めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

セシウムだけの検査で安全?

 食品中の放射性物質の基準値にはセシウムだけが記載されており、他の放射性物質の記載はありません(1)。これについて、
 「ストロンチウムはセシウムに比べ、融点や沸点が高いため炉外に出づらい性質を持っています。福島第一発電所周辺の土壌測定では、放射性ストロンチウムは放射性セシウムの数%もしくはそれより低い値となっております。また、大気中への放出量の解析値をみても、放射性ストロンチウムは放射性セシウムの数%となっています。現状では、放射性セシウムの測定のみで十分であると考えます。」
との説明がなされています(2)。この説明が納得できるのか、(=^・^=)なりに検証しみました。

1.福島第一原発の汚染水漏れ
  福島第一原発からは原発事故から4年が過ぎても放射性物質が漏れています。以下に福島県の2013年11月に対する14年11月の放射線量の増減を示します。
 ※(3)中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」と「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング (平成25年11月2日~19日測定) 平成26年03月07日 (KMZ, CSV)」の数値データを比較
広範囲で放射線量が上昇した福島県
  図 1 福島県内の放射線量の増減

  かなり広い範囲で放射線量が上昇しています。特に気しているとは西部の県境付近です。以下に福島県の地形図を示します。
福島県西部の県境付近は山岳地帯
 ※(4)を引用
  図 2 福島県付近の地形図
 このあたりは高い山であり、他から放射性物質が下ってくることがありません。福島第一原発が今も放射性物質を出し続けています。
 東京電力は2013年7月22日に福島第一原発から今も汚染水が漏れていると発表しました(5)。その後も汚染水対策を実施していますが(6)、上手くは行っていないようです。
 以下に福島第一原発付近「北放水口」付近のセシウムとストロンチウム90濃度の推移を示します。
セシウムもストロンチウム90も見つかる福島第一付近の外洋
  ※(7)を集計
 図 3 福島第一原発付近「北放水口」の放射性物質濃度

 以下に図4-3のデータを元に作成した相関図を示します。
ストロンチウム90はセシウムの7割程度
  ※(7)を集計
 図 4 福島第一原発付近「北放水口」でのセシウムとストロンチウム90の相関
 ストロンチウム90はセシウムの7割程度であり、①で記載した「放射性ストロンチウムは放射性セシウムの数%」との前提は福島第一原発沖の海水では崩れています。
 以下に福島第一原発付近「北放水口」の位置を示します
福島第一北放水口
  ※(7)とGoogle Mapで作成
 図 5 福島第一原発付近「北放水口」の位置

2.セシウム抑制策
  福島県の農協さんは放射性物質の低減策として
  a)カリウムを多めに撒く
  b)ゼオライトによる土壌改良
を実施しているとしています(8)(9)。これは「放射性物質」の低減策ではなく「セシウム」の低減策です。
 カリウムはセシウムと性質が似ているので、カリウムを多くするとセシウムの代わりにカリウムが植物に吸収されセシウムの吸収が抑えられます(10)。でも他の放射性物質は関係ありません。
 ゼオライトは、セシウム、カリウムやストロンチウムを吸収する働きがあるみたいです。でのその順位は
  (1)セシウム
  (2)カリウム
  (3)ストロンチウム
です(11)。ゼオライトがストロンチウムを吸収したとしても、カリウム撒くことによってストロンチウムは追い出され植物に吸収される危険性があると(=^・^=)は思います。
 福島県の農協さんのやっていることは、「放射性物質」の低減策ではなく「セシウム」の低減策です。セシウムを選択的低減すれば、他の放射性物質があっても分からなくなります。当然ながら人工的にセシウムのみを抑えるので①で記載した「放射性ストロンチウムは放射性セシウムの数%もしくはそれより低い値」だから植物も同じとの論理は成立しません。

