福島第一原発の1月1週(12月29日から1月4日12時)の状況を纏めてました。先週に続き高濃度の汚染水が見つかっています(1)。
①外洋からトリチウム等の放射性物質(4)(5)。トリチウムは4週連続
②地下すバイパスNo10井戸のトリチウムが急上昇(7)。
③海岸付近の井戸のセシウムは新記録を更新(5)
1.4週連続で外洋からトリチウム
今週も先週に続き、外洋から放射性物質が見つかっています。また排水路からも放射性物質が見つかっているので、海に流れ込み汚染を酷くすると思います(4)(5)。

※1 (4)(5)(6)にて作成
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
※4 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
図―1 福島第一原発近傍の海および排水路での放射性物質濃度
採取日と1リットル当たりの値は以下の通りです(4)(5)。
①5,6号機放水口北側(12月29日採取)
全ベータ 15ベクレル
トリチウム 2.8ベクレル
②南放水口(12月29日採取)
全ベータ 9ベクレル
③排水溝出口(C-2-1)(12月30日採取)
全ベータ 20ベクレル
以下に5,6号機放水口北側の放射性物質濃度の推移を示します。

※1(5)を集計
※2 NDは検出限界未満を示します。
図―2 5,6号機放水口北側の放射性物質濃
さがっている様子がありません。もっと気になるのはトリチウム濃度です。以下にトリチウム濃度の推移を示します。

※1(5)を集計
※2 NDは検出限界未満を示します。
図―3 5,6号機放水口北側のトリチウム濃度推移
トリチウムは見つかったり、見つからなかったりしているのですが少なくとも3週連続で見つかっています。トリチウムについては色々な議論があると思います(9)。(=^・^=)は「安全」と言えないものは、「危険」だとして対応するのがリスク管理の基本だと思います。
2.地下バイパスからのトリチウム排出量が累計で約3,100億ベクレル突破
地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(10)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。
地下水バイパスには地中の汚染水を汲みあげる井戸が12本あります(10)。このうちNo11井戸のトリチウム濃度が急上昇しています。

※(7)にて作成
図―4 地下水バイパスNo11井戸のトリチウム濃度推移
まだ新記録は更新していませんが、今後が心配です。
(=^・^=)にはもっと心配なことがあります。地下水バイパスより山側(上流)の井戸から高濃度の放射性物質が見つかっています。

※1 (6)(11)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度
そして 地下水バイパスから放流されたトリチウムの総量を濃度×排出量の合計で計算したら約3、100億ベクレルを超えました。

※(12)を集計
図―6 地下水バイパスの累積のトリチウム放出量
3.海岸付近の井戸のセシウムは新記録を更新
東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。以下にそこでの放射性物質濃度を示します。

※1(5)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
図―7 海岸付近の放射性物質濃度
この中でNo2およびNo2-7井戸のセシウム、No2-7井戸のトリチウムが過去最高を記録しました。以下にNo2およびNo2-7井戸のセシウム濃度の推移を示します。

※(5)を集計
図―8 No2およびNo2-7井戸のセシウム濃度
図―7に示すようにNo1-6の井戸に比べれば数値は小さいですが、突然の急上昇です。今後が心配です。以下にNo2-6、No2-7の井戸のトリチウム濃度の推移を示します。

※(5)を集計
図ー8 No2-6,2-7井戸のトリチウム濃度
図ー7に示しようにNo2-6、No2-7井戸は汚染水の流れを止める為に設けられた「地盤改良」部(13)を挟んで対峙しています。突然ですが従前は海側になるNo2-7井戸のトリチウム濃度が少しだけ低かったのですが、上昇し差がなくなりました。(=^・^=)は地盤改良部がおかしくなった気がします。これは他の「地盤改良部」も同じです。これからは地盤改良部をどんどん突き抜け、福島の海に汚染水が流れ出す気がします。
4.海水の全ベータ濃度も上昇!
福島県は福島県沿岸の海水の放射性物質濃度を測定しています(14)。観測点の一つに福島県いわき市江名 沖0・5kmの地点があります。

※(15)(16)(17)や地図で作成
図―9 福島県いわき市江名
以下にいわき市江名の全ベータ濃度の推移を示します。

※(14)を集計
図ー10 いわき市江名沖の全ベータ濃度
10月位に上昇しています。不気味です。
<余談>
福島第一原発の汚染水データを見ていると、今も福島の海には汚染水が漏れ続けている気がします。福島のお魚はセシウム以外の検査は殆どないので、食べる気にはなりません。心配なのはやはりトリチウムです。トリチウムは放射性の水素です。福島第一では「水」として存在します(18)。地下水バイパスだけで3,100億ベクレルのトリチウムを外に流しましたが、氷山の一角だと(=^・^=)は思います。
トリチウムは「水」ですので、蒸発し雲となって福島の台地に降り注ぎそうです。そして、トリチウム農作物やトリチウム飼料ができ、牛さんが食べればトリチウム「牛」ができそうです。でもトリチウムの検査結果を知りません。(=^・^=)は不安なので
「行かない」「買わない」「食べない」
のフクシマ3原則を決めています。でもこれって(=^・^=)だけではないみたいです。福島県にも地元の乳業メーカーがあります(19)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産牛乳は載っていませんでした(20)。

※(20)を抜粋
図―11 福島産牛乳が載っていない福島県いわき市のスーパーのチラシ
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(12月4週)―3週連続で外洋からトリチウム―(2)
サンプリングによる監視|東京電力(3)
報道配布資料|東京電力(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を11月30日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング⇒南放水口・排水路」
(7)(3)中の「揚水井の分析結果」
(8)
めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(9)
めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?(10)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて(11)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング⇒H4エリア周辺観測孔」
(12)
一時貯留タンクの運用状況|東京電力(13)
資料2:福島第一原子力発電所における汚染水問題への対策(14)
試験操業海域における環境放射線モニタリングの強化 - 福島県ホームページ(15)
東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング (平成25年11月2日~19日測定) 平成26年03月07日」
(16)
みんゆうNet 避難区域再編・「帰還困難」「居住制限」「避難指示解除準備」区域(17)
気象庁 | 東北周辺海域のデータ 日別海流(18)
めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは放射性水素(19)
福島県牛乳協同組合(20)
好間店 | マルト - 店舗情報
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- 2015/01/04(日) 19:48:48|
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