食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。6月5週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。先週に続き今週もしっかり基準値超えが見つかっています(4)。
①検査数2,376件中24件の基準値超え(全体の1.0%)
②平均は、1キログラム当たり5.1ベクレル、最大830ベクレル(福島産イノシシ)。
③基準超の食品が岩手、宮城、福島、群馬で見つかっています。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(5)を参照
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2015年6月5週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
1.危険なセシウム汚染フクシマ産を2ヶ月以上は二ヶ月以上も秘匿
福島県が調べている原発事故後4ヶ月間の被ばく線量(7)を(=^・^=)なりに集計すると、福島県本宮市の平均の被ばく線量は1.56ミリシーベルトで福島県(もちろん全世界)第3位です。

※(7)を集計
図―2 福島県上位8市町村の原発事故後4ヶ月(2011年3月11日から7月10日)の被ばく線量
福島県には59の市町村があるので福島県内でもセシウム汚染が酷い市です。以下に本宮市の位置を示します。

※1(8)の数値データを元に(9)に示す手法で6月1日時点に換算
※2 放射線量は2015年6月1日時点
図―3 本記事で取り上げる地域
図―3に示す通り、福島県本宮市の大部分は未だに国が除染が必要している毎時0.23マイクロシーベルト(10)を超えています。
本宮市産大豆から基準値を超える1キログラム当たり120ベクレルのセシウムが見つかりました。検査は4月10日に終わっていたのですが、公表されたのは2ヶ月も後の6月29日です(3)。基準値超えの危険な福島セシウム汚染食品が長期に渡り秘匿されていました。
2.福島主産地で桃の収穫始まる・検査結果はありません
福島盆地は福島県の北部に位置し、福島市・伊達市・国見町・桑折町からなります(11)。図―1に示すように福島市、伊達市、桑折町の住民の被ばく線量は上位にランクしていますし、図―3に示すように大部分が国が除染を必要とする毎時0.23マイクロシーベルトを超えており、福島県内でもセシウム汚染の酷い場所です。
以下に福島県のモモの生産量を示します。

※(12)を集計
図―4 福島県のモモの生産量(2007年)
図に示す通り福島盆地の市や町が生産量の上位を示しています。福島県を果樹王国とみる向きもありますが(13)、福島県の果物の生産は避難地域を除けば福島県内でもセシウム汚染の酷い福島盆地に集中しています。
福島盆地の北部を占める伊達地区でモモの収穫が始まったそうです(14)。福島県が運営する福島産のセシウムの検査結果を検索するサイトで(15)、福島盆地のモモの検査結果を調べたら、検査結果が出て来ません。検索は「果物⇒モモにチェック⇒福島市、伊達市、桑折町、国見町にチェック」で実施しました。それでも福島産果物も公式キャンペーンクルーのミスピーチを(16)、ミセスでありながら務める井上幸さん(17)はミスピーチのブログで
「福島に未だに残る風評被害…
ですが!
きちんと検査を行っていますので、安心して『くだもの王国福島』の美味しさを堪能して頂きたいです。」
と主張しています(18)。福島って検査していなくても「きちんと検査を行っています」と主張し、福島産を正しく恐れる方を「風評被害」と非難しているようです。
蛇足ですが福島市のサクランボも検査結果のままで出荷が始まりました(19)。
3.福島・国見町のイノシシのセシウム濃度は上昇中
福島県国見町は、福島県の最北端に位置し、農業を主な産業にしています(20)。町の花は「モモ」ですが、図―4に示す通り福島県内4位のモモの生産量がありモモの栽培が盛んな町です。厚生労働省の6月29日の発表によると国見町のイノシシから1キログラム当たり480ベクレルのセシウムが見つかったそうです(3)。昔は低かったような気がしたので国見町のイノシシのセシウム濃度を纏めてみました。

※(1)を集計
図―5 国見町のイノシシのセシウム濃度推移
確り上昇傾向です。でも上昇がみられたのはイノシシだけでは無いようです。以下に国見町産のサクランボのセシウム濃度を示します。

※(1)を集計
図―6 国見町産サクランボのセシウム濃度
去年(2015年)は全数が検出限界未満ですが、今年は検査2件中1件でセシウム入りです。国見町などの福島盆地は間もなく「モモ」のシーズン(21)、大丈夫ですかね?
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
・基準超えが見つかってもしばらくは秘匿される福島産
・検査をして無くても検査して安全と主張される福島産
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
これでは福島の方は心配だと思います。図―4に示すように福島県福島市は福島県最大のモモの産地ですが、モモの一人当たりの消費額も全国一位だそうです(22)。福島ではモモの収穫が始まりました。ほぼ10ヶ月ぶりの「地元」の新鮮なモモです。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産モモはありません。

※(23)を引用
図―7 他県産はあっても福島産モモが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第936報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月4週)―福島のスズキは全数ND、茨城は僅か13%がNDー(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)
第19回福島県「県民健康調査」検討委員会 資料の掲載について(平成27年5月18日開催) - 福島県ホームページ中の「 資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/1022KB]」
(8)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(9)
めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―(10)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(11)
福島盆地 - Wikipedia(12)
統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103(13)
果樹王国 - Wikipedia(14)
「早生種モモ」収穫始まる JA伊達みらい、糖度・着色十分(福島民友トピックス)(15)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。(16)
ミスピーチキャンペーンクルーについて(17)
ミスピーチ12人決まる 福島の果物、全国PRへ | 県内ニュース | 福島民報(18)
ミスピーチキャンペーンクルーのブログ 2015ミスピーチキャンペーンクルー 井上 幸(19)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月2週)―マーケットからセシウム汚染食品、でも5日間公表ぜずー(20)
町の概要 | 国見町ホームページ(21)
もも - みらいのフルーツ - JA伊達みらいのホームページ(22)
福島市の「納豆」「もも」「ラー メン」の消費額は日本一(23)
チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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テーマ:どうでもいい報告 - ジャンル:日記
- 2015/06/30(火) 19:45:56|
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