3.セシウムとストロンチウム90の割合
  前述の通り厚生労働省はストロンチウム90は多くてもセシウムの数パーセントだと主張してます。厚生労働省はMB方式によるストロンチウム90の検査を実施していました(過去形です)。検査手順は
  1)購入した食品をいくつかのグループ(食品群)に分け、ごちゃまぜにする。
  2)セシウムを検査する。
  3)2)の結果、セシウム濃度が高い物についてストロンチウム90の検査を実施する。
  以下に2013年9月、10月に実施されたMB方式の検査でのセシウムに対するストロンチウム90の割合を示します。
  表 1 セシウムに対するストロンチウム90の割合
  ※(12)を集計
セシウムに対し10%近いストロンチウム90がある福島産
 数パーセントに達しています。セシウム汚染の酷い食品群を選んで検査している事、ごちゃまぜで検査しているとことを考えると実際にはもっと割合の大きなものがありそうです。福島産に限って言えば
 「放射性ストロンチウムは放射性セシウムの数%もしくはそれより低い値となっております。」
等との前提は成立しません。

4.お魚のストロンチウム90濃度
  東京電力は3ヶ月1回(3,6,9,12月)に福島第一原発20圏内で取れたお魚のストロンチウム90濃度を発表しています(13)。放射性物質は自然に徐々に減って別の物質に姿を変えます。放射性物質が半分になるまでの時間を半減期と言いますがセシウム137の半減期は約30年、ストロンチウム90の半減期は約29年と(14)、比較的近いので時間がたってもセシウム137とストロンチウム90の割合はそれ程には変らないと思います。
 以下にセシウム137とストロンチウム90のお魚での相関を示します。
セシウム相関がないお魚のストロンチウム90
 ※(13)作成
 図 6 福島第一原発20km圏内のお魚のセシウム137とストロンチウム90の相関

図 4に示しように海水ではセシウム1に対し、ストロンチウム90が0.7程度で割合は安定しているのですが、お魚になるとこのような比例関係はありません。①で記載した「放射性セシウムの測定のみで十分である」は成立しない気がします。
 このサンプリング20km内の各所で実施していますが、以下に福島第二原発沖のサンプル数が多いので、福島第二原発沖のお魚について、カルシウム含有量とストロンチウム90の相関を示します。
カルシウム含有量が多いと高くなるストロンチウム90
 ※1 ストロンチウム90濃度は(13)よる。
 ※2 カルシウム含有量は(15)による。
 図 7 カルシウム含有量とストロンチウム90濃度(福島第二原発沖の魚)

 図を見る限り比例関係にあります。図からいくと100g当たり100mgのカルシウム含むお魚は1キログラム当たり1.63ベクレルのストロンチウム90に汚染されることになります。
  福島原発事故前の福島県イカナゴの生産量は7,872トンで全国5位だったそうです(16)。福島はイカナゴの大産地です。煮干ししたイカナゴは100gたり740mgのカルシウムを含みます。するとイカナゴの煮干しのストロンチウム90濃度はキログラム当たり12ベクレル(1.63×7.4)のストロンチウム90を含むことになります。食品の基準はセシウムとストロンチウム90の比率が10対1になることを想定して設定されています(2)。セシウムの基準が1キログラム当たり100ベクレルですので、1キログラム当たり10ベクレルを超える物は流通しない筈です。でも福島のデータからはこれを超えるストロンチウム90を含む食品(イカナゴの煮干し)が出来そうです。

5.上昇する福島産のストロンチウム90濃度
  厚生労労働省ではマークバスケット方式でのストロンチウム90検査を実施していました。食品をいくつかの食品群に分け、その中からセシウム濃度が高い物を選び出しストロンチウムを測定する検査です(13)。ただ図4-6に示すようにセシウムとストロンチウム90に特段の相関があるわけではないので、平均を取ってみればストロンチウム90の傾向が分かると思います。
上昇する福島産のストロンチウム90
  ※1(16)にて作成
  ※2 NDは検出限界未満を示す
  図 8 マークバスケット方式のストロンチウム90濃度(平均値)

