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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(4月4週)-汚染水1万m3が行方不明-

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、4月4週(4月20日から26日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.2台目ロボットも置き去り
 先週、福島第一原発1号機の圧力容器(PCV)の中にロボットを入れて中を調査しました。ところが東電が「グレーチング」と呼ぶ格子上の床に捕まって動けなくなりました(1)。
グレーテイングにつかまり圧力容器内で動けなくなったロボット
 ※(2)をキャプチャ
 図―1 圧力容器内で動けなくなったロボット

 先週末から新たなロボットを入れて別の場所を調査しています(3)。4月20日に東京電力は2台目のロボットの回収を断念し、圧力容器内に置き去りする事にしました(3)。ロボットを圧力容器内に入れたり、出したりするには東電が「ペネ」呼んでいる監視用の「穴」を通す必要があります。
放射能で壊れた監視カメラとロボットの位置
 ※(3)に加筆
 図―2 監視用の「穴」と監視カメラ

 「穴」を通すにはロボットの様子をロボット外の監視用カメラで確認しる必要があるそうですが、監視用カメラが放射線の影響で壊れてしまいロボットの回収をあきらめたとの事です(3)。


2.汚染雨水移送ポンプが停止
 福島第一原発にはK排水路と呼ばれる排水路があります。この排水路を流れる水には高濃度の放射性物質が含まれており、明らかな汚染水です。
高濃度の放射性物質に汚染された水が流れるK排水路
 図―3 K排水路の汚染水の放射性物質濃度

 この排水路は外洋に繋がっているのですが、高濃度の汚染水を外洋に直接出すのはまずいので、途中で汲み上げて港湾内に流すような処置が取られました(6)。
止まってしまったK排水路揚水ポンプ位置
 ※(6)とGoogle Mapから作成
 図―4 K排水路に取り付けられた揚水ポンプ位置

 4月21日に揚水ポンプの電源が故障し、ポンプが全て止まり汚染水の汲みあげができなくなり、外洋に汚染水が流れる事態になりました(6)。


3.トレンチ(地下道)の止水に失敗
 福島第一原発では、原子炉やタービン建屋から東電が「トレンチ」と呼ぶ地下道が伸びています。
タービン建屋から海に伸びるトレンチ(地下道)
  ※(8)とGoogle Mapで作成
 図―5 福島第一のトレンチ(地下道)

 以下に2号機タービン建屋から延びるのトレンチ(地下道)の鳥瞰図を示します。
トンネルと立坑で構成されるトレンチ(地下道)
  ※(8)を抜粋・加筆
 図―6 2号機タービン建屋海側のトレンチ(地下道)

 このトレンチ(地下道)は3本のトンネル(トンネルA,B,C)と地上とトレンチを繋ぐ4つの立坑(立坑A,B,C,D)からなります。タービン建屋の汚染水がこの地下道(トレンチ)を通り外にでると危険なので、過去の4回程、水の流れを止めようとしていましたが、全て失敗しました(9)(10)。
 1回目 汚染水を凍らせて、水の流れを止めようとしましが、上手く凍らず失敗
 2回目 ドライアイスや氷を投入して凍らせようとしましたしたが、上手く凍らず失敗
 3回目 タービン建屋と地下道(トレンチ)の間にセメントの「壁」を作り水の流れを止めようとしたが、失敗
 4回目 トンネルをセメントで埋めて、汚染水の流れを止めようとしたが、失敗
そこで、立坑をセメントで埋めて汚染水の流れを止めようとしました。その工事がある程度進み、 4月22日に開かれた「第34回特定原子力施設監視・評価検討会 」で結果が発表になりました。立坑を埋めたあと、立坑Dから汚染水を抜いたそうです。もし、止水に成功していれば他の立坑の水位は変らないはずですが、確り下がりました。
立坑から汚染水を引くと他の立坑の水位も下がるとの試験結果
 ※1(8)より作成
 ※2 立坑Cおよび立坑Dは中で南北二つに分かれている
 ※3 O.P.は小名浜港を基準とした海抜
 図―7 トレンチを結ぶ立坑の水位変化

