めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

トラブルいっぱい福島原発(5月4週)―汚染水漏れ容器に不良部品―

 東京電力福島原発はトラブルが多く、トラブル毎に記事にするは面倒なので、まとめて記事にしています。先週につづき(1)、5月3週(5月17日から22日)もしっかりトラブルが起こっています。

1.汚染水漏れ容器に不良部品
福島第一では汚染水中の一部の放射性物質を分離し東電がHIC(High Integnty Container)(2)と名ずけた容器に保管しています(3)。
汚染水処理系-全体-
 ※(3)を転載
 図―1 福島第一原発汚染水処理系

 汚染水を処理装置の一つに多核種除去設備(ALPS)があります。多核種除去設備で汚染水を処理すれば、汚染水のカスがどんどん出て来ます。これをHICと呼ばれる容器に保管しています(4)。HICに入れられた「カス」の放射線は非常に高くなります。放射線は分子を分解し、例えば水に当てると水素などのガスが出てくるそうです(5)。HIC内のカスは汚染水から分離したものですから「水分」を含んで居ます。実際にHIC内では水素が発生しています(7)。このままだとHIC内に水素が溜り「水素爆発」なんてことも想定されます。
 このような事を避けるためだと思いますが、HICの蓋はガス抜き用の穴(ベント孔)を開ける設計になっているそうです(7)。5月22日に原子力規制委で「第35回特定原子力施設監視・評価検討会」が開かれました(6)。その場で東京電力は福島第一原発で使用されているHIC(放射性物質を入れる容器)の蓋の中にガス抜き用の穴が無い物があったと発表しました。
 4月2日に、HIC(容器)のガス抜き穴から放射性物質を含む廃液が漏れていたことが発覚しました(8)。これを受けて点検作業をしていた協力企業の作業員が、4月下旬にふたに穴のない容器を発見したそうです(7)。でも東電が発表したのは約1か月後の5月22日です(7)。福島第一原発の排水路から高濃度の放射性物質が流れ出しているを東電社員様は2014年4月から気づいていたのに、公表は2015年2月なんて似たような話が最近あったばかりです。この件では漁師さんを始め福島の方を大変に怒らせました(8)。福島のマスコミ各社(10)(11)(12)(13)(14)とプロパガンダ機関(15)(16)のネット発信を見ると本件は扱っていないので、余りしられることはないとおもいまが、知れ渡れば東電は信用を失う気がします。蓋に「穴」ないHIC(容器)が出た原因を東電は
 ①製造工程で「穴」をあけ忘れた。
 ②出荷時の「穴」があるか検査しなかった。
 ③受け入れ時にも「穴」の検査をしなかった。
としています。HIC(容器)は下請けさんが外国の企業から購入したもで、東電様が直接に調達したもではないそうです。なをHIC(容器)約1400基のうち、穴の有無を検査していなかった容器は未使用分も含め334基とのことです(7)。

2.今漏れたいない容器(HIC)も今後は汚染水漏れを起こします。
 4月2日に容器(HIC)の蓋から汚染水が噴き出していることが発覚しました(8)。この原因について東京電力は
  放射線によって水などが分解し、ガスが発生し容器内の汚染水が押し出された
にのが主原因であると原子力規制委に報告しました(6)(7)。この考えのから導かれる結論として、線量が低く今漏れていない物も日が経てばガスが増え汚染水が漏れ出すとしています。そして以下のような図を出してきました。
 時期が来ればすべての容器から汚染水が漏れ出すとする東京電力
 ※1(7)を加筆、修正
 ※2青線の右上では汚染水漏れが起こる
 図―2 表面線量と保管日数により漏れ出す閾値

 図に示す通りこれから保管日数はどんどん増えます。図―2全体が上の方にシフトしていきます。当然ながら汚染水漏れを起こすHIC(容器)はこれからもどんどん増えています。汚染水が漏れ出した容器(HIC)は先週は20基でしたが(1)、今週は28基になったそうです(28)。
 (=^・^=)にはもっと心配な事があります。いま汚染水が漏れている容器(HIC)の放射線が無くなる訳がないので、これかも「ガス」は発生し続けます。ガスがでれば汚染水は押し出され外に漏れ続けます。東電によると揺すると汚染水漏れは止まるそうですが、一時的な効果しかないと思います。現状でも約1400基でこれからも増える容器(HIC)の全てを定期的に点検する必要がありそうです。いつまでかと言えば、現状では抜本的な対策がないので「永遠」にです。
 そしてもう一つ心配な事があります。容器(HIC)から「水素」が見つかっています。水素は軽いので(17)、上空へ舞い上がり風に流され福島第一原発の外に出ていくと思います。福島第一の「水素」は普通の水素とは違います。放射線を出す「トリチウム」を多く含んでいます(18)。やがて酸素と反応し「トリチウム水」になり福島の台地に「トリチウム雨」となって降りそうです。「トリチウム雨」は植物を育みトリチウム米やトリチウム牧草が出来そうです。それを牛さんが食べたらトリチウム牛もできそうです。


