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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島第一原発汚染水(2月2週)―散水される汚染水のトリチウム濃度が上昇中―

福島第一原発の2月2週(2月9日から2月15日)の状況を纏めてました。先週に続き高濃度の汚染水が見つかっています(1)。
 ①外洋の2ポイントからセシウム等の放射性物質
 ②散水される汚染水から1リットル当たり900ベクレルのトリチウム
 ③地下水バイパス井戸から1リットル当たり800ベクレルのトリチウム
 ④海岸付近の井戸から高濃度の放射性物質

1.外洋の2ポイントからセシウム
 今週も先週に続き、外洋からセシウムが見つかっています。
セシウムが複数の場所から見つかった福島第一原発近くの外洋
  ※1  (4)(5)(6)にて作成
  ※2  数値は1リットル当たりのベクレル数
  ※3  集計期間内の最大値
  ※4  全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
 図―1 福島第一原発近傍の海、排水路および魚での放射性物質濃度

 ①5,6号機放水口北側(2月9日採取)(4)(5)
   全ベータ 13ベクレル
 ②南放水口(2月9日採取)(4)(5)
   セシウム  0.98ベクレル
   全ベータ 13ベクレル
 ③排水路出口T-2(2月8日採取)
   セシウム  2.4ベクレル(6)

外洋の2ポイントからセシウムが見つかってます。以下に南放水口の放射性物質濃度の推移を示します。
セシウムが見つかる南放水口付近の海水
  ※1(5)を集計
  ※2 NDは検出限界未満を示します。
 図―2 南放水口の放射性物質濃度

下がっている様子がありません。

2.散水される汚染水のトリチウム濃度が上昇中

 福島第一原発の汚染水タンクの周りには、タンクから汚染水が流れ出ても外に漏れ出ないように周りに「堰」が作られています(8)。
雨水がたまってしまう福島第一汚染水タンク周りの堰
 ※(9)を引用
 図―3 汚染水タンクの回りに設けられた「堰」と、溜まった雨水

雨が降ると、堰の中に雨水が溜まるので何処かに捨てるか、貯め込むかしなくてはいけません。東京電力は「堰」にたまった汚染水を福島第一原発敷地内に散水しています(10)。以下に散水される汚染水のトリチウム濃度の推移を示します。
上昇する散水される汚染水のトリチウム濃度
※(11)を集計
 図―4 散水される「堰」内の汚染水のトリチウム濃度

 この所、上昇傾向があります。そして2月9日に「散水」する汚染水から1リットル当たり800ベクレルのトリチウムが見つかりました(12)。
 トリチウムの安全性には色々と議論があると思います。トリチウムが厄介なのは、放射性の水として存在し、蒸発して雲となり、トリチウム入りの雨を降らす事だと思います(13)。海に流せば、海水と混じり蒸発までの時間が稼げると思いますが、敷地内に散水すれば「蒸発」するか地下に浸み込みやがて海に流れ出すかのどちらかです。しかも「蒸発」のチャンスは海に流すより多くなるので、福島でトリチウム入りの雨が降るチャンスが増します。海に流すより悪い処分方法だと(=^・^=)は思います。

3.地下水バイパス井戸から800ベクレルのトリチウム
 地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(14)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。さらに、地下水バイパスより山側(上流)の井戸から高濃度の放射性物質が見つかっています。
高濃度に汚染されたトリチウムが見つかる地下水バイパスの山側井戸
 ※1 (15)(16)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度

 この中で(=^・^=)が最も心配なのは地下水バイパスNo11井戸です。以下トリチウム濃度の推移を示します。
上昇が続く地下水バイパスNo11井戸のトリチウム
 ※(16)を集計
 図―6 地下水バイパスNo11井戸のトリチウム濃度推移

 ここの所、上昇傾向が続いています。この井戸から汲み上げられた汚染水もそのまま福島の海に流されます。
 そして 地下水バイパスから放流されたトリチウムの総量を濃度×排出量の合計で計算したら約3、600億ベクレルになりました。
約3600億ベクレルに達した福島第一原発、地下水バイパスのトリチウム放出量
 ※(17)(18)を集計
 図―7 地下水バイパスの累積のトリチウム放出量

3.海岸付近の井戸からは高濃度の放射性物質
東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。以下にそこでの放射性物質濃度を示します。
高濃度の放射性物質が見つかる福島第一原発の海岸
 ※1(5)を集計
 ※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
 ※3 集計期間内の最大値
 図―8 海岸付近の放射性物質濃度

この中で(=^・^=)が心配なのはNo0-1-2井戸のトリチウム濃度です。
上昇が続くNo-1-2井戸のトリチウム
 ※(5)集計
 図ー9 No0-1-2井戸のセシウム濃度推移

どんどん上昇しています。この井戸は海岸の傍にあるので、そのまま海に流れると思います。

<余談>
 東京電力は福島産を避ける行為を「風評被害」と決めつけています(19)。でも本当に「風評被害」でしょうか?(=^・^=)は福島第一原発の動きを見ていると不安になります。でも、これは(=^・^=)だけではないみたいです。福島県伊達市は福島県第一位のイチゴの産地です(20)。伊達市のイチゴは今がシーズンです(21)。福島のイチゴは美味しく(22)、「安全」だそうです(23)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません(24)。
福岡産はあっても福島産イチゴが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(24)を抜粋
 図-10 福島産イチゴがない福島県いわき市のスーパーのチラシ

当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様を見習い「福島産」は食べません。

 
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(2月1週)―外洋からセシウム―
(2)サンプリングによる監視|東京電力
(3)報道配布資料|東京電力
(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を2月15日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング⇒南放水口・排水路」
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)福島第一原子力発電所 各タンクエリア堰内溜まり水の状況(PDF 471KB)
(9)東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所 各タンクエリア堰内溜まり水の状況
(10)雨水処理設備を用いたタンクエリア堰内雨水の散水に係る申し入れ - 福島県ホームページ
(11)(3)中の「雨水処理設備を用いたタンクエリア堰内雨水の処理水分析結果」
(12)"2015年2月14日雨水処理設備を用いたタンクエリア堰内雨水の処理水分析結果(PDF 16.7KB)
(13)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(14)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(15)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(16)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(17)一時貯留タンクの運用状況|東京電力
(18)報道関係各位一斉メール|東京電力中の「福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr*)からの排水について 」
(19)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)風評被害対策について(PDF 325KB)
(20)めげ猫「タマ」の日記 福島県の危険な広報
(21)いちご - みらいのフルーツ - JA伊達みらいのホームページ
(22)福島県オリジナル品種「ふくはる香」をお見逃し無く! | ふくしま 新発売。
(23)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(24)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2015/02/15(日) 19:50:26|
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