めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島県サブドレン容認?―トリチウムの排出は増える?―

 福島からの報道によると福島県北部の漁協である相馬双葉漁協が福島第一のサブドレン計画を容認したそうです(1)。南部の漁協のいわき漁協は既に東電に「要望書」を提出おり(2)、(=^・^=)は福島県の審議を経てサブドレン計画が動き出すと思います。
 東京電力はサブドレン計画が実施されれば、トリチウムの排出量は現状の15分1の1日10億ベクレルまで低減できると主張していますが(3)、(=^・^=)は確実に増えると思います。
サブドレン受け入れを1面トップで報じる福島民報
※(4)を7月27日に閲覧
 図―1 相馬双葉漁協のサブドレン受け入れを1面トップで報じる福島県の地方紙・福島民報

 福島第一原発では事故から4年以上が過ぎた現在も汚染水が漏れ続け(5)、外洋からも放射性物質が見つかっています。
放射性物質が見つかる福島原発沖外洋(港湾口北東側)
※1(7)を集計
 ※2 NDは検出限界未満を示す
 図―2 港湾口東側海水の放射性物質濃度

以下に港湾口東側の位置を示します。
福島第一港湾口北東側
 図―3 港湾口東側の位置

 図に示す通り「港湾口東側」は福島第一原発沿岸から1km弱離れています。それでも「放射性物質」が見つかります。福島第一原発の汚染水はおよそ「コントロール」されている状況にはありません(9)。福島原発近くの海からは今も高濃度に汚染されたお魚が見つかっています。
高濃度のまま下がらない港湾内ムラソイのセシウム濃度
 ※(10)を転載
 図―4 福島第一原発港湾内のムラソイのセシウム濃度

それでも東電は対策を取っています。原子炉やタービン建屋には地下水が流入し続けています。そこで溢れないように汚染水を原子炉やタービン建屋からくみ上げ汚染水タンクに保管しています(11)。
結局はタンクにためるしかない福島第一原発汚染水
 ※(12)を転載
 図―5 福島第一の汚染水処理の流れ

それでも地下を通じ流れ出る汚染水がありそうです。そこで東電は海岸付近に不透水層を作り(13)、そこにウエルポイントと呼ばれる汚染水を汲みあげる溝を作り汚染水が海に漏れ出る前に汲み上げタービン建屋に戻しています(14)。
汚染地下水をくみ上げるウエルポイント
 ※(15)とGoogle Mapで作成
 図―6 ウエルポイントと不透水層(2、3号機間)

以下にウエルポイントの様子を示します。
 ウエルポイント外観
 ※(16)を引用
 図―7 福島第一のウエルポイント

このような汚染水対策は不完全ですが汚染水が増え続けるとの副作用をもたらします。以下に福島第一原発内の汚染水の総量の推移を示します。
増え続ける福島第一原発汚染水
 ※(17)を集計
 図―8 増え続ける福島第一原発汚染水

 最新の発表(18)を集計すると2015年7月23日時点で、福島第一原発内には東京ドームの容量124立方メートル(19)の63%に相当する78万立方メートルの汚染があり、そのうち68万立方メートルが汚染水タンク内に保管されています。増え続ける汚染水に併せ汚染水タンクを作り続けなくてはいけません。今年(2015年)1月に汚染水タンクの増設工事で下請けさんが亡くなれています(18)。絶対にあってはならないことです。最近、Google Mapの福島第一原発の航空写真が更新されたようです。それを見たら福島第一の敷地は汚染水タンクで一杯になっていました。
タンクで埋め尽くされた福島第一の敷地
 ※Google Mapに加筆
 図―9 汚染水タンクで一杯になった福島第一原発の敷地

 汚染水の増加を抑える対策が求められます。そこで東京電力が提案しているのが、原子炉やタービン建屋の近くの井戸から汚染地下水を汲み上げ海に流すサブトレンです(20)。以下に概要を示します。
サブドレインの概要
 ※(20)にて作成
 図―10 サブトレンの概要

 サブドレンでは、
  ①原子炉やタービン建屋の直ぐ側の井戸から汚染地下水を汲み上げ海に流すこと(21)
  ②海岸に巨大な「壁」を作り、海への汚染地下水の流れを阻止する代わりに、井戸から汲み上げ海に流す地下水ドレン(22)
です。
海側遮水壁
 ※(3)を引用
 図―11 海側遮水壁

 東京電力はこの計画が実施されれば、トリチウムの排出量が現在の15分の1の1日10億ベクレルに減ると主張しています(3)。
サブドレンでトリチウムの排出が15分の1になると主張する東電
 ※(3)を加筆・修正
 図―12 トリチウムが15分の1と主張する東電

 東京電力の計画ではトリチウムは浄化せずにそのまま海に流します(23)。汚染水増加量減へれば、その分は海に流れ出る汚染水量が増えるのでその分は確実に増えます。以下の要素があります。
 ①ウエルポイントからくみ上げていた汚染水は今はタービン建屋に送り、後にタンクで保管していますが、今後は海にながされます。以下にウエルポイントからくみ上げた汚染水のトリチウム濃度を示します。
高濃度で推移するウエルポイント汲み上げ水のトリチウム濃度
 ※(7)を集計
 図―13 福島第一ウエルポイント汲みあげ汚染水のトリチウム濃度

