福島県のホームページをみたら、西洋ナシについて「放射性物質を測定し、基準値(100Bq/kg)を下回っていることを確認しました。」と広報していました(2)。事実上の「安全」宣言です。本当に検査されているか心配で、福島県が運営するサイトで検査結果を検索したら、主産地で福島県内でも汚染が酷い福島市や伊達市の検査結果がありません(3)。福島県はセシウム汚染が酷い主産地の検査をしないまま安全宣言をだしました。でもこれは西洋ナシに限ったことではありません。今年(2015年)も、サクランボ(4)、モモ(5)、リンゴ(6)と次々にセシウム汚染の酷い主産地を検査せずに「安全宣言」を出しています。
福島県は果樹王国ともいわれます(7)。ただし、福島産果物が福島県全域で広く栽培されているわけではありません。概ね福島市、伊達市、桑折町、国見町から構成される福島盆地(8)に集中しています(9)。
10月に入りあと少しで「西洋ナシ」のシーズンです(10)。福島県は西洋ナシについて
「放射性物質を測定し、基準値(100Bq/kg)を下回っていることを確認しました。」と広報していました(2)。事実上の「安全」宣言です。

図―1 「西洋ナシ」の安全宣言を出す福島県
以下に福島県内の西洋ナシの生産量を示します。

※1 (10)を元に作成
※2 2005年
図―2 「洋ナシ」の福島県内出荷量
福島県の「洋ナシ」は福島市・伊達市等で多く生産されています。以下に検査状況を示します。

※1(12)の数値データを元に(13)に示す手法で10月1日時点に換算
※2 検査数は(3)により、ナシマーク一つが1件の検査
図―3 福島県の西洋ナシの検査状況
図に示す通り西洋ナシの主産地の福島市や伊達市は、原発事故から4年7ヶ月を経ても国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(14)を広い範囲で超えています。そして「西洋ナシ」の検査はされていません。検査は福島県内ではセシウム汚染がマシな福島県西部(会津地方)が中心です。福島県はセシウム汚染が酷い主産地を検査せず、代わりに福島県内では比較的汚染が少ない西部を重点的に検査して「安全宣言」をだしています。
でもこれは西洋ナシに限ったことではありません。今年(2015年)も、サクランボ(4)、モモ(5)、リンゴ(6)と次々にセシウム汚染の酷い主産地を検査せずに「安全宣言」を出しています。福島では汚染が酷い産地を避けた検査で「安全宣言」を出すことが常態化しています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら(
ブログ図表)を参照ください。
セシウム汚染が酷い主産地を避けた検査で「安全」とされる福島産では福島の方は不安だと思います。
福島県のローカルTV局のTUFが福島産ドライフルーツについて報道していました。女性アナウンサーが試食したのですが、食べたのは福島ではまず取れないデコポン(15)のドライフルーツでした。

※(16)をキャプチャー
図―4 福島ではまず取れないデコポンのドライフルーツを試食するアナウンサー
当然の結果です。(=^・^=)も福島のアナウンサーを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)
安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ(2)(1)中の「くだもの編」
(3)
農林水産物モニタリング情報 - ふくしま新発売。にて「果物⇒西洋ナシ」で10月8日検索
(4)
めげ猫「タマ」の日記 福島市でサクランボの収穫はじまる―でも検査されていません!(5)
めげ猫「タマ」の日記 福島県はモモの「安全宣言」―最大産地は検査されていません―(6)
めげ猫「タマ」の日記 福島県はリンゴの「安全宣言」―でも最大産地を検査してません―(7)
果樹王国 - Wikipedia(8)
福島盆地 - Wikipedia(9)
[PDF]くだものづくりがさかんな福島盆地(10)
フルーツを食す - 福島市ホームページ(11)
統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103(12)
航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成26年9月1日~11月7日測定) 平成27年02月13日 (CSV)」
(13)
めげ猫「タマ」の日記 福島避難区域再編3年目―放射線量はこれからどうなる―(14)
国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について(15)
シラヌヒ - Wikipedia(16)
スイッチ20151007 TUFchannel
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- 2015/10/08(木) 19:41:17|
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