めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島の観光客入込数、只見は51%増、田村は△61%減―明暗を分けた山間僻地―

 福島県が2014年の観光客り込み数を発表しました(2)。原発事故前の2010年に比べ全体では△18%減ですが、大きく減った市町村と大きく増えた市町村があります。実質増1位は只見町で51%増、実質減1位は田村市です。共に山間僻地ですが(3)、大きく明暗を分けました。何が違うか考えたら田村市は自然科学に興味のある方をターゲットした観光施設を整備したのに対し、只見町は福島では極普通の観光地でした。自然科学に興味のある方は放射線についても理解しやすいと思いますが、フクシマを避けています。
 福島県は2014年の観光客入込数を発表しました(2)。以下に推移を示します。
原発事故前までには回復しない福島の観光客入込数
※(2)を集計
 図―1 福島県の観光客入込数

 全体としては4,689万人で福島原発事故前の2010年に対して△18%減です。2013年に比べても3%減です。多くの方が福島の放射能汚染を正しく恐れ賢い選択をした結果だと思います。観光に行くなら放射能汚染地より汚染されてない方が良いに決まってます。
 市町村別にみると大きく減らしたところと、大きく増やしたところがあります。
西高東低の福島の観光客の増減
 ※(2)(4)を集計
 図―2 福島県の観光客入込数増減(対2010年)

 福島原発から遠い福島県西部では50%以上も増えた町村がありますが、避難地域に隣接する市町村では50%以上の減です。福島の方は観光も福島第一原発から遠く離れた場所に行きたいようです。
 増加のベスト3は
  昭和村 61.6%
  只見町 51.0%
  金山町 50.5%
ですが、昭和村は2010年の統計(5)には無かった「道の駅からむし織りの里しょうわ」が2014年では全体の過半数を超えており、ここを除けば只見町がトップです。
 避難区域を除く減少のワースト3は
  広野町 -72.5%
  相馬市 -67.2%
  田村市 -60.6%
ですが、広野町は福島原発事故によって緊急時避難準備区域に指定され(5)、その後に解除されたのですがいまだに住民の過半数が町に戻っていません(6)。相馬市は海岸部分の観光地(松川浦、海水浴場)が再開されていないので(2)、大きく落ち込んでいるようです。実質は田村市が福島県59市町村でワーストです。
 以下に田村市と只見町の位置を示します。
避難区域に隣接し放射能汚染がみられる田村市、遠く離れ汚染がマシな只見町
 ※1(7)の数値データを元に(8)に示す手法で8月1日時点に換算
 ※2 放射線量は2015年8月1日時点
 図―3 田村市と只見町

 避難区域に隣接し福島第一原発に近い田村市の観光客が減って、福島県内では最も離れている只見町で増えるのは当然ですが、田村市は避難区域に隣接する市や町の中でも大きく減らしています。
 只見町の観光地は田子倉湖、深沢温泉、雪まつり(4)と湖沼、温泉、雪まつりと福島県各地にあるある意味では普通の観光地です。同じような観光地なら福島第一原発から離れている方がいいと思います。一方、田村市の観光地で観光客入込数の2014年の上位3地点は
  あぶくま洞等の鍾乳洞   190,917人
  こどもの国ムシムシランド  12,894人
  星の村天文台        12,343人
で福島県内ではかなりユニークです。(=^・^=)は福島県内に類似の観光地を知りません。鍾乳洞や天文台は自然科学に興味のある方の関心を引くとともいますが、自然科学に興味のある方は放射線の理解も容易だと思います。そのような方が「フクシマ」を避けています。以下に只見町と田村市の観光客入込数を示します。
激減したままの田村市、増加した只見町の観光客数
 ※(1)にて作成
 図-4 只見町と田村市の観光客入込数