 立坑Cは中で仕切られていて南北の二つに分かれています。立坑C北から汚染水を抜いたそうです。そしたら仕切らている立坑C南の水位も同期して下がり、トンネルBで繋がっている立坑Bの水位も下がりました。そしてトンネルCで繋がっている立坑Dの水位も、トンネルAで立坑Bと繋がっている立坑Aの水位もゆっくりですが下がりました。結局は全部が繋がっているみたいです。止水は失敗しました。



4.容器(HIC)からは汚水漏れ続々
 福島第一原発では、原子炉やタービン建屋に日々、地下水が流れ込み汚染水が生まれています。放置すると溢れるのでこれを汲みあげ、汚染水から放射性物質を荒どりし、汚染水タンクに保管しています(11)。汚染水から分けられた放射性物質は東電がHICと呼ぶ容器にいれられ福島第一原発内に保管されています(12)。4月2日にHICから汚染水が漏れ出ているのが見つかりました(13)。東電がその後も調査を続けていたのですが、途中集計が「第34回特定原子力施設監視・評価検討会 」で結果が発表になりました。
 それによると103基を調査しうち12基から汚染水漏れがみつったそうです(14)。その後、新たに3基のHICから汚染水漏れが見つかり(15)(16)、合計で103基中15基になりました。
 ※(17)をキャプター
 図―8 HICからの汚染水漏れを報じる福島のローカルTV(FCT)

以下にHICから漏れた汚染水の放射性物質の濃度を示します。
 表―1 HICから漏れた汚染水濃度
  ※1 (14)にて作成
  ※2 値は1リットル当たりの
数百万ベクレルの放射能が見つかるHIC漏えい水
 濃度がきわめて高いので1リットル当たりの万ベクレル数で記載したことに注意してください。平均は1リットル当たりで全ベータは173万、トリチウムが142万、セシウムが5300ベクレルになります。
  東電はHICはボックスカルバートと呼ばれる容器の中に収めているので、汚染水は外に漏れていないと主張していまが(15)、蒸発しないか心配です。特にトリチウムは水として存在します(19)。蒸発してトリチウム雲になり、トリチウム雨を福島の台地に降らせそうです。降ったトリチウム雨は福島の農作物や飼料に吸収されトリチウム米やトリチウム牛肉、牛乳が出来そうです。


5.汚染水対策新提案は門前払い
 福島第一原発では日々、汚染水が増えています。
日々増え続ける福島第一汚染水
  ※(20)を集計
 図―9 日々増え続ける福島第一の汚染水

 汚染水の増加を抑えるのは急務です。そこで東京電力は5つの汚染水対策を実行しようとしています。以下にその様子を示します。
行先不透明な福島第一汚染水抑制策
 ※(21)を抜粋・加筆
 図ー10 東電が実施を計画している汚染水抑制対策

 ①サブドレイン
サブドレンは、原子炉建屋とタービン建屋近傍にある井戸のことです。サブドレンで地下水をくみ上げることにより、原子炉建屋およびタービン建屋へ流入する地下水が大幅に低減することが期待できます。ただし汲み上げた地下水は保管できないので海に流す事になります(22)。

 ②海側遮壁および地下水ドレイン
 海側に流れ込む地下水についても、海側遮水壁を設置してせき止め、護岸に設置した井戸(地下水ドレン)によりくみ上げます。地下水ドレンよりも地下水の流れの上流側にあるサブドレンでくみ上げを行うことで、海側に流れる地下水を低減することができます。ただし、汲み上げた地下水は海に流す事になります(22)。

