食品中の放射性物質の検査結果を厚生労働省は発表しています(1)。また、厚労省以外の発表もあります(2)。10月1週中の食品中の放射性セシウムの検査結果が発表になったので(3)、まとめてみました。お買い物のの参考になればいいかなと思います。9月に続き10月もしっかりセシウム汚染食品が販売されていました(4)。
①検査数1,628件中27件の基準値超え(全体の2%)
②平均は、1キログラム当たり7ベクレル、最大450ベクレル(栃木県産チチタケ:流通品)。
③基準超の食品が宮城、福島、群馬、栃木で見つかっています。

※1 牛肉を除く
※2 単位については(5)を参照
※3 栃木県の基準超は全て「流通品」
図―1 食品中の放射性セシウム検査結果のまとめ(2015年10月1週)
色分けは以下の通りです。
赤マーケットから基準値(6)超えの食品が見つかった県
橙出荷制限対象外の地域・品目から基準値超えの食品が見つかった県
黄基準値超えの食品が見つかった県
1.基準超え栃木産が売られている
販売されている栃木県産キノコ3点と、イノシシから基準を超えるセシウムがみつかりました(7)。見つかったのはキノコは9月29日、イノシシは9月30日です。厚生労働省が発表したのは数日後の10月5日です。この間に時間があったので栃木県がなにか対応したと思ったら、基準超えの栃木産が売られている事すらHPに掲載していません(8)。それどころか
「栃木県では、農産物が放射性物質に関し食品衛生法に適合していることを確認しています。安心してお召し上がりください」
なんて告示を10月5日付でだしています(9)。栃木県はなにもしないで、汚染食品の垂れ流しを継続することを決め込んだようです。これではとても「安心」して食べられません。
このような対応は福島も同じです。7月21日に福島産マイタケパウダーから基準値を超える1キログラム当たり102ベクレルのセシウムが見つかりました(10)。福島県のHPを見る限り(2)、出荷制限も出荷自粛も無いようです。市場で基準超えのセシウム汚染食品が売られていても、対策を取らず放置するのが産地の共通した姿勢のようです。
(=^・^=)が驚いたのは栃木産イノシシから基準超えのセシウムが見つかったことです。栃木県那珂川町にイノシシ肉加工施設があります。近隣で捕獲されたイノシシはここに集められ、全頭検査を実施した後に基準値以下の物だけが出荷されます(11)。基準超えのイノシシが売られていたので、この検査をすり抜けたことになります。福島県も米(12)、牛肉(13)、あんぽ柿(14)などで全数検査を行っています。当然ながら「全数検査」しているので「安全」を主張しています(12)(13)(14)。でも栃木のイノシシも全数検査しているのに基準超えが出荷され市場で売られました。今回の件は「全数検査」が安全を担保したいことを示しています。
基準超えのイノシシが出荷されたのに栃木県那珂川町のHPには
「那珂川町は、安全なイノシシ肉をお届けします。」
なんて告示が出ていました(15)。
2.福島いわき産マダコからセシウム、でも福島県の検査は76件全数ND
福島県漁連の発表によると福島県いわき市沖で捕れたマダコから微量ですがセシウムが見つかりました(16)。これで2件目です。一方、福島県の検査では2013年以降に76件の検査をしていますが全数が検出限界未満です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら0.1%で偶然とは考えにくいです。
以下に福島県が検査した福島産スズキと茨城県が検査した茨城産のスズキのセシウム濃度を示します。

※1(1)を集計
※2NDは検出限界未満を示します
※3日付は捕獲日
図―2 スズキのセシウム濃度
どう見ても福島県の検査が低くでます。常識で考えれば汚染源(福島第一)がある福島の方が高くなくてはいけません。
福島県の検査は福島県漁連や茨城県の検査に比べ低く出る検査です。その検査を元に福島産は「安全」とされ出荷されています。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果
※1 計算方法は(17)による。
※2 福島県漁連は県漁連と略す

福島県産マダコの名誉の為に付け加えるなら、見つかったセシウムは1キログラム当たり15ベクレルで、この程度ならセシウムに関しては問題はないと(=^・^=)は思います。
3.桑折町のあんぽ柿のセシウム濃度は「過去最高」
あんぽ柿は渋柿を硫黄で燻蒸して乾燥させる独特の製法で作られ、半分生のようなジューシーな感触で、羊羹のように柔らかいのが特徴だそうです(18)。福島県桑折町は福島県の北の外れにある町です。