3.汚染水タンクの「堰」完成までに9ヶ月
 福島第一原発の汚染水タンクには概ね4種類の汚染水が保管されています(19)(20)。
  ①RO濃縮水(ストロンチウム90が1リットル当たり1600万ベクレル)
    タービン建屋からくみ上げた汚染水のセシウムを荒どりし、原子炉を冷やすための「淡水」を取り出したあとの絞りカス
  ②濃縮廃液(ストロンチウム90が1リットル当たり2億8000万ベクレル)
   ①のRO濃縮水を煮詰めて濃くした汚染水(21)
  ③SR処理水(ストロンチウム90が1リットル当たり44,000~21万ベクレル)
   タービン建屋からくみ上げた汚染水のセシウムとストロンチウム90が1リットル当たりを荒どりし、原子炉を冷やすための「淡水」を取り出したあとの絞りカス。あるいは①のRO濃縮水からストロンチウム90を荒どりした汚染水(3)。
  ④処理水(ストロンチウム90が1リットル当たり0.1~1000ベクレル)
   ①のRO濃縮水からストロンチウム90の他、色々な(ただしトリチウムとウランは別)放射性物質を荒どりした汚染水(22)

 汚染水の形態でストロンチウム90濃度が大幅に違います。最も濃い濃縮廃液と薄い処理水では10万倍違います。福島第一原発の汚染水タンクは過去に重大な汚染水漏れを起こしています(23)。そこでタンクから「汚染水」漏れても外に流れでないようにタンクの周りに「堰」を設けることになっています。ただし汚染水が日々増え続けているので、まずタンクを作り使い始めた後で、「堰」をつくる工程になっています(19)。
 東電は福島第一の汚染水タンクにHとかJとか名前を付けています。その一つのDエリア付近の汚染水の保管状況を示します。
高濃度の汚染水が集中的に保管されているDエリア
  ※(19)にて作成
 図―3 Dエリア付近の汚染水保管状況

 Dエリアには福島第一の汚染水の中でも汚染が凄まじい濃縮廃液やRO濃縮水が集まっています。以下にDエリアの堰の設置に日程をしめします。
汚染水タンク運用開始から堰完成までに9ヶ月のDエリア
※(19)を抜粋加筆
 図―4 Dエリアのタンク・堰の工事の状況


 Dエリアの汚染水タンクは2014年8月末から使い始めましたが、堰が完成するのは9ヶ月後の2015年5月末です。福島第一原発では、高濃度の汚染水が入ったタンクを「堰」なしで9ヶ月も運用していました。

4.覆いが動いた
 福島第一原発1号機は現在時点(2015年5月23日)ではカーバーに覆われています。
カバーで覆われている1号機
※(24)をキャプチャー
 図―5 カバーに覆われた福島第一原発1号機

 5月15日からカバーを取り除く工事を始めましたが(25)、早速トラブルです。カバーを取り外す前に、カーバー内の放射性物質が飛び出ないように東電がバルーンと命名した覆いを取り付けました。以下に取り付けた時の覆いの状態を示します。
ちゃんと取り付けられた覆い
 ところが5月21日に確認いたらカバーずれていたそうです。
ずれてしまった覆い
 ※1(27)を引用
 ※2 源図が暗いので、明るさを調整
 図―7 5月21日のバルーンの状態