 福島第一には3箇所のウエルポイントが設置されていますが(15)、このうち1,2号機間ウエルポイントでは1リットル当たり数万ベクレルのトリチウムが観測されています。サブドレン計画が実施されれば、この汚染水は他の濃度の低い汚染水と混ぜられ薄められ「運用基準以下」として福島の海に流されます。
 ②東京電力はサブドレイン用の井戸のトリチウム濃度を発表しています(29)。以下にその概要を示します。
brg150122g.gif
※(30)にて作成
 図ー14 トリチウム濃度分布

 高いものですと1リットル当たり1万ベクレルを超えます。このような汚染水も他の汚染水と混ぜれば濃度が下がり「運用基準」以下になるかも知れません。図―2に示す様に「外洋」からもトリチウムが見つかっているので、間違いなく海に流れていますがサブドレイン計画では原子炉・タービン建屋周りのもっとも汚染の酷い場所から直接汲み上げて海に流すので、いままで以上の量になる可能性が高いはずです。さらには汚染水の増加が抑えられる分は確実に排水量がふえるので、いま以上に福島の海はトリチウムに汚染されます。
 福島県漁連の名簿をみると(31)、南部のいわき市と北部の相馬双葉に分かれています。いわき市の漁協は既にサブドレイン計画に事実上の同意をしています(2)。そして7月27日に相馬双葉漁協がしたので(1)、サブドレイン計画は実行され福島の海はこれまで以上にトリチウムで汚染されると思います。
福島のローカルTV局のFCTが報じるところによれば、サブドレンの運用を福島県漁連は決めたそうです(32)。
福島県漁連のサブドレン容認を報じる福島のローカルTV局(FCT)
※(33)をキャプチャー
図-15 サブドレン容認を伝える福島のローカルTV局(FCT)

<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 トリチウムの厄介な所は概ね「水」として存在すので、蒸発しトリチウム雲となりトリチウム雨を降らせ、福島の台地で育つ米や野菜などの作物に吸収され、トリチウム米やトリチウム野菜ができそうです。トリチウムの安全性には色々と議論があるとおもいます(33)。東京電力は飲んでも安全と主張していますが、食べても安全とは主張していません(34)。これでは福島の方も不安だと思います。
 福島県随一のトマト産地の福島県南会津町でもトマトの収穫が始まりました(35)。福島はトマトのシーズンです。福島県は福島産トマトは「安全」と主張しています(36)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
 ※(37)を引用
 図ー16 福島産トマトが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)浄化地下水の海洋放出 相馬双葉漁協が受け入れ 風評対策など要望へ | 県内ニュース | 福島民報
(2)<福島第1>サブドレン放水 いわき市漁協容認へ | 河北新報 ...2015/06/26
(3)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 2.21MB)
(4)福島民報
(5)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(7月4週)―今週もあちらこちらで新記録―
(6)報道配布資料|東京電力
(7)(6)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果 」
(8)サンプリングによる監視|東京電力
(9)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい!福島原発(9月2週)―安倍出戻り総理が世界に向かって「嘘」をつく-
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発汚染水(7月3週)―ムラソイから26,600ベクレルのセシウム―
(11)原子炉の安定化|東京電力
(12)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(7月1週)―凍土遮水壁 年度内完了困難に―
(13)東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所1・2号機取水口間の護岸における地盤改良工事(薬液注入)について
(14)福島第一原子力発電所における1・2号機タービン建屋東側ウェルポイントからの地下水のくみ上げ開始について|東京電力
(15)サンプリングによる監視|東京電力中の「4.地下水(1~4号機護岸)」
(16)東京電力 写真・動画集| 福島第一原子力発電所 1-2号機取水口間のウェルポイント(一部)からの地下水汲み上げ開始について
(17)プレスリリース|東京電力中の「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について 」
(18)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第211報)|東京電力
(19)めげ猫「タマ」の日記 福島原発で死んだ下請けさんは「国策」の犠牲者―でも何もしない安倍出戻り総理―
(20)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ(計画)|東京電力
(21)サブドレン・地下水ドレンによる地下水のくみ上げ(計画)|東京電力
(22)海側遮水壁|東京電力
(23)2014年8月11日福島第一原子力発電所サブドレン他水処理施設の浄化性能確認試験の開始について(PDF 1.22MB)
(24)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(25)一時貯留タンクの運用状況|東京電力
(26)(6)中の「福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク分析結果
(27)(8)中の「地下水バイパスに関するサンプリング」
(28)報道関係各位一斉メール|東京電力中の「福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr*)からの排水について 」
(29)第51回 原子力規制委員会 | 原子力規制委員会中の「資料3-1東京電力株式会社「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」の変更(サブドレン他水処理施設の本格運転)の認可について【PDF:2.2MB】」
(30)めげ猫「タマ」の日記 福島第一サブドレイン汲み上げについて
(31)JF福島漁連会員名簿
(32)ニュース|福島中央テレビ
(33)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2015年7月28日(火)放送」
(33)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(34)福島第一原子力発電所でのトリチウムについて
(35)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい福島原発(7月4週)―トラブルに福島県怒る!―
(36)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(37)平尼子店 | マルト - 店舗情報
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  1. 2015/07/28(火) 20:05:52|
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