めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島民友の「県産食品購入調査/回帰の流れを確かにしたい(1月31日付)」に反論する。

 福島県の地方紙の福島民友が1月31日付の社説で、福島産は「安全」であり学校給食に使用すべきとの社説を掲げていました。(=^・^=)なりに見たら、根拠が曖昧で「安全」とは言えない福島産を強引に広める内容であり、(=^・^=)なりに反論したいと思います。

1.福島回帰は進んでいるの?
 社説の冒頭は「(福島) 県産の食料品を購入する消費者の割合が増えてきたことが分かった。」と論じている。根拠となったのは、福島県消費者団体連絡協議会が昨年7~8月を中心に行った調査で、県内産の食料品を最も多く購入すると回答した人の割合が78.1%に上ったこと(2)である。しかし本調査は、当該社説に述べてある通り「会員」を対象した調査でありサンプリングに疑問が残る。
 一方、福島県が2014年に実施したアンケートでは、水道水に不安があるかとの質問に32.7%の方が「不安」と回答しています(3)。食品ならもっと不安だと思います。
 福島県伊達市は福島県最大のニラの産地で、今がシーズンです(4)。

福島のニラは、放射能汚染の酷い伊達が第一位
※(4)を転載
 図―2 福島県産ニラの生産量

でも伊達市に隣接するスーパーのチラシには他県産が載っています。
福島産でなく他県産のニラが載っている福島県のスーパーのチラシ
 ※(5)を抜粋
 図―3 他県産のニラが載っている福島県福島市のスーパーのチラシ
 
福島県郡山市産の牛の全頭検査数は福島県で最も多いので(6)、福島県の主要な牛肉の産地です。でも郡山市のスーパーのチラシには他県産が載っています。
他県産はあっても福島牛が載っていない福島県のスーパーのチラシ
 ※(7)を抜粋
 図―4 他県産の牛肉が載っている福島県郡山市のスーパーのチラシ

 福島県のスーパーのチラシを見る限り、福島産は福島の消費者の理解を得ていません。

2.福島産は検査しているから「安全」?
 当該の社説では
 「市場に流通している米や野菜などの県内産食料品は、放射性物質検査によって基準が守られているものばかりだ。」
とも主張していますが、出荷制限中の大豆が市場に流通する事態がおこりました(8)。
 福島産に不安を訴える福島の綺麗な女性
 ※(8)を転載
 図-5 福島産に不安を訴える福島県の綺麗な女性

 厚生労働省の発表をみると(9)、野生鳥獣を除く福島県の農林水産物検査は福島県農業総合センターが一手に実施しています。検査を一箇所に集中させた場合
 ①検査機関がおかしな検査を実施ていると全ての検査がおかしくなる。
 ②他との検査結果の比較(検査が正しければ同じものは同じような値になるはず)が出来ず、検査におかしな点があっても見つけにくい
等の弊害があり大変危険です。少量ですが、福島産は他でも検査されています。以下に比較を示します。
福島県の検査値は福島県外の15%
 ※1(10)を転載
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図―7 福島産の福島県と福島県外の検査結果の比較

 福島産の福島県の検査結果は福島県外の15%程度です。福島県いわき市と茨城県北茨城市は県境を挟んでと隣接しています。
福島・茨城沿岸部
 ※(11)を転載
 図―8 茨城・福島沿岸部

茨城県も福島県もマダラの検査を実施しています。以下に9月以降、11月10日発表分までのマダラのセシウム濃度の推移を示します。
北茨城市より低く出るいわき市のマダラのセシウム
 ※1 (11)を転載
 ※2  NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 ※3  日付は採取日
 図―9 福島・茨城沿岸部のマダラのセシウム濃度推移

常識的に考えれば福島第一原発に近い福島県いわき市のマダラの方がセシウム濃度が高くなくてはいけません。検査の概略を記すと1キログラム当たりの値で
 北茨城市産マダラ(茨城県検査)
  平均5.1ベクレル 最大42ベクレル 検査数51(うち12件は検出限界未満:ND)
 いわき市産マダラ(福島県検査)
  平均2ベクレル 最大10ベクレル 検査数10(うち8件は検出限界未満:ND)
福島県いわき市産のマダラは低くでています(11)。
 厚生労働省の発表をみると(9)、福島農業総合センターは放射性物質検査を始めたのは福島原発事故から少し間をおいた2011年6月です。福島原発事故にセシウム検査を始めたきわか検査機関です。この頃の福島産の検査結果をみると、急に低くなっており連続性がありません。以下に桑折町産のウメの検査結果を示します。
brg140911h.gif
  ※(12)を転載
 図―10 福島県桑折町産「ウメ」のセシウム濃度推移(2011年)