 建屋カーバーの解体工事を一時、停止するそうです(28)。

5.凍土壁の「安全審査」の結論は「海側遮水壁」をまず最初に
  福島第一原発では日々、汚染水が増えています。
日々増え続ける福島第一汚染水
  ※(29)を転載
 図―8 日々増え続ける福島第一の汚染水
 汚染水の増加を抑える事が急務です。福島第一原発で汚染水対策として
  ①原子炉建屋間近の地下水を海あげて海に流し、原子炉タービン建屋への地下水の流入を抑えるサブドレイン
  ②海側の壁をと閉じて汚染水の海への流れを止め、海に流れる汚染水は溢れ出ないように汲み上げやはり海に流す海側遮水壁と地下水ドレイン
  ③原子炉やタービン建屋の山側に氷の壁を作り、地下水の侵入を抑える陸側遮水壁(山側)
  ④原子炉やタービン建屋の海側に氷の壁を作り、地下水の侵入を抑える陸側遮水壁(海側)
行先不透明な福島第一汚染水抑制策
 ※(29)を転載
 図ー9 東電が実施を計画している汚染水抑制対策

 これまでの東電と原子力規制委のやり取りを聞いていると(6)(29)(30)、東電は場合によって③④を先行させたい意向をもっているのに対し、原子力規制委は①②③④の順で実施することを求めているようです。5月22日に開かれた「第35回特定原子力施設監視・評価検討会」は①から④までの説明をしました(31)。そしたら、原子力規制委の担当委員は
 「ずいぶん先まで答えていただいているけど、やっぱり最初の段階でしょ」
とコメントし順序が変えられない旨を明言しました。
 ①②を実施する場合、福島第一原発の敷地からくみ上げた汚染水を海に流すことになるのですが、排水路から海洋への汚染水流出を東電が隠していたことが発覚し、福島の漁師さんを怒らせてしまい汚染水を汲みあげて海に流すことに了解が得られなくなったためです(9)。来週に東電は福島の漁師さんにサブドレインについて説明する予定になっています(33)。上手くいくかどうかは福島第一原発の汚染水対策にとって重要なので、来週に報告したいと思います。

4.温度計の配線を間違えました。
 福島第一原発では凍土壁の試験凍結を4月30日より実施しています(34)。途中経過が5月14日(35)と5月21日(36)に発表になりました。地中の温度がどのように変化するか調べる為に地中に温度計を入れ温度を測定しています(34)(35)。以下に温度計No15の温度推移を示します。
温度表示が大幅に変更となった凍土壁No15温度計
 ※1(34)(35)で作成
 ※2 切り貼りと縦横比をいじってます。
 図―10 凍土壁試験凍結No15の温度計の温度の比較

 図に示す通り、性状が全く違います。東電は5月21日の会見(37)で、No15の温度計の配線を間違えて測定したため、修正してデータも修正したと説明していました。東電は凍土壁の試験で配線間違いを起こしたこれに気づかず試験に突入したみたいです。
 この試験の最大の関心事は確り凍らすことができるかです。以下に凍結管(冷たい液体を流す地中に置かれたパイプ)と温度計の温度を示します。
500先では0℃を超えるものをある凍土壁試験凍結の地中温度
※1(36)で作成
 ※2 の線は(=^・^=)のデータから求めた近似曲線
 図―11 凍結管の距離に依存する地中温度(5月21日発表分)

 ばらつきはありますが、概ね地中温度は凍結管からの距離で決まります。凍結管の平均間隔は516mmなので(1)、500mmを超えた範囲で最低でも0℃以下になる必要がありますが、ばらつきも含めると無理な気がします。東電は会見で(37)、先週に比べ温度が下がったと説明したので、(=^・^=)がデータから求めた近似曲線を比較してみました。
殆んど温度変化の無い凍土壁試験凍結
 ※1(35)(36)より作成
 ※2 5月14日発表分は温度計No15のデータを使用せず
 図―12 5月14日と5月21日発表の地中温度(近似曲線)の比較

 あまり下がっていないようです。これからどんどん下がらなくなります。

5.福島第一2号機のベントは失敗していた
 東京電力は2011年の福島第一原発事故時に実施した2号機のベント(圧力容器に繋がる配管を開いて、圧力容器内の気体を外にだし、圧力を下げる操作)が失敗していたと発表しました(38)。圧力容器から排気塔に繋がる配管の途中にラプチャーディスクとフィルターがあるのですが、ラプチャーディスクは放射性物質に汚染されていな事
排気塔と圧力容器の間にフィルタとラプチャディスクがある配管系統
※(39)をキャプチャー
 図―13 ラプチャーディスクが汚染されていなかったとする東電

