福島県福島市の6月中の人口動態が発表になったので(1)、今年前半と原発事故前の2010年の値を比較してみました。
原発事故5年目の2015年前半(1―6月) 1,700人
原発事故前年の2010年前半(1-6月) 1、460人
で16.4%増です。偶然に起こる確率を計算したら5万分の1程度なのでおよそ偶然とは思えません。
同じ福島県内でもいわき市は
原発事故5年目の2015年前半(1―6月) 2,252人
原発事故前年の2010年前半(1-6月) 2,113人
で6.6%増ですが、福島市程ではありません。偶然に起こる確率を計算したら3.5%なので「偶然」ともいえる数字です(2)。(=^・^=)なりに福島市といわき市の違いを調べたら、福島市はいわき市に比べ農業が盛んでセシウム汚染が酷い市でした。
福島県には人口30万人程の市が3つなります。郡山市(人口約33万人(3))、いわき市(人口約32万人(4))、福島市(人口約28万人(1))です。4位の会津若松市が約12万人(5)なので郡山、いわき、福島は福島県の3大都市とえると思います。以下に位置を示します。

※1(6)の数値データを元に(7)に示す手法で7月1日時点に換算
※2 放射線量は2015年7月1日時点
図―1 福島県福島市と福島盆地、郡山市、いわき市
福島市を最後に6月中の人口動態が発表になったので、各年前半(1-6月)の死者数を集計してみました。以下に福島市の死者数の推移を示します。

※(1)を集計
図―2 福島県福島市の死者数(各年前半)
福島原発事故後から死者数が増え、
原発事故5年目の2015年前半 1,700人
原発事故前年の2010年前半 1、460人
で16.4%増です。偶然に起こる確率を計算したら5万分の1程度なのでおよそ偶然とは思えません。
以下に福島県郡山市の各年前半の死者数を示します。

※(3)を集計
図―3 福島県郡山市の死者数(各年前半)
福島原発事故後から死者数が増え
原発事故5年目の2015年前半 1,732人
原発事故前年の2010年前半 1、510人
で14.7%増ですが、福島市程ではありません。偶然に起こる確率は0.01%なので偶然と考えるのは無理があると思います。
以下にいわき市の死者数を示します。

※(4)を集計
図-4 福島県いわき市の死者数(各年前半)
原発事故後もそれ程には増えていません。
原発事故5年目の2015年前半 2,252人
原発事故前年の2010年前半 2,113人
で6.6%増ですが、福島市や郡山市程ではありません。偶然に起こる確率を計算したら3.5%なので「偶然」ともいえる数字です(2)。
3市の違いについて(=^・^=)なりに調べてみました。図―1に示す通り、福島市や郡山市は内陸の市ですので、原則、津波被害はありません。一方でいわき市は沿岸部の市で津波被害がありました(8)。
図―1に示すようにセシウム汚染に3市では差があります。以下に福島県は県民健康管理調査・基本調査で福島県民の被ばく線量を調査しています(14)。これを集計すると福島市は福島原発後か4ヶ月でICRPが1年間の公衆の被ばく限度として定める1ミリシーベルトを超えて平均1.42ミリシーベルトの被ばくをしています。

※(14)を集計
図―5 福島県各市町村の平均被ばく線量(原発事故4ヶ月)
図―5に示す通り、3市で比較すると福島市が最も高く、次に郡山市そしていわき市です。1位の飯舘村は原発事故後にしばらくして避難したので、避難区域を除けば二本松市が最高の値ですが、福島市も同じレベルです。セシウム汚染の度合いを見れば
福島市 ―避難地域を除けば酷い場所
郡山市 ―セシウム汚染は中位
いわき市―福島県内ではセシウム汚染が相対的に低い場所
になります。
以下に原発事故前年の福島県各市および南会津郡の農業生産額を示します。

※(11)を転載
図―6 福島県各市および南会津郡の農業生産額
原発事故前年には福島県随一の農業生産額を達成していました。但し人口は約28万人と、福島県第3位ですので、農業が盛んな市です。
農業は果樹中心となっています。

※(12)を引用
図―7 福島市の農業の構成
ただ、福島原発事故により図―1に示す様に福島市内は放射能に汚染され福島産を正しく恐れる多くの方の買い控え主力のモモの価格が大幅に下落しました。

※(13)を引用
図―8 原発事故後に低迷した福島のモモの価格
このためでしょうか?2011年は農業出荷額の首位を郡山市に渡してしまいました(14)。それでも(=^・^=)は農業が盛んな市だと思います。ただし福島市の果物は原則露地栽培であり、福島原発事故によて放射能が木にあたったで、それなりの放射能汚染リスクがあると思います。
農業が盛んでセシウム汚染の酷い福島市では大きく増え、そうでもないいわき市はそれ程でもない。中間の郡山市は死者数の増加も中間です。これは明確な事実です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
以下に1人当たりの農業生産額と死者数の増加率の相関を示します。

※(14)(1)(3)(4)にて作成
図―9 一人当たりの農業生産額と死者数増加率の相関
3点(郡山市、いわき市、福島市)が一直線に並んでいます。
こんなデータが出てくると福島の方は不安になると思います。福島ではモモの出荷が始まりました(15)(16)。福島のモモは美味しさにバランスがとれているそうです(17)。福島のモモは福島盆地で主に作られています(18)。ここは図―1に示すように避難地域を除けば福島県内でもセシウム汚染の酷い場所です。一方、福島県は福島産のモモは検査されており安全だと主張しています(19)。福島の方がどう判断されているか気になるところです。そこで福島県いわき市のスーパーのチラシを見てみました。福島産のモモは載ってませんでした。

※(20)を引用
図―10 福島産モモが載っていない福島県いわき市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。計算方法は(=^・^=)の過去の記事(21)の通りです。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果(福島市)

表―2 偶然に起こる確率の計算結果(郡山市)

表―3 偶然に起こる確率の計算結果(いわき市)

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
推計人口 - 福島市ホームページ(2)
仮説検定 - Wikipedia(3)
郡山市の現住人口/郡山市(4)
地区別世帯数・男女別人口|いわき市(5)
会津若松市の現住人口 | 会津若松市(6)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(7)
めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―(8)
東日本大震災による津波被災現況調査結果|いわき市(9)
第19回福島県「県民健康調査」検討委員会 資料の掲載について(平成27年5月18日開催) - 福島県ホームページ(10)
飯舘村 - Wikipedia(11)
めげ猫「タマ」の日記 福島市死者数13%増(対原発事故前)(2014年5月ー15年4月)-でもいわき市は別―(12)
統計データ(13)
ふくしま復興のあゆみ第11版の一部に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。 - 福島県ホームページ中の「・ 第11版 平成27年 4月21日発行 (訂正版)[PDFファイル/8.2MB]
※ 内容に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします。(平成27年6月9日)
修正箇所 P11 観光客中心の宿泊施設における実宿泊者数(人泊)推移 H26年12月の「-2.4%」を「-14.5%」に修正」
(14)
めげ猫「タマ」の日記 福島県郡山市の死者数12%増(対原発事故前)、でも増えていないところもある。(15)
オリジナル商品&オープン6周年記念 - みらい百彩館 んめ~べブログ(16)
「はつひめ」出荷始まりました - ブログ(17)
バランスのとれたおいしさ!ふくしまのモモ! | ふくしま 新発売(18)
くだものづくりがさかんな福島盆地(19)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(20)
ヨークベニマル/お店ガイド(21)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
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- 2015/07/15(水) 19:45:57|
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