めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

南相馬、葛尾、川俣の避難指示の年内解除―戻ったら200mSv被ばくする―

 報道等によると国は南相馬市、葛尾村、川俣町の帰宅困難区域を除く避難区域について、9月1日から準備宿泊を始めるそうです(1)(2)(3)。事実上の年内の避難指示解除の決定です。準備宿泊終了予定の翌日の2015年12月1日に帰還したとして、その後の50年間の累積の被ばく線量を見積もったらICRPが放射線による発癌が確認されているとする100ミリシーベルト(4)を超える200ミリシーベルトを超える場所がありました。安倍出戻り内閣は「安全」より、福島原発事故の幕引きが大事なようです。
解除後50年で200mSvの被ばくも見込まれる避難指示解除予定区域
 ※1 放射線量は(5)のデータを(6)の方法により計算
 ※2 避難区域は(7)による
 図―1 準備宿泊完了後50年での被ばく線量

 そして除染も終わっていません。
除染が終わっていない避難指示解除予定区域
 ※(8)を引用
 図―2 除染の進行状況

 福島第一原発事故によって、大量の放射性物質がばら撒かれました。その結果、多くの方がICRPが提唱する公衆の被ばく限度の年1ミリシーベルトを超える被ばくを受けました。福島県県民健康管理調査によると(9)、2011年3月11日から7月10日の4ヵ月間で、福島県の方の約38%の方が1ミリシーベルトを超える被ばくをしています。特に福島市を中心とする県北地域では80%です。それでも県北地方で避難地域になったのは川俣町山木屋地区の極狭い範囲です(7)。
 これについて、被ばくは「量の問題」であり将来的に大幅な低下が見込めるなら問題にはならないと説明されました(10)(11)。この結果、避難指示は年間20ミリシーベルトを超える地域に設定されました(12)。
 この考えは一定の合理性はあったと思います。でも(=^・^=)には気になる事があります。避難指示解除の基準も年間20ミリシーベルトであることです(13)。放射線は時間が経つにれ下がらくなります(14)。放射性物質は色々な種類があり、半分になるまでの時間である半減期が異なります(15)。原発事故直後は半減期の短い放射性物質(たとえばヨウ素131)が多く急激に放射線量は低下しますが、時間が経つの半減期の長い放射性物質(たとえばセシウム137)だけになり放射線量の低下が見込めなくなります。ちょっと放射線量が高い場所でも長期に滞在すればそれなりの被ばくリスクを負います。
 福島県で避難地域となった町村の復興計画を見ると、「子どもたちの未来をつくる 」(飯舘村)(16)や、「持続可能なふるさと」(葛尾村)(17)、「責任を持って次の世代に、 暮らしを、ふるさとをより良くして引き 継いで」(浪江町)(18)などの文言があり、将来は次世代に町や村を託すことが前提です。その為には子供達や若者の帰還も前提となりります。彼らは帰還後により多くの時間を過ごすことになり、より多くの被ばくのリスクにさらさます。
 報道によると、避難区域のうち南相馬市、葛尾村および川俣町の9月1日からの準備宿泊が決まったそうです(1)(2)(3)。
川俣町山木屋の準備宿泊を報じる福島のローカルTV局(TUF)
 ※(19)をキャプチャー
 図―3 福島県川俣町の準備宿泊開始決定を伝える福島県のローカルTV局(TUF)

 これまでの例をみていると準備宿泊の後は避難指示解除です。いま福島県楢葉町では準備宿泊が実施されています。準備宿泊は9月4日に終了しますが、終了後の9月5日に避難指示は解除になります(20)。楢葉町の例からして多少(1ヶ月ほど)の延長はあると思いますが(21)、間違いなく避難指示解除になると思います。
 避難指示が解除になったあと、被ばくをしないか心配です。帰還する若者や子供の事も考慮にいれ50年間で見積もってみました。結果は図―1に示す通りです。福島原発事故直後には高い線量下にいても総量が抑えられていれば「安全」との説明がなされました(10)(11)(12)。だったら逆に低い線量でも長時間いれば総量は増えます。総量はいくどれくらいまで許容できるか?ICRPは100ミリシーベルトを超える被ばくをすると癌になる危険性が増すことが確認されているとしています(4)。100ミリシーベルトを超えれば明確に危険になるので、100ミリシーベルト以下でなくてはなりません。余裕をみれは半分の50ミリシーベルトが妥当だと(=^・^=)は思います。帰還する若者や子供を想定し、2015年12月1日に帰還したとして、その後の50年間でどれだけ被ばくするかを見積もったのが図―1です。大部分で50ミリシーベルトを超え、一部地域では100ミリシーベルトを超えます。そして酷い場所では200ミリシーベルト以上になります。帰還する若者や子供は癌のリスク増大を覚悟する必要があります。
 リスクのある避難指示解除ならせめて可能な準備をしてからにして欲しいと思います。でもこれまでと違います。
 これまでは避難指示解除までに「除染」は完了していました(21)(22)。図―2に示すように楢葉町の除染も完了しています。でも今回、準備宿泊が始まる川俣町山木屋、葛尾村、南相馬市の除染は図―2に示すように完了していません。楢葉町内各駅に通じる常磐線(竜田―広野間)は準備宿泊が始まる1年以上前の2014年4月に再開しています。南相馬市内で今回解除となる区間(原ノ町―小高)の再開予定は2016年春です(23)。除染が間に合わないのも、常磐線の再開が間に合わないのも「国」責任です。安倍出戻り内閣はこのような事を無視し、住民にリスクを押し付け、強引に福島第一原発事故の幕引きを図っています。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください

昨日(8月11日)に川内原発が再稼働しました(23)。
原発再稼働を1面トップで報じる福島の地方紙(福島民報)
 ※(24)を8月12日に閲覧
 図―4 川内原発再稼働を報じる福島県の地方紙の福島民報

 多くの人の関心は「川内原発再稼働」に向かっていると思います。福島で安倍出戻り内閣が強引に推し進める「避難指示解除」にまで関心が及ぶ方はすくないと思います。そこで敢てこの記事を書きました。福島のマスコミは川内原発の最稼働について、避難している方々にコメントを報じていました。そのなかで
「東日本大震災の月命日の再稼働。被災者への配慮のなさを強く感じる」
との趣旨のコメントを複数のマスコミが報じていました(25)(26)。
11日の再稼働に怒る福島原発難民
 ※(26)をキャプチャー
 図―5 「(再稼働を)この日(11日)にぶつけてくるとは思いやりがない」と話す原発難民

 安倍出戻り内閣には思いやりがなさそうです。安倍出戻り総理の政治手法は崇高な行政目的達成の為には嘘をつくことだと思います。「集団的自衛権」のためには「合憲」であると嘘をついています(27)。同じように東電救済(28)や原発維持(29)いった崇高な行政目的の為には安全とは言えない福島でも「安全」と言いそうです。こんな方が、いくら福島の安全をアピールしても(30)、福島の方は不安になるだけだと思います。
 福島県伊達市は福島県第二位のキュウリの産地です(31)。今が旬です(32)。福島県は福島産キュウリは「安全」だと主張しています(33)。でも福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産キュウリがありません。
他県産はあっても福島産キュウリが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
 ※(34)を引用
 図―6 福島産キュウリが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県伊達市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)川俣の山木屋31日から準備宿泊 帰還への環境整備で 3カ月間滞在可能 | 県内ニュース | 福島民報
(2)南相馬市も3カ月長期宿泊実施へ 原発事故の避難区域 - 47NEWS(よんななニュース
(3)葛尾で31日から準備宿泊 | 県内ニュース | 福島民報
(4)ICRP: ICRP Publication 103
(5)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(6)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(7)避難区域の変遷について - 福島県ホームページ
(8)除染情報サイト:環境省
(9)第19 回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成27年5月18日開催) - 福島県ホームページ中の「 資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/1022KB]」
(10)みんゆうNet 坪倉先生の放射線教室
(11)放射線 放射性物質 Q&A 「1ミリシーベルトにこだわらない」の意味は | 東日本大震災 | 福島民報
(12)放射線 放射性物質 Q&A 「1ミリシーベルトにこだわらない」の意味は | 東日本大震災 | 福島民報
(13)[PDF]参考資料1 避難指示区域の見直しにおける基準(年間 20mSv
(14)放射線量の減少速度が“鈍化” 福島原発の避難区域
(15)半減期 - Wikipedia
(16)飯舘村復興整備計画 | 飯舘村災害情報サイト
(17)葛尾村中心拠点等整備計画が決定しました(平成27年4月8日) - 葛尾村ホームページ
(18)浪江町復興計画【第一次】の策定について - 浪江町ホームページ
(19)スイッチ20150810 TUFchannel
(20)福島・楢葉町の避難指示解除は9月5日 正式決定:朝日新聞デジタル
(21)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道 ―福島県大熊町で桜咲く
(22)めげ猫「タマ」の日記 NHKの嘘報道―川内村は生活に不安があるから帰れない、本当は放射線が怖いから―
(23)常磐線 - Wikipedia
(24)川内1号機が臨界 | 国内外ニュース | 福島民報
(25)震災月命日「配慮ない」 川内原発1号機再稼働、思い複雑(福島民友ニュース)
(26)ダイジェスト動画|ゴジてれ Chu!|福島中央テレビ中の「2015年8月11日(火)放送」
(27)【安保法案参院審議】憲法論議は根幹だ(7月27日) | 県内ニュース | 福島民報
(28)めげ猫「タマ」の日記 福島産食べて応援 東京電力
(29)社説:安倍政治を問う…原発再稼働 脱依存の道が見えない 。毎日新聞
(30)福島の桃「食べて応援を」=安倍首相 - WSJ
(31)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(8月3週)―伊達市の検査を避ける福島県?
(32)きゅうり - みらいのベジタブル - JA伊達みらいのホームページ
(33)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(34)西友保原店 - 店舗詳細|SEIYU
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  1. 2015/08/12(水) 19:59:35|
  2. -
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