めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

中間貯蔵施設に運ばれない除染廃棄物

 中間貯蔵施設に運ばれない除染廃棄物があることが報道されました(1)(2)(3)。
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 ※(4)1月18日にキャプチャー
 図―1 ため池・森林の除染廃棄物は「中間貯蔵施設」に運べないと報じる福島の地方紙・福島民報1月18日付朝刊

 福島原発事故によって福島には大量の放射性物質がばら撒かれました。土壌は酷く放射性物質汚染にさらされました。
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※(5)に加筆
 図―2 福島県の土壌中のセシウム濃度

 図―2に示し通り、放射性セシウムだけで、福島県の大動脈の東北道や東北新幹線沿線で1キログラム当たり数千ベクレル、避難地域で1キログラム当たり数万ベクレル見つかっています。放射能汚染物を決めるクリアランス制度があります。それによるとセシウム137の基準値は1キログラム当たり100ベクレルなので、その数十倍です。福島の東北新幹線や東北道は放射能汚染物の中を走っているといってもいいと思います。そんな訳でしょうか、人によっては「福島に住めない」と考える人もいるようですが(7)、やもおえないことです。
 こうした放射能を放置できないので、福島等では放射性物質を取り除く「除染」が行われています(8)。でも、進んでいません。以下に福島県の住宅の除染状況を示します。
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 ※(9)を集計
 図―3 福島県の住宅除染の進行状況

 計画31万戸に対し原発事故から4年近くたった2014年11月時点でも半分の16万戸ほどしか終わっていません。
 もっと厄介な問題があります。「除染」と言っても放射能がなくなる訳ではないので、除染とは放射能を集める作業です。集めた放射能はどこかに集めて「安全」に管理されなくてはいけません。その施設が「中間貯蔵施設」です(10)。
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 ※(11)を転載
 図―4 中間貯蔵施設

 中間貯蔵施設は福島第一原発の周囲の福島県大熊町と双葉町にまたがって建設が、大熊町に続き(12)、1月13日に双葉町も建設受け入れを決めました。ただし、「建設受入れ」であって「搬入受入れ」ではないそうです(13)。当初予定では今年1月から除染で出た放射能のゴミを中間貯蔵に運び込むい廷でしたが(10)、結局は実現できず、環境大臣は1月16日に3月11日までに「一時保管場」を設置して搬入を始めると表明しました(14)(15)。
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 ※(16)をキャプチャー
 図―5 中間貯蔵施設への搬入は3月11日までと発言を報じる福島のローカルTV局(FCT)

 遅れの他に別の問題も浮上してきました。中間貯蔵は放射性物質汚染対処特措法(以下、特措法と略します)で決められており(17)、だから中間貯蔵施設に運び込める除染のゴミは、同法に基づいて実施されたものが対象だそうです。同法に対象になる除染は、環境省の実績発表をみると(9)
 ①住宅
 ②住宅周辺の森林(20m以内)(18)
 ③道路
 ④農地(含む水田、牧草地)
 ⑤公共施設
のようです。これ以外はダメ見たいです。福島県のため池の底から高濃度のセシウムが見つかっています(19)。でもため池は「水による放射線の遮蔽(しゃへい)効果でため池周辺の環境に与える影響は小さい」などの理由で対象外だそうです(3)。住宅周辺以外の森林だって除染が必要ですが、「森林全ての面的な除染は困難」との理由で対象外だそうです。工事をするとき、工事の安全と完成後の為に「除染」をするそうですがこれも対象外だそうです(3)。(=^・^=)が一番、驚いたのは学校の除染のゴミ対象外だそうです。福島では原発事故直後に緊急避難的に学校の「除染」が行われましたが、この時は「特措法」はできていないので対象外です。これについて、福島県の地方紙の福島民報は
「特措法では、除染や廃棄物搬入にかかる費用は最終的に国が東電に負担を求める仕組みになっている。除染以外の廃棄物も運び込んだ場合、東電の負担がさらに膨らむことへの懸念もあるとみられる。」
と報じています(3)。除染のゴミのある部分は中間貯蔵施設に運びこまれず放置されます。

<余談>
 福島県では今の2万4437名の方が仮設住宅に暮らしています(20)。でも「工事」は対象外なので土地開発ができません。福島原発事故の影響で常磐線の一部区間(竜田―原ノ町間)は不通のままです(21)。もし、対象外なら除染が難しくなり、運転再開はしばらくありません。福島の地方紙の福島民報は1月16日の社説のなかで
「相双地方には東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴う不通区間が残る。かつて首都圏と本県、宮城県を結んだ特急列車はいわき駅での折り返しが続き、浜通り地方全体への都心直結効果は広がりを欠く。政府やJR東日本は避難区域の見直しや除染の進み具合を踏まえ、運転再開の目標を一定の区間ごとに示し、復興や住民の帰還判断につなげるべきだ。」
と論じています(22)。でも、無理かも知れません。
 福島には森と湖(含む人造湖)に囲まれた観光地がいくつもあります(例えば(23))。 
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  ※(23)を引用
 図―6 檜原湖

