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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

間違いだらけの「放射線等に関する副読本」-中性子をあてても水は検出できない

文部科学省が発表した「放射線等に関する副読本」には
「 右の写真は、ユリに中性子線を当てて写したものであり、白い部分は、ユリの中に含まれて
いる水を写しています。」
と記述があります(中学生用では、3頁)。それで、あたかも中性子が水で吸収され、水分の部分が白くなった写真がつけてありました。(X線フィルムでは、放射線があった部分が黒くなり、当たらない部分が白くなります)

放射線等に関する副読本に掲載されたユリの写真

確かに水は中性子を吸収しますが、こんな鮮やかな写真が撮れるか「猫」なりに調べてみました。確かに水は中性子を吸収します。水の中性子を吸収する能力は、熱中性子ですら0.664バーンだそうです(2)。バーンとは、分子1個の面積を表す単位で、1バーンは1バーンは10−28 m2になるそうです(3)。
たとえば、厚さ1cmの水でどれだけ中性子が吸収されるか「猫」なりに計算してみました。1gの水の分子数は
1÷分子量×アボガドロ数で計算できます。水の分子量は18で、アボガドロ数は6.02×1023
です。すると
 3.34×1022
になります。で、面積は、
 3.34×1022×0.664=2.22×10-06 m2=0.022cm2
です。厚さ1cmの水では2.2%、1mmでは0.22%しか中性子が吸収されません。この程度の吸収量で、放射線等に関する副読本にあるあのような鮮やか写真が操作なしには、撮影できるとは思えません。
 水の分布を調べる方法として、3重水素(トリチウム)を使う方法があります(4)。すなわち、トリチウムを含む水を水仙にあたえ、これを写真にとる方法です。この方法ですと、水のある部分から放射線がでるので、水の部分は写真とは異なり「黒く」なります。しかし、この方法も最近はあまり使われていないそうです(5)。
 だったら、なにが水の分析に使われと思いしらべた、こんなサイトを見つけました(6)。どうもNMR(7)が使われてみているです。まさか、NMR(核磁気共鳴)でとった写真をつかいているとは思えませが、放射性物質が必要ない分NMRが優れていると思います。
<余談>
もし、生徒さんなら、先生に聞いてみてください。水の分析にはNRIと同じ方法が使われていると聞いてますが、NRIが放射線がどのような関係があるんですか?昨日、お母さんが子宮筋腫の検査を受けたのですが、NRI(NMRを使った診断方法(8))ですが、「NRIはCTと違い放射線を使わないので安心ですよ」てお医者さんが言っていたそうです。それともお医者さんの言ったことは嘘なんですか?

<余談2>
文部科学省の副読本がひどいので、「猫」なりに、>めげ猫放射線の解説を作ってみました。暇なら見てください。またご批判や説明不足(読んでもわからない)もあると思いますのでご連絡いただければと思って―ます。



(1)放射線等に関する副読本の作成について
(2)中性子減速に関する性質
(3)バーン (単位) - Wikipedia
(4)三重水素 - Wikipedia
(5)水素の同位体 - Wikipedia
(6)食品中の水の分析へのNMRの応用
(7)核磁気共鳴 - Wikipedia
(8)核磁気共鳴画像法 - Wikipedia
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  1. 2011/10/21(金) 23:09:09|
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