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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島甲状腺 Bランク 65%増

 12月25日の福島県県民健康仮調査第17回検討委員会が開かれました(1)。その中で2巡目の検査である本調査との結果が発表されました。この検査では受検者60,505人中457人で(2)全体の0.76%がBランクでしたが、2012年3月末付の集計では受検者40、763人中の187人で(3)全体の0.46%がBランクでした。65%程度の増加が見られます。もし福島県に質問したら「時間がったて対象者の加齢による増加」と回答されそうですが、気になるデータがあります。
福島甲状腺 急増するBランク
  ※1(2)(3)を集計
  ※2 年齢は原発事故時
  ※3 12年先行調査は2012年3月末の時点のデータ
  ※4 14年本調査は2014年10月31日時点のデータ
 図―1 年齢別のBランク以上の割合(全体)

 福島県の年齢区分は5歳毎なので、
  原発事故時11-15歳の方は2014年時点で14~18歳
  原発事故時16-18歳の方は2012年時点で17~19歳
ですので、2012年時点で原発事故時16-18歳の方より、2014年時点で原発事故時11-15歳の方まだ若いので、加齢によるものなら2012年調査の発事故時16-18歳の方のBランクの割合が2014年調査の発事故時11-15歳の方の割合より大きくなっていなくてはなりません。でも図に示す通り2014年調査の発事故時11-15歳の方の割合の方が大きくなっています。以下に数値を示します。
 2012年調査の発事故時16-18歳の方のBランクの割合 1.08%(8,733人中94人がBランク)(3)
 2014年調査の発事故時11-15歳の方のBランクの割合 1.27%(17、473人中221人がBランク)(2)。

 福島原発事故後に福島の子供達の甲状腺は危険に曝されるようになりました。
 福島県県民健康管理調査は
 「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散や避難等を踏まえ、(福島)県民の被ばく線量の評価を行うとともに、県民の健康状態を把握し、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげ、もって、将来にわたる県民の健康の維持、増進を図る」
 ことを目的としている実施されている調査です。その一つに原発事故時に概ね18歳以下の福島県民を対象に、甲状腺(超音波)検査があります(4)。甲状せん検査は、チェルノブイリで、放射性ヨウ素の内部被ばくによる小児の甲状腺がんの増加であったので実施されることになりました。当初は
 「小児甲状腺がんは年間 100 万人あたり1、2名程度」
と極めて少ないと考えていました(5)。ところが、検査を重ねるごとに「悪性ないし悪性の疑い」のある福島島の子供さんの数はどんどん増えていきました。
どんどん増える福島県の子供の甲状腺癌
 最新のデータでは
  先行調査 98人(7)
  本格調査  4人(2)
です。福島県の資料(2)(7)を集計すると約30万人近い福島の子供さんが対象になっているので。当初想定されていた100万人に1.2名でなく1万人に4人で程度になっています。当然ながら多くの方が福島原発事故との関連を疑っています。
福島甲状腺癌と原発事故関連の「疑い」を放送するテレビ朝日系列
 でも会見(8)を聞いていると、今までにない大規模な精密検査なので普通では見つからい「癌」が見つかるようになったとの可能性を強調しているようです(いわゆるスクリーニング効果)。
原発事故との関係は考え難いと、安倍が喜ぶ放送をするNHK
  ※NHKの12月25日19時台の番組をキャプチャー
 図―4 福島甲状腺は放射線の影響は考えにくいと放送するNHK

でも、全ての現象が「スクリーニング効果」で説明できるのか(=^・^=)なりに検討してみたら、二つの疑問が湧きました。福島県の甲状せん検査は1次検査と2次検査があり、1次検査で悪性の疑いがまずないAランクと、悪性の疑いが濃いB,Cランクに分けB,Cになった方を対象により精度の高い2次検査を実施します(9)。先行検査は始まったばかりで(2)、2次検査が終了していないので、1次検査に注目しました。以下に女性のB,Cランク以上の割合を年齢別、検査時期別に示します。
福島甲状腺 急増するBランク(女の子)
 ※ 注記は図―1に同じ
 図―5 年齢別のBランク以上の割合(女性)
でも図に示す通り2014年調査の発事故時11-15歳の方の割合の方が大きくなっています。以下に数値を示します。
 2012年調査の発事故時16-18歳の方のBランクの割合 1.47%(4、289人中63人がBランク)(3)
 2014年調査の発事故時11-15歳の方のBランクの割合 1.76%(8.285人中146人がBランク)(2)。
以下に男性のB,Cランク以上の割合を年齢別、検査時期別に示します。
福島甲状腺 急増するBランク(男の子)
 ※ 注記は図―1に同じ
 図―6 年齢別のBランク以上の割合(男性)