でもここは仮に除染されたとしても、除染のゴミが放置されます。原発事故前は何度かお邪魔したことがありますが、(=^・^=)が行くことは2度とないと思います。
 もっと不安なのがため池です。除染ゴミが放置されたら、福島産を汚染しそうです。(=^・^=)は怖いので
 「行かない」「買わない」「食べない」
のフクシマ3原則を守ります。でもこれって(=^・^=)だけではないようです。福島県郡山市は福島県で一番のお米の産地です(24)。しかも美味しく(25)、全袋検査されているので「安全」だそうです(25)(26)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシは福島産米は載っていませんでした(27)。
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※(27)を引用
 図―7 福島産米の載っていない福島県郡山市のスーパーのチラシ

 
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 「学校の除染廃棄物は放置します」と安倍出戻り内閣
(2)搬入先決まらず 森林・ため池汚染廃棄物 中間貯蔵の対象外 | 県内ニュース | 福島民報
(3)【森林・ため池 汚染廃棄物】搬入先決まらず 中間貯蔵の対象外 現場保管長期化も | 東日本大震災 | 福島民報
(4)福島民報
(5)農林水産技術会議/農地土壌の放射性物質濃度分布図等のデータについて
(6)日本のクリアランス制度 (11-03-04-10) - ATOMICA -
(7)美味しんぼ - Wikipedia
(8)除染についての基礎情報|除染情報サイト:環境省
(9)除染実施区域の概要・進捗|除染情報サイト:環境省
(10)中間貯蔵施設について|除染で取り除いた土壌等の管理|除染情報サイト:環境省
(11)めげ猫「タマ」の日記 先が見えない福島の中間貯蔵施設
(12)めげ猫「タマ」の日記 勝手に福島十大ニュース2014
(13)双葉町も中間貯蔵建設受け入れ 予定地2町足並みそろう | 東日本大震災 | 福島民報
(14)3月11日まで搬入開始 環境相表明 今月中は断念 | 東日本大震災 | 福島民報
(15)環境省_中間貯蔵施設への搬入開始見通しについて
(16)ニュース|福島中央テレビ
(17)放射性物質汚染対処特措法 - Wikipedia
(18)森林の除染について|環境省の取組|除染情報サイト:環境省
(19)ため池の底土から最高37万ベクレル 福島県セシウム調査  :日本経済新聞
(20)平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報 - 福島県ホームページ
(21)常磐線 - Wikipedia
(22)【常磐線 都心直結】全線復旧で効果広げよ(1月16日) | 県内ニュース | 福島民報
(23)桧原湖 - Wikipedia
(24)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月4週)―福島の春菊からセシウム、でも福島県の検査は159件すべてNDー
(25)郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市
(26)JA郡山市|お米センタートップページ
(27)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月)―福島全袋検査はデタラメ満開ー
(28)イトーヨーカドー 郡山店
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  1. 2015/01/19(月) 20:47:17|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

ちょうど役に立つ記事をありがとうございます

めげ猫タマ様

こんにちは。
今日が中間貯蔵施設に関するパブコメの締切なので、すごく参考にさせて頂きました!
ありがとうございました!

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195140065&Mode=0

パブコメの資料には「その区域には人々が住んでいるのに除染がなかなか進まないのは作業員の確保が難しいからだ」とも取れるようなことが書いてあって、だから孫請け以降も認めるとか、今まで必要だった業者の許可を要らなくする必要があるとか書いてあります。
でも、こちらの記事を拝見すると、除染廃棄物が片づけられない(放置されている)原因は、パブコメの内容とは全然関係ないように見えます。
むしろ、いつもこちらのブログで見せて頂いているように、福島原発の下請けの作業員さんは、たくさんの方が事故に巻き込まれて、被曝もしてしまって、安全についても十分考えてもらっているようには見えないし、下請けさんたちのお給料や待遇なども、多次請けになって悪くなっているのがわかっているのに、なぜ、他のところ(中間貯蔵に入れる廃棄物の除染、収集、運搬)までもっと多次請けがしやすくなるようにするんでしょう。
しかも、廃棄物収集、運搬などの許可を得るには、いろいろ重要な条件があるのに、それを省略しようとしている。廃棄物管理票も。
私には、福島の方の庭に積まれた除染廃棄物を、とりあえず不満が出ないように、多次請け構造にして孫請けの孫請けくらいで闇に葬る(どこかに持って行って捨ててしまうとか、他県に持って行き捨てたり燃やしてしまう)をしやすくして、見かけだけは除染が進んでいるように取り繕って人々の不満をそらせ、政府や公務員は責任はとらないですむようにする構造を作っているように見えてしまいます。
  1. 2015/01/20(火) 14:23:15 |
  2. URL |
  3. 身内に被爆者がいたもの #YOiJM49g
  4. [ 編集 ]

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