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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一原発汚染水(9月3週)―地下水バイパスからは2千億ベクレル超のトリチウムが海へ―

福島第一原発の9月3週(9月22日から9月28日)の状況を纏めてました。先週に続き高濃度の汚染水が見つかっています(1)。
 ①外洋からはストロンチウム90由来の全ベータ
 ②地下水バイパスのトリチウム累積排出量は2千億ベクレル超過
 ③止まらない海岸付近の井戸水の放射性物質濃度上昇

1.外洋からの放射性物質
今週もはストロンチウム90由来の全ベータ(2)が見つかっています。以下に1リットル当たりの値を示します。
 ①5,6号機放水口北側(4)(5)
  全ベータ       11ベクレル(9月22日採取)
  ストンチウム90   0.5ベクレル(6月2日採取)
 ②南放水口(4)(5)
  全ベータ     14ベクレル(9月22日採取)
  ストロンチウム90  0.0
 ③排水路出口付近(T-2)
  全ベータ      13
 以下に外洋の観測点位置と放射性物質濃度を示します。
brg140928a.gif
 ※2 SR90はストロンチウム90を示し、採取は6月
 図ー1 福島第一原発近傍の外洋での放射性物質濃度

また南側放水口の放射性物質濃度推移を示します。
brg140928b.gif
  ※1(5)(6)を集計
  ※2 NDは検出限界未満(放射性物質が見つからない事)を示す。
 図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃度の推移

低下している様子がありません。もっと心配なことがあります。以下に5,6号機放水口北側と排水路出口付近の過去一ヶ月の値を示します。
brg140928c.gif
 ※1(5)(6)(7)を集計
  ※2 NDは検出限界未満(放射性物質が見つからない事)を示す。
 図―3 福島第一原発近傍・外洋の放射性物質濃度の推移(過去一ヶ月)

 じわじわと上昇しています。

2.地下水バイパスからは2千億ベクレル超のトリチウムが海へ
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(8)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。
brg140928g.gif
 ※(9)を集計
 図―4 地下水バイパスNo12井戸のトリチウム濃度推移
9月に入り、トリチウム濃度は下がっていますが、9月に入りNo12井戸のトリチウム濃度が再上昇しています。
 以下に地下水バイパス用井戸とその山側(上流)にある観測用井戸の放射性物質濃度をしめします。
brg140928d.gif
 ※1(9)(10)を集計
 ※2 この一週間の最高値
 図―4 地下水バイパスと山側の放射性物質濃度

 山側(上流)の井戸からは高濃度のトリチウムが見つかっています。いずれは流れて行き地下すバイパスの水に混入しそうな気がします。以下に地下水バイパスNo10井戸のトリチウム濃度の推移を示します。
brg140928e.gif
  ※(8)を集計
 図―5 地下水バイパスNo10井戸のトリチウム濃度推移

この井戸は汲み上げを続けています(9)。そしてじわじわとトリチウム濃度が上昇しています。
 地下水バイパスから放流されたトリチウムの総量を濃度×排出量の合計で計算したら約2千億ベクレルを超えました。
brg140928f.gif
※(11)を集計
 図―6 地下水バイパスの累積のトリチウム放出量
 トリチウムどの程度まで安全か危険かよくわかっていないと(=^・^=)は思います(12)。(=^・^=)は不安です。東電は地下水バイパスによって一日当たりおよそ50トンから80トンの汚染水の増加が抑えられたと主張していますが、(=^・^=)の見積もりでは数トン程度です(13)。

3.止まらない海岸付近の井戸水の放射性物質濃度上昇
東京電力は福島第一原発の海岸付近にも井戸を掘り地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。以下に示すように高濃度の汚染水が見つかっています。以下にその様子を示します。
brg140928h.gif
 ※1 (5)で作成
  ※2 集計期間(9月22日から28日)発表分の最高値を記載
 図-7 1,2号機タービン建屋間の海岸付近の井戸の放射性物質濃度

この中で(=^・^=)が最も気になったのはNo3-5井戸です。この井戸は図ー7に示すように、海の傍にあります。以下に全ベータ濃度の推移を示します。
brg140928i.gif
※(5)にて作成
 図ー8 No3-5井戸の全ベータ濃度推移

濃度が突然上昇しています。海の傍なのでやがては海に流られ「汚染魚」を作ると思います。

<余談>
 図―7を見てわかるとおり、セシウムでなくトリチウムやストロンチウム90由来の全ベータ(13)の値が高くなっています。トリチウムについて厚生労働省は
「トリチウムの生体に与える影響は、食品中の放射性物質の基準として設定されている放射性セシウムより極めて小さく約1000分の1となります。仮に、10,000Bq/Lのトリチウムを含む飲料水を1L飲んだ場合に受ける放射線量は0.00018mSvとなります」
と飲んでも安全と主張していますが(13)、食べても安全とは言っていません。トリチウムは水素であり、私たちの3大栄養素 の蛋白質、糖質、脂質にすべからく含まれています。厚生労働省が食べて安全と言っていない以上は(=^・^=)は食べません。(=^・^=)は
 「行かない」「買わない」「食べない」
のフクシマ三原則を決めています。でもこれって(=^・^=)だけでないみたいです。
brg140928j.gif
※(14)を抜粋
 図―8 福島のブドウは今が旬(15)、でも他県産のブドウしか載っていない福島市のスーパーのチラシ

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(9月3週)―アイナメのセシウム濃度は下がらず―
(2)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(3)報道配布資料|東京電力
(4)サンプリングによる監視|東京電力
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(4)中の「1~4号機タービン建屋東側および港湾のモニタリング」
(7)(3)中の「福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果(南放水口付近)(PDF 120KB」
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(9)(3)中の「揚水井の分析結果」
(10)(4)中の「H4エリア周辺観測孔」
(11)一時貯留タンクの運用状況|東京電力
(12)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(13)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(14)ヨークベニマル/お店ガイド
(15)秋の訪れを実感!ふくしまのぶどうは今が旬です! | ふくしま 新発売。
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  1. 2014/09/28(日) 19:46:44|
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