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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(10月1週)―9月は5人のけが人・病人―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、10月1週(9月28日から10月4日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.9月は5人のけが人・病人
先週に続き、今週も下請けさんに事故がありました。東京電力の発表(2)(3)によると、9月30日午前8時30分頃、新事務棟で電源盤(M/C)の工事をした下請けさんが、通電している6,900ボルトの電源に触れ、感電してしまいまい、救急車で病院に運ばれました。数日間入院することとなったそうです。(=^・^=)はせいぜい200ボルトの感電しかしたことがないので、どんな電撃だったか想像がつきません。参考になる数値としてはAED{自動体外式除細動器(じどうたいがいしきじょさいどうき、Automated External Defibrillator)、心室細動の際に機器が自動的に解析を行い、必要に応じて電気的なショック(除細動)を与え、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器}の電圧がせいぜいで2000ボルトなので(4)約5倍です。大変な電撃だったと思います。
 これで9月一ヶ月だけで、5人の病人・けが人です。この所、下請けさんの事故が異常が多発しています。
 5月 8日 下請けさんが、脳内出血。
 5月10日 下請けさんが、車に乗ろうとし、車のドアに右手薬指を挟み骨折。
 5月12日 下請けさんが、クレーン転倒の為ケガ(双葉郡楢葉町にある資材ヤード)。
 5月19日 下請けさんが、パトロール中に転んで右足を骨折。
 5月27日 下請けさんが、汚染水タンクの工事中に転んで骨折。
 5月28日 下請けさんが、体調不良になりドクターヘリ出動。 
 6月 6日 下請けさんが、体調不良になり救急車で搬送。
 6月28日 下請けさんが、足を滑らせ骨折
 7月25日 下請けさんが、熱中症で救急車で搬送。
 7月29日 下請けさんが、熱中症らしき症状で救急車で搬送
 8月 8日 下請けさんが、行き倒れて死亡。なを原因不明
 8月20日 下請けさんが、熱中症で救急車で搬送
 9月 6日 下請けさんが、体調不良になりドクターヘリ出動。
 9月20日 下請けさんが、落ちてきた鉄パイプに当たり重傷
 9月23日 下請けさんが、高性能多核種除去設備工事をしていて体調不良になり救急車で搬送(1)
 9月26日 下請けさんが、追突事故にあいムチウチ(1)(5)
 9月30日 下請けさんが、感電事故に救急車で搬送(本稿)
なぜかすべて下請けさんです。

 ※9月26日の事故については東電会見で、下請けさんが追突事故にあい、ムチウチになったと口頭で説明がありました(5)。

2.電源盤(M/C)から警報
 9月30日午前8時26分頃、福島第一原発の共用プールの電源盤(M/C)で、1項で示すように下請けさんの感電でショートをお越し警報が出ました。

3.凍結はあきらめた
 福島第一原発にはタービン建屋から海に向かって地下道(トレンチ)が伸びています。
brg141004a.gif
 ※(6)で作成
 図-1 海側に延びる地下道(トレンチ)

 そこには高濃度の放射性物質に汚染された地下水が詰まっています。放っておくと海に流れ出す危険があるので、根本の部分を凍結して水の流れを止め汚染水を抜く計画を進めています。でもなかなか上手く凍りません。汚染水の流れがあり凍結し難くしているそうです(6)。
 10月3日に特定原子力施設監視・評価検討会26回の会合が開かれこれまでの経緯と今後の見込みが明らかになりました(7)。まず凍ったかと言えば、1部は凍っていますが凍らない場所も残っています。以下に立坑Aの内部を示します。
brg141004b.gif
※1 (8)を抜粋
 ※2 白い部分が凍っているところ(会議映像の説明(9))
 図―2 凍っている所と凍っていないところ
 
そこで凍ってないとことを間詰めすると東電は口では言いてました(9)。以下に当初の予定を示します。
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  ※(6)を引用
 図―3 氷の「壁」の当初のイメージ