 ③陸側遮水壁(山側)
  原子炉やタービン建屋の山側に氷の壁を作り、地下水が原子炉やタービン建屋に侵入しないようにするものです(21)(23)。

 ④陸側遮水壁(海側)
  最後に海側にも氷の壁を作り、原子炉やタービン建屋を氷の壁で取り囲み、地下水をシャットアウトすると共に、汚染水が漏れ出ないようにするものです(21)(23)。

 東電の計画では①②③④の順に進めて行く予定です。
 ところが今年の2月末に東京電力が福島第一原発の排水路から高濃度の放射性物質が外洋に直接に流れ出ている事実を知りながら、秘匿していた事が発覚し福島の漁師さんを怒らせてしまいました(23)。
東電に怒る福島の漁師さん
※(24)をキャプチャー
 図―11 怒りをあらわにする福島の漁師さん

海に汚染水を流すサブドレイン計画をあきらめた形の案を提案しました(21)。陸側遮水壁の「山側」最初に凍結し、その後で陸側遮水壁の「海側」を凍結し、氷の壁で原子炉やタービン建屋を囲み汚染水をシャットアウトする案です。(=^・^=)なりに会議を聞いていたのですが(25)、会議を主催する原子力規制委の更田豊志委員が「基本シナリオを着実に進められるよう努力してほしい」と述べ、サブドレンの稼働に向けて地元の理解を得るよう強調してました(26)。当初の予想と合うか確認しながら進めることを主張していていました(25)。
 東電は原子炉建屋より少し山側の井戸から地下水を汲み上げ、原子炉建屋に侵入する前に海流す地下水バイパスを実施していますが(27)、稼働前の予想では3つの観測点(A,B,C)で2~3m程の水位低下し、5~7m程度の水位になるはずでした。
brg140829d.gif
 ※1(28)を転載
 ※2 小名浜港を基準とした海抜(OP)で示す
 図-12 地下水バイパス稼働後の水位予測

 地下水バイパスを稼働して1年程度になりますが、このような水位低下はありません。
 地下水バイパス稼働後の下がらない観測孔の地下水位
 ※1(29)を転載
 ※2小名浜港を基準とした海抜(OP)で示す
 図―13 地下水バイパス用観測孔の水位

 東電の予測って、当てにならないみたいです。福島の漁師さんを説得し早く始めるしかないと思います。そのうち汚染水タンクで敷地が埋まり、タービン建屋からくみ上げた汚染水を海に直接すてるか溢れさすしかない日がやってきます。(=^・^=)は今のままだと1年程度と思っています。

6.福島第一で油漏れ
 4月25日午前10時40分頃、福島第一原発構内の駐車場で、停車中のタンクローリー車(10トン)から燃料(軽油)が漏れているのを下請けさんが見つけました。漏れた油は約1m×約2mに広がったそうです。その後、消防署に通報し「油漏れ事象」判定されたそうです(31)。
 以下に(=^・^=)が集計した福島第一原発の油漏れ回数を示します。
油漏れが頻発する福島第一原発
 ※(32)に本件を追加
 図ー14 福島第一原発の月別の油漏れ回数
 
 頻発している感じです。

7.汚染水1万m3が行方不明
  東京電力は福島第一原発の汚染水総量を毎週発表しています(20)。以下に4月16日時点と4月23日時点の東電が発表した汚染水量を示します。
 表―2 福島第一原発汚染水量
 ※(33)(34)にて作成
1万立方メートル程合わない東電の汚染水量集計
 東電発表によると濃縮塩水は
  2015年4月16日時点  63,810立方メートル(33)
  2015年4月23日時点  46,501立方メートル(34)
  増減           ―17,309立方メートル
になるはずですが、東電は
  増減を―6、403立方メートル(34)
と10,908立方メートル合いません。このような差が何故に生じるかは発表が無い気がしますが、これだけの汚染水を東電は管理できなくなった見たいです。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 2項で取り上げたK排水路の汚染水が直接に外洋に流れた翌日の4月22日に福島の漁師さんが福島第一原発を視察したそうです(30)。そしたら、下請けさんは頑張っていたそうです。
頑張っていると話す福島の漁師さん
  ※(24)をキャプチャー
 図―15 「多くの作業員は必死になって」と話す視察後の漁師さん

