東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先々週につづき(1)、1月3週(1月11日から17日)もしっかりトラブルが起こっています。
1.下請けんさんが「頭部打撲」
1月13日午前9時45分頃、2号機原子炉建屋1階の除染作業をしていた下請けさんの頭に、、吊り上げ作業中の鉛板が当たり、下請けんさんの首の痛みが出たので、救急車で病院に運ばれました(2)。病院で診断の結果「頭部打撲」だそうです(3)。去年(2014年)は毎月、どこかで下請けさんが事故や体調不良を起こしていましたが(3)、今年も同じようになりそうです。
2.安全総決起大会したら下請けさんがケガ
福島第一原発では1項に述べたように下請けさんの事故が続いています。そのためでしょうか。東電は1月15日に安全総決起大会を開いたそうです(5)。

※(6)を引用
図―1 「安全総決起大会」の様子
でも、効果はなかったみたいです。同じ1月15日に下請けさんがケガをしました。1月15日午後0時20分頃、構内G5タンクエリアで、下請けさんが汚染水タンク雨水抑制対策工事中にグラインダーで左手をケガを負い、救急車で運ばれたそうです(7)。病院で診察の結果、治療に2ヶ月かかるとのことです(4)。
3.今年も油漏れ
去年(2014年)、福島第一原発では油漏れが頻発しました。(=^・^=)が東電の発表を集計したら17回ありました(8)。さしずめ、「油漏れ」は下請さんの事故と並ぶ福島第一原発の2大名物でしょうか?そして今年も油漏れ1号が発生しました。
1月16日18時10分頃、福島第一原発構内4号機西側で、凍土壁工事にて使用していた削孔機の油圧ホースが油漏れを起こし、消防署へ通報したそうです。
漏れた油は削孔機の制御油だそうです。削孔機から漏れた油は、周辺の敷鉄板に約2m×約3mの範囲に広がったそうです。他に油圧ホースの受けに溜まった油もありこれを加えると、漏れた油の量は、約40リットルとのことです(9)。以下に2014年1月からの月別の油漏れ回数を記載します。

※(10)に本件を追加
図―2 福島第一原発の月別の油漏れ回数
4.サブドレイン汲み上げ説明会は「不評」?
福島第一原発の汚染水対策はことごとく失敗しています。汚染水からストロンチウム等の放射性物質を分離する多核種除去設備は予定が遅れ、いまだ試運転中です。しかも当初予定した性能は出ていません。地下水を事前に汲み上げ、汚染水の増加を抑えようとした地下水バイパスは当初の予定程には地下水位がさがらず効果が分かりません。タービン建屋から延びる汚染水で満たされた地下トンネル(トレンチ)に、セメントを流し込みましたが完全には埋まっていません(8)。福島からの報道によると、セメントで埋めたはずの地下トンネル(トレンチ)の底には砂礫があって、その部分には汚染水が残っているなんて報道もあります。報道によてば残った汚染水に地下水が侵入すれば、汚染水が押し出され海に流れるような報道もあります(11)。

※(11)を元に作成
図―3 地下トンネル(トレンチ)の残留汚染水が海を汚す経路
東電は新しい汚染水対策を検討しています。福島第一原発の原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸(サブドレイン)や海岸側の井戸(地下水ドレン)から汚染水を汲みあげ、多核種除去設備に比べれば簡易的な浄化した後に海に流そうとすするものです(12)。

