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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島・須賀川市はキュウリ祭り―検査はたった1件―

 福島県須賀川市でキュウリをメインにした「きうり天王祭」が開かれました(1)。検査されているか心配なので、福島県が運営するサイトで検査結果を調べたらたった1件です(2)。でもまだマシな方です。福島県のキュウリの産地は須賀川市の他に、伊達市や二本松市がありますがこちらは避難地域を除けば福島県内でもセシウム汚染の酷い場所ですが、検査結果がありません。それでも福島県は福島産キュウリは検査で安全が確認されたと主張しています(3)。
 福島県須賀川市でキュウリをメインとした「きうり天王祭」が7月14日に開かれました(1)。
 たった1件の検査でも開催された福島・須賀川市のキュウリの祭り
※(4)をキャプチャー
 図―1 須賀川市の「きうり天王祭」


 以下に福島県のキュウリの生産量を示します。
 福島県のキュウリの2,3位は福島県内でもセシウム汚染の酷い伊達市、二本松市
 ※(5)を転載
 図―2 福島県のキュウリの生産量(2007年)

 福島県は夏秋キュウリの最大の産地です(6)。そして図―2に示す通り須賀川市は福島県随一のキュウリの産地です。須賀川市は「きうり天王祭」は古くから伝わる伝統行事であると主張していますが(7)、市の最大の特産品のキュウリにあやかった祭りだと(=^・^=)は思います。
 図―2に示すように須賀川市の他に伊達市、二本松市でも沢山のキュウリが取れます。この3市で福島のキュウリ生産の約半分を占めるので、この3市が以下に福島県のキュウリの産地を示します。
 福島の中でもセシウム汚染が酷い福島のキュウリ産地
 ※1(7)の数値データを元に(8)に示す手法で7月1日時点に換算
 ※2 放射線量は2015年7月1日時点
 図―3 福島県のキュウリの主産地

 図に示す通り避難地域を除けば二本松市や伊達市は放射線量の高い場所にあります。以下に福島県13市の航空機モニタリング(7)の数値データより求めた平均の放射線量を示します。
平均放射線量の高い福島のキュウリ産地
 ※(7)の数値データを平均
 図―4 福島県各市の平均の放射線量

 福島県内でも場所によってセシウム汚染の度合いは違います。トップの南相馬市は避難区域を抱えているので、これを除けば本宮市、伊達市、二本松市がトップグループで、須賀川市は中位でしょうか?郡山市、喜多方市、会津若松市は下位グループに属します。
 福島県のキュウリは避難区域を除けば福島県内でもセシウム汚染が酷い地域で生産されています。検査されているか心配です。以下に今年(2015年)のキュウリの検査数を示します。
主産地の検査回数0もある福島産キュウリの検査
 ※(9)(10)を集計
 図―5 福島県のキュウリの検査数

 二つの特徴があります。第一の特徴は露地栽培より施設栽培の検査数が多くなっています。野菜の栽培方法にはビニールハウスで栽培する施設栽培と青空の下の畑で栽培する露地栽培があります(11)。以下に福島県伊達市産のサクランボのセシウム濃度を示します。
施設栽培は低く出るセシウム検査結果
※1(9)を集計
 ※2 NDは検出限界未満(セシウムが見つからない事)を示す。
 図―6 福島県伊達市のサクランボのセシウム濃度

 露地栽培のサクランボからは今年もセシウムが見つかっていますが、施設栽培から見つかったことはありません。施設栽培はビニールハウスに守られ、露地栽培に比べセシウム汚染が小さくなります。ところが、福島県のキュウリの栽培は「露地栽培」が中心です(12)。
 第二の特徴は露地栽培の検査が主産地のうちセシウム汚染が酷い伊達市や二本松市で実施されていないことです。須賀川市もたった1件です。それでいて図―4に示す様に3市に比べれば汚染が少ない郡山市では5件実施しています。
 以上を纏めると
 ①露地栽培が主なのにセシウムの値が小さく出る施設栽培を多く検査している。
 ②セシウム汚染の酷い場所では露地栽培のキュウリの検査は実施していない。
になります。それでも福島県は福島産キュウリは検査で「安全」が確認されたと主張しています(13)
 もう一つ、(=^・^=)には心配な事があります。以下に2013年11月から2014年11月までの放射線量の増減を示します
放射線量が上昇した須賀川市東部
 ※(14)に加筆
 図―7 福島県内の2013年から14年に掛けての空間放射線量の増減
 
 福島県最大のキュウリの産地の須賀川市付近では広範囲に渡り放射量が増えています。これだけ広範囲だと福島第一原発からの放射性物質が舞い降りた事でしか説明がつかないと思います。南相馬市のお米のように(15)、突然にセシウムが降ってきてセシウム汚染キュウリが出来上がるかも知れません。このようなことを検知して安全を確保するには、日々の検査が大事です。
 以下に福島県須賀川市のキュウリの検査回数を示します。
年々激減する福島県須賀川市のキュウリの検査回数
 ※(9)を集計
 図―8 福島県須賀川市のキュウリの検査回数

 年々、減っていき今年はたった1件です。昨年の検査は6月25日で終了してたので(9)、ことしの検査はもうないと思います。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 このような事があると福島の方も不安だと思います。陛下が「フクシマ」のモモ農家をご視察されたそうです(16)。
陛下のモモ畑ご視察を報じる福島県の地方紙・福島民報
 ※(17)を7月17日にキャプチャー
 図―9 陛下のモモ農家ご視察を伝える福島県の地方紙・福島民報

フクシマはモモの季節です。福島のモモにはバランスがとれた美味しさが特徴です(18)。福島県は福島産モモは「安全」だと主張しています(13)。福島市は福島県最大のモモの産地です(19)。でも福島県福島市のスーパーのチラシには福島産モモはありません。
他県産はあっても福島産モモが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
 ※(20)を引用
 図―10 福島産のモモが載っていない福島県福島市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)キュウリささげ無病息災祈る 須賀川で「きうり天王祭」 | 県内ニュース | 福島民報
(2)農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。を「キュウリ」および「二本松市、伊達市、須賀川市」で検索
(3)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(4)スイッチ20150714 TUFchannel
(5)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(7月1週)―福島産キュウリの主産地検査はたった1件―
(6)福島県・福島市|なるほど統計学園
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(9)報道発表資料 |厚生労働省
(10)農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(11)施設栽培にするべきか、露地栽培にするべきか
(12)東京都 JA全農東京-月報 野菜情報−産地紹介−2014年5月
(13)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(14)めげ猫「タマ」の日記 放射線量が上がった所がある福島県
(15)農林水産省/福島県南相馬市の25年産米の基準値超過の発生要因調査について
(16)両陛下ご来県 桑折のモモ農家視察 | 県内ニュース | 福島民報
(17)福島民報
(18)バランスのとれたおいしさ!ふくしまのモモ! | ふくしま 新発売。
(19)桃の産地と生産量(収穫量)について~福島の桃・あんぽ柿(干し柿)の産直販売=大武農園
(20)イトーヨーカドー 福島店
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  1. 2015/07/17(金) 19:53:39|
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