以上のように福島県の検査は明らかに低くでます。
 今年1月10日に福島市のイチゴ園が開園しました(13)。以下に1月10日時点の福島県のイチゴの検査状況を示します。
放射能汚染の酷い場所は検査されてない福島のイチゴ
 ※(13)を転載
 図―11 福島市・飯舘村とイチゴの検査状況(2014年11、12月、15年1月上旬)

 昨年夏からイチゴの生産を再開した今も避難区域の飯舘村や福島市の検査結果がありません。昨年6月14日に福島市の果樹園が開園しました。この時も福島市の検査結果はありません(14)。福島県の検査はサンプリングにも問題があります。
 値が低く出て、サンプリングにも問題がある福島県の検査結果では「放射性物質検査によって基準が守られている」との主張は成立しません。

3.他の放射性物質を見つけにくくする「セシウム抑制」
 当該の社説では「生産の現場では、科学的な知見を生かして、農産物が放射性物質を取り込まない工夫に努めている。」と主張していますが、放射性物質でなく「セシウムをを取り込まない工夫」をしているだけです(15)。これは状況によっては大変に危険なことです。以下に福島第一原発側の外洋の5,6号機放水口北側の放射性物質濃度の推移を示します。
下がない5,6号機放水口北側の放射性物質濃度
  ※1(16)を集計
  ※2 NDは検出限界未満を示します。
 図―12 5,6号機放水口北側

 セシウムよりはトリチウムやストロンチウム90由来の全ベータの方が高い濃度で見つかっています。福島第一原発が漏らした(漏らしている)放射性物質はセシウムだけではありません。一方、厚生労働省はセシウムだけ検査をすれば良いとしています(17)。普通に考えれば、セシウムだけ飛散することもないので、セシウムで代表させて検査することにもある程度の合理性がありますが、セシウムを取り込まないようにしたらセシウムで他の放射性物質が管理できません。セシウム抑制策が実施されている福島産はセシウム以外の放射性物質が全く管理されない物です。

4.全袋検査は大丈夫?
 当該の社説では「昨年産米の検査では、収穫された全ての米袋で放射性セシウム濃度が基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回った。」とも主張しています。でも、福島県が実施してる「収穫された全ての米袋で放射性セシウム濃度」の検査は福島原発事故以降に導入された簡易検査であり(18)(19)、従前の精密検査との比較データがあって初めてその精度が担保できるものです。(=^・^=)の知る限り福島県の担当課はそのようなデータを公表してません(20)。
 福島県の米の検査は全袋検査と精密検査の二本立で全袋検査でスクリーニングレベルを超えたものは精密検査に回します(19)。以下に2013年産米の精密検査結果をしめします。
brg131102h.gif
 ※(19)を転載
 図―13 福島県産米精密検査結果の分布(2013年産米)

全袋検査でスクリーニングレベル(1キログラム当たり75ベクレル?)を超えたものでも、精密検査に回すと0(ND,セシウムが見つからない)ような事態もあるので、誤差は相当酷いと想像されます。福島県は全袋検査と精密検査のデータを所有しているはずですが公表は避けているようです。(=^・^=)は差が大きすぎて公表できないと想像しています。
 今年の精密検査の結果は1件で基準値ギリギリの1キログラム91ベクレルでした(9)(21)。これを「実力」と考えてもおかしくないと思います。

5.デタラメあんぽ柿検査
 当該社説では「米以外の農産物でも、出荷前の全量検査体制が整ってきている。」と主張していますが、(=^・^=)は整たのでなく、無理やり進めたと思っています。
  伊達地方(伊達市、桑折町、国見町)のあんぽ柿の出荷が始まりました。伊達地方は避難区域に隣接し、避難区域を除けばもっとも放射能汚染の酷い場所だと思います。
福島県内での放射能汚染の酷い伊達地方
 ※(22)を転載
  図―14 福島県伊達地方

 福島県が実施した事前検査では基準値の2.4倍の1キログラム当たり240ベクレルの放射性セシウムが見つかっています。
基準超が見つかっている伊達のあんぽ柿
  ※(22)を転載
  図―15 福島県伊達地方のあんぽ柿検査結果(2014年)

それでも出荷を強行します。これについて全農福島は全数検査するから「安全」だと主張しています。でも2013年に始まった簡易検査です。検査精度を担保するには従前の精密検査ととの比較データが必要ですが、そのようなデータの発表はありません。
 あんぽ柿はモデル地区限定ですが、伊達地域の殆どがモデル地区です。
放射能汚染酷い場所も含めほとんどがモデル地区
  ※1 (22)を転載
  ※2 凡例は図―4に同じ
 図―6 あんぽ柿モデル(出荷可能)地区

殆ど全ての場所で出荷可能です。だったら、簡易検査と精密検査の結果が概ね一致しなくてはなりません。以下にあんぽ柿の簡易検査結果をしまします。
精密検査に比べ大幅に値が低いあんぽがきの全数検査結果
 ※(11)にて作成
 図―7 あんぽ柿の簡易(全数)検査結果

 精密検査では1キログラム当たり25ベクレル未満は検査33件中の3件で1割以下です。でも簡易検査では18,793中の18,381で、およそ98%です。まったく合いません。あんぽ柿の全数検査はデタラメです。

<余談>
 当該の社説では福島産を避ける行為を「風評被害」と呼んでいますが、福島産は避けるべき明確な理由(検査がいい加減)があります。当該の社説では「風評をなくすためには消費者の理解の広がりが不可欠だ。」と主張していますが、(=^・^=)は「福島産を避ける行為をなくすためにはきちっとした検査体制の確立が不可欠だ。」と思います。
 当該社説で学校給食で福島産をもっと使うように主張していますが、(=^・^=)は福島県民でないので関係ありませんが、福島県の実施している検査がどのようなものがを良く確認する必要あると思います。


―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)みんゆうNet -社説・福島民友新聞社-
(2)「県産食品は安全」 県内消費者を調査、8割が食料品購入(福島民友ニュース)
(3)県民の声ミニアンケート - 福島県ホームページ中の「県では、水道水の放射性物質モニタリング検査を定期的に実施し、水道水の安全性を確認しています。あなたは、水道水を飲むことに対してどのように思いますか。 [PDFファイル/134KB] 平成26年12月」
(4)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月4週)―福島からは新たなセシウム汚染食品ー
(5)AEON | 店舗情報 | イオン福島店
(6)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(12月2週)―2014年は1年12ヶ月、下請けさんに「トラブル」
(7)2015年2月1日(日)〜4日(火)までの鎌倉屋折込チラシをチェックしよう!
(8)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2015年1月)―出荷制限しても販売される福島産ー
(9)報道発表資料 |厚生労働省
(10)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2014年)―福島産は他で測れば10倍に!ー
(11)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(11月2週)―福島のシイタケは2ベクレル、でも茨城は20ベクレルー
(12)めげ猫「タマ」の日記 原発事故から3年半―「安全」を偽装する福島県―
(13)めげ猫「タマ」の日記 福島市イチゴ園開園―でも検査はありません―
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島市の果樹園開園、でも検査はされていません。
(15)めげ猫「タマ」の日記 放射性セシウムが見つらなくても安全とは言えない福島県産食材?
(16)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(1月4週)―海岸井戸からSR90が31、000ベクレル、イカナゴ飼えば1千万ベクレル―
(17)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(18)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(18)全量全袋検査 - Wikipedia
(19)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月)―福島全袋検査はデタラメ満開ー
(20)水田畑作課 - 福島県ホームページ
(21)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(1月1週)―福島米は91ベクレルー
(22)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(12月2週)―福島県の大豆は基準超、出荷制限はありませんー
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  1. 2015/02/02(月) 19:45:23|
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コメント

セシウム低吸収イネ

こんばんは。
いつも良い情報を解かりやすく書いてくださり、ありがとうございます。

3.他の放射性物質を見つけにくくする「セシウム抑制」
に関することなのですが、カリウム施肥やゼオライトなどでセシウムを吸収しにくくして、他の放射性物質がどうなのだかむしろわかりにくくなってしまい、嫌だなあと思っています。
更に、いろんな大学の研究室で「セシウム低吸収イネ」の開発を進めているようですね。
ざっと見たところ、セシウムだけ吸収しにくくなって、他の核種がどうなるのか書いていない資料が多いようなのですが。
そうなると、余計他の核種を知らずにたくさんとってしまっても気付き難くなって、怖くなる気がします。
そういう研究は、単に土壌汚染、ため池の汚染や周囲の山の環境汚染などされてしまっても、基準値以内に玄米がおさまるようにすることが研究目標と書いてあります。
なんだか、この方向性は違うんじゃないか、と思います。
西日本は休耕田もたくさんありますし、移住して農業をやってほしいと訴えている地域もあります。
無理して汚染のある地域で農業やる意味なんてあるんでしょうか。
セシウム低吸収イネは一見ありがたい様で、本当はありがたくないというのが本音です。
まさかセシウムが減って、その分知らないうちに他の核種が増えていたりしたらいやだなあと思います。

友達にめげ猫タマさんブログがいいから読むといいよと進めています。
  1. 2015/02/02(月) 22:22:11 |
  2. URL |
  3. 身内に被爆者がいたもの #YOiJM49g
  4. [ 編集 ]

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