 いったんは全数が検出限界未満になったのですが、その後は最上昇しました。ですが2013年9,10月分(2014年8月発表)を最後にストロンチウム90の検査結果の発表が無くなりました。(=^・^=)が知る限り定期的に行われていたストロンチウム90の検査はこれだけなので、福島産の農産物のストロンチウム90は完全な無検査状態になりました。

6.まとめ
  以上を纏めると厚労省はセシウムを外に漏れ出た放射性物質の大部分はセシウムで、セシウムを検査していれば他は必要ないとしてしていますが
  1)福島第一からは汚染水などとしてセシウムの7割程のストロンチウム90が見つかっている。
  2)福島の農産物は「セシウム抑制策」が取られ、セシウムに付随して他の放射性物質が来てもセシウムしか検査していないので、分からい可能性がある。
  3)数少ないサンプル検査ですら、セシウムに対するストロンチウム90の割合は数パーセントに達している。
  4)福島のお魚には厚生労働省の想定を超えるストロンチウム90に汚染されている可能性がある。
  5)福島の農作物のストロンチウム90は上昇傾向にかるが、検査がされなくなった
等の事実があります。以上の事実はストロンチウム90の検査がされないフクシマ産は「安全」とは言えない事を示すと思います。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 このような事があると福島の方も大変に不安になると思います。「ストロンチウム90は骨に蓄積されることで生物学的半減期が長くなる(長年、体内にとどまる)ため、<中略>ベータ線を放出する放射性物質のなかでも人体に対する危険が大きいとされている」そうです(17)。牛乳はカルシウムが多く含まれる食品です(18)。そして「放射性ストロンチウムは生体内ではカルシウムと同じような挙動をとる。」そうです(17)。福島県郡山市にも乳業メーカーはあります(19)。そこの製品は美味しいそうです(20)。福島県は福島産の牛乳は「安全」だと主張してます(21)。でも(=^・^=)は福島産牛乳のストロンチウム90の検査結果を知りません。
 そして、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産牛乳はありません。
他産地はあっても福島産牛乳が無い福島県のスーパーのチラシ
 ※(22)を引用
 図―9 福島産牛乳が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(2)牛乳のストロンチウム測定について - 専門家が答える 暮らしの放射線Q&A
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会
(4)地理院地図
(5)[PDF]海側地下水および海水中放射性物質濃度上昇問題 ... - 東京
(6)汚染水対策|東京電力
(7)福島第一原子力発電所周辺海域におけるモニタリングの強化 - 福島県ホームページ
(8)農作物放射性物質低減対策の取り組み - JA伊達みらいのホームページ
(9)放射線にたちむかう!JAみちのく安達 安全・安心な米への取り組み - JAみちのく安達-食と農を結ぶJAづくり 福島県二本松市・本宮市・大玉村の農業協同組合
(10)[PDF]カリウムとセシウム ―放射線対策で語られない関係―
(11)沸石 - Wikipedia
(12)食品中の放射性ストロンチウム及びプルトニウムの測定結果(平成25年9・10月調査分) |報道発表資料|厚生労働省
(13)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力中の「2013年12月、2014年3月、6月、9月、12月および2015年3月中の「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域>平成**年度第*四半期採取分 」
(14)半減期 - Wikipedia
(15)[PDF]魚介類
(16)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(17)ストロンチウム - Wikipedia
(18)第1回 牛乳・乳製品の栄養素って、すごい!|知ってミルク|食
(19)福島県酪農業協同組合 - Wikipedia
(20)全国でも人気者!酪王牛乳(郡山市) | ふくしま 新発売。
(21)福島県産原乳について - 福島県ホームページ
(22)イトーヨーカドー 郡山店
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  1. 2015/05/04(月) 20:23:37|
  2. -
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