 そしてフィルタは入口より出口の方が放射性物質汚染が酷いことです。
入口に比べ出口が高いフィルタの汚染
※(39)をキャプチャー
 図ー14 フィルタは出口の方が放射性物質汚染が酷いとする東電

 ベントが成功していればフィルタの入口の汚染が酷いはずだと説明します。
 これについて原子力規制委の田中委員長は5月20日の会見で疑問を呈していました(40)。(=^・^=)も会見(41)を聞いていたのですが、全て納得できたわけではありません。
 東電では柏崎刈羽原発ではこのような事が無いように対策とった事を強調していました(38)(41)。福島ではベントに失敗したので、大変な放射能汚染を引き起こしたが、柏崎刈羽はベントが確り動くので万が一に事故が発生しても福島の様にならないと主張しているようでした。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 トラブルが続発する福島原発、これでは福島の方も心配だと思います。福島牛は美味しいそうです(42)。生産者も福島県も福島牛は安全だと主張しています(43)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
他県産牛肉はあっても福島産がない福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(43)を引用
 図―15 福島産牛肉が載っていない福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発―凍土壁って凍るの?―
(2)放射性液体廃棄物処理施設及び関連 - 東京電力
(3)めげ猫「タマ」の日記 SR処理水について
(4)めげ猫「タマ」の日記 多核種除去設備(ALPS)について
(5)放射線分解(ホウシャセンブンカイ)とは - コトバンク
(6)第35回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(7)(6)中の「資料2 HIC上のたまり水発生の原因と対策の検討・実施状況【PDF:2MB】」
(8)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(4月1週)-2週連続火事-
(9)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(2月4週)―高濃度の汚染水漏れは1年間隠します―
(10)福島民報
(11)みんゆうNet : 福島民友新聞社-福島県のニュース・スポーツ-
(11)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ
(12)TUFchannel - YouTube
(13)FTV8 - YouTube
(14)福島県内ニュース|KFB福島放送
(15)めげ猫「タマ」の日記 2014年に放射性セシウム汚染食品の拡販に貢献した方々
(16)NHK福島放送局
(17)水素 - Wikipedia
(18)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(19)(6)中の「資料3 滞留水貯留タンクエリアの堰設置状況【PDF:4MB】」
(20)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第202報)|東京電力
(21)
(22)めげ猫「タマ」の日記 多核種除去設備(ALPS)について
(23)福島第一原発事故報告
(24)福島第一ライブカメラ(1号機側)|東京電力
(25)廃炉プロジェクト|東京電力
(26)2015年5月22日福島第一原子力発電所 1号機 原子炉建屋3階機器ハッチ開口部バルーンのずれについて(PDF 1.14MB)PDF
(27)東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋3階機器ハッチ開口部バルーンのずれについて
(28)2015年5月23日福島第一原子力発電所の状況について(日報) 【午後3時現在】
(29)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(4月4週)-汚染水1万m3が行方不明-
(30)第34回特定原子力施設監視・評価検討会 | 原子力規制委員会
(31)(30)中の「資料4 建屋への地下水流入抑制策について-基本シナリオにおける陸側遮水壁閉合の進め方-【PDF:2MB】別ウインドウで開きます」
(32)(30)中の「会議映像別ウインドウで開きます YouTube」中の2:51頃
(33)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(5月2週)―汚染水漏れタンクを再利用して汚染水漏れ―
(34)陸側遮水壁|東京電力
(35)2015年5月14日福島第一原子力発電所陸側遮水壁試験凍結の状況について(PDF 1.09MB)
(36)2015年5月21日福島第一原子力発電所陸側遮水壁試験凍結の状況について(PDF 1.42MB)PDF
(37)【5月21日】東京電力 Jヴィレッジ原子力定例会見 - 2015/05/21 18:30開始 - ニコニコ生放送
(38)福島原子力事故発生後の詳細な進展メカニズムに関する未確認・未解明事項の調査・検討結果「第3回進捗報告」について|東京電力
(39)映像|写真・映像ライブラリー|東京電力
(40)原子力規制委員会 定例記者会見 (平成27年5月20日) NRAJapan
(41)東京電力 福島原子力事故 未確認・未解明事項の調査結果(第3回) 記者会見 - 2015/05/20 10:30開始 - ニコニコ生放送
(42)JA全農福島/JA全農福島オンラインショッピング
(43)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
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  1. 2015/05/23(土) 20:48:39|
  2. -
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