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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島・飯舘村2017年春に避難解除―大丈夫?―

福島県の地方紙の福島民報の報道によると、福島原発事故の放射能汚染で全村が避難している福島県飯舘村が2年後の2017春までに危難解除を目指すそうです。村長は村長は「村民の心身は避難生活に耐えられる限界に近づいている。帰還目標を決めることは、住民の希望につながる」としています(1)。
飯舘村の避難解除は2年以内と報じる福島民報
 ※(2)をキャプチャ
 図―1 2017年春の避難解除を報じる福島県の地方紙の福島民報

 福島県飯舘村は福島県の北部にある村で、福島第一原発事故により放射能に汚染され、全村が避難しました。
今も放射能汚染が酷い福島県飯舘村
 ※1(4)にて作成
 ※2 半減期を考慮し2015年4月時点に換算、換算方法は(5)
 図―2 福島県飯舘村


ところが避難が完了したのが原発事故から3ヶ月過ぎた2011年6月22日と遅く、他の原発難民に比べ多くの被ばくをしました。
被ばく線量の高い福島市、相対的に低いいわき市
 ※1(6)を転載
 ※2 元データは(7)
 図―3 福島県各市町村の平均被ばく線量(原発事故4ヶ月)

 そして原発事故後に懐妊した赤ちゃんが生まれる2011年12月頃から女の子が特異的に生まれる奇妙な現象が発生しました(8)。以下に福島第一原発事故後の赤ちゃんの累計誕生数を示します。
原発事故後に女の子の赤ちゃんが多い飯舘村
 ※(8)を集計
 図―4 福島原発事故後の赤ちゃんの累計誕生数(福島県飯舘村)

ただ、最近は女の子と男の子の赤ちゃんの誕生数に大きな変化はなく図―4でも平行線をだどっていいます。避難との関係を否定できないと思います。
 飯舘村の復興計画をみると、以下の5点を目標にしています(9)。
  ①命(いのち)をまもる。
  ②子どもたちの未来をつくる。
  ③人と人とがつながる。
  ④原子力災害をのりこえる。
  ⑤いでいブランドを再生する。
多分、③④⑤を実現するには①②が絶対条件だと(=^・^=)は思います。そのためには帰還時点の放射線量が十分に低くなくてはなりません。以下に航空機モニタリングから作成した2017年4月時点の放射線量を示します。
避難指示解除予定時期も放射能汚染の酷い飯舘村
※1(4)(10)にて作成
 ※2 換算方法は(5)
 図―5 避難解除予定時期(2017年4月)での飯舘村の放射線量

 原発事故当初は「積算線量」を重要視する広報がなされました(11)。放射線量率が1時的に高くても、直ぐに低下すればトータルとしての被ばく線量はそれ程には大きな値にならないので問題がないとする考えです。そこで積算線量で考えて見たいと思います。国の被ばく線量の考えかたは、
 1日8時間を屋外で過ごす。この時期はそのまま放射線を浴びる
 1日16時間は屋内で過ごす。この時は放射線量は建物で減衰し40%程度に下がる
です(12)。また100ミリシーベルトの被ばくまでは健康影響は確認されていないそうです(13)。逆に言えば積算の被ばく線量で100ミリシーベルトを超えると健康影響の危険が明確にあります。そこで、100ミリシーベルトを基準に積算の被ばく線量を見積もってみました。
帰還後10年で100ミリシーベルト超えが出そうな飯舘村
 ※1(10)のデータより計算
 ※2 換算方法は(5)による。
 図―6 避難解除10年目(2027年4月)の積算の被ばく線量

10年で1部の地域で100ミリシーベルトを超えます。
帰還後30年で大方が100ミリシーベルト超えをしそうな飯舘村
 ※1(10)のデータより計算
 ※2 換算方法は(5)による。
 図―7 避難解除30年目(2047年4月)の積算の被ばく線量


30年で大方の地域で100ミリシーベルトを超えます。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
福島第一原発事故直後は100ミリシーベルト以下なら「安全」と言われたような気がします(たとえば(14))。でも最近はあまり耳にすることがありません。飯舘村に限らす100ミリシーベルトを基準したら、多くの場所で累積で超えます。
今後50年で多くの場所で100ミリシーベルト以上の被ばくがありそうな福島県
 ※1(10)のデータより計算
 ※2 換算方法は(5)による。
 図―8 今後50年間(2067年4月まで)の積算の被ばく線量  

 安倍出戻り内閣は早く避難指示を解除して福島原発賠償を減らし、原発事故を風化させたいと思っています。一方、地方行政は避難生活が長期化すると住民が避難先に馴染んでしまい避難解除しても戻らない事態を恐れているとおもいます。どちらも無理をしても避難解除する事では利害が一致しているともいます。
 こんな行政の対応では福島の方はは大変に心配だと思います。福島県ではキュウリの出荷が始まりました(15)。アスパラガスもシーズン入りです(16)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産キュウリもアスパラガスをまりません。
他県産はあっても福島産キュウリもアスパラも無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(17)をキャプチャー
 図―8 福島産キュウリもアスパラガスも載っていない福島県福島市のスーパーのチラシ

 今、福島では大型観光キャペーンを実施しています(18)。宿の食事の原産地表示を(=^・^=)は見たことがないので、福島にいったら地元スーパーのチラシすら載らない「フクシマ産」を食べてしまう覚悟が必要だと思います。だったら、福島でなく沖縄がいいと思います(19)。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)29年春までに避難解除 飯舘村が新目標 役場は来春にも帰還 | 県内ニュース | 福島民報
(2)福島民報を4月21日閲覧
(3)飯舘村 - Wikipedia
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会
(5)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(6)めげ猫「タマ」の日記 2014年度の福島市の死者数は16%増(対2009年度)
(7)第18 回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成27年2月12日開催) - 福島県ホームページ中の「 資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/282KB]」
(8)福島県の推計人口(平成27年3月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(9)飯舘村復興整備計画 | 飯舘村災害情報サイト
(10)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(11)放射線の健康への影響は積算線量が決める
(12)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(13)放射線 放射性物質 Q&A 「ICRP」の役割は | 東日本大震災 | 福島民報
(14)「 福島復興を妨げる『1ミリシーベルト神話』 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト
(15)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(4月2週)―福島・須賀川市はキュウリの出荷開始、でも検査はありませんー
(16)アスパラ JA全農福島県 野菜 産地 栽培 出荷
(17)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
(18)ふくしまデスティネーションキャンペーン 2015.04.01(水)~6.30(火)開催
(19)めげ猫「タマ」の日記 福島大型観光キャンペーン開幕―でも同じ行くなら「沖縄」の方が良い―
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  1. 2015/04/23(木) 19:43:43|
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