福島第一原発汚染水の3月4週(3月23日から29日)の状況を纏めてました。
①外洋の2地点で過去最高の全ベータ
②地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
③海岸近くの井戸からは高濃度の放射性物質
④排水路からは法令違反の汚染水が外洋へ
先週に続きのあっちこちで過去最高濃度の放射性物質が見つかっています(1)。
1.外洋2地点で過去最高の全ベータ
先週に続き今週も海水から全ベータ等の放射性物質が見つかっています。

※1 (4)(5)(6)にて作成
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
※4 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
※5
赤字は過去最高を示す。
図―1 福島第一原発近傍の外洋のの放射性物質濃度
①5,6号機放水口北側(3月23日採取)(4)(5)
全ベータ 9ベクレル
トリチウム 3.8ベクレル
②南放水口(3月23日採取)(4)(5)
全ベータ 11ベクレル
トリチウム 2.6ベクレル
③港湾口北東側(3月23日採取)(4)(5)
全ベータ 17ベクレル
④北防波堤北側(3月23日採取)(4)(5)
全ベータ 18ベクレル
⑤排水路出口付近(T-2)(3月25日採取)
トリチウム 2ベクレル
が見つかっています。このうち「港湾口北東側」と「北防波堤北側」の全ベータ濃度が過去最高を記録しました。以下に放射性物質濃度を示します。

※(2)(5)にて作成
図―2「港湾口北東側」と「北防波堤北側」の全ベータ濃度
この2地点は沿岸からは少し離れておりこれまで全ベータは見つかっていませんでしたが、今週になって初めて見つかりました。福島第一原発から漏れだした汚染水は港湾内でコントロールとは(=^・^=)には思えません。
2.地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(8)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。さらに、地下水バイパスの井戸から過去最高濃度のトリチウムが見つかっています。

※1 (9)(10)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
※4
赤字は過去最高を示す。
図―3 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度
このうち地下水バイパスNo10井戸のトリチウム濃度が過去最高を、E-13井戸のトリチウムは過去タイです。以下にトリチウム濃度を示します。

※1 (9)(10)を集計
※2 凡例中No10は地下水バイパスNo10井戸を示す。
図―4 地下水バイパスNo10井戸とE-13井戸のトリチウム濃度
(=^・^=)目には「同期」して上がっているように見えます。E-13井戸の山側に汚染源がありこれがE-13井戸を経由し地下水バイパスNo10井戸に流れ、汲み上げられ福島の海に流されているようです。
地下水バイパスから放流されたトリチウムの総量を濃度×排出量の合計で計算したら3、900億ベクレルを超えました。

※(11)(12)を集計
図―5 地下水バイパスの累積のトリチウム放出量
トリチウムの安全性については、いろいろと議論があるようです(13)。福島第一原発のトリチウムは概ね「水」として存在します(14)。蒸発して雲になり雨になり、農作物を育むと思います。トリチウム米やトリチウムいちごができそうです。東京電力はトリチウムは飲んで「安全」と主張していますが(14)、食べて「安全」とは主張していません。
3.海岸近くの井戸からは高濃度の放射性物質
東京電力は福島第一原発の海岸付近やタービン建屋周りの井戸の地下水の放射性物質濃度を調べています(5)。

※1(5)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
※4 SR90はストロンチウム90を示す。
図―6 海岸付近の放射性物質濃度
(=^・^=)が気になるのは第一にストロンチウム90の濃度です。厚生労働省はストロンチウム90を測定しなくてもセシウムを検査していれば福島産は「安全」だと主張しています(15)(16)。でも図―6を見てわかる通り海岸付近の井戸ではセシウムよりストロンチウム90の方がはるかに高い濃度を示します。(=^・^=)はセシウムは少ないがストロンチウム90いっぱいの福島産がありそうな気がします。無論、検査はしていないでお店で売られます。
そして心配なのがNo2-8井戸の全ベータ濃度です。

※2 NDは検出限界未満を示す
図―7 No2-7井戸の全ベータ濃度の推移
今月(2015年3月)に入り急上昇しています。この井戸は海の側にあるので、そのまま福島の海に流れていきそうです。
4.排水路からは法令違反の汚染水が外洋へ
福島第一原発には外洋に通じる2本の排水路があります。

※(17)とGoogle Mapで作成
図―8 福島第一原発排水路
今年の2月から3月にかけて、二つの排水路(A,K)から法令の定める値を超える高濃度に汚染された汚染水が直接に外洋に廃棄されていたことが分かりました(18)。
東京電力が排水路の新たなサンプリングデータを発表しました(17)。相変わらず法令超えの汚染水を直接外洋に流しています。以下にK排水路の放射性物質濃度を示します。

※1(17)を集計
※2NDは検出限界以下を示す。
図―9 K排水路の放射性物質濃度
ストロンチウム90の法令限度(告示濃度限度)は1リットル当たり30ベクレルですが(3)、全ベータの約半分がストロンチウム90ですので、全ベータに換算すると1リットル当たり60ベクレルです。セシウム137の法令限度(告示濃度限度)は1リットル当たり90ベクレルです。
K排水路を流れ外洋に排出される汚染水から3月19日に1リットル当たりで
セシウム134 29ベクレル
セシウム137 100ベクレル
全ベータ 180ベクレル
の放射性物質が見つかっています。セシウム137も全ベータも基準を超えのまま直接外洋に流されています。
3月25日に第33回特定原子力施設監視・評価検討会が開かれまた(18)。そこで東京電力から2014年4月から7月の3か月間と2015年1月から3月の3ヶ月間の排水路からの放射性物質の放出量が示されました(19)。以下にストロンチウム90の結果を示します。

※1(19)を集計
※2 集計期間は各々3ヶ月
※3 C,物揚場、A,KはそれぞれC排水路、物揚場排水路、A排水路、K排水路を示す。
図―10 排水路からのストロンチウム90の放出量
2015年1~3月の方が増えています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
汚染水の流出が続く、福島第一原発を見ていると(=^・^=)は不安になります。福島の方はもっと不安だと思います。福島県福島市は納豆の消費量が全国一位だそうです(20)。福島県にも納豆メーカーはあるので(21)、何処の「納豆」を食べているか福島県福島市のスーパーのチラシを見てみました。

※(22)を引用
図―11 福島産納豆が載っていない福島県福島市のスーパーのチラシ
福島産納豆はありません。当然の結果です。(=^・^=)も福島の方を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(3月4週)―あっちこっちで過去最高―(2)
サンプリングによる監視|東京電力(3)
報道配布資料|東京電力(4)(2)中の「1.海水(港湾外近傍)」を3月29日に閲覧
(5)(3)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(6)(2)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング⇒南放水口・排水路」
(7)
めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて(9)(2)中の「H4エリア周辺観測孔」
(10)(3)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果 」
(11)
一時貯留タンクの運用状況|東京電力(12)
報道関係各位一斉メール|東京電力中の「福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr*)からの排水について 」
(13)
めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?(14)
福島第一原子力発電所でのトリチウムについて (15)
牛乳のストロンチウム測定について - 専門家が答える 暮らしの放射線Q&A(16)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(17)
2015年3月27日福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて(PDF 391KB) (18)
めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(2月4週)―高濃度の汚染水漏れは1年間隠します―(18)
第33回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会(19)(18)中の「資料2-1 K排水路に関する調査と今後の対策について[東京電力]【PDF:8MB】」
(20)
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- 2015/03/29(日) 19:43:15|
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