氷の壁の穴埋めをするかと思ったら、東電の資料(8)を別にコンクリートの壁を作るみたいです。
brg141004d.gif
  ※(8)を抜粋
 図―4 最終的な止水用の壁

その後に地下道(トレンチ)に流動性のコンクリートみたいな物を流し、地下道を完全に塞ぐとしています。そこで東電はモックアップ模型を作って、コンクリートみたいなものが流れるか試験はしたそうです。
brg141004e.gif
※1(9)を抜粋・加筆
 ※2 数字は開始からコンクリートみたいな物が詰まるまでの時間
 図―5 コンクリートみたいな物を流したときに詰まるまでの時間

2時間弱でコンクリートみたいな物をは100m先に達し、6時間弱で完全に地下道(トレンチ)を埋め切れると主張しています。でもこの試験は常温で実施しています。実際の地下道(トレンチ)は、氷の壁があるので冷えてる所と冷えていいない所があります。それは実験には取り入れていないそうです(10)。
 会議映像(10)を見ていた(=^・^=)の印象ですが、上手く行くか分からないけど放置するのは危険なのでやってみるしかないような印象でした。


4.核燃料プールへの落し物が拾えません
 福島第一原発では4号機に続き、3号機でも核燃料プールからの「核燃料」の取り出し準備を進めています。その作業の一つとして、核燃料取り出しの邪魔になる「瓦礫」と撤去作業を進めています。その作業で、8月末に核燃料プール内に「落とし物」をしました。落し物は3号機の「燃料交換機の操作卓」ですが、約570キロの重さがあります(11)(12)。
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 ※(11)を転載
 図―6 核燃料プール内に水没した「燃料交換機の操作卓」

 福島県の地方紙の福島民報によると、核燃料プールに落ちた「燃料交換機の操作卓」の回収の目途が立たずプール内からのがれき撤去作業が1カ月以上、中断しているそうです(12)
brg141004f.gif
 ※(13)を引用
 図―7 回収の目途が立たずプール内からのがれき撤去作業を中断している事を1面トップで報じる福島県の地方紙(福島民報)
 なんでも
  ①3号機使用済み燃料プール周辺の空間線量は毎時3・2ミリシーベルトと極めて高く、作業員が直接立ち入りできない。
 ②遠隔カメラでプール内の状況把握に努めているが、燃料の上には3号機が水素爆発した際に飛び散ったがれきが積み重いて、「落し物」の周辺の詳細が分からない。。
 ③「落し物」は約570キロの重さがあり、新規のクレーンを開発が必要で開発中なのですが、完成の目途がないそうです(12)。
 これで3号機核燃料プールからの燃料取り出しも大幅に遅れそうです。

4.福島第一の津波想定は26.3m、使用済み核燃料棒は流される
 東京電力は福島第一原発の想定の津波高さを26.3mと発表しました(14)。国土地理院の地図(15)から標高25mラインに線を引きその中にどんな施設があるか調べてみました。
brg141004g.gif
 ※(15)(16)
 図―8 福島第一原発の標高25mラインと施設
 
 ①共用プール
  共用プールには9月24日時点で1232本の使用済み核燃料が保管されています(17)。ここは海抜20mより少し高いくらいの位置にあるので、津波が来たら浸水します。核燃料が津波で海に流されるかも?そしたら福島の海は放射性物質だらけになります。

 ②原子炉・タービン建屋
  原子炉・タービン建屋も浸水します。そこには69,400トンの汚染水が溜まっています(18)。そこには1リットル当たり
  セシウム134 840万ベクレル
  セシウム137 2.6億ベクレル
  トリチウム   27万ベクレル
  全ベータ    1500万ベクレル
津波が来てこれがすべて流れたとすと
 セシウム134   582兆ベクレル
 セシウム137 1、804兆ベクレル
 トリチウム      19兆ベクレル
 全ベータ    1,041兆ベクレル
になります。広島原爆1個分が183兆ベクレルですので、セシウム137だけで原爆10個分のセシウムが新たに海に流れだすことになると思います。

