福島原発事故前は福島産サクランボの価格は福島原発事故前は山形産を上回っていました。原発事故後の2014年、15年は2年連続で山形産サクランボより安くなっています。でもやもおえない事です。福島産果物の主産地の「福島盆地」では原発事故から4年経ても有意に死者数が増えています。

※(1)を集計
図―1 福島産と山形産のサクランボ価格
福島県のサクランボ出荷量234トンは全国6位で(2)、多いわけではありません。

※(2)より作成
図―2 全国のサクランボ収穫量
ただ、くだもの王国ふくしまの果物はサクランボから始まるので(3)、サクランボの動向はふくしまの果物の1年を予想する意味で(=^・^=)は興味があります。
福島原発事故後に福島を恐れる多くの方に福島産は買い控えられ価格は下落しました。5年目の今年はどうなるかを見る為に、福島産果物では最も早く6月にシーズンを迎えるサクランボについて価格を調べてみました。結果は図―1の通りですが、国内最大のサクランボの生産地で福島のお隣の山形産のサクランボとの価格差を以下に示します。

※1(1)を集計
※2 集計は各年6月
図―3 山形産に対する福島産サクランボの価格差
原発事故前は福島産は数百円(率にして20~30%程度)高く取引されていましたが、原発事故後は逆転しました。そして今年も山形産より安い価格となりました。(=^・^=)は当然の結果だと思っています。サクランボに限らず福島県の果物の生産は福島盆地に集中しています(5)。以下に福島盆地の位置を示します。

※1(6)の数値データを元に(7)に示す手法で8月1日時点に換算
※2 福島盆地の範囲は(8)による
図―4 福島盆地と会津地方
図に示す通り福島盆地は避難区域と接し、避難区域を除くと福島県内でも汚染が酷い場所です。
以下に福島盆地と会津地方のサクランボのセシウム濃度の推移を示します。

※1(9)を集計
※2 NDは検出限界未満を示す
図―5 福島盆地と会津地方のサクランボのセシウム
会津地方では2013年以降はサクランボからセシウムは見つかっていませんが、福島盆地では事故から5年目の2015年もセシウムが見つかっています。
以下に各年3月から1年間の福島盆地(福島市、伊達市、桑折町、国見町)(8)の死者数を示します。

※1(10)を集計
※2震災被害者には間接死を含まずデータは(11)による。
※3集計期間は各年3月から翌年2月までの1年間
図―6 福島盆地の死者数推移
福島原発事故以降に死者数の増加が認められます。
福島原発事故前1年(2010年3月から11年2月)の死者数は3,988人
福島原発事故後4年目(2014年3月から15年2月)の死者数は4,535人
で約9%増加しています。偶然に起こる確率を計算したら0.01%なので偶然とは考えにくいです。
一方、サクランボからセシウムが見つからなくなった福島県会津地方では
福島原発事故前1年(2010年3月から11年2月)の死者数は4,130人
福島原発事故後4年目(2014年3月から15年2月)の死者数は4,183人
で約1%増えていますが、統計的な有意差はありません。
サクランボの主産地の福島盆地ではサクランボからセシウムが見つかり、死者数が有意増えているのに、サクランボからセシウムが見つからなくなった会津地方の死者数の増加が認められない事実があれば、福島産サクランボが買い控えられ価格が下がるのはでもやもおえない事です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
サクランボの主産地の福島盆地ではサクランボからセシウムが見つかり、死者数が有意増えているのに、サクランボからセシウムが見つからなくなった会津地方の死者数の増加が認められない。
これは明確な事実です。これでは福島の方も不安になると思います。
福島ではピーチ・ボーイ&レディが活動開始しました(12)。お隣の茨城や宮城に比べても綺麗な福島の女性が安倍出戻り総理を訪問し福島し、福島産モモを食べさせたそうです(13)。

※(14)をキャプチャー
図―7 安倍出戻り総理にモモを食べさせる福島県の綺麗な女性
福島はモモのシーズンです。福島の果物は福島県全域で出来る訳でなく、避難区域に隣接する福島県県北地方(15)に集中しています(16)。福島のモモはおいしいそうです(17)。福島県は福島のモモは「安全」だと主張しています(18)。でも、県北地方の福島県二本松市(16)のスーパーのチラシには福島産モモはありません。

※(19)を引用
図―8 福島産のモモが無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県二本松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
※ 計算方法は(20)による。

―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
東京都中央卸売市場-統計情報検索にて「大分類⇒果実、中分類⇒おうとう類」で検索
(2)
さくらんぼの収穫量(3)
福島 果物狩り | 一般社団法人 福島市観光コンベンション協会公式ページ こらんしょふくしま(4)
東日本大震災と原子力発電所事故が福島県農業にもたらした"東日本大震災と原子力発電所事故が福島県農業にもたらした(5)
くだものづくりがさかんな福島盆地(6)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(7)
めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―(8)
福島盆地 - Wikipedia(9)
報道発表資料 |厚生労働省(10)
過去の結果(福島県の推計人口 福島県現住人口調査月報) - 福島県ホームページ(11)
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報 - 福島県ホームページ(12)
「モモはいかが!」 ピーチ・ボーイ&レディが活動開始(福島民友ニュース)(13)
「日本中の人に買ってもらいたい」首相、福島県産モモをアピール 「スマイルピーチ」訪問で - 産経ニュース(14)
安倍総理、福島から“ピーチ姫”連日訪問にニッコリ(15/07/31) ANNnewsCH (15)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(16)
[PDF]1 7つの地域 - 福島県(17)
福島の桃 あかつき | 福島の桃 | 福島県の美味しい食材お取り寄せ 福うらら(18)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(19)
店舗・チラシ検索|ベイシア beisia 豊かな暮らしのパートナー(20)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
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- 2015/08/03(月) 19:46:10|
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