でも、トラブルは起きるそうです。
トラブルは起きると話す福島の漁師さん
 ※(24)をキャプチャー
 図―16 「トラブルは起きる」と話す視察後の漁師さん

 頑張っても、頑張ってもトラブルが起こる。これが福島第一原発の現実だと思います。これでは福島の方も大変に心配だと思います。4月25日に福島県郡山駅と会津若松駅の間に「観光列車」の「フルーティアふくしま」の運転が始まったそうです(34)。この列車は福島産果物をつかったスイーツが2品でるのですが、これについて福島県産の果物を使います。4、5月は「イチゴ」だそうです(36)。福島県知事は出発式で「極上のスイーツをですね、皆さんに食べていただきたいと思っております」とあいさつしていました(37)。

十発式であいさつする福島県知事
 ※(37)をキャプチャー
 図―17 「フルーティアふくしま」の出発式であいさつする福島県知事

 でも福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
他県産はあっても福島産イチゴが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
 ※(38)を抜粋
 図ー18 福島産イチゴが載っていない福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
 

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(4月3週)-ロボット回収諦めた-
(2)東京電力 写真・動画集| 「原子炉格納容器内部調査技術の開発」ペデスタル外側_1階グレーチング上調査(B1調査)現地実証試験後の追加確認結果について【4月18日、4月19日実施分】
(3)2015年4月20日「原子炉格納容器内部調査技術の開発」ペデスタル外側_1階グレーチング上調査(B1調査)現地実証試験後の追加確認結果について【4月18日、4月19日実施分】(PDF 1.39MB)
(4)報道配布資料|東京電力
(5)(4)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」を集計
(6)2015年4月21日福島第一原子力発電所におけるK排水路からC排水路への移送ポンプの停止について(PDF 746KB
(7)第34回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(8)(7)中の「資料1 海水配管トレンチ汚染水対策工事の進捗について【PDF:4MB】」
(9)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発 ―トレンチの止水失敗―
(10)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発―トレンチの止水失敗―
(11)原子炉の安定化|東京電力
(12)多核種除去設備|東京電力
(13)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(4月1週)-2週連続火事-
(14)(7)中の「資料2 ボックスカルバート内の高性能容器蓋外周部のたまり水について【PDF:2MB】」
(15)2015年4月23日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(16)2015年4月24日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(17)ニュース|福島中央テレビ
(18)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(19)プレスリリース|東京電力
(20)(19)中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(21)(7)中の「資料3 建屋への地下水流入抑制策について-各対策の実施手順と水位管理-【PDF:11MB】」
(22)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ(計画)|東京電力
(23)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(2月4週)―高濃度の汚染水漏れは1年間隠します―
(24)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2015年4月22日(水)放送」
(25)第34回 特定原子力施設監視・評価検討会 (平成27年4月22日) NRAJapan
(26)第一原発で遮水壁を稼働 東電汚染水抑制へ代替案 | 県内ニュース | 福島民報
(27)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(28)めげ猫「タマ」の日記 地下水バイパス効果無し!3mの水位低下のはずが30cm
(29)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月4週)-消火訓練したら火事-
(30)ニュース|福島中央テレビ
(31)2015年4月25日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(32)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(3月1週)―安全総点検してもけが人―
(33)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第197報)|東京電力
(34)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第198報)|東京電力
(35)県産果物のスイーツ楽しんで 郡山でフルーティア出発式(福島民友ニュース)
(36)東日本旅客鉄道株式会社 仙台支社
(37)スイーツ特別列車が運行開始 - NHK福島県のニュース
(38)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2015/04/26(日) 19:44:44|
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  1. 2015/04/27(月) 13:52:27 |
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