通商産業省のホームページに、福島第一原子力発電所で見つかったキセノンは、ウランやプルトニウムの核分裂でできたものでないとゆう東京電力の言い分は妥当であるとの原子力保安院の発表がのっていました(1)。その根拠の一つとして
「臨界であればホウ酸水の注入により中性子が吸収され核分裂反応が
抑制されることから臨界が止まりXe135 濃度が減少するはずであるが、
ホウ酸水注入前後においてXe135 濃度の変化が見られない」
とゆうにがありました。そこで、ホウ素を注入したらどれだけ、中性子が減るか「猫」なりに調べてみました。たった、たった12%でした。これでは、核分裂をそれほど抑えらないと思います。だから、保安院の言い分は、疑問です。
以下に詳細を示します。
①福島第一原子力発電所にホウ酸を注入したには、11月2日の午前2時48分から3時47分の1時間です(2)。ホウ酸は、水に溶かして原子炉に送るしかないと思います。水100gに溶けるホウ酸は25℃で、5.7gです。2号機では1時間に10トンの水を送り込んでいた(3)ので、送れたホウ酸の量は
0・57t(10×5.7/100)
です。
②原子力保安院の資料では、原子炉格納容器の容量は、4,240m
3(格納容器内が全て気相と想定した場合4,240m
3を引用)です。そのうち水に浸かっていない部分は3、000m
3(気相容量は一部が冠水していると想定した3,000m
3より引用)です(1)。すると水の量は
1,420トン(4,240-3,000)。重さでは、ホウ酸と水の割合は0.57対1,420です。
です。
③ここから、ホウ素原子と水素原子の割合を計算してみました。
0.57/62(ホウ酸の分子量(2)):1,420/19(水の分子量)×2(水分子1個当たりの水素原子数)
ですので、
水素原子1に対しホウ酸原子は、0.000058の割合になります。
④原子1個当たりの中性子の吸収能力を表すのに、吸収断面積があります。吸収だ面積は
水素 0.322
ホウ酸 759
で(4)、ホウ酸は、水素原子の
2286倍(759÷0.322)
の中性子の吸収能力があります。でも、分子の数が少なすぎます。ホウ酸を入れて、増える中性子の吸収能力は
0.000058×2886×100=13%
増えるだけです。中性子の減少率は、12%になります。たった12%の中性子がへっただけで、核分裂がおさえらるとは「猫」には思えません。
(1)
東京電力株式会社福島第一原子力発電所第2号機の格納容器からのXe135の検出に係る報告書への評価について(2)
東北地方太平洋沖地震による影響などについて【午後3時現在】(3)
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/images/11110206_table_summary-j.pdf(4)
中性子減速に関する性質
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- 2011/11/09(水) 23:11:52|
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