東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、3月2週(3月7日から3月14日)もしっかりトラブルが起こっています。
1.外側の堰から汚染水漏れ
福島第一原発の汚染水タンクは2重の堰で囲われています(2)。そのうち外側の堰(東電は外周堰と呼んでいます)。

※(2)より作成
図―1 福島第一原発の汚染水タンクの堰の構造
外周堰から汚染水漏れが起こり、周囲ではベータ線に由来する放射線が1時間当たり36ミリシーベルトも観測され、外周堰内の汚染水からはストロンチウム90に由来する全ベータが最大で1リットル当たり8,300ベクレル見つかりました。汚染水漏れを起こした外周堰の近くには、海に通じる排水路がり(2)(3)、海側にはトリチウム等の放射性物質を含む地下水を汲み上げて海に放出する地下水バイパスの井戸などがあります。

※(2)(3)(5)で作成
図―2 汚染水漏れを起こしたエリア
3月9日 22時30分:15cm
だった水位が
3月10日 午前6時24分:10cm、午前8時15分:7cm
に低下したので気づいたみたいですが(6)、その後に外周堰とアスファルトの継ぎ目から汚染水が流れ出していることが見つかりました。

※(7)を引用
図―3 外周堰から漏れだした汚染水
さらには、内周堰と外周堰の間に設置されている側溝と基礎部の継ぎ目から「泡」が出ていることのも見つかったので、地下に浸み込んでいるのも間違いありません。

※(7)を引用
図―4 外周堰の汚染水中の「泡」
なお本件と関係は不明ですが3月10日から11日にかけて汚染水漏れを起こした堰のそばにあるE-9と呼ばれる井戸の全ベータ濃度が急上昇しています。

※(5)にて作成
図―5 E-7井戸の全ベータ濃度
2.5号機冷却装置がダウン
3月11日午前0時14分頃、5号冷却装置(A)系で、電動弁開閉試験前の準備をしていたら、系客装置のポンプ(A)の圧力抑制室側吸込弁(MO-10-13C)をの「開」操作をしたら「RHR(冷却装置のこと) A 電動弁過負荷」の警報が出て、当該弁が過負荷でダウンしました。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
3月12日に福島県のローカルTV局(FCT)が、福島市出身とのクレジットを付けて原子力規制委の田中委員長のインタビューを報じていました。そのかなで「ゼロリスクはない」と発言されておられました(7)。

※(7)をキャプチャー
図ー6「ゼロリスクはない」と発言する原子力規制委委員長
だったら、フクシマにもリスクがあります。 トラブル続きの福島原発。(=^・^=)は不安になります。福島の方はもっと不安だと思います。福島県郡山市は福島産米の全袋検査数が約150万袋で一位です(8)。福島県郡山市産のお米は「あさか舞」といって美味しいそうです(9)。福島県は「安全」だと主張しています(10)(11)。それでも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(12)をキャプチャー
図―7 福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県の方を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月1週)―安全総点検してもけが人―(2)
2015年3月12日福島第一原子力発電所H4タンクエリア外周堰内雨水水位低下について(続報)(訂正版)(PDF 794KB)PDF(3)
第32回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会中の「資料2 K排水路の排水濃度低減対策状況について[東京電力]【PDF:12MB】」
(4)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて(5)
サンプリングによる監視|東京電力中の「H4エリア周辺観測孔」
(6)
2015年3月11日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】 (7)
ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2015年3月12日(木)放送」
(8)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報(9)
郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市(10)
県産食品の安全・安心を確保する取組み | ふくしま 新発売。(11)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(10月)―福島全袋検査はデタラメ満開ー(12)
イトーヨーカドー 郡山店
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- 2015/03/15(日) 19:41:23|
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