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めげ猫「タマ」の日記

一寸気になったどうでもいい事を記事に

福島市の死者数は13%増(対2010年1-8月)、でも会津は別

 福島県福島市の8月中の人口動態が発表になりました(1)。そこで各年1-8月の死者数を集計してみました。
 原発事故前年(2010年1-8月)  1,899人
 原発事故後5年目(2015年1-8月)2,146人
で約13%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.01%なので偶然とは考えられません。
 一方、同じ福島県内でも福島県会津地方では、福島県の発表(2)を集計すると
 原発事故前年(2010年1-7月)  2,346人
 原発事故後5年目(2015年1-7月)2,480人
で少し増えてはいますが、偶然に起こる確率を計算したら5%を超えているので、統計的な差があるとは言えません。福島県の発表は7月分までので7月で集計しました。
 福島県福島市は福島県北部に位置する市です。
避難地域を除けば放射能汚染の酷い福島市、福島市よりマシな会津
  ※放射線量は(3)の数値データを(4)に示す方法で9月1日に換算
 図―1 福島県福島市と会津地方

 以下に原発事故前の農業生産額を示します。
農業生産額トップは福島でも汚染が酷い福島市
 ※(5)を集計
 図―2 福島県各市の農業生産額(2010年)

 福島市の農業生産額は福島県第一位であり、農業の盛んな市です。特に、
果樹栽培が盛んな福島盆地に位置し(6)、ナシ、モモ等の多くの果物で福島県第1位の生産量を誇っています(7)。また避難地域を除けば福島県内でも放射能汚染が酷い市です。以下に2011年3月11日から7月10日の4ヶ月間でICRPが年間の公衆の被ばく限度の年1ミリシーベルトを大部分の方が超えています。
4ヶ月で1ミリシーベルトを被ばくした福島市民
 ※(9)を集計
 図―3 原発事故後4ヶ月で1ミリシーベルトを超えた割合

また福島県においては
「原発事故に由来する放射線被ばくが、いつか健康に影響を及ぼすのではないかと心配
している県民、あるいは子孫にその影響が及ぶことを懸念している県民が、依然とし
て少なくない現状」
があるそうです(10)。福島市は被ばく線量も多く、農業も盛んなので外部被ばくしろ内部被ばくにしろ福島県民に心配が現実の物であれば統計上に現れると思い福島市の死者数を原発事故前と比較してみました。以下に福島市の各年1-8月の8ヶ月間の死者数を示します。
原発事故後、死者数が増えた福島市
 ※(1)を集計
 図―4 福島市の各年1-8月の死者数

福島原発事故後に死者数が増えました。
 原発事故前年(2010年1-8月)  1899人
 原発事故後5年目(2015年1-8月)2146人
で約13%増えています。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.01%なので偶然とは考えられません。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。計算方法は(=^・^=)の過去の記事によります。
 表―1偶然に起こる確率の計算結果(福島市)
有意差検定表-福島市の危険率は0.1%-
 参照地域として福島県会津地方を取りました。ここは図―3に示すように原発事故後4ヶ月間で1ミリシーベルト以上の被ばくを方は少なく福島県内では放射能汚染がマシな地域です。会津地方の1-7月の死者数を見福島県の発表(2)を集計すると
 原発事故前年(2010年1-7月)  2,346人
 原発事故後5年目(2015年1-7月)2,480人
で少し増えてはいますが、偶然に起こる確率を計算したら5%を超えているので、統計的な差があるとは言えません。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。

 表―2偶然に起こる確率の計算結果(会津地方)
有意差検定表-会津の危険率は5・4%-
 福島県内でも放射能汚染が酷く果樹栽培が盛んな福島市では死者数は有意に増え、そうでもない会津地方ではそのような事実はない。
 これは明確な事実です。


