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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2014年)―福島産は他で測れば10倍に!ー

 食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。厚労省以外の発表もあります(2)。2014中の食品中の放射性セシウムの最後の検査結果が1月5に発表になったので(3)、まとめてみましたお買いものの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかり基準値超えが見つかっています(4)。
  ①検査数83,250件中609件の基準値超え(全体の1%)
  ②平均は、1キログラム当たり4.4ベクレル、最大5,000 ベクレル(福島県産イノシシ)。
  ③基準超の食品が秋田、岩手、山形、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、長野、山梨、静岡で見つかっています。
放射性セシウムまとめ2014
  ※1 牛肉を除く
   ※2 単位については(5)を参照
   ※3 野生動物はクマ、シカ、イノシシ等
   ※4 野生鳥獣はクマ、シカ、イノシシ、マガモ、ヤマドリ等
   ※5 淡水魚はアユ、コイ、ウグイ、イワナ、ヒメマス、ヤマメ、ブラウントラウト、ギンブナ等
   ※6 海の魚はアイナメ、イシガレイ、ウスメバル、クロソイ、クロダイ、コモンカスベ、シロメバル、スズキ、ババガレイ、ヒラメ、マコガレイ、マダラ等
   ※7 キノコはクリタケ、チャナメツムタケ、コウタケ、ウラベニホテイシメジ、ハイイロシメジ、ムキタケ、チチタケ、サクラシメジ、ホウキタケ、ヌメリイグチ、ショウゲンジ、チャナメツムタケ
   ※8 山菜類はゼンマイ、ワラビ、コゴミ、タケノコ、ウド、フキノトウ、ネマガリタケ、フキ
   ※9 干し柿にはあんぽ柿を含む
  図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2014年)

  色分けは以下の通りです。
  マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかったても出荷制限のない県
  出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
  基準値超えの食品が見つかった県

1.福島産は他で測れば10倍に!
 2014年の福島産で大きな事件は
  ①(独)水産総合研究センターが2013年10,11月に採取されたクロダイを調べたら1キログラム当たり1万2400ベクレルのセシウムが見つかった事(7)(8)。
  ②福島県漁連の簡易検査と福島県水産試験場の精密検査(検体は同じもの)でいわき沖でとれたユメカサゴから1キログラム当たり110ベクレルのセシウムが見つかったことです(9)。
 福島県いわき市は原発事故前の2010年には水産業の出荷額が60億円近くあり、福島県の水産業の拠点です。
いわき市の水産業は福島県一
福島・茨城沿岸部
  ※(11)を転載
  図―3 茨城・福島沿岸部

 2014年1月に(独)水産総合研究センターの調査で福島県いわき市沖で捕れたグロダイから1キログラム当たり1万2400ベクレルのセシウムが見つかったとの報道が流れた(7)。以下にいわき市産マダラの2013年10,11月中のセシウムの検査結果をしまします。
福島県の検査は低くなるいわきのクロダイ検査
  ※1(1)(8)にて作成
  ※2 水研センターは「(独)水産総合研究センター」の略称
  図―4 いわき市沖クロダイのセシウム濃度(2013年10,11月)

全体として、福島県の検査は低く出ています。2013年10,11月のいわき市産のクロダイの検査結果をまとめると、1キログラムあたりで
 福島県          平均 25ベクレル 最大   160ベクレル 検査数13(1)
(独)水産総合研究センター 平均526ベクレル 最大12,400ベクレル 検査数26(2)
です。平均値では(独)水産総合研究センターの県ンさ結果は福島県の20倍以上です。
  福島県いわき市沖で2月28日捕れた取れたユメカサゴから基準値を超える1キログラム当たり110ベクレルの放射性セシウムが見つかりました。
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  ※(6)よりキャプチャー
  図―5 ユメカサゴから110ベクレルを報じる福島ローカル局(FTV)

 不思議な事に福島県はそれ以前に158件の検査をしていますが、うち151件からは放射性セシウムがみつからず、最高値は1キログラム当たり25ベクレルです。以下に過去1年の福島県産ユメカサゴの推移を示します。
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  ※1(1)を集計
  ※2 NDは検出限界未満を示す
  図―6 福島県沖ユメカサゴの放射性セシウム濃度の推移

