めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発―トレンチの止水失敗―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、12月4週(12月21日から27日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.トレンチの止水失敗
福島第一原発にはタービン建屋から海に向かって地下道(トレンチ)が伸びています。
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 ※(2)を転載
 図-1 海側に延びる地下道(トレンチ)

 タービン建屋の汚染水がこの地下道(トレンチ)を通り外にでると危険なので、過去の3回程、水の流れを止めようとしていましたが、全て失敗しました(3)。
 1回目 汚染水を凍らせて、水の流れを止めようとしましが、上手く凍らず失敗
 2回目 ドライアイスや氷を投入して凍らせようとしましたしたが、上手く凍らず失敗
 3回目 タービン建屋と地下道(トレンチ)の間にセメントの「壁」を作り水の流れを止めようとしたが、失敗
そして4回目のトライとして、トンネルをセメントで埋めて水の流れを止める計画を立てました(3)。
複雑でセメントで埋めきれないかもしれないトレント
 ※(3)を抜粋・加筆
 図―2 地下道(トレンチ)にセメントを詰める様子

12月26日の「第30回特定原子力施設監視・評価検討会」で結果が明らかになりました。結論から言えば今回も失敗です。今回、セメントで埋めようとしたのは2号機のより海側に延びる3本の地下道(トレンチ)で、仮に北からトンネルA、B、Cとしています。それぞれのトンネルの両端には立坑(地下道に延びる垂直の穴:図―2参照)があり、これもA,B,C,Dとします。以下にトンネルと立坑の位置関係を示します。
タービン建屋とづながったままの地下道(トレンチ)
※(4)とGoogle Mapから作成
 図―3 トンネルと立坑の位置関係

 トンネルがセメントで埋まったので水が流れが止まったかを、立坑から水を汲み上げテストしたそうです。以下に水位を示します。
セメントで埋めたのに、水を抜くと他でも下がる水位
 ※1(5)を抜粋、加筆
 ※2 OPは小名浜港を基準とした海抜
 ※3 立坑C,Dは二個の水位計があり
 図―4 水抜き試験時の「水位」

 最初に(12月24日10時過ぎ)に立坑Cの汚染水を汲みあげを開始しました。すると立坑Cの二つの水位計の水位が下がり、トンネルBで繋がっている立坑Bの水位が急激に、トンネルCで繋がっている立坑Dの二つの水位計の一つが徐々に下がりました。この事から東電は「トンネルB,C」は繋がっているとしています。ただし、トンネルAで立坑Bと繋がっている立坑Aの水位は下がっていないので、トンネルAは止水できたと主張しています(5)。
 次に11時半前に立坑Cからの汚染水の汲み上げを止めて、11時半過ぎに立坑Aからの水の汲み上げをはじめました。その間も、立坑Bの水位が下がっています。そして12時半頃に立坑Aの汲みあげを中止すると、立坑Aの水位が上昇しています。これは立坑Aには、別の汚染水の供給源(たぶん2号機タービン建屋)があり、そこから汚染水が流れ込んで上昇しています。
 立坑Bの水位は立坑Aから汚染水を汲みあげている時も低下しているので、立坑Aと立坑Bを繋ぐトンネルAも繋がっているとも解釈できます。立坑Cから汚染水を汲みあげて立坑Bの水位が下がったのに、立坑Aの水位が下がらなかったのは、別の所(たとえば2号機タービン建屋)から、減った分だけ汚染水が流れ込み水位が下がらくなったとの解釈も可能です。
 結局、明らかになったのは、トンネルB、Cの水の流れは止まっていない事だけで、トンネルAの状態は分からいだと思います。
 この件、福島県の地方紙の福島民報は
 作業によりトレンチにたまっていた高濃度汚染水約5000トンのうち約2500トンの抜き取りが完了したと報告した。更田豊志委員長代理は『滞留していた汚染水を減らせたのは前進だ』と一定の評価を示した。」
(7)と割と好意的に報じています。東電の失敗はあまり見たくたいとゆう福島の方の気持ちでしょうか?
 

