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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一原発汚染水(1月4週)―タケノコメバルから22万ベクレル―

福島第一原発の1月4週(1月19日から1月25日12時)の状況を纏めてました。先週に続き高濃度の汚染水が見つかっています(1)。
 ①外洋からも放射性物質
 ②福島第一港湾口タケノコメバルから22万ベクレルのセシウム
 ③地下水バイパス西側(山側)井戸の放射性物質濃度が上昇
 ④海岸付近の井戸からは高濃度の放射性物質

1.外洋の全ベータがタイ記録
 今週も先週に続き、外洋から放射性物質が見つかっています。
福島第一原発の外洋からは放射性物質
  ※1  (4)(5)(6)(7)にて作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
 図―1 福島第一原発近傍の海、排水路および魚での放射性物質濃度

採取日と1リットル当たりの値は以下の通りです(4)(5)。
 ①5,6号機放水口北側(1月19日採取)
   全ベータ 12ベクレル
 ②南放水口(1月19日採取)
   全ベータ  9ベクレル
以下に5,6号機放水口北側の放射性物質濃度の推移を示します。
下がない5,6号機放水口北側の放射性物質濃度
  ※1(5)を集計
  ※2 NDは検出限界未満を示します。
 図―2 5,6号機放水口北側

 下がっている様子がありません。

2.タケノコメバルから22万ベクレル
 福島第一原発の汚染水対策の最終目的は放射性物質の環境影響を抑えることだと思います。その指標にお魚の放射性物質濃度だと思います。東京電力は1月20日に福島第一原発港湾内でとれたお魚の放射性セシウム濃度が発表になりました(9)。1キログラム当たりで
  セシウム134  53,000ベクレル
  セシウム137 170,000ベクレル
  セシウム合計  223,000ベクレル
です。基準値(1キログラム当たり100ベクレル)(10)の2,330倍です。高いのは仕方がないとしても(=^・^=)にはもっと不安な事があります。以下に福島第一原発港湾内のタケノコメバルの放射性セシウム濃度の推移を示します。
高濃度のセシウムに汚染されたままの福島第一のタケノコメバル
※(7)を集計
 図―3 福島第一原発内のタケノコメバルのセシウム濃度

 まったく下がっている様子がありません。もし、東京電力が実施している汚染水対策(11)が効果があるなら、福島第一原発近くのお魚のセシウム濃度が下がっていいはずです。でもそのような事はありません。それでも東電は福島産を避ける行為を「風評被害」としています(12)。


3.地下水バイパス西側(山側)井戸の放射性物質濃度が上昇
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(13)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。もっと心配なことに地下水バイパスより山側(上流)の井戸から高濃度の放射性物質が見つかっています。
高濃度の汚染地下水が見つかる地下水バイパス山側
 ※1 (14)(15)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―4 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

 この中で(=^・^=)が最も心配なのはNoE-10井戸です。以下トリチウム濃度の推移を示します。
上昇を続けるE-10井戸のトリチウム濃度
 ※(14)を集計
 図―5 E-10井戸のトリチウム濃度推移

どんどん上昇しています。やがて海側に流れて行き、地下水バイパス井戸を経由や直接に海に流れ出すと思います。
 そして 地下水バイパスから放流されたトリチウムの総量を濃度×排出量の合計で計算したら約3、400億ベクレルになりました。
約3,400ベクレルになった地下水バイパストリチウム放出量
 ※(16)(17)を集計
 図―6 地下水バイパスの累積のトリチウム放出量

 もっと心配な事があります。地下水バイパス放流水のトリチウム濃度が上昇傾向にあります。
上昇が続く地下水バイパス放流水のトリチウム濃度
 ※(18)にて作成
 図―7 地下水バイパス放流水のトリチウム濃度

もっと心配なのは、地下水バイパスより汚染の酷い原子炉・タービン建屋近くの井戸(サブドレイン)の地下水を汲み上げ、海に捨てることを東電や国は計画しています(19)。放射性物質の放出量は一桁あがりそうな気がします。

4.海岸付近の井戸からは高濃度の放射性物質
東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。以下にそこでの放射性物質濃度を示します。
高い濃度の放射性物質が見つかる福島第一海岸付近
 ※1(5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―8 海岸付近の放射性物質濃度

この中で(=^・^=)が気になったのはNo1-12井戸のトリチウム濃度です。上昇傾向が続いています。そのうち「海」に流れ出すと思います。
上昇が続くNo1-12井戸のトリチウム濃度
 ※(5)集計
 図ー9 No1-12井戸のトリチウム濃度推移

<余談>
 福島産を避ける行為を「風評被害」と非難される方がいます(12)。でも汚染水垂れ流しの福島第一原発の現状をみると、(=^・^=)は恐怖を感じます。福島県県商工会連合会は1月23日に首都圏の消費者を対象に実施した福島県産食品に対する意識調査の結果を発表したそうです。福島からの報道によると
 3割の方が気にする
 6割の方が気にしない
だそうです(20)(21)。福島には地方紙が2紙ありますが、まったく論調が違っていました。福島民報は「東京電力福島第一原発事故後でも県産食品への購入を気にしていないが63・0%だった。 」と記載し、気にする方は少数派のように報じていました(20)。一方、福島民友は「首都圏の消費者の県産品に対する意識はこの9カ月でほとんど変わらず、風評被害が根強いことを裏付ける結果となった。」と(21)「風評被害」を強調していました。いうまでもなく福島産を避ける行為は「風評被害」ではありません。風評被害の根拠となっているのは、福島産の危険性を明示的に示す根拠がないことだと思います。トリチウムは放射性の水素ですので、水やデンプン、砂糖などの栄養素として存在します(22)。東京電力はトリチウムは「水」として飲んでも「安全」だと主張しています(23)。でも東京電力の資料を見る限り、トリチウム入りの栄養素を「食べて」安全かは分かりません。(=^・^=)は福島が「安全」といい、福島産を避ける行為を「風評被害」と非難する方は、都合の良い事実だけを強調しているように思います。結局は福島産を避けるか避けないかは、自己責任で判断するしかないと思います。
 そこで参考になりそうなのが、福島の方がどのように判断されているかです。(=^・^=)は参考にしているのは福島県内のスーパーのチラシです。どこでも同じだと思いますが「地元産」は流通経路が短く新鮮なので、他(福島県だったら栃木等)に比べ美味しいと思います。スーパーのチラシの「目的」はお店にきて買い物をしてもらえるように消費者に魅力的な商品情報を掲載する事だと思います。スーパーの担当者が福島産は魅力あると判断すれば福島産が多く掲載されるでしょうし、福島産は安全とは言えないので魅力的でないと判断すれば掲載は少なくなると思います。
 福島県いわき市はイチゴのシーズンでとっても美味しいそうです(24)。(=^・^=)は疑問を持っていますが(25)、福島のイチゴは「検査を、定期的に継続していおり、新たな基準値を下回っていることを確認」しているそうです(26)。でも福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴありません(27)。
県外産はあっても福島産イチゴがない福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(27)をキャプチャー
 図-10 福島産イチゴが載っていない福島県いわき市のスーパーのチラシ

(=^・^=)もいわきの皆さんを見習って、福島産は食べません。

 
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(1月3週)―外洋の全ベータがタイ記録―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を11月30日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング⇒南放水口・排水路」
(7)(3)中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)2015年1月20日魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所港湾内>(PDF 13.5KB)
(10)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(11)汚染水対策|東京電力
(12)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)風評被害対策について(PDF 325KB)
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(14)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(15)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(16)一時貯留タンクの運用状況|東京電力
(17)報道関係各位一斉メール|東京電力中の「福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr*)からの排水について 」
(18)(3)中の「福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク分析結果 」
(19)めげ猫「タマ」の日記 福島第一サブドレイン汲み上げについて
(20)63%「原発事故気にせず」 首都圏消費者の県産食品購入調査 | 県内ニュース | 福島民報
(21)県産品「買わない」3割 首都圏消費者、風評被害根強く(福島民友ニュース)
(22)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(23)福島第一原子力発電所でのトリチウムについて 平成 ... - 東
(24)本県産イチゴ「おいしい」 福島民報社とJAグループ いわきへバスツアー | 県内ニュース | 福島民報
(25)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月3週)―福島のマダラは出荷制限解除、大丈夫?ー
(26)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「いちご [PDFファイル/102KB]」
(27)好間店 | マルト - 店舗情報
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  1. 2015/01/25(日) 19:51:11|
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  4. | コメント:1
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コメント

貴重な情報をいつもありがとうございます。
22万ベクレルの魚!!
トリチウム!!!
もうすぐ丸4年経つと言うのに、ダダ漏れの放射能。
悪夢を見ているのではないかと、思わず頭を振ってしまいました。
でも負けてはいられません。心を強く持ち、放射能や原発のことを注視していきます。
めげ猫「タマ」さまのクリアな視線に、感謝しています。
  1. 2015/01/25(日) 21:53:41 |
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  3. なう #-
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