過去1年(2013年3月から14年2月)までに今回の例を除くと161件の検査をしていますが、そのうち148件からは放射性セシウムが見つかっていません。最大は1キログラム当たり13ベクレルです。今回の結果は明らかに違う値です。
 なぜ起こったのか?一番、分かり易い説明は福島県の検査は実際より大幅に低く出るとの事です。クロダイについて言えば、いわき市の他、楢葉、広野でも検査しています。1キログラム当たりの平均値で比較すると
 広野町のクロダイ 福島県 14ベクレル、(独)水産総合研究センター 21ベクレル
 楢葉町のクロダイ 福島け 検出限界以下、(独)水産総合研究センター 22ベクレル
です。福島県の検査は低く出ています。
 以下に相関図を示します。
福島県のクロダイ検査値は他の5%
 以下に相関図を示します。
  ※ 注記は図―3に同じ
 図―7 クロダイの検査結果比較

福島県検査は(独)水産総合研究センターの20分の1の値しか出ていません。
 もう少し原因を突き止めるために、2014年度中の福島産の福島県と福島県外の検査を厚生労働省の発表(1)を元に集計してみました。
福島県の検査値は福島県外の15%
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図―8 福島産の福島県と福島県外の検査結果の比較

 福島産の福島県の検査結果は福島県外の15%程度です。クロダイが5%なので平均すれば10%程度です。逆にいえば福島産を福島県外で測るとセシウム濃度は10倍に跳ね上がります。
 以下に数表を付けます。
 表―1 福島産の福島県と福島県外の検査結果比較
 ※ 注記は図―8に同じ
表、福島県の検査値は他の15%

普通なら原因を調査し、改善をすると思います。でも福島県はその気はなさそうです。図―2に示す通り福島県富岡町は福島第一原発の直ぐ南にあります。一方、茨城県北茨城市は福島第一原発から80km程離れています。同じ種類のお魚を検査したら、富岡町の物が高くでるのが普通です。以下に2014年11,12月に捕獲された福島県富岡町と茨城県北茨城市のマダラの検査結果を示します。 
茨城県では見つかっているのに福島県富岡町では見つからないマダラのセシウム
 ※1(1)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図―9 福島県富岡町と茨城県北茨城市のマダラの検査結果

北茨城市はそこそのセシウムが見つかっていますが、富岡町は全数が検出限界未満です。福島県の検査は改善されていません。福島復興の一つの課題は福島産が信頼されることだと(=^・^=)は思います。それには確実な検査を実施し、リスクのあるものを市場から排除する必要があります。大幅に低く出る検査を放置する福島県には無理だと思います。
 福島県の地方紙の「福島民報」は1月6日の社説(12)を
「『復興をより実感できるよう、さまざまな課題に果敢に挑戦する』。知事は年頭会見をこう締めた。試練に立ち向かう市町村とともに、国や東京電力に『挑む』姿勢は今年も求められる。」
と結んでいます。でも福島県がデタラメな検査を改善しないなら(=^・^=)は無理だと思います。


2.汚染の酷い場所の検査を減らす福島県
 福島県を4つに分けるとすると、浜通り、中通り北部、中通り南部、会津になると思います(12)。(=^・^=)は人の住む場所としては「中通り北部」だと思います。福島県の夏秋きゅうりの収穫量は37、800トンで日本一だそうです(13)。福島の夏を代表する野菜です。以下にに福島県の市町村別のキュウリの出荷量をしめします。
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 ※(14)を転載
 図―10 福島県のキュウリの出荷量

 福島県須賀川市、伊達市、二本松市を中心にあちこちで作られているようです。以下に図―10で出て来る地域を示します。
放射能汚染が酷いキュウリとモモの産地
 ※(15)で作成
 図―11 福島県のキュウリとモモの産地

