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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

楢葉町は9月5日に避難解除決定―10年経っても半分は除染が必要な0.23(μSv/h)以上―

 福島県楢葉町が福島原発事故でほぼ全域が避難区域に指定されましたが(1)、9月5日に避難指示の解除がきまりました(2)。今後の放射線量が心配なので10年後の放射線量を見積もったら、半分程度は除染が必要な1時間当たり0.23マイクロシーベルト以上です。
 福島県楢葉町は福島県沿岸部中部に位置する町で、福島第一原発事故によって大部分が避難地域になりました。
除染が必要な放射線量を超えている楢葉町
 ※1放射線量は(3)のデータを(4)を示す方法により6月1日に換算
  ※2避難区域は(1)よる。
 図―1 福島県楢葉町

 7月6日に9月5日に避難解除することが決まりました(2)
避難指示解除を報じる福島県の地方紙・福島民報
  ※(5)を7月7日に閲覧
 図―2 楢葉町の避難指示解除を1面トップで報じる福島県の地方紙の福島民報

 避難指示解除を前に住民説明会が実施されました(6)また、資料が楢葉町のホームページに載っていました(7)。(=^・^=)なりにみるとポイントは3つです。
 ①放射線量が下がり、危険がなくなった。
 ②水道の安全性について
 ③生活環境の整備について
です。水道について解説すると、楢葉町の水源は木戸ダムですがダム湖の湖底から1キログラム当たり1万ベクレルを超えるようなセシウム見つかっていますが(8)(9)、
高濃度のセシウムが残っている木戸ダムの湖底
 ※(8)にて作成
 図―3 木戸ダム・ダム湖湖底の土のセシウム濃度

 当然ながら水道水に混入しないか住民は心配すると思います。これに対し安倍出戻り内閣の副大臣は「安心は心の問題」と言ったそうです(10)。(=^・^=)は単なる技術論だと思うのですが・・・。そして説明を見ていると多重のチェック体制をとっておりすり抜ける心配はないと説明しています。(=^・^=)は似たような話を聞いた事がありますが(11)、福島では多重防護が共通の外的要因で一斉に機能を失い意味をなさなかったのは記憶に残るところです。
 (=^・^=)が説明資料で関心は放射線量の記述です。最初に線量が下がったことを強調しています。
線量が低下したことを強調する説明資料
※(7)を抜粋
 図―4 放射線量が下がったことを強調する「説明会資料」

 凡例が非常に醜いので、凡例部分を拡大し表示し、文字を横につけます。
字がかすれるくらいに小さい凡例
 ※(7)に加筆
 図―5 説明会資料「凡例」部分

 (=^・^=)が怪しいと思ったのは2014年11月7日の線量分布です。以下に(=^・^=)が作成した「年間積算線量(mSv/Yr)」を示します。
説明資料よりは実際は高い「年間積算線量」
 ※1(4)より作成
 ※2 年間積算線量(mSv/Yr)=空間線量率(μSv)×365日×24時間÷1000(μSv⇒mSv換算)で計算
 図―6 (=^・^=)が計算した「年間積算線量」

 説明資料より高くなっています。この時点で説明がおかしくなっています。資料が「年間被ばく線量」でなく「年間積算線量」であることに注意してください。
 当該の資料では
 「100ミリシーベルト以下の被ばく線量域では、がん等の影響は、他の要因による発がんの影響等によって隠れてしまうほど小さく、疫学的に健康リスクの明らかな増加を証明するとは言い難いと国際的に認識されてる」
と主張しています。最近の報道によれば
「低線量の放射線を長期間にわたって浴びることで、白血病のリスクが上昇するとの疫学調査結果を、国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)などのチームが1日までに英医学誌ランセット・ヘマトロジーに発表した。」
があり(12)、低線量の被ばくリスクを否定するものではありません。
 そこで放射線量がどれくらいになるか(=^・^=)なりに計算してみました。
避難解除時も除染が必要なレベルの楢葉町の放射線量
 ※1放射線量は(3)のデータを(4)を示す方法により9月5日に換算
  ※2コンビニ位置は(13)(14)による。
  ※3仮設商店の位置は(15)による。
  ※4作業員宿舎は(16)による。
 図―7 避難指示解除時(2015年9月5日)の放射線量

 大部分が国が除染を必要とする1時間当たり0.23マイクロシーベルト(17)を超えています。短期間であれば大きな問題にならないと思い10年後の放射線量を計算してみました。
10年経っても半分以上で除染が必要なレベルの楢葉町の放射線量
※1放射線量は(3)のデータを(4)を示す方法により2025年9月5日に換算
 ※2凡例は図―7に同じ
 図―8 避難指示解除後10年(2025年9月5日)の放射線量

 10年経っても半分は除染が必要な毎時0.23マイクロシーベルト以上です。20年で大幅にへるかと言えばそのような事はありません。以下に20年後の放射線量を示します。
20年経ってもなかなか下がらない放射線量
 ※1放射線量は(3)のデータを(4)を示す方法により2035年9月5日に換算
 ※2凡例は図―7に同じ
 図―9 避難指示解除後10年(2035年9月5日)の放射線量

