東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、10月2週(10月5日から12日)もしっかりトラブルが起こっています。
1.福島第一は「雨漏り」
10月6日に台風18号が福島を襲い大荒れになりました(2)。

※(3)をキャプチャ
図―1 福島の大雨(10月6日)
以下に福島第一原発付近のアメダス観測点の浪江と富岡の降水量を示します。

※(4)にて作成
図―2 福島第一原発付近のアメダス観測点(浪江と富岡)の降水量
そしたら雨漏りが起こったそうです。
①10月6日午前10時59分頃、1号機廃棄物処理建屋入口上部にあるダクト貫通部から雨水が流れ込み、1号機タービン建屋1階南側電気品室に到達し、そこの水漏れ検知器が動作しました。
②10月6日午前11時7分頃、3号機原子炉建屋に雨水が流れ込み1階北東の漏えい検知器が動作しました。
福島第一原発の建屋は雨漏りがするみたいです。だた放射線量が高そうなので、そう簡単には補修はできないと思います。図-2に示すように1日で130mm程度の降水量ですから極端に大きいわけではありません。これからも一寸した大雨で雨漏りをお越し、汚染水となると思いますし、雨漏りによって建屋が痛むのでどんどん雨漏りは酷くなって行くと思います。
2.油漏れ
10月10日午前9時頃、福島第一原発の雑固体廃棄物焼却設備建設現場の300トン・クレーンから制御用の油が漏れているのを下請けさんが見つけました。、漏れた油は地面に設置していた鉄板の上で約1m×約1mに広がったそうです。消防署に通報したそうです(6)。9月26日に車が追突事故を越し、エンジンオイル漏れを起こしたばかりです(7)。それにしても、福島第一原発では油漏れ事故続きです。
①5月29日、福島第一発電構内の免震重要棟駐車場に戻った際に、車から油(エンジンオイル)が漏れ、その後、消防署に通報したそうです。
②5月29日、福島第一発電構内企業厚生棟駐車場で、車から油漏れ、その後、消防署に通報
③6月6日、福島第一原発構内登録センター西側道路上で、下請けさんが使っている車が燃料配管からのガソリン漏れ
④6月17日、5号機残留熱除去系海水ポンプ(A)のモータ下側の軸封部から油が漏れ、消防署に通報したそうです。
⑤7月3日午前6時頃、福島第一発電所内協力企業厚生棟前の路上で、下請けさんが使ってしいる車がエンジンオイル漏れ
⑥7月7日午前10時43分頃、固体廃棄物貯蔵庫第3棟付近において、仮置きされている発電機から油が漏れ(本稿)
⑦7月12日午前11時51分頃、福島第一原子力発電所構内の体育館付近に置いてある車の下から油漏れ
⑧8月12日午前9時55分頃、J4タンクエリアに置いてあるトラッククレーンから油が漏れ(以上(4))
⑨8月23日 福島第一原発構内の3号機タービン建屋に向か道路を走行中の車から油漏れ。運転手は気づかず(8)
⑩9月26日 下請けさんが、追突事故に会い、載っていた車からエンジンオイルが漏れた(7)
⑪10月10日 雑固体廃棄物焼却設備建設現場の300トン・クレーンから制御用の油が漏れているのを下請けさんが発見。その後、消防署に通報(本稿)
3.地下水浄化装置は放射性物質を取り除けず
東京電力は汚染水対策の一つして海側に汚染水をブロックする壁(海側遮水壁)を作り、9月中の運用を目指しています。

※(7)を転載
図―3 海側遮水壁の概要
ただブロックされた汚染水は行き場ないので、井戸(サブドレイン)からくみ上げ海に流すことが必要です。そのまま海に流す訳にはいかないので浄化して流すそうです(7)。だた、浄化装置は多核種除去設備(ALPS)なのどに比べて簡易的なものです。