<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(ブログ図表)を参照ください。
 福島市には原発事故後に葬式が増えた現実があります。だいたい福島は「安全」であり、福島を正しく恐れ避ける行為を「風評被害」と批難しているのは国(13)、福島県(14)、東京電力(15)等で、この方達は福島原発事故前には原発は安全だ、事故など起きないといっていたような気がします。これでは福島の方は心配だと思います。
 図―2に示す様に福島県二本松市は福島県3位の農業生産額を誇っています。上位4市を見ると他の3市は人口30万人規模(2)の東北地方では大きな市です。一方、二本松市は人口は6万人弱です。それでも30万人規模の市と同程度の農業生産額があります。福島県内でも農業が盛んな市です。
 福島県は夏秋キュウリの日本最大の産地です(16)。いまがシーズンです。福島県二本松当たりのキュウリは有機質を主体とした栽培で生産しており、あざやかな色をみずみずしい食感がよいそうです(17)。ナスもシーズンですが二本松のナスは「真っ黒な光沢のある果皮が特徴の夏秋なす「くろべい」。炒め物にぴったりの夏を代表する野菜。」だそうです(18)。ピーマンのシーズンですが、ピーマンは「太陽の光をいっぱいうけて育った、ビタミンが豊富」だそうです(19)。ネギはそろそろシーズン入りですが、「特徴みずみずしさが自慢の長ネギ。太くて柔らかく、生でもおいしく召し上がれます。」とのことです(20)。福島県は野菜を含め福島産は「安全」だと主張しています(121)。でも福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産はありません。
他県産はあっても福島産が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
※(22)を引用
 図―5 福島産が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ

 当然の結果です。(=^・^=)も福島県二本松市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。

―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)推計人口 - 福島市ホームページ
(2)福島県の推計人口(平成27年8月1日現在)を掲載しました。 - 福島県ホームページ
(3)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(4)めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―
(5)福島県市町村民経済計算 報告書 - 福島県ホームページ
(6)くだものづくりがさかんな福島盆地
(7)桃の産地と生産量(収穫量)について~福島の桃・あんぽ柿(干し柿)の産直販売=大武農園
(8)放射線被曝についての公開討論会 - 国立がんセンター
(9)第20回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成27年8月31日)の資料について - 福島県ホームページ
(10)(9)中の「 資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/784KB]」
(11)(9)中の「 県民健康調査における中間とりまとめ(案) [PDFファイル/265KB]」
(12)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(13)福島県産の食品の安全性について -首相官邸ホームページ-
(14)検査体制について | ふくしま 新発売。
(15)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)風評被害対策について(PDF 325KB)
(16)福島県・福島市|なるほど統計学園
(17)キュウリ - JAみちのく安達-食と農を結ぶJAづくり 福島県二本松市・本宮市・大玉村の農業協同組合
(18)なす - JAみちのく安達-食と農を結ぶJAづくり 福島県二本松市・本宮市・大玉村の農業協同組合
(19)ピーマン - JAみちのく安達-食と農を結ぶJAづくり 福島県二本松市・本宮市・大玉村の農業協同組合
(20)ネギ - JAみちのく安達-食と農を結ぶJAづくり 福島県二本松市・本宮市・大玉村の農業協同組合
(21)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(22)店舗・チラシ検索|ベイシア beisia 豊かな暮らしのパートナー
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  1. 2015/09/16(水) 19:42:26|
  2. -
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

いまではこのブログだけ

いつも大変貴重な記事をありがとうございます。
いまでは、このように科学的な根拠を付けた、
放射能の危険性を解析しているのはこのブログだけです。

「みんな普通に暮らしてるだろう?」なんてことを根拠に、
「これくらいの放射能は安全です」なんて冗談を真顔で語っている福島県内の非科学的なおじさん達の多いこと。

これからも科学的な解析をお願いします。
  1. 2015/09/16(水) 20:14:03 |
  2. URL |
  3. ふく #2B3L1McM
  4. [ 編集 ]

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