 説明資料では放射線量が下がったと説明していますが、これからは下がらなくなります。報道によれば
 「事故で放出された放射性物質のうち、セシウム134は物質量が半分になる半減期が2年なのに対し、同137は30年と長い。このため除染を徹底しなければ、今後の急速な線量低下は見込めない。」
との事です(17)。でも説明の資料にはこれからは放射線量が下がらなくなるとの説明はありません。
 毎時0.23マイクロシーベルトはICRPが公衆被ばく限度とする年間1ミリシーベルトに相当しますが(17)(7)、国の説明資料では
 「公衆被ばく限度(年間1ミリシーベルト)は<中略>放射線による被ばくにおける安全と危険の境界を表したものではないとしている」
と主張しています(7)。そこで1ミリシーベルトの被ばくがどの程度のリスクか(=^・^=)なりに見積もってみました。ICRPによれば
 ①被ばく線量と癌による死亡率は比例すると考えるべき
 ②1000ミリシーベルトで5.5%の方が癌になる
としています。1000ミリシーベルトで10万人当たり5500人です。1ミリシーベルトでは5.5人になります。福島県の交通事故による死亡率は人口10万人当たり4人ですので(20)、これを超える数字です。
 交通事故はリスクとして明確に存在し、低減を図るべきものとして社会的な合意ができていると思います。楢葉町に帰還することは、相当の期間に渡り交通事故程度またはそれ以上の放射線リスクを負います。でも
  「安心は心の問題」
見たいな発言にありように国はノンリスクで押し切ろうとしています。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 これから放射線量は下がらなくなります(17)。避難指示を解除するタイミングは今しかないと思います。今なら「放射線量が下がった」との説明ができますが、これからは下がらないのでこの説明が困難になります。国は交通事故程度のリスクがある放射線リスクをノンリスクのように説明しています。たぶん行政の価値判断として多少のリスクはあっても避難指示は解除すべきと考えていると思います。
 「楢葉町役場では、松本町長が『職員一人一人の対応に町の将来がかかっている』とし、若い世代を含め、町民の帰還を粘り強く進める考えを職員に伝えた。」
とのニュースが流れてきました(21)。
町民でなく町の将来がかかっていると話す楢葉町町長
※(22)をキャプチャー
 図―10 「職員一人一人の対応に町の将来がかかっている」とく話す楢葉町町長

 (=^・^=)は行政は住民に対するサービス機関だと思っています。住民が安全に豊かで幸福な生活をできるようにするのが責務だと思います。でも楢葉町は違うようです。「町の将来がかかっている」と話すように、重要なのは「町民」でなく「町」です。「町」の為なら交通事故程度のリスクは知らない振りをするような気がします。
 これでは福島の方は大変に不安だと思います。
 初夏に入り福島はトマトのシーズンになりました(23)(24)(25)。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています(26)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(26)を引用
 図―11 福島産トマトが無い福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(2)9月5日に先送り 楢葉の避難解除 政府「来月10日」断念 | 県内ニュース | 福島民報
(4)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(5)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(6)楢葉町の住民懇談会終える 町内の放射線に不安の声:朝日新聞デジタル
(7)避難指示解除決定に係る町長メッセージ|楢葉町公式ホームページ中の「参考資料」
(8)楢葉町除染検証委員会(第5回)の資料公表について|楢葉町公式ホームページ中の「資料2 小山浄水場が供給する水道水の現状と安心に向けた取組について (復興庁・内閣府・厚生労働省・環境省・福島県・双葉地方水道企業団)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島県楢葉町準備宿泊開始―大丈夫?―
(10)楢葉町避難解除へ:副経産相「安心は心の問題」毎日新聞 2015年07月06日 22時24分(最終更新 07月07日 09時14分)
(11)多重防護 - 安全を守る技術的なしくみ | 電気事業連合会
(12)東京新聞:放射線低線量でも白血病リスク 欧米作業員30万人を疫学調査:社会(TOKYO Web)
(13)楢葉町上繁岡店|FamilyMart店舗検索|ファミマップ
(14)店舗検索|セブン‐イレブン~近くて便利~
(15)楢葉町仮設商業共同店舗 ここなら商店街(楢葉町) / 観光情報 - ふくしまデスティネーションキャンペーン 2015.04.01~06.30
(16)除染作業員宿舎を集約 楢葉町の休業ゴルフ場に | 河北新報 ...
(17)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(18)福島原発周辺の放射線量 「準備区域」で45%減  :日本経済新聞
(19)ICRP: ICRP Publication 103
(20)[PDF]84 交通事故死者数(人口10万人当たり) [PDFファイル
(21)ニュース|福島中央テレビ
(22)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2015年7月7日(火)放送」
(23)とまと - みらいのベジタブル - JA伊達みらいのホームページ
(24)チェリートマト - JAみちのく安達-食と農を結ぶJAづくり 福島県二本松市・本宮市・大玉村の農業協同組合
(25)日本農業新聞:詳細 | JAしらかわ(白河農業協同組合)
(26)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(27)チラシ情報 | スーパーマーケットいちい
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  1. 2015/07/08(水) 19:55:40|
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