※(9)を転載
図-4 「サブドレンによる汲み上げ」向けの放射性物質除去設備
図に示す通り、セシウム、ストロンチウム、アンチモンの3種類以外は取り除く事を予定していません。一方、べつの浄化設備である多核種除去設備(ALPS)は62種の放射性物質を取り除くことを予定しています(9)。
東京電力は浄化装置の試験結果を発表しました(10)。多核種除去設備(ALPS)は62種類の放射性物質が対象ですが、この検査では48種の放射性物質を調べたのですが、多核種除去設備でもこの設備でも除けないトリチウムを別にしても3種類の放射性物質が見つかりました。

※(10)を抜粋
図―5 「サブドレンによる汲み上げ」向けの放射性物質除去設備の試験結果
これについて東京電力は10月8日に福島の漁師さんへの説明会を実施したそうです(11)。fでも
「浄化水が安全なのは理論的には分かるが、東電が信用できない」とか
「きれいな水と言っても、全国の人には理解してもらえず、風評被害が広がる」
なんて声が出て上手く行かなかったそうです。それにしても「風評被害」なんですかね?以前にいわき市の四倉海水浴場近く仁井田川河口付近のクロダイから1キログラム当たりで1万2400ベクレルのセシウムが見つかったそうです。でも福島県が四倉海水浴場の海水を検査したら1リットル当たりで1ベクレル以下でした(13)。お魚のセシウムは海水の1万2400倍になることがあるみたいです。

※(12)を転載
図―6 仁井田川と四倉海水浴場
図―5に示すようにセシウム137濃度は1リットル当たり0.07ベクレルですので、1キログラム当たりで870ベクレル(0.07×12,400)のセシウム汚染魚が生まれる可能性があります。福島県が検査している?はっきり言って福島県の検査は当てになりません(14)。

※1(14)を転載
※2 NDは検出限界未満を示す。
図ー7 福島県いわき市と茨城県北茨城市のマダラのセシウム濃度推移
4.パソコンがウイルスに感染しました
東電の子会社のパソコンがウィルスに感染したそうです。子会社のテプコシステムズのパソコンはウィルス感染が確認され、東電フュエルでは感染の疑いがあるそうです(15)(16)(17)。テプコシステムズは「原子力エンジニアリング」を(18)、東電フュエルは「原子力発電所の防災」を手掛けているそうです(19)。福島か柏崎刈羽に入っている気がします。
今年7月に、東電はサポート切れも後もWindows XPパソコンを4万8000台も使っきたことが発覚しました(20)。この時に東電は
「当社といたしましては、これまでに社内ネットワークやパソコンに対して各種の技術的対策を講じるとともに、グループ会社も含めた全社員への注意喚起等を随時行っております。」
とコメントしています(21)。東電のコメントって実効性がないんですね!蛇足ですが、東京電力は柏崎刈羽原子力発電所は安全だと主張しています(22)。でも(=^・^=)は信じません。
9月26日には福島に勤務する東電社員様が業務用の携帯の紛失し、関係する多くの方の情報が漏れた危険があります(23)。
5.東電関連会社もピンハネ?
東京電力は福島第一原発近くの福島県大熊町に福島第一原発で働く人の為の「給食センター」を来年4月1日から開くことを決めています(24)。そろそろ求人があると思い(=^・^=)なりに、求人情報を検索したら以下の物がありました。
①マネージャー 正社員 24万~32万円 5名(25)
②栄養士 正社員 21万~25万円 5名(26)
③調理師 正社員 22万~28万円 5名(27)
④配膳・下膳他 正社員以外 27万6900円 37名(28)
⑤調理(補助) 正社員以外 25万5600円~29万8200円 13名(29)
不思議なことに「栄養士」さんより、「配膳・下膳他」の方の給与が高くなっています。配膳・下膳他の求人には「双葉郡大熊町に東京電力株式会社が建設する給食センターの運営」と書かれており、応募者は勤務は福島第一原発内でなく福島第一原発給食センターで働くような内容です。でも、でも仕事の内容は「食堂での配膳・下膳他」ですので、食堂のお仕事です。福島第一原発給食センターは食材を加工する場所で、食堂本体は福島第一原発構内に来年4月に完成する予定の大型休息所の7階に設けられるみたいです(30)。