※1(19)の数値データを元に(20)に示す手法で10月1日時点に換算
※2 避難区域は(21)による
図―3 福島県桑折町と川俣町
図に示すように大部分は国が除染が必要とする毎時0.23ミリシーベルト(22)を超えています。桑折町の特産品の一つにあんぽ柿があります(23)。以下に桑折町産あんぽ柿のセシウム濃度を示します。

※(1)を集計
図-4 福島県桑折町産あんぽ柿のセシウム濃度
今年の検査結果は10月5日発表されましたが(3)、セシウム濃度の最大値は1キログラム当たりで240ベクレルで過去最高でした。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
・他県では破綻した全数検査で安全とされる福島産
・他所より低くでる検査で安全とされる福島産
・セシウム濃度が上昇する事もある福島産
これでは福島の方は心配だと思います。まして、福島では女の赤ちゃんが男の子より多くたり(24)、県北地方を中心に死者(葬式)が増えたりしています(25)。
いまだ避難区域になっている福島県川俣町山木屋では稲刈りが行われたそうです。収穫された米は東京方面に出荷されるそうです(26)。福島の方はは食べたくないようです。

※(27)をキャプチャー
図―5 「都内の人に販売」すると話す生産者
福島は新米の季節です。福島県会津地方は盆地を中心に稲作が盛んで、コシヒカリ等が栽培されていて日本有数の穀倉地帯だそうです(28)。会津地方の中心都市会津若松市(29)の福島県産米全袋検査数は約10万件となり(30)、福島県会津地方も新米のシーズンです。福島県は福島産米は美味しくて安全だと主張しています(31)。でも福島県会津若松市のスーパーのチラシには福島産米はありません。

※(32)を引用
図―6 福島産米が無い福島県会津若松市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県会津若松市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
報道発表資料 |厚生労働省(2)
モニタリング検査結果【詳細】 - 福島県ホームページ(3)
食品中の放射性物質の検査結果について(第950報) |報道発表資料|厚生労働省(4)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(9月)―福島いわき産マダコからセシウム、でも福島県の検査は74件全数ND―(5)
めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト(6)
食品中の放射性物質への対応|厚生労働省(7)(3)中の「3 国立医薬品食品衛生研究所の検査結果⇒検査結果(PDF:42KB) 」のNo17、18、19.37
(8)
栃木県/放射能に関する農林水産物の安全性確認状況(9)(8)中の「栃木の農業を応援してください!(食品衛生法に適合していることを確認している農産物)(PDF:161KB) 」
(10)
めげ猫「タマ」の日記 食品中の放射性セシウム検査のまとめ(7月3週)―危険な汚染食品を垂れ流す福島県―(11)
栃木県/那珂川町イノシシ肉加工施設のイノシシ肉の放射性物質検査結果について(12)
全量全袋検査の検査結果 - 福島県ホームページ(13)
福島牛販売促進協議会(14)
農林水産省/東日本大震災 被災地の復旧・復興に向けて(15)
那珂川町のイノシシ肉『八溝ししまる』について|農業行政|那珂川町(16)
福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです中の「漁協によるスクリーニング検査結果 ⇒いわき地区 」
(17)
めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について(18)
あんぽ柿 - Wikipedia(19)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(20)
めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―(21)
区域見直し等について - 福島県ホームページ(22)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(23)
14 桑折町(24)
めげ猫「タマ」の日記 3ヶ月連続で女の子が多く生まれる福島県(25)
めげ猫「タマ」の日記 福島県県北地域の死者数は8%増、会津は別(対2010年3-8月)(26)
山木屋米販売へ収穫 原発事故後初 環境相ら作業 | 県内ニュース | 福島民報(27)
スイッチ20151005 TUFchannel (28)
会津 - Wikipedia(29)
会津若松市 - Wikipedia(30)
ふくしまの恵み安全対策協議会 放射性物質検査情報を10月5日に閲覧
(31)
「おいしい ふくしま いただきます!」キャンペーン - 福島県ホームページ(32)
ヨークベニマル/お店ガイド
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- 2015/10/06(火) 19:53:21|
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