※(12)を抜粋・加筆
図―4 地下水ドレインとサブドレイン
たとえ浄化したとしても、汲み上げた汚染地下水には放射性物質が残ります(12)。それに溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れて外に漏れだした可能性もあります(13)。こんなものを勝手に海に捨てられては福島の漁師さんがたまりません。そこで漁師さんの了解をとるための説明会を行ったそうです(14)(15)。そしたら
「一度汚染された水の放出は何度説明されても賛成できない」(14)
「福島県だけに汚染水の始末を押しつけるのか」(15)
「サブドレンの浄化水は他県や沖合にタンカーで運んで排出すべき」(15)
なんて意見がでたそうです。一方で国は
「安全にもかかわらず、他県や沖合で排出することはかえって安全性に対する疑念や誤解を生む」
と答えたそうです(15)。でも本当に「安全」なんですかね?
もし(=^・^=)の近くの海に捨てるなんて事になったら、(=^・^=)は絶対に反対します。(=^・^=)は「安全」とは思っていません。
<余談>
福島第一原発の汚染水対策には福島の方の協力が不可欠だと思います。東京電力は
「、平成 26 年度末迄に 80 万 m
3以上の貯蔵タンクを確保する。引続き、平成 27 年度上期中に更なる増容量を行っていく。 」
といっています(16)。言い換えれば80万立方メートルのタンク増設には目途はあるが、その先は分からいとのことだと思います。東電は地下水バイパスやフェーシング(福島第一原発の敷地内を舗装し、水が地下に浸透しないようにする工事)を実施し、汚染水増加量が抑えられたと主張しています(17)。でも東電のデータを(=^・^=)なりに解析すると全く効果が認められません(18)。汚染水は今も増え続けています。

※(19)を集計
図―5 増え続ける福島第一原発汚染水
概ね1日当たり450立方メートルづつ増えています。現在、タンクの中の汚染水だけで約60万立方メートルあります(20)。このペースで行けば444日((80万―60万)÷450)で、80万立方メートルに達します。そしたら、汚染水を溢れさすか海に捨てる以外の選択しかできなくなります。東電はこの事実を自ら認め、福島の方の協力を得るしかないと思います。事実を隠し、いくら説明しても協力は得られないと(=^・^=)は思います。
福島第一原発の汚染水問題は危機的状況にあります。これを認めない東電や国に対し、(=^・^=)は不信感で一杯です。いくら東電が柏崎刈羽が「安全」だと主張しても(21)、(=^・^=)は信じません。国がいくら福島は「安全」だと主張しても(22)、(=^・^=)は信じません。(=^・^=)は国を信用できないので
「行かない」「買わない」「食べない」
のフクシマ3原則を決めています。でもこれって(=^・^=)だけではないようです。福島県郡山市は福島県最大のお米の産地です(23)。とっても美味しいそうです(24)。しかも全袋検査が実施されており「安全」だと福島県は主張しています(25)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシには、福島産米は載っていません<(26)。

※(26)を抜粋
図―6 福島産米が載っていない福島県郡山市のスーパーのチラシ
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(1月1週)―汚染水タンクに謎の「にじみ」―(2)
2015年1月13日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】 (3)
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力(4)
めげ猫「タマ」の日記 勝手に福島原発十大トラブル2014(5)
2015年1月15日安全総決起大会の開催について(PDF 191KB) (6)
東京電力 写真・動画集| 安全総決起大会の開催について(7)
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力(8)
めげ猫「タマ」の日記 勝手に福島原発十大トラブル2014(9)
2015年1月17日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】 (10)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(11月2週)-セメント投入も トレンチ止水せずの可能性-(11)
第一原発2号機 トレンチ底部に砂堆積 新たな課題に | 県内ニュース | 福島民報(12)
2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 2.21MB) (13)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発のタービン建屋汚染水は外に繋がっている(14)
いわきの漁業者に説明 第一原発のサブドレン水海洋放出 | 県内ニュース | 福島民報(15)
漁業者、不満あらわ いわき・地下水放出で説明会(福島民友ニュース)(16)
福島第一原子力発電所1~4号機における滞留水貯留タンク増設計画の原子力規制委員会への報告について(平成26年10月時点)|東京電力(17)
福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉措置等に向けた中長期ロードマップ中の「中長期ロードマップの進捗状況⇒2014年12月25日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第13回事務局会議⇒【資料3-2】滞留水処理(11.9MB)」
(18)
めげ猫「タマ」の日記 地下水バイパス本格運用半年―効果なし―(19)
プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(20)
福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第184報)|東京電力(21)
トップページ|柏崎刈羽原子力発電所|東京電力(22)
風評被害を乗り越えるために①~不安を払しょくするための正しい情報とは~(23)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月4週)―福島の春菊からセシウム、でも福島県の検査は159件すべてNDー(24)
郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市(25)
めげ猫「タマ」の日記 今年(2013年)もデタラメ―福島県産米全袋検査(26)
イトーヨーカドー 郡山店
スポンサーサイト
- 2015/01/17(土) 19:49:01|
- -
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0