食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。厚労省以外の発表もあります(2)。2月4週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買いものの参考になればいいかなと思います。先々週に続き今週もしっかり基準値超えが見つかっています(4)。
①検査数1,299件中23件の基準値超え(全体の2%)
②平均は、1キログラム当たり7.3ベクレル、最大580ベクレル(群馬県産シカ)。
③基準超の食品が宮城、栃木、群馬、千葉で見つかっていまが、不思議な事に先週に続き福島では見つかっていません(5)。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(6)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2015年12月4週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(7)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
1.ワカサギは福島で17ベクレル、群馬で81ベクレル
福島県天栄村にある羽鳥湖
のワカサギ釣りが今年(2015年)再開されました(8)。一方、群馬県にある赤城大沼のワカサギ釣りでは釣ったワカサギは全て「回収」されます(9)。以下に羽鳥湖(福島県)と赤城大沼(群馬県)の位置を示します。

※(10)と地図で作成
図―2 羽鳥湖(福島県)と赤城大沼(群馬県)
どちらも福島第一原発の南西方向にありますが、羽鳥湖(福島県)は福島第一原発から80km程ですが、赤城大沼(群馬県)は200km程度離れています。でもワカサギのセシウム濃度は赤城大沼の方が高くなっています。

※(1)を集計
※(2)日付は捕獲日
図―3 羽鳥湖(福島県)と赤城大沼(群馬県)セシウム濃度
羽鳥湖のワカサギの方が大幅に低くなっています。今シーズン(2014年8月から翌年2月)のセシウム濃度の平均値は1キログラム当たりで
赤城大沼(検査・群馬県) 81ベクレル
羽鳥湖(検査・福島県) 17ベクレル
で福島県が検査した羽鳥湖の値が群馬県が検査した赤城大沼の値に比べ大幅に低くなっています。
福島県が検査した福島産と茨城県が検査した茨城産のビンナガフグのセシウム濃度の推移を示します。

※(1)を集計
※(2)日付は捕獲日
※(3)NDは検出限界未満を示す
図―4 ビンナガフグのセシウム濃度
茨城県が検査した茨城産からは1キログラム当たり22ベクレルのセシウムが見つかっています。一方、福島県が検査した福島産は9件全てで検出限界未満(ND:セシウムが見つからない)です。普通に考えれば汚染源の福島第一原発がある福島沖で高い値になっていいはずです。
福島県の検査は、群馬県とも茨城県とも整合性が取れない値が低く出るデタラメな検査です。
2.不都合なデータは1ヶ月は秘匿する福島県
県民健康健康調査の基本調査の値を集計すると福島原発事故後4ヶ月の二本松市民の平均の被ばく線量は1.42ミリシーベルトで、福島県第2位ですが1位の飯舘村が全村避難したので、人の住む場所としては最も放射能汚染の酷い市です。そして2014年3月から12月の死者数が原発事故直前の同時期に比べ16%増えています(11)。放射能汚染が心配される市です。

※(10)で作成
図―5 放射能汚染が酷い二本松市と飯舘村
2月23日の厚生労働省の2月23日の発表(2)で、二本松市(旧渋川村)産大豆の246件の大豆の検査結果が発表になりました。以下に概要を記載します。
①検査数 245件、うち55件がセシウム入り(最大は1キログラム当たり36ベクレル)
②検査日・採取日
1月23日 139件(採取日2014年11月26日~15年1月14日)
1月26日 74件(採取日2014年11月26日~15年1月13日)
1月27日 32件(採取日2015年11月26日~15年1月 8日)
です。基準値以下とは言え、セシウム入り大豆の公表は検査完了から1ヶ月後です。
もっと不思議なことががります。サンプル早いものは前年の11月26日に実施してますが、検査開始は2ヶ月後の1月23日です。だいぶ間が開いています。この検査は「福島県農業総合センター」で実施されています(2)。福島農業総合センターは10台のゲルマニウム半導体検出器が稼働しているそうです(12)。福島県の検査映像を見ると(13)40分程装置にいれているので、前処理や装置の設定を考えれば1件1時間、1台当たり10日10時間稼働として10件、10台で1日100件が検査能力だと推定されます。以下に福島県農業総合センターの日々の検査数を示します。