 2012年調査の発事故時16-18歳の方のBランクの割合 0.67%(4、444人中31人がBランク)(3)
 2014年調査の発事故時11-15歳の方のBランクの割合 0.82%(9,188人中75人がBランク)(2)。
 図に示す通り、加齢するに従いBランク以上の割合は検査時期によらず上がっています。時点で原発事故時16-18歳の方より、2014年時点で原発事故時11-15歳の方まだ若いので、2012年調査の発事故時16-18歳の方のBランクの割合が2014年調査の発事故時11-15歳の方の割合より大きくなっていなくてはなりません。でも結果は逆です。少なくとも福島の子供の甲状腺には2011~12年を境にそれ以前にはあまり存在しなかった大きなストレスが加わったはずです。そんなものは一つしかないと思います。
 以下に市町村別の「悪性ないし悪性の疑い」の割合を示します。
西部では「0」の甲状腺癌発生率
 ※(2)(7)を集計
 図―7 市町村別の「悪性ないし悪性の疑い」(2014年10月31日時点)

 NHKは25日19台の番組で地域差がないと放送していましが、(=^・^=)は地域的な方よりがあるように見えます。ただ単純な比較ができません。以下に示すように福島県の甲状腺検査の1巡目は2011年度から13年度まで3年掛けて行われました。
3年掛けて行われた1巡目検査
 ※(7)に加筆
 図―7 甲状せん検査実施時期

 時期によって検査の進み方も、検査時の年齢も違います。検査が遅ければそれだけ罹患する人が増えるので、従前の検査と比較しても意味がないと思います。福島県は大きく東から「浜通り」「中通り」「会津」分けられます(10)。会津だけでが全て2013年度の検査ですので会津で比較してみました。会津を福島第一原発から比較的近い中通りに隣接する地域(磐梯町、猪苗代町、会津若松市、下郷町)とそれ以外に分けます。悪性ないし悪性の疑いの割合は
 中通りに隣接する地域  0.048%(検査17671人中8人)
 中通りに隣接しない地域 0.007%(検査14995人中1人)
でした。偶然に起こる確率を計算したら3.6%でした。およそ偶然とは思えません。

<余談>
 会見(8)や検討委員会(9)の様子を見ていると、福島県の子供の甲状腺の問題を見ていると、原発事故の影響か否かにはあまり興味が無い気がします。彼らにとって大事なのは福島の子供達です。たとえ原因が「原発事故」と判明しても、福島の子供達は救われません。福島の子供達が救う唯一の手段は、徹底的な検査と適切な治療です。それ以外にパワーを割く気はなさそうな感じです。検査と治療が最優先みたいです。お医者さんとしては妥当な判断だと(=^・^=)は思います。でも、真相が解明されないのも事実です。
 以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。計算方法は(=^・^=)の過去の記事(12)を見てください。

 表―1 偶然に起こる確率の計算結果
有意差検定表
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)第17回福島県「県民健康調査」検討委員会 資料の掲載について(平成26年12月25日開催) - 福島県ホームページ
(2)(1)中の「 資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査(本格検査)」実施状況 [PDFファイル/842KB]」
(3)第7回「県民健康調査」検討委員会(平成24年6月12日開催) - 福島県ホームページ中の「第7回「県民健康調査」検討委員会(平成24年6月12日開催) - 福島県ホームページ」
(4)県民健康調査について - 福島県ホームページ
(5)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ
(6)「県民健康調査」 検討委員会について - 福島県ホームページ
(7)(1)中の「 資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要【暫定版】 [PDFファイル/913KB]」
(8)2014/05/19 【福島】第15回 福島県「県民健康管理調査」検討委員会 Movie Iwj
(9)甲状腺検査について - 福島県ホームページ
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島県について
(11)第17回「県民健康調査」検討委員会 OPTVstaff
(12)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
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  1. 2014/12/25(木) 22:18:37|
  2. -
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0
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