このうち、伊達市と二本松市の放射能汚染は福島県内でも酷くなっています。一方、会津地方は福島県の西部にあり福島県の中では放射能汚染がマシな場所です。以下にキュウリの検査回数を示します。
放射能汚染の酷いところは減っている福島産キュウリの検査
 ※(1)を集計
 図―12 福島県のキュウリの検査回数

 放射能汚染の酷い伊達市や二本松市、それなりに汚染されている須賀川市の検査回数はどんどん減っています。でも、汚染がマシな会津地方の検査回数2011、12年比べて増えています。
 以下に福島県のモモの生産量を示します。
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 ※(14)を転載
 図―13 福島県のモモの生産量

 桃の生産は、福島県内でも放射能汚染が酷い福島市、伊達市、国見町、桑折町に集中してます。以下にモモの検査回数を示します。
放射能汚染が酷い主産地の検査が大幅減の福島のモモ
 ※(1)を集計
 図―14 福島県のモモの検査回数

 放射能汚染が酷く、出荷の大部分を占める福島市、伊達市、国見町、桑折町の検査回数は減少しています。でも殆ど生産のない他の地域のモモの生産は減っていません。
 福島県の検査は放射能汚染の酷い場所を避けて実施されていると思います。

3.広野町産ゼンマイのセシウム濃度が急上昇
 以下に福島県広野町産のゼンマイのセシウム濃度の推移を示します。
2014年に急上昇した広野町のセシウム濃度
  ※(1)を集計
 図ー15 広野町産ゼンマイのセシウム濃度

2013年は1キログラム当たり19ベクレルでしたが、2014年は700ベクレルに跳ね上がりました。この事が示すのは2014年に基準値以下であっても、今年は基準値以下であることが保証されないことです。


<余談>
 福島産を避ける行為を「風評被害」と非難する方がいます。でも
  ・他より低くでる検査で「安全」され出荷される福島産
  ・放射能汚染が酷い場所を避けて検査し「安全」とされ出荷される福島産
  ・セシウム濃度の急上昇もある福島産
との実態があります。(=^・^=)はむしろ「福島産 食べて応援あの世行き」(16)の方が正しいと思います。(=^・^=)は今年も
 「行かない」「買わない」「食べない」
のフクシマ3原則を守ります。でもこれって(=^・^=)だけではないみたいです。福島県郡山市は福島県内ではもっとも米の生産量が多い市です(17)。福島県郡山市のお米はとっても美味しく(18)、しかも全袋検査で「安全」は担保されていると福島県は主張しています(19)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島県産米は載っていません(20)。
他県産はっても福島米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(20)を抜粋
 図―16 福島産米が載っていない福島県郡山市のスーパーのチラシ

 
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)報道発表資料 |厚生労働省
(2)モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(3)食品中の放射性物質の検査結果について(第911報) |報道発表資料|厚生労働省
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月)―福島の検査場に除染ゴミー
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(7)クロダイから1万2400ベクレル 福島・いわき市沿岸:朝日新聞デジタル
(8)別紙参考資料 - 水産総合研究センター
(9)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月)―ユメカサゴは基準超え、でも福島県は公表せずー
(10)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(11)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月2週)―福島のシイタケは2ベクレル、でも茨城は20ベクレルー
(12)【新年の内堀県政】「挑む」姿勢の継続を(1月6日) | 県内ニュース | 福島民報
(11)めげ猫「タマ」の日記 福島県について
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島県伊達市の農作物は1部しか放射性物質検査されていない?
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島県伊達市の農作物は1部しか放射性物質検査されていない?
(15)東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング (平成25年11月2日~19日測定) 平成26年03月07日」
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援、あの世行き
(17)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月4週)―福島の春菊からセシウム、でも福島県の検査は159件すべてNDー
(18)郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市
(19)めげ猫「タマ」の日記 今年(2013年)もデタラメ―福島県産米全袋検査
(20)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2015/01/07(水) 20:04:41|
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コメント

新潟米は48%のみ本物だったと2011年のNHKニュース報道あり!!ローカルニュースです。新潟県人なので見ました。はまらないように注意してください。
  1. 2015/05/26(火) 20:53:59 |
  2. URL |
  3. ぶぶ #-
  4. [ 編集 ]

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