 只見町は順調に増えていますが、田村市は原発事故以降の落ち込みからまったく回復していません。
 
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 このようなデータが出て来ると福島の方は不安になると思います。
 田村市に訪れていた観光客だけでなく、福島県田村市の皆さんもフクシマを避けているようです。
 福島県を代表する夏野菜にピーマンがあります(8)。福島県田村市は福島県最大のピーマンの産地です。
 田村・小野・二本松が大部分を占める福島のピーマン生産
 ※(9)を転載
 図―5 福島県のピーマンの生産量(2007年)

 福島県田村のピーマンは緑が濃く、果肉が厚いのが特徴で、やわらかく甘いと定評でだそうです(10)。福島県は福島産ピーマンは「安全」だと主張しています(11)。でも福島県田村市のスーパーのチラシには福島産ピーマンはありません。
他県産はあっても福島産ピーマンの無い福島県田村市のスーパーのチラシ
 ※(12)を引用
 図―6 福島産ピーマンが無い福島県田村市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県田村市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)福島県観光ホームページ 統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(2)(1)中の「26年観光客入込状況調査 [PDFファイル/960KB]」
(3)めげ猫「タマ」の日記 福島県田村市の無検査野菜カレー
(4)(1)中の「22年観光客入込状況調査 [PDFファイル/732KB] 」
(5)避難区域の変遷について - 福島県ホームページ
(6)広野町
(7)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(8)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(9)福島県産夏野菜シリーズ/東京青果株式会社
(10)めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(6月4週)―福島のスズキは全数ND、茨城は僅か13%がNDー
(11)農業協同組合 JAたむら 福島県田村 [農産物情報]
(12)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(13)ヨークベニマル/お店ガイド
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  1. 2015/08/13(木) 20:20:10|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

福島県は自主避難者にものすごく冷たいんですね

いつも参考にさせて頂いています。
めげ猫様のブログを読むと、福島県の検査がおかしい事とか、汚染のあるところに無理くり人をつれもどそうとしていることとか、よくわかります。
前、福島県の公務員さんは、県民がいなったら仕事がなくなるから呼び止めるのに必死だという意見も参考になりました。
福島が県庁所在地だから、実際はその周りに汚染があるのに役所はそれを認めないという、住民の方の意見も見たことがあります。
自主避難者は県からすごく冷たくされているように見えます。

http://momsrevo.blogspot.jp/2015/06/blog-post.html

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015072002000128.html

「南相馬市の大きな病院・・ってお金出したらば建てますよ。でも働く従業員が来ないんです。はっきり言って。みんなやっぱりある程度勉強していますから、身体がもたない、子どものためなら分かっていますから。」

「福島県内でも会津の南側ですか、線量が低くて、中高一貫校があったりして、人を募集しても集まらないんです、それが、ふたば未来高校を作られてああいう形になってしまっている。」
http://momsrevo.blogspot.jp/2015/06/blog-post_8.html

もう、東の放射性物質で汚染されたところは県だけでは管理は到底無理だし(モニタリングポストの新設くらいでもてんやわんやで見苦しかった)、今後の健康被害なども県の手におえる物じゃないと思います。
福島県の予算の使い方も避難者に冷たく、こんなひどいなら「県」としての存在はもう限界なんじゃないか、いったい誰の為の県? と思いました。

福島県は一度解体して、現実的に復興が考えられる西部の汚染の少ない所だけで別の県になる(あるいは他の県に融合する)などして、新たに今後を考えた方が希望が持てるのではないかと思いました。
県庁所在地が福島である必要はないし。
東側汚染の多い所は真実を話して補償や移住(あるいは留まる)などの選択肢があるようにして国が責任持つしかないのでは。
めげ猫様の記事でも、小児甲状腺がんは福島県内でも地域差があるとありましたよね。
このままではさらに被害者が増えてしまう。
20ミリシーベルトとか法律無視までして、ものすごく虚しくて非人道的なことまでして。
  1. 2015/08/17(月) 14:36:10 |
  2. URL |
  3. 身内に被爆者がいたもの #YOiJM49g
  4. [ 編集 ]

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