福島県郡山市のHPに4月中の人口動態がアップされていました(1)。これを見たら
2015年4月中の死者数 294人
2010年4月中の死者数 258人
で、14%程増えていました。だた統計誤差が多きので、過去1年の数値で比較してみました。
原発事故4・5年目の2014年(5月―翌年4月) 2,669人
原発事故前年の2009年(5月―翌年4月) 2、373人
で12%増です。偶然に起こる確率を計算したら0.01%なのでおよそ偶然とは思えません。
同じ福島県内でも南会津地方では
原発事故4・5年目の2014年(5月―翌年3月) 454人
原発事故前年の2009年(5月―翌年3月) 436人
で少し(4%)増えていますが、統計的な差はありません。
福島県郡山市は福島県の中央部に市です。南会津郡は福島県南西部に位置する地域です。共に内陸になあり津波被害はありません。

※1(2)のデータより作成
※2 半減期を考慮し、2015年5月1日時点に換算
※3 換算方法は(3)による。
図―1 福島県郡山市と南会津郡
以下に福島県各市および南会津郡の農業生産額を示します。
※(4)を集計

※(4)を集計
図―2 福島県各市および南会津郡の農業生産額
郡山市の農業生産額は福島県随一です。南会津地方の農業生産額は約28億円と郡山市の3分の1程度ですが(4)、人口は郡山市の10分1程度(郡山市約33万人、南会津郡約3万人)(1)(5)ですのでそれなりに農業が盛んな地域です。でも農業形態が大きく違います。以下に福島県各市の福島県産米の全袋検査数を示します。

※(6)を集計
図―3 福島産米全袋検査数(2014年度産米)
福島県郡山市は福島県随一のお米の産地です。郡山市は同市産のお米に「あさか舞」ととブランド名をつけ拡販に努めています(7)。
以下に福島県各市町のトマトの生産量を示します。

※(8)を転載
図―4 福島県のトマトの生産量
南会津郡の主要な町である南会津町のトマトの生産量は福島県随一です。南会津の方は「南郷トマト」との名前を付け拡販に努めています(9)。
福島県郡山市も南会津郡も農業が盛んですが、郡山市の主力農産物は米ですが、南会津郡の主力農産物はトマトです。
福島県は県民健康管理調査・基本調査で福島県民の被ばく線量を調査しています(10)。これを集計すると福島県郡山市では福島原発後か4ヶ月でICRPが1年間の公衆の被ばく限度として定める1ミリシーベルトを超えて平均1.29ミリシーベルトの被ばくをしています(11)。

※(12)を転載
図―5 福島県各市町村の平均被ばく線量(原発事故4ヶ月)
図―5に示す通り、南会津郡の被ばく線量は郡山市に比べ低くなっています。南会津郡は郡山市に比べ放射能汚染が少ない地域です。
以下に福島県郡山市の各年5月から翌年4月までの死者数を示します。

※(1)を集計
図―6 各年5月からの福島県郡山市の死者数
過去1年の数値は以下の通りです。
原発事故4・5年目の2014年(5月―翌年4月) 2、669人
原発事故前年の2009年(5月―翌年4月) 2、373人
で12%増です。偶然に起こる確率を計算したら0.01%なのでおよそ偶然とは思えません。
同じ福島県内でも南会津地方では
原発事故4・5年目の2014年(5月―翌年3月) 454人
原発事故前年の2009年(5月―翌年3月) 436人
で少し(4%)増えていますが、統計的な差はありません。なお南会津郡の人口動態の4月分の発表がありません(5)ので3月までの集計としました。
放射能汚染が酷く、米を中心とした農業を営む福島県郡山市では死者数が有意に増え、放射能汚染が福島県内ではマシで、トマト栽培が盛んな南会津郡では有意な死者数の増加が認められません。これは明確な事実です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
こんなデータが出てくると福島の方は不安になると思います。福島県喜多方市の米の全袋検査数は約89万袋で福島県第二位ですが人口が5万人程度(5)と郡山市に比べ大幅に少ないので、郡山市以上の米作りが盛んな市だと思います。喜多方市は喜多方のお米は美味しいと主張しています(13)。福島県は福島県産米は安全だと主張しています(14)。今年の福島県産米はお値段も手ごろです(15)。でも福島県喜多方市のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(16)を引用
図-7 福島県産米がない福島県喜多方市のスーパーのチラシ
驚いたのは新潟産コシヒカリが載っていたことです。阿賀野川は福島県南会津地方に源流があり、喜多方市を流れ新潟県に注ぎます(17)。喜多方市んのお米は阿賀野川水系の水で栽培されます。新潟の米も阿賀野川の水で栽培されるものがあるので、ある一点を除いて明確な差はないと思います。(=^・^=)も原発事故前は会津産米を食べたのでですが、新潟産米と違いが分かりませんでした。
喜多方市や周辺の米の主力品種はコシヒカリです(18)。このあたりでは新潟産コシヒカリと同じで、産地偽装につかっても内部告発でもない限り露見することはないと思います。同じような米が沢山採れるのにわざわざお隣から買ってくる理由は一つしかありません。(=^・^=)も福島県喜多方市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。計算方法は(19)によります。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
郡山市の現住人口/郡山市(2)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(3)
めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―(4)
福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ(5)
福島県の推計人口(平成27年4月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ(6)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報(7)
郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市(8)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(9月3週)―汚染食品に新たなキノコが仲間入り―(9)
南郷トマトを紹介します! | ふくしま 新発売。(10)
基本調査について - 福島県ホームページ(11)
ICRP: ICRP Publication 103(12)
めげ猫「タマ」の日記 2014年度の福島市の死者数は16%増(対2009年度)(13)
喜多方市ホームページ 平成25年産米の販売促進用シールについて(14)
県産食品の安全・安心を確保する取組み | ふくしま 新発売。(15)
14年産米概算金、暴落 東北まとめ | 河北新報オンラインニュース(16)
ヨークベニマル/お店ガイド(17)
阿賀野川 - Wikipedia(18)
JA会津いいで | 農畜産物(19)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
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- 2015/05/13(水) 19:50:22|
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以下の数値が正しいとすると、「12%増」ではなく「12%減」ですよね。
「4%増」も「4%減」ではないでしょうか。
原発事故4・5年目の2014年(5月―翌年4月) 2、373人
原発事故前年の2009年(5月―翌年4月) 2、669人
で12%増です。偶然に起こる確率を計算したら0.01%なのでおよそ偶然とは思えません。
同じ福島県内でも南会津地方では
原発事故4・5年目の2014年(5月―翌年3月) 436人
原発事故前年の2009年(5月―翌年3月) 454人
で少し(4%)増えていますが、統計的な差はありません。
- 2015/05/14(木) 09:09:45 |
- URL |
- ふく #2B3L1McM
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ふく様
コメントありがとうございます。
Q>間違ってませんか?
A>間違ってます。こっそり直しました。ご指摘ありがとうございます。公開でのご指摘できたので、読者も直ぐに問題点に気づかれたと思います。こうした不具合のご指摘は可能な限り「公開」でしていただければありがたいと思います。
最後に、ご指摘ありがとうございます(__)
- 2015/05/14(木) 19:39:52 |
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- mekenekotama #-
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