この他にセシウム吸着装置や汚染水配管も流されます。

<余談>
 福島第一原発では大変な状態だと思います。(=^・^=)は一番の問題は下請けさんの事故が体調不良が多発していることだと思います。東電の発表などを見ていると焦っている感じがします。福島第一原発を鎮めらなければ、原発の再稼働にも影響がでると思います。東電再建の切り札の柏崎刈羽原発の再稼働も難しくなると思います。
 福島第一原発の完全な廃炉は無理です。何処も廃炉廃棄物を引き受ける訳がありません。「廃炉」が終わったと宣言されても廃炉廃棄物は福島第一に残ります。福島第一の未来は巨大な廃炉廃棄物の保管場所です。リスクを「0」にはできません。だから無理をする事はありません。できることを少しずつ、確実に実行すべきです。柏崎刈羽原発の再稼働と安倍出戻り総理の人気取りの為に下請けさんを犠牲にすることはあってはならないことです。

 
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(9月4週)―9月は4人のけが人・病人―
(2)2014年10月1日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(3)2014年9月30日福島第一原子力発電所における作業員の感電災害および地絡警報の発生について(PDF 378KB)
(4)AED 自動体外式除細動器|株式会社ヤガミのAED情報 | Q&A
(5)【9月29日】東京電力 記者会見 - 2014/09/29 17:30開始 - ニコニコ生放送
(6)第24回特定原子力施設監視・評価検討会|会議|特定原子力施設監視・評価検討会中の「2,3号機海水配管トレンチ建屋接続部止水工事の進捗状況について[東京電力]【PDF:2.7MB】別ウインドウで開きます」
(7)特定原子力施設監視・評価検討会|会議|原子力規制委員会中の「平成26年10月3日第27回」
(8)第27回特定原子力施設監視・評価検討会|会議|特定原子力施設監視・評価検討会
(9)(8)中の「資料12,3号機海水配管トレンチ建屋接続部止水工事の進捗について [東京電力]【PDF:2.7MB】」
(10)第27回 特定原子力施設監視・評価検討会 (平成26年10月3日)
(11)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(8月5週)―核燃料プールに落し物
(12)【第一原発3号機 核燃料プール】がれき撤去中断続く 落下物の回収難航 燃料取り出しに影響も | 東日本大震災 | 福島民報
(13)福島民報を「10月3日に閲覧」
(14)(8)中の「資料2東京電力福島第一原子力発電所の外部事象に対する防護の検討について[東京電力]【PDF:2.4MB】」
(15)地理院地図
(16)【資料5】中長期ロードマップ進捗状況(概要版)
(17)燃料取り出し|東京電力
(18)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第170報)|東京電力
(19)サンプリングによる監視|東京電力中の「水処理設備の分析結果最新データは2014年9月26日です。」
(20)めげ猫「タマ」の日記 福島は広島原爆30個分以上?
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  1. 2014/10/04(土) 19:39:56|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<福島第一原発汚染水(10月1週)―井戸水のから高濃度のストロンチウム90、しかも上昇中― | ホーム | フクシマは食べませんが19.6%に増加―当然です―>>

コメント

>柏崎刈羽原発の再稼働と安倍出戻り総理の人気取りの為に下請けさんを犠牲にすることはあってはならないことです。
 下請けさんなどという人達のことを気にするような輩達ではないな。どうやっても儲けを出す!核兵器開発保持。!
その為には人の命など考えない。
そう言う奴らさ。
 処でアメリカ政府はクリーン再生可能エネルギー経済社会を目指す為、米国エネルギー省と軍が共同プロジェクトを始めているそうだ。
 何が何でも再稼働!という日本政府との違いに愕然とするね、、。
  1. 2014/10/05(日) 15:53:30 |
  2. URL |
  3. hotaka43 #mWyI0ZzU
  4. [ 編集 ]

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