南店(25)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について(26)
ニュース|福島中央テレビ
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2014/09/26(金) 19:35:39|
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