※(1)を集計
図―6 福島県農業総合センターの検査数
通常は多い日で1日100件程度です。でも1月23,26,27日は100件を超え、もっと多い1月26日の検査数は190件になっています。サンプリング日と検査日の間が開いてます。実際の検査はもっと前に実施されている可能性が否定できないと思います。発表が遅れたので「検査日」を後ろにずらした?
少なくともセシウム入りなどの不都合な検査結果は直ぐに公表しません。
3.福島県飯舘村のイチゴは検査しません。
福島県飯舘村は2011年6月22日に避難が完了したにも関わらず(14)、県民健康健康調査の基本調査の値を集計すると福島原発事故後4ヶ月の飯館村民の平均の被ばく線量は3.59ミリシーベルトでダントツの一位です(11)。原発事故直後に懐妊した赤ちゃんが生まれる2011年12月位から女の子が多く生まれるとゆ不可解な現象も起こりました(15)。
2014年8月からイチゴの生産が再開され(16)、今も生産が続いています(17)。福島県飯舘村はイチゴの産地としては最も放射能汚染が酷い場所です。検査されているか福島県の検索サイトで調べたら(18)、検査結果が出て来ませんでした。

※(18)を「野菜⇒イチゴ、イチゴ(施設)」、「相双⇒飯舘村」で検索
図―7 検査結果が表示されない飯舘村産イチゴ
厚生労働省の発表(1)を過去半年間(2014年9月以降)見たのですが、飯舘村産イチゴの検査結果はありません。
福島県はそれでも福島県産のイチゴは定期的検査されており「安全」だと主張しています(19)。でも実態は放射能汚染の酷い産地の検査を半年以上もしていません。福島県は放射能汚染の酷い場所の検査を避けています。
<余談>
・他より低く出るデタラメな検査で「安全」とされる福島産
・不都合なデータの公表が遅れる福島産
・放射能汚染の酷い産地を避けた検査で「安全」とされる福島産
これでは「福島産 食べて応援、あの世行き」です(20)。福島の方も心配されていと思います。
福島県郡山市産米の全袋検査数は約150万袋で、最多です(21)。福島県郡山市は福島県最大のお米の産地です。福島県郡山市のお米は「あさか舞」と言って美味しいそうです(22)。福島県も農協も安全だとも主張しています(23)(24)(25)。でも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産米はありません(26)。

※(26)を抜粋
図―8 福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県郡山市の皆さんを見習い「フクシマ産」は食べません!
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第918報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月2週)―福島産アサズキから27ベクレル、でも福島県の検査は全数NDー(5)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(2月3週)―北茨城のムラソイは32ベクレル、福島いわきは9.7ベクレルー(6)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(7)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(8)
天栄の羽鳥湖で4年ぶりにワカサギ釣り解禁 | 県内ニュース | 福島民報(9)
群馬県前橋市|赤城大沼 氷上ワカサギ釣り 解禁中!(10)
東日本大震災関連情報 放射線モニタリング測定結果等 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 「
(11)
めげ猫「タマ」の日記 福島県二本松市の2014年3-12月の死者数16%増(対2010年)―でも増えていない所もある―(12)
組織・主な業務と連絡先中の「県内農林水産物の緊急時モニタリング検査業務」
(13)
県産食品の安全・安心を確保する取組み | ふくしま 新発売。中の「ゲルマニウム半導体検出器によるモニタリング検査」
(14)
飯舘村 - Wikipedia(15)
めげ猫「タマ」の日記 6月も女の子しか生まれない・福島県飯館村(16)
復興庁 | イチゴの出荷再開(福島県飯舘村)[平成26年7月31日](17)
飯舘村の真っ赤ないちごをご紹介します(飯舘村) | ふくしま 新発売(18)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。(19)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ中の「いちご [PDFファイル/104KB]」
(20)
めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援、あの世行き(21)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報(22)
商品紹介 | JA郡山市の米「あさか舞」(コシヒカリ・ひとめぼれ)(23)
新着情報 | JA郡山市の米「あさか舞」(コシヒカリ・ひとめぼれ)(24)
福島県産食品の安全性を確保する取組みについて | キビタン市場 | 福島県公式ネットショッピングモール(25)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月)―福島全袋検査はデタラメ満開ー(26)
AEON | 店舗情報 | イオン郡山フェスタ店
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- 2015/02/24(火) 19:46:03|
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