※(30)を抜粋
図―8 大型休憩所の配置
求人をよく読むと「給食センターの運営」とは書かれていますが、給食センター内の仕事とは書かれていません。運営を行う為に福島第一原発内で働くのだと思います。東電は従前に福島第一原発で働く人の労務費の単価を1日あたり2万円に引き上げる旨を発表してます(31)。だとすると1日8時間、月に20日働くとして月の給与は
44万円(最低賃金(32)689円×8時間×20日+2万÷1.2(労務費率約20%程度を考慮(33)×20日)
差額は東電の関連会社の「福島復興給食センター株式会社」(24)がピンハネ?
だた人は集まるんですかね?求人数を合計すると65人ですし、福島県の地方紙の福島民報が報じるところによれば、100名程度です(34)。でも10月10日に開かれた説明会に参加したのはたった13名です。

※(35)をキャプチャー
図―9 福島第一原発給食センター説明参加は13名と報じる福島のローカルTV局(TUF)
(=^・^=)が応募するかって?絶対にしません。以下に給食センターの位置を示します。

※(24)(36)で作成
図―10 福島第一原発給食センターの場所
福島第一原発の南西7kmの位置にあり、しかも通勤経路も含め放射線量が高そうです。しかも給食には安全とは言えない福島産食材(14)を使うそうです(24)。しかも第一原発勤務もあるのに、その事を明記しない求人側に(=^・^=)は不信感を覚えます。
<余談>
幸いな事に今週は下請けさんのけが人・病人の発表はありませんでした(37)。でも、何時ものようにトラブルは一杯です。一度、事故った原発を鎮めるのは大変です。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月1週)―9月は5人のけが人・病人―(2)
気象庁 | 気象情報(3)
ニュース|福島中央テレビ(4)
気象庁|過去の気象データ検索(5)
平成26年10月6日福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力(6)
2014年10月10日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】 (7)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(9月4週)―9月は4人のけが人・病人―(8)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(8月5週)―核燃料プールに落し物(9)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(9月3週)―弁が壊れていました―(10)
2014年10月8日福島第一原子力発電所サブドレン他浄化装置の浄化性能確認試験の水質詳細確認結果(PDF 40.0KB)PDF(11)
福島第1地下水放出 風評懸念の声も | 河北新報オンラインニュース(12)
めげ猫「タマ」の日記 川内村のキノコは12万5000ベクレル、でも福島県の検査は3,200ベクレル(13)
大気浮遊じん、その他のモニタリング結果情報 - 福島県ホームページ中の「水浴場」
(14)
めげ猫「タマ」の日記 フクシマは食べませんが19.6%に増加―当然です―(15)
当社子会社における社内事務用パソコンへのウィルス(マルウェア)感染について|東京電力(16)
当社における社内事務用パソコンへの不正プログラムウィルス(マルウェア)感染について | テプコシステムズ(17)
新着情報|東電フュエル株式会社(18)
原子力エンジニアリング | 会社情報 | テプコシステムズ(19)
防災・警備業務|業務紹介|東電フュエル株式会社(20)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(7月1週)― けが人を誤診(21)
平成26年7月6日付(朝刊)読売新聞1面「東電「XP」5年間継続 48000台 国は3度更新要請」について|東京電力(22)
安全対策【トップ】|原子力|東京電力(23)
業務用携帯電話の紛失について|東京電力(24)
福島第一原子力発電所で働く社員や作業員の食生活の充実について|東京電力(25)
ハローワークインターネットサービス - 求人情報詳細(26)
ハローワークインターネットサービス - 求人情報詳細(27)
ハローワークインターネットサービス - 求人情報詳細(28)
ハローワークインターネットサービス - 求人情報詳細(29)
ハローワークインターネットサービス - 求人情報詳細(30)
福島第一原子力発電所の緊急安全対策(H25.11 ... - 東京(31)
平成26年1月4日付(夕刊)毎日新聞1面「福島原発作業 東電、日当「中抜き」容認」について|東京電力(32)
福島県最低賃金 | 福島労働局(33)
労務費率について(34)
大熊で東電の給食センター起工 | 東日本大震災 | 福島民報(35)
スイッチ20141010 TUFchannel(36)
東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング (平成25年11月2日~19日測定) 」
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- 2014/10/11(土) 19:43:17|
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