文部科学省が作成した「放射線に関する副読本」(1)に
「ICRPでは、仮に蓄積で100ミリシーベルトを1000人が受けたとすると、
およそ5人ががんで亡くなる可能性があると計算しています。」
そこでICRPのデータを調べてみました。ICRPの原本は有償みたいですが、文部科学省が抜粋をHPに掲載していました(2)。そしたら
低線量率の確率的影響に関する名目リスク係数(10
-2Sv
-1)
がん 全集団:5.5、成人:4.1
遺伝的影響 全集団:0.2、成人:0.1
と記載がありました。がんは全集団では
5.5で、
およそ5人でなく、四捨五入すれば
およそ6人です。
なおリスク係数の単位(10
-2Sv
-1)は、その数字の構成からして、1Svの放射線を浴びた時に何パーセントの人が癌になるかを示す値だと思います。すわわち5.5なら
1シーベルト(1000mSv)の被ばくで、1000人当たり55人(5.5%)
0.1シーベルト(100mSv)の被ばくで、1000人当たり5.5人(0.55%)
10mSvの被ばくでは、1000人当たり0.55人(0.055%)
になると思います。
ICRPの数値自体はそこそこあっているような気がします。でも、それを正確に引用できていない「放射線に関する副読本」は、嘘をついていると思います。
<余談>
文部科学省の副読本がひどいので、「猫」なりに、
めげ猫放射線の解説を作ってみました。暇なら見てください。またご批判や説明不足(読んでもわからない)もあると思いますのでご連絡いただければと思って―ます。
―参考にさせて頂いたサイト様―
(1)
放射線等に関する副読本の作成について(2)
国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告(Pub.103)
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- 2011/10/19(水) 21:46:24|
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