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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島県県北地域の死者数は9%、会津は別(対2010年3-6月)

福島県の6月中の人口動態が発表になったので(1)、各年3-6月の福島県内の死者の集計しました。
 ①福島県内でも汚染の酷い県北地域
  原発事故前年(2010年3-6月) 1,738人
  原発事故5年目(2015年3-6月)1,894人
で9%増で、偶然に起こる確率は0.96%で偶然とは思えません。
 ②福島県内では汚染が相対的に少ない会津地域
  原発事故前年(2010年3-6月) 1,370人
  原発事故5年目(2015年3-6月)1,327人
で少し減っていますが、統計的な差はありません。
 福島県は福島県を7つの地域に分けています(1)。このうち避難地域が広がる相双を除く6つの地域について各年の死者数を集計してみました。ただし人口15万人以下の県南と南会津は統計的なばらつきを抑えるため、それぞれ県中および会津と合わせて集計しました。なお一般に会津と言えば南会津も含めます(2)。
汚染が酷い福島県県北地域
 ※1(3)の数値データを元に(4)に示す手法で7月1日時点に換算
 ※2 放射線量は2015年7月1日時点
 ※3 地域区分は(1)による。ただし県中・県南は県中南に会津、南会津は会津に統合
 ※4 避難区域は(5)による
 図―1 福島県の地域分け

 図に示す通り避難区域は大部分が相双地区になります。以下に福島県が実施している原発事故から4ヶ月(2011年3月11日~7月10日)の間の被ばく線量調査(6)でICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(7)を超えた方の割合を示します。
県北で高く会津・いわきで低い被ばく線量
 ※(6)を集計
 図-2原発事故後4ヶ月で1ミリシーベルを超えた人の割合

 図―1において汚染は相双地区で酷いのですが、被ばく線量は県北地区で高くなっています。これは相双地区の方が早めに避難した成果だと思います。また会津地域の被ばく線量も低くなっていますが、これは会津が福島県内では汚染が少ないためと思えます。以下に地区別のモモの生産量を示します(8)。
汚染の酷い県北で生産される福島のモモ
 ※(9)を集計
 図―3 福島県のモモの生産量(2006年) 

 モモは福島県の夏を代表する果物ですが(10)その生産が県北地域に汚染の酷い県北地域に集中しています。
  一方で福島県内で比較して汚染の少ないいわきや会津では殆ど栽培されていません。
 以下に各年3-6月の県北地域の死者数を示します。
死者数が9%増えた県北地域
 ※1(1)を集計
 ※2 震災犠牲者は(10)による
 図―4 県北地域の死者数の推移(各年3-6月)

  原発事故前年(2010年3-6月) 1,738人
  原発事故5年目(2015年3-6月)1,894人
で9%増で、偶然に起こる確率は0.96%で偶然とは思えません。以下に各年3-6月の会津の死者数を示します。
死者数が増えていない会津
 ※1(1)を集計
 ※2 震災犠牲者は(10)による
 図―5 会津の死者数の推移(各年3-6月)

  原発事故前年(2010年3-6月) 1,370人
  原発事故5年目(2015年3-6月)1,327人
で少し減っていますが、統計的な差はありません。
 なお他地域も含めた死者数の増加率は以下の通りです。
被ばく線量が多いと増える死者増加率
※1(1)(6)を集計
 ※2 2010年3-6月に対する2015年3-6月の増減
 図―6 2010年3-6月に対する2015年3-6月の死者数の増減

このうち統計的に有意なのは県中南ですが、ここは福島県を代表する夏野菜のキュウリ(11)の産地です。以下に福島県のキュウリの生産量を示します。
汚染が酷い県北やそれなりの県中南で多いキュウリの生産
 ※(12)を集計
 図―7 福島県キュウリの生産量(2006年)

 モモの生産が多く、福島県内でも汚染が酷い県北地方では有意に死者数が増え、モモの生産が少なく福島県内で比較して汚染が少ない会津では死者数は増えていません。これは明確な事実です。

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 こんなデータが出てくると福島県の方も不安になると思います。福島の農協さんが福島産キュウリのキャペーンをしたそうです(13)。福島はキューりのシーズンです。福島県は福島産キュウリは安全だと主張しています(14)。でも福島県南相馬市のスーパーのチラシには福島産キュウリはありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県南相馬市のスーパーのチラシ
 ※(15)を引用
 図―8 福島産キュウリが載っていない福島県南相馬市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県南相馬市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
 以下に偶然に起こる確率の検査結果を示します。計算方法は(=^・^=)の過去の記事(16)を見てください。
 表―1 偶然に起こる確率の計算結果(県北地域)
有意差検定表(県北)

表―2 偶然に起こる確率の計算結果(県中南地域)
有意差検定表(県中南)

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県の推計人口(平成27年7月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(2)会津 - Wikipedia
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(5)区域見直し等について - 福島県ホームページ
(6)第19 回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成27年5月18日開催) - 福島県ホームページ
(7)ICRP: ICRP Publication 103
(8)統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103
(9)(8)中の「10果樹⇒福島県」
(10)震災・復興 - 福島県ホームページ中の「2015年7月24日更新平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報」
(10)福島県産のもも(トップページ)
(11)東京都 JA全農東京-月報 野菜情報−産地紹介−2014年5月
(12)(8)中の「9-3 野菜(果菜類) ⇒福島県」
(13)夏は東北のキュウリを 全農県本部など東京でPR | 県内ニュース | 福島民報
(14)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(15)Webチラシ情報 | フレスコキクチ
(16)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
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  1. 2015/07/24(金) 19:51:18|
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