2.本格稼働7ヶ月たっても地下水バイパス効果なし
 地下水バイパスは福島第一原発の放射性物質汚染があまり進んでいない地下水が原子炉建屋に流入し、汚染の酷い水になる前に、山側で地下水を汲み上げ、その流れを変えて地下水位を下げることにより、原子炉建屋への流入量を減少させるものです。
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   ※(9)を転載
 図―5 地下水バイパスの概要
 
 東京電力は2014年5月21日に福島第一原発の地下水バイパスの本格運用を始めました。東京電力は1日100トンの低減効果があったと主張していますが、(=^・^=)なりに調べると効果は見えません(8)。
 東京電力が従前に地下水バイパス稼働後の地下水位のシュミレーション結果を示します。
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 ※1(9)を転載
 ※2 小名浜港を基準とした海抜(OP)で示す
 図-6 地下水バイパス稼働後の水位予測
観測孔付近では現在より3m近く下がり6m程度になる予想でした(9)。この結果として1日当たり100トン程の汚染水増加が抑えられるとしていたのですが、なかなか水位が下がりません。以下に地下水バイパス用水位観測孔A,B,Cの地下水位を示します。
殆んど下がらない地下水バイパス観測井戸の水位
  ※1(10)より作成
  ※2 OPは小名浜港を基準とした海抜
 図ー7 地下水バイパス井戸観測井戸水位

殆ど下がっていません。以下に1日当たりの汚染水の増加量の推移を示します。
減る気配すらない福島第一原発汚染水増加量
  ※(11)を集計
 図-8 福島第一汚染水増加量

 当然ながら減っている様子がありません。当然ながら汚染水はどんどん増え続けます。
増え続ける福島第一汚染水
  ※(11)を集計
 図―9 福島第一原発の汚染水総量

 12月23日現在で約67万トンに達しました。


3.福島第一原発汚染水、5年以内に
 2項に記載した通り、増え続ける汚染水をどうするかは福島原発廃炉の重要な課題です。12月23日の原子力委員会で、5程度先までのマイルストーン案が議題になり、その中で
 「貯蔵液体廃棄物の総量削減」
との項目がのりました。
汚染水は海に捨て処分を示し原子力規制委の資料
 ※(12)を抜粋
 図ー10 「貯蔵液体廃棄物の総量削減」をかかげるマイルストーン(案)

 12月26日に開催された「第30回 特定原子力施設監視・評価検討会」で原子力規制委から東電に対し、具体的な説明がなされました(13)。それによると、可能な限り放射性物質を取り除き、必要なら薄めて海に流すとの内容です。現在の最終段の汚染水処理設備は多核種除去設備ですが、この装置にはウランやトリチウムを取り除く機能はありません(14)。トリチウムが「安全」か「危険」については色々な議論があると思います。(=^・^=)は安全と言い切るにはあまりもデータが無さすぎると思います(14)。(=^・^=)が心配しているのはトリチウム米、トリチウム桃やトリチウム胡瓜などのトリチウム農作物です。トリチウムは、性質は「水」と同じなので海流れても蒸発し陸にトリチウム雨になることだと思います(10)。
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 ※ (=^・^=)の想像図
 図―11 トリチウム入り農作物の想像図

 福島で採れた農作物がトリチウム入りだったり、飼料を食べた牛さんの肉もトリチウム入りだったりするかもしれません。(=^・^=)は検査結果を探しているのですが、まだ見たことがありません。最近の測定でも福島第一原発内の汚染水には1リットル当たり31万ベクレルのトリチウムが含まれています(16)。
 地下水バイパスも今の所は効果がないので、このまま行けば汚染水はどんどん増えて行きます(図ー8参照)。タンクに収容できなくなれば、何処か別の場所に持って行くかマシな汚染水から順番に廃棄するか手がありません。そうしないと汚染水が溢れ出てしまいます。確かに汚染水を溢れさすよりは、可能な限り処理して海に捨てるほうがマシですが、(=^・^=)は形態がどうあれ、福島第一原発の放射能漏れは「安全」とは言えないと思います。


4.トリチウムも漏らしている福島第一原発
 東京電力は12月26日開催の「第30回 特定原子力施設監視・評価検討会」で福島第一原発敷地内にトリチウムがフォールアウトしていると説明しました(17)。
 トリチウムがフォールアウトしたとする東京電力
※1(17)を抜粋、加筆
 ※2 H3はトリチウムの事(18)
 図―12 トリチウムがフォールアウトしたとする東電資料

 トリチウムは概ね「水」して存在すると(18)、図ー11に示す通り蒸発して、トリチウム雲からトリチウム雨になり、最後は福島の農作物に取り込まれると思います。

5.福島第二原発で電源喪失時の対策に不備?
 原子力規制委員会は12月、福島第二原発で事故が起きた際の安全対策について、抜き打ち検査を行った。その結果、事故で電源が失われ燃料を冷やせなくなった際の対応で、東京電力は電源車や移動式の発電機などの機材は揃えたものの、どこに配備して誰が使うかといった手順や計画を作っていませんでした(19)。
機材はあっても手順書がなく緊急時対応ができなかもと報じるFCT
 ※(20)をキャプチャー
 図―13 「福島第二原発で電源喪失時の対策に不備?」を報じる福島のローカルTV(FCT)

 東電は柏崎刈羽は「安全」だと主張しています。特に「万一の場合でも、あらゆる手段で対応し、周辺への影響を低減させます。」と主張しています(21)。こんなで本当に実現できるんですかね?

<余談>
 福島第一原発の汚染水対策はトレンチに止水も地下水バイパスも上手くいってないようです。その一方で放射性物質もれは収まってない気がします。福島の方は大変に心配されてると思います。福島市のお隣の川俣町は鶏肉生産が盛んな町だそうです(22)。でも福島市のスーパーのチラシに載っていたのは福島産の鶏肉はありませんでした(23)。
他県産の鶏肉はあっても福島産が載っていない福島市のスーパーのチラシ
 ※(23)をキャプチャー
 図―14 福島産鶏肉が載っていない福島市のスーパーのチラシ

 

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(12月3週)―お漏らしが大好きな東電―
(2)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(10月1週)―9月は5人のけが人・病人―
(3)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発 ―トレンチの止水失敗―
(4)第30回特定原子力施設監視・評価検討会|会議|特定原子力施設監視・評価検討会
(5)(3)中の「資料1海水配管トレンチ建屋接続部止水工事の進捗について[東京電力]【PDF:1.3MB】」
(6)汚染水の流れほぼ遮断 第一原発2号機海側トレンチ 特殊セメント充填で | 県内ニュース | 福島民報
(7)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(8)めげ猫「タマ」の日記 地下水バイパス本格運用半年―効果なし―
(9)めげ猫「タマ」の日記 地下水バイパス効果無し!3mの水位低下のはずが30cm
(10)中長期ロードマップ|東京電力中の「2014年12月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第13回事務局会議)⇒【資料3-2】滞留水処理(11.9MB」
(11)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(12)第47回 原子力規制委員会|会議|原子力規制委員会中の「資料4東京電力株式会社福島第一原子力発電所の中期的リスク低減目標マップ(仮称)について【PDF:321KB】」
(13)第30回 特定原子力施設監視・評価検討会 (平成26年12月26日) NRA Japan
(14)めげ猫「タマ」の日記 多核種除去設備(ALPS)について
(15)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(16)2014年12月12日水処理設備の放射能濃度測定結果(PDF 9.95KB)
(17)(3)中の「資料3福島第一原子力発電所における廃炉作業に伴い追加的に上昇する敷地境界実効線量(評価値)の制限達成に向けた対策について[東京電力]【PDF:2.6MB】」
(18)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは放射性水素
(19)ニュース|福島中央テレビ
(20)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の2012年12日22日分(現時点では削除)
(21)トップページ|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力
(22)川俣シャモ - 川俣町公式ホームページ
(23)イトーヨーカドー 福島店
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  1. 2014/12/27(